イチゴ(苺/いちご)の育て方・栽培方法

イチゴの育て方・栽培方法

1.イチゴ栽培の特徴と時期


イチゴの育て方手順に沿って、畑やプランターでイチゴを栽培してみましょう!
イチゴは家庭菜園初心者でも栽培できますので、オススメの果実です。

イチゴ(苺/いちご)の栽培データ
■イチゴの栽培難易度:★★★☆☆

■分類:バラ科オランダイチゴ属
■原産地:南北アメリカ大陸
■イチゴの旬:5~6月
■栽培時期:秋植え
■苗の植え付け:9~10月
■収穫時期:翌年5~6月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:5.5~6.0
■発芽適温:20℃前後
■生育適温:17~20℃

■イチゴの苗や種が買えるお店
イチゴの苗を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

イチゴは、年1回栽培することができる果実で、イチゴの旬は5~6月です。
イチゴは、バラ科の多年草で、南北アメリカ大陸が原産とされています。日本には、江戸時代にオランダ人によって長崎に伝わり、オランダイチゴとも呼ばれていました。
イチゴは、ビタミンCがとても豊富で、1日に10粒ほど食べるだけで1日に必要なビタミンCが摂取できるといわれています。
イチゴは、家庭菜園で栽培すると、みずみずしい採れたての味を楽しむことができるため、人気の高い果実です。

イチゴには、ビタミンC、カルシウム、カリウム、食物繊維、葉酸などが多く含まれています。ビタミンCは、免疫力を高めて風邪の予防や老化防止に効果があるといわれています。また、食物繊維のペクチンにはコレステロールの吸収抑制、葉酸には貧血予防の効果があるとされています。

イチゴの品種には、『とちおとめ』『あまおう』『紅ほっぺ』『さちのか』『やよいひめ』『ゆめのか』『アイベリー』『さがほのか』『宝交早生』『章姫』など、色々な品種があります。

イチゴ栽培

イチゴを初めて栽培する場合は、秋に苗を購入して畑やプランターに植え付けます。植え付けは、9月下旬~10月下旬に行います。収穫時期は、5月上旬~6月下旬になります。

植物には、生育に適した土壌の酸度があり、これを好適土壌pHといいます。イチゴの好適土壌pHは、5.5~6.0です。

イチゴには連作障害が起こりますので、一度栽培した畑では、2~3年の期間を空けるようにします。毎年、同じ場所で同じ科目の作物を栽培すると、収穫量が減少してしまう連作障害を起こします。科目が同じ作物は肥料成分も似ているため、必要な肥料成分が不足してしまいます。また、特定の害虫が寄生して収穫量を減少させます。連作障害を防ぐために、同じ科目の作物を栽培する場合は、期間を空けてから育てるようにします。プランター栽培の場合は、野菜用培養土を購入して使用すると良いでしょう。

畑栽培ではスペースの関係上、毎年違う場所で育てるのは難しいということもあります。その場合は、症状を軽減させる対策が必要です。土の入れ替えが難しい畑では、土壌消毒を行うこともあります。消毒の方法は、太陽熱消毒や土壌消毒剤を使用する方法があります。太陽熱消毒は、土に水分を与えてからビニールなどで覆い、日光に当てて土壌の温度を上げることによって害虫を死滅させる方法です。

害虫は、60℃程度で死滅するとされているため、この温度まで上昇させることが大切です。地域によっては気候の関係で、この温度まで上昇させるのは難しいこともあります。そのような場合は、土壌消毒剤の使用も検討します。なお、これらの方法は軽減策であるため、完全に連作障害を防止する方法ではありません。

イチゴの生育には生殖生長と栄養生長があり、冬の低温に十分当てなかったり、肥料が多すぎたりすると生殖成長をせずに育ってしまいます。生殖成長をしないと花が咲かないため、実の収穫ができなくなってしまいます。そのため、適切な肥料の量を与えることや冬場の低温に当てることが大切です。

実の収穫には、自然の風やミツバチによる受粉が必要になります。しかし、栽培場所によってはこのような受粉を望めないこともあるでしょう。そのような時は刷毛などを使用して人工授粉を行い、実を結実させることが必要です。

2.イチゴの栽培基本(畑・プランター)

肥料

イチゴの栽培は、秋に苗を購入して植え付けをしますので、苗選びが重要です。健康な良い状態の苗を選ぶことが、果実の収穫率を高くするポイントです。健康な苗の特徴は、3枚の小葉の形が揃っていることや、葉の緑が濃く綺麗な状態であること、株元のクラウン(葉の付け根にある王冠のような形をしている部分)が太くて葉が間延びしていない、根がしっかり張っていることなどです。

葉の色が悪いと病気にかかっている可能性があります。また、クラウンは葉の成長ポイントであるため、この部分がしっかりとしているものは健康な苗である証拠です。以上のようなポイントから良いものを選ぶようにします。

苗選びも大切ですが、植え付け前の土作りもイチゴ栽培の大切な作業です。イチゴの根は肥料に弱く、肥やけを起こしやすい特徴があるため、土作りは植え付けの1週間前までには終わらせておきます。
植え付け前に与える肥料を元肥といいますが、肥やけを防止するために、元肥に使用するものは、ゆっくりと効果の出る緩効性タイプを選びます。

植物の生育に必要な養分の3要素に、窒素・リン酸・カリウムがありますが、イチゴを栽培する時は窒素成分が少なく、リン酸の多いものを選びます。元肥を与える際は、スコップなどで20cm以上深く耕して、根を張りやすいようにすることが大切です。

プランターで育てる場合には、野菜用培養土を使用するほうが良いでしょう。元肥に近いものが配合されているものや、イチゴ栽培専用の培養土もあるため、使いやすいものを選びます。

畑で栽培する場合は、高さ30cm程度の高畝にすると水はけが良くなります。平らな状態でも良いですが、その場合はマルチを使用するなどして、イチゴの実が地面につかないようにしたり、畑の周囲に溝を作って排水を促すようにします。

植え付けを行う時のポイントは、浅植えにすることです。クラウンに土が被ってしまうと生長を阻害してしまうので注意が必要です。植え付けをする際は、株間を25~30cm程度とります。
また、イチゴの実のなる方向が、畝やプランターの外側に向くように植えます。実のなる方向は、古いランナーの位置を見ると分かります。ランナーとは、親株の元から伸びてきた蔓状の茎のことをいいます。親株から伸びてきたランナーが地面に着地すると、そこに根を張り、子株ができます。新しいランナーは、花の咲く方向に延びる性質があります。古いランナーが生えていた方には、花が咲きません。そのため、古いランナーを内側に向けることで、花が咲く方向を外側にそろえることができます。

イチゴは浅植えにするため、乾燥しやすい環境で育てることになります。植え付けを終えてから1週間程度は、株元が乾かないようにこまめな水やりが必要です。1週間程度で活着できますが、その後も乾燥しないように気を付けます。また、冬は休眠状態になるため、水分の吸収が緩やかになります。冬の期間中も乾燥に注意は必要ですが、水やりを加減しないと与えすぎになります。葉の状態などを見て水やりの回数を加減するようにします。

3.イチゴの栽培手入れ

水やり

イチゴの栽培中に必要な手入れは、ランナーの摘芯です。植え付け後に伸びてきたランナーは、気が付いた時点で早めに摘み取っておきましょう。ランナーから子株を育てて苗を作ることもできますが、実を取るまでは株に十分な養分を回すために早めに摘んでしまうと良いです。子株から苗を作りたいと考えている場合は、実の収穫を終えた6月頃に行っても遅くはありません。こうすることで、ランナーに養分を奪われることなく、実の収穫をするための株に養分が集中します。

また、古くなった下の方の葉も摘み取るようにします。ランナーと同様に葉が多すぎると、栄養分が分散してしまい、結実に必要な養分が不足してしまいます。葉を摘み取る場合は、5枚~8枚程度にしておくのが理想的な状態です。

イチゴは寒さに強いため、越冬しやすい作物ですが、冬場の手入れはポイントがいくつかあります。まず、3月頃までに開花してしまった花は、摘み取ってしまいます。

品種によっては、12月頃に開花を始めるイチゴもあります。しかし、この頃開花するのは、ビニールハウス栽培で結実させるのが目的です。畑栽培では、12月頃に開花しても結実させるのは難しく、結実したとしても大きな実の収穫は期待できません。養分を余分に使ってしまうだけですので、摘み取ってしまいます。畑栽培では、3月頃から花を残すようにします。

12月下旬~2月末までは、イチゴの株元周辺の保温が必要です。保温は、敷きワラ、寒冷紗、その他通気性のある保温資材を直接株の上にかけて行います。

2月下旬頃になるとイチゴの休眠状態が終わり、生育が始まるため、追肥が必要になります。肥料は、化成肥料やイチゴ専用の肥料が販売されているため、それらを使用します。1株あたり5g程度が目安です。追肥を行う際は、根の肥やけを防ぐために、株元から少し離れた場所にパラパラと撒いて土に混ぜ込むようにします。

春になって気温が上がってくると、イチゴは開花を始めます。開花が始まったばかりの頃は、寒暖差の激しい時期でもあります。イチゴ自体は寒さに強いので問題はないのですが、めしべだけは寒さに弱いため、開花をしている場合は注意が必要です。寒くなることが予想できる場合は、株に保温素材を被せるなどして対処するようにします。

また、春になると雨も多くなりますが、イチゴの花や実は水気に弱いのが特徴です。雨が続くと、開花しても受粉がうまくいかなかったり、果実が腐ってしまったりします。雨による被害を防ぐには、透明なビニールで雨避けを作ると良いでしょう。雨避けを作る際には、株との空間や地面付近は充分に開けておくことが大切です。この空間を作ることで通気性を保つことができます。

イチゴは、花が咲いて受粉することで結実しますが、受粉は自然の風やミツバチなどの訪問昆虫によって受粉することになります。しかし、プランターなどを使用してベランダで栽培している時は、自然受粉は期待できないこともあります。そのような場所で育てている場合には、人工授粉をするようにします。
人工授粉をするタイミングは、開花から3~4日後が目安です。毛先の柔らかい毛筆用の筆などを使用して、花の中心付近を軽く撫でます。人工授粉専用の刷毛なども売っているため、これを使用しても良いでしょう。授粉が成功すれば、開花から30日程度で収穫することができます。

4.イチゴの収穫時期について

いちご

イチゴは、5月上旬から収穫ができるようになります。実によって結実のタイミングなどが異なるため、熟しすぎないうちに収穫します。収穫の際に、果実を傷つけてしまうことがあります。収穫する際は、ヘタの近くをハサミで切り取るようにしてください。また、少しでも赤く色づいてくると鳥などの被害に遭う可能性があるため、実が付き始めたら防鳥ネットなどを使用して対策を取るようにしましょう。

6月下旬頃からは、翌年以降の栽培に向けて子株を育て、苗を作るのもおすすめです。子株から苗を作る場合、収穫を終えた株から出ている生育の良い太いランナーを残します。しばらくすると、ランナーから子株ができます。
子株はランナーから切り離さず、土を入れたポリポットなどにおいて固定します。固定すると子株から根が出てきて土に根を張るので、しっかりと根づいたら親株側のランナーを2~3cm残して切り離します。親株が病気にかかってしまっている場合、親株から見て一番目の子株は、その病気を受け継いでいる可能性があります。このため、苗として利用するのは、2番目以降の生育の良い子株を利用します。

収穫までの間には、生理障害による生育不良を起こすことがあります。原因は養分が適切に与えられなかったり、温度が適切な状態でなかったりすることです。
イチゴに起きやすい生理障害は、水やりのしすぎによる根腐れです。イチゴは乾燥に弱い作物ですが、水をやりすぎるのも良くありません。土が湿っているのに更に水やりをするなどの過剰な水やりは控えます。
また、水はけが悪いことも生理障害を起こす原因の一つです。水はけが悪いと養分も畑にとどまるため、養分が過剰な状態になってしまいます。そのような場合、肥料に弱いイチゴの根にダメージを与え、生育を阻害することになりかねません。育てる前に水はけの状態を確認してから、栽培を始めるようにします。肥やけを起こしやすいイチゴは、肥料の与えすぎも生理障害を起こす原因となります。追肥をするタイミングで葉の色や大きさをみて、養分不足を起こしていないようであれば追肥は不要です。

窒素やカリウムを過剰に与えてしまうと、葉の状態の異常「チップバーン」が起きる可能性があります。「チップバーン」とは、新芽が開く前から奇形で生育することや、葉の先端部が枯れるなどの症状です。
また、養分を過剰に与えること以外にも、カルシウムが不足した場合も同様の症状が出ます。肥料の与え過ぎに注意し、葉の状態が弱っているようであれば、水やりをして様子を見てみましょう。以上のように、養分の過不足は葉の生育不良を起こし、結実までの生育を困難にすることがあります。

葉の生理障害以外にも果実に起こる症状もあり、着色不良の果実や形の変形した果実となってしまうのが主な症状です。果実の生理障害の原因は、養分の過不足以外にも気温が大きく影響することもあります。気温については、夜の低温や日中の高温が影響します。夜は5℃以下にならないように保温対策を取り、日中は30℃を超えないように、雨避けのビニールやハウス栽培を行っている場合には換気を良くします。

5.イチゴに発生しやすい病気と害虫

イチゴ栽培

イチゴの栽培において発生しやすい病気は、イチゴ萎凋病やうどんこ病などです。害虫は、ハダニやアブラムシ、ハスモンヨトウ、イチゴハムシ、ナメクジ、ネグサレセンチュウの発生に注意してください。

イチゴ萎凋病の発病した時の初期症状は、外葉の葉柄に紫褐色の条斑が出ることです。病気が進行すると葉の一部や全体が茶褐色になりしおれ、最終的には小葉がしおれて枯れます。その頃には外葉全体が青枯症状となって枯れてしまいます。
この病気は、土壌を介して伝染する病気です。年間を通して発生の危険性がありますが、一番感染が多いとされているのは3月~5月頃です。対策としては、土壌の菌が原因となるため、栽培を始める時に汚染されていない新しい土を利用するか、土壌の消毒が良いでしょう。しかし、畑の場合は全ての土を入れ替えるのは大変な作業です。そのような場合、太陽の熱を利用した消毒や土壌消毒剤を利用した消毒方法で対策しましょう。プランター栽培であれば、毎年新しい培養土に入れ替えることをおすすめします。

ハダニによる被害は、葉に小さな白点が現れ、被害が拡大すると葉全体を弱らせます。ハダニが大量に発生すると、葉の上はクモの糸を張ったようになるため、一目で被害の発生がわかります。被害が大きくなってからでは対策が困難であるため、早期発見や早期対策が重要となります。
ハダニの発生原因は、苗についていたハダニの増殖です。寄生していることが多いのは下葉であるため、苗がしっかりと根付いたら下葉を除去してしまうと良いでしょう。発見した際はすぐに殺虫剤などで除去してください。

アブラムシは、葉の裏側に寄生し植物の汁を吸って弱らせる害虫です。アブラムシの発生により生育が衰え、ランナーの伸長が止まってしまいます。数が少ないうちは、ガムテープで取るなど手作業での除去もできますが、株の数が多かったり、大量に発生してしまった場合は、殺虫剤を散布して対策します。

ハスモンヨトウは葉を食害する害虫で、被害が大きくなると残らず食べられてしまい、葉の柄だけ残るような状態になります。幼虫の時点では薬剤が有効ですが、大きくなると薬剤が効きにくくなります。こまめに観察して早期発見、早期対策を心がけてください。

イチゴハムシは、春から初夏、秋に活動し葉を食害する害虫で、不規則な穴が開くのが被害の特徴です。被害がひどくなると芯まで食べられてしまい、生育に悪影響を及ぼします。冬は成虫となり、イチゴの枯葉や敷きワラの下などで越冬します。気温が7℃~8℃になると活動を再開し食害をします。成虫はこの時に葉の裏に卵も産みつけます。食害されているのを見つけたら直ちに薬剤を散布すると良いでしょう。イチゴハムシ専用の薬剤はないため、アブラムシ対策も兼ねてアブラムシ用の薬剤を使用できます。

ナメクジは果実を食害する害虫です。ナメクジ専用の殺虫剤を使用したり、数が少ないのであれば割りばしで取るなどして対策をしましょう。また、インスタントコーヒーをまくと、ナメクジはコーヒーを嫌うため効果があるとされています。

ネグサレセンチュウは根を腐らせ、葉も枯れさせてしまうため、生育を非常に悪くします。ランナーにも寄生するため、生育全体に悪影響を与えるので注意してください。対策は、専用の薬剤を植え付け前に土壌に混ぜると効果があります。





イチゴの育て方・栽培方法