ニンニク(にんにく)の育て方・栽培方法

ニンニク(にんにく)の育て方・栽培方法

1.ニンニクの特徴と栽培時期


ニンニクの育て方手順に沿って、畑やプランターでニンニクを栽培してみましょう!
ニンニクは、比較的簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

ニンニク(にんにく)の栽培データ
■ニンニクの栽培難易度:簡単
■分類: ユリ科ネギ属
■原産地:中央アジア
■主な旬: 5月~6月
■栽培時期:秋植え
秋植え栽培:植え付け9月~10月、収穫5月~6月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:18~20℃
■生育適温:18~20℃

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ニンニクの特徴

ニンニクの原産地は中央アジアで、古代エジプト、ギリシア時代から強壮薬として利用されていたと言われています。
日本には中国から伝わり、肉料理や中国料理の普及に伴って需要も高まり、青森県が主産地として知られています。

ニンニクには健康に良い成分が多く含まれていて、ニンニクの芽や茎は緑黄色野菜に分類されています。また、ニンニク特有のにおい成分は「アリシン」という物質で、疲労回復や免疫力の向上効果などがあるとされています。

ニンニクの品種は、寒地系(東北地方以北)と暖地系(関東地方以西)の2種類があります。
地域に合った品種を選び、秋に種球(球根)を植え付けると翌年の5月~6月に収穫することができます。
ニンニクは病害虫にも強く、ほとんど手がかからないのでプランター栽培もできます。

ニンニクの栄養素

ニンニクには、ビタミンB1、ビタミンB6、カリウム、リン、葉酸などが多く含まれています。
ビタミンB1は糖質の代謝に必要な栄養素で疲労回復効果があり、ビタミンB6は皮膚や粘膜を丈夫にします。カリウムは高血圧の予防効果、リンは健康な歯や骨をつくり、葉酸は貧血予防に効果があります。

ニンニクの主な品種

ニンニクの品種は、寒地系(東北地方以北)と暖地系(関東地方以西)の2種類があります。
寒地系:『ホワイト六片』『福地ホワイト六片』『ニューホワイト六片』など。
暖地系:『平戸』『上海早生』『山東ニンニク』『島ニンニク』『紫ニンニク』『紫々丸』など。

ニンニクの育て方

ニンニクの栽培ポイント

・日当たり、水はけ、風通しのよい場所で栽培する。
・栽培地域の気候に合った品種を選ぶ。
・種球はウイルス病に感染していない健全なものを選ぶ。
・花径が伸びてきたら、早めに摘み取る。

ニンニクの栽培時期

栽培時期は、品種や地域によって異なりますので、園芸店やホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
秋植え栽培:植え付け9月上旬~10月下旬、収穫5月中旬~6月下旬

ニンニクの連作障害

ニンニクは連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出てニンニクの生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

ニンニクの好適土壌pH

ニンニクの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.ニンニクの栽培方法(畑・プランター)

肥料

ニンニクの栽培は、種球を1片ずつに分けた「鱗片」を植え付けます。
鱗片の状態で販売されているものは、そのまま植え付けることができます。
ニンニクの植え付け適期は、9月上旬~10月下旬です。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作って栽培します。

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間以上前に苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕し、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。
ニンニクは栽培期間が長いので、黒マルチ栽培がおすすめです。植え付け前に黒いポリマルチを張っておくと、冬の地温を高めて雑草防止にもなります。

植え付け

植え付けの際は、病斑のない大きめの鱗片を選び、薄皮を残したまま植え付けます。
株間は15~20㎝にし、鱗片の尖った側(芽の出る部分)を上に向けて1片ずつ土に差し込みます。
周りの土を寄せて土を2~3㎝被せて手のひらで軽く押さえ、たっぷりと水やりをします。

プランター栽培の場合

プランターは65㎝標準タイプ(深さ20㎝以上)や10号鉢(直径30㎝)を用意します。

用土

ニンニクは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、野菜用培養土を7分目ほど入れます。

植え付け

病斑のない大きめの鱗片を選び、薄皮を残したまま植え付けます。
株間は10~15㎝程度にし、鱗片の尖った側(芽の出る部分)を上に向けて1片ずつ土に差し込みます。鱗片の上に培養土を5㎝ほど足して、たっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、発芽するまでは半日陰で土が乾かないように管理します。

3.ニンニクの栽培手入れ

ニンニクの収穫時期

収穫までの主な作業は、水やり、追肥、芽かき、花芽摘みなどです。

水やり

畑栽培は、植え付け後は自然の降雨で足ります。1週間ほど雨が降らない日が続き、土が乾燥していれば水やりをします。
プランター栽培は、土の表面が乾いたらたっぷり水をあげます。
土が乾く前に水やりすると過湿になり、根が腐って枯れてしまうので注意します。
冬場の水やりは、土の表面が乾いてから2~3日後に気温の高い日中に与えるようにします。

追肥

ニンニクは、球根の肥大を促すために、植え付け後の10月上旬頃と、翌年の3月上旬頃に1回ずつ追肥をします。
畑栽培は、化成肥料30g/㎡を葉の広がりに合わせてまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせて株元に寄せ、手のひらで軽く押さえます。
プランター栽培は、化成肥料10g程度を全体にまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。土が減っていたら新しい培養土を足し、肥料と土を軽く混ぜ合わせます。

芽かき・花芽摘み

ニンニクは、草丈が10~15㎝ほどになると1か所から2本以上の芽が伸びてくることがあります。そのまま残すと球の生育を阻害するので、芽かきをして1本にします。生育の良い芽を残して、育ちの悪い芽は引き抜くか根元からハサミで切り取ります。
また、春になると花径(花が咲く茎)が伸びてきます。これをトウ立ちと言います。トウ立ちすると球の肥大が遅れるので、早めに手で折って花径を摘み取ります。摘み取った茎は「ニンニクの芽」として、炒め物などに利用できます。

4.ニンニクの収穫時期

ニンニクの収穫

ニンニクは、収穫5月中旬~6月下旬に収穫することができます。
地上部の茎葉が黄色くなり、葉先から半分以上枯れてきたら収穫の適期です。
収穫時期が遅れて梅雨の時期に入ると球が腐ってしまいます。また、土が湿っている時に収穫すると雑菌が入って貯蔵中に腐ってしまうので、晴天が続いて土がよく乾燥した日を選び、午前中に収穫するようにします。

収穫の際は、地上部の根元をつかんで一気に引き抜きます。
収穫したニンニクは腐りやすいので、すぐに根を切り取り、風通しの良い場所に2~3日置いて乾燥させます。
長期保存する場合は、先端を切り取り、数株ずつ束ねて雨の当たらない風通しの良い軒下などに吊るして管理します。

5.ニンニクに発生しやすい病気

ニンニクの写真

ニンニクに多い病気には、さび病や葉枯病などが挙げられます。多湿によるものが主な原因で、水のあげすぎや水はけに注意します。

さび病
さび病は、カビが原因の病気で、ニンニクの葉の表面にオレンジ色の病斑ができ、悪化すると黒くなり、やがて枯れてしまいます。
空気感染と水による感染によって発症し、胞子が飛び散ると被害が拡大します。
株が弱くなると発病しやすいため、水はけと風通しを良くし、多肥や肥料不足、連作に注意します。発症した葉は切り取って撤去処分します。

葉枯病
葉枯病はカビによる病気で、ニンニクの葉に白く細長い病斑が発生します。症状が進むと黒いすす状のカビが生えて葉が枯れてしまい、球の肥大が悪くなります。
湿度が高く、降雨が続くようなときに発生しやすいので、多湿環境に注意し、水はけや風通しを良くします。
早期発見に心掛けて、初期の頃であれば症状の出ている葉を取り除きます。

6.ニンニクに発生しやすい害虫

アブラムシ
アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、ニンニクの茎や葉に集団で寄生し、口針を刺しこんで植物の汁を吸収します。モザイク病やウイルス病に感染した植物を吸汁した際に体内にウイルスを取り込み、健康な植物にウイルスを媒介します。窒素肥料のやりすぎに注意します。被害を最小限に食い止めるためには、早めに薬剤で対処することも大切です。

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