オクラ(おくら)の育て方・栽培方法

オクラの育て方・栽培方法

1.オクラ栽培の特徴と時期


オクラの育て方手順に沿って、畑やプランターでオクラを栽培してみましょう!
オクラは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

オクラ(おくら)の栽培データ
■オクラの栽培難易度:簡単
■分類:アオイ科トロロアオイ属
■原産地:アフリカ
■主な旬:7月~10月
■栽培時期:春まき・春植え
 種まき時期:4月~5月、植え付け時期:5月~6月、収穫時期:7月~10月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:20~30℃

オクラの種や苗が買えるお店
オクラの種や苗を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
病気に強いオクラ、極早生のオクラなど色々な品種のオクラを購入することができます。

オクラの特徴

オクラ栽培

オクラは、アフリカ原産の高温性野菜で、暑さに強く真夏でもよく育ちます。
主な生産地は、全国の約4割を占める鹿児島県で、次いで高知県、沖縄県となっています。

オクラは、ハイビスカスに似た黄色い大きな花を咲かせるので鑑賞価値もあります。サヤは、断面が五角形のものが一般的で、丸形や八角形の品種もあります。色でよく見られるのは緑色ですが、赤紫色や黄色などもあります。

オクラは、和え物、天ぷら、サラダなど、和風から洋風までさまざまな料理に使いやすい食材です。
オクラには、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれています。オクラのネバネバ成分には、整腸作用やコレステロールを排出する作用があり、生活習慣病の予防・改善に役立つとされています。

オクラは、種をまいて育てることができますが、寒さに弱く10℃以下になると生育が止まります。
栽培初心者の場合は、市販のポット苗を購入して5月に植え付けるのがおすすめです。
オクラは、開花してから5日ほどで美味しいサヤを収穫することができます。

オクラの栄養素

オクラは健康に良い緑黄色野菜で、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンC、葉酸、カリウム、食物繊維などが豊富に含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや生活習慣病の予防効果があり、目や粘膜の健康を保ちます。ビタミンCは風邪の予防や疲労回復、カリウムは高血圧の予防効果があるとされています。

オクラの主な品種

オクラには多くの品種がありますが、育て方はほとんど同じです。
①五角オクラ:『グリーンスター』『グリーンソード』『アーリーファイブ』『ベターファイブ』『ピークファイブ』『ブルースカイ』など。
②丸オクラ:『まるみちゃん』『みどり丸ノ助』など。
③赤オクラ:『ベニー』『島の恋』『レッドサン』など。

オクラの栽培ポイント

・連作障害に弱いため、同じ場所では2~3年の期間を空ける。
・苗の植え付けは、遅霜の心配がなくなってから行う。
・栽培期間が長いので、肥料切れと水切れに注意する。
・収穫後に下葉をかき取り、実つきと風通しをよくする。

オクラの栽培時期

種まき時期:4月中旬~5月中旬、植え付け時期:5月上旬~6月上旬、収穫時期:7月上旬~10月上旬
オクラは寒さには弱く、低温が続くとうまく育たないので、種まきや植え付けは気温が十分に上がってから行うようにします。

オクラの連作障害

オクラは、連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出て生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

オクラの好適土壌pH

オクラの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.オクラの栽培方法(畑・プランター)

肥料

オクラは、種の発芽温度が高いので、市販の苗を利用すると栽培が簡単です。
ポット苗は、4月下旬頃に販売されます。本葉3~4枚で葉に艶があり、茎が太く節間が詰まっているものを選ぶようにします。
通常の苗は1ポット2~3本立てですが、株分けしないでそのまま植え付けます。

畑栽培の場合

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間以上前に苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を全面にまいてよく耕し、畝をつくります。畝幅は60㎝、高さ10~15㎝にします。

種まき

オクラは、発芽適温が25~30℃と高く、気温が低いと発芽不良の原因となるので、ポットに種をまいてビニールをかけて温度管理をします。
ポットまきは、3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で1㎝ほどの窪みを3~4箇所作り、1粒ずつ種をまきます。土を被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、乾燥させないように水やりをします。
発芽したら本葉2枚の頃までに生育の弱いものや形の悪いものをハサミで切り取って2本にし、本葉3~4枚の頃に1本にします。
本葉4~6枚になったら、畑に植え付けます。

植え付け

苗の植え付け時期は、5月上旬~6月上旬頃になります。
苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土と同じ高さになるように植え付けます。株間は、30㎝程度にします。植え付け後は、株元を軽く押さえて土と密着させ、たっぷりと水をあげます。

プランター栽培の場合

プランターは65㎝標準サイズで2~3株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。

用土

オクラは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、上部から3㎝下のところまで培養土を入れます。

種まき

種まきから始める場合は、育苗ポットに種をまきます。
3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で1㎝ほどの窪みを3~4箇所作り、1粒ずつ種をまきます。まわりの土を被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、乾燥させないように水やりをします。
発芽したら本葉2枚の頃までに生育の弱いものや形の悪いものをハサミで切り取って2本にし、本葉3~4枚の頃に1本にします。
本葉4~6枚になったら、プランターや鉢に植え付けます。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が用土と同じ高さになるように植え付けます。株間は、20㎝程度にします。植え付け後は、株元を軽く押さえて土と密着させ、たっぷりと水をあげます。
苗が根付くまで1週間ほどかかるので、この間に水切れにならないように注意します。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.オクラの栽培手入れ

水やり

オクラの収穫までの主な作業は、水やりと追肥です。

オクラの水やり

畑栽培は、苗を植え付けてから根付くまでの約1週間は、土が乾燥しないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。雨が何日も降らないようであれば、土の状況を確認して水やりをします。
プランター栽培は、苗が根付くまでの約1週間はしっかりと水を与えます。その後は、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。
オクラは、頻繁に水をあげすぎると立枯れ病の原因となるので、水のやりすぎに気を付けます。一方、水分が不足するとサヤの生育が遅くなるので、夏場の乾燥に注意します。

オクラの追肥

オクラの追肥は、植え付けの約1か月後から、株の様子を見ながら月に1~2回化成肥料を施します。
畑栽培は、化成肥料30g/㎡を株の周りにまき、土と肥料を軽く混ぜて株元に土を寄せます。
プランター栽培は、化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。

4.オクラの収穫時期

オクラの収穫

オクラの収穫時期は、7月上旬~10月上旬です。
開花から4~5日経って、サヤの長さが6〜7cmになったら収穫適期です。
手で触ってみて、サヤが柔らかくなっていたらハサミで切り取って収穫します。

収穫が遅れるとサヤが固くなるので、早めの収穫を心掛けます。収穫が早すぎてもオクラ特有のネバネバがありません。
また、新鮮なサヤには小さなトゲがあるため、ゴム手袋を付けて収穫すると、皮膚のかぶれやかゆみ対策になります。

下葉かき

収穫が始まったら、実のつきと風通しを良くするために、収穫したサヤの下1~2枚の葉を残し、それより下の葉をすべて切り取ります。

5.オクラに発生しやすい病気

オクラの病気

オクラは比較的育てやすい野菜ですが、苗立枯病やうどんこ病などに注意します。

苗立枯病(なえたちがれびょう)

苗立枯病は、苗が立ったまま枯れてしまう病気です。土壌中に棲むカビが原因で、苗の地際部が菌に侵されて細くくびれ、やがて茎が腐敗して枯れてしまいます。梅雨時期など、雨が続いて土壌が高温多湿になると発病します。
連作を避け、土づくりの段階で水はけをよくし、窒素肥料を与えすぎないようにします。発病した株は、すみやかに撤去処分します。

うどんこ病

うどんこ病は、カビによる病気で、オクラの葉や茎にうどん粉を振りかけたような白い斑点が現れます。被害が進むと株全体に広がり、枯れてしまうこともあります。
カビは、空気が乾燥した環境を好むため、乾燥時には水を切らさないように注意します。窒素肥料が多すぎた場合も発生しやすくなります。
発病した葉は、早めに切り取って撤去処分します。除去する際は、白い粉が他の葉に飛んで付着しないように注意します。

6.オクラに発生しやすい害虫

オクラは、アブラムシやヨトウムシ・カメムシ・などがあります。

ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウは蛾の幼虫で、多くの野菜を食害する雑食性の害虫です。ハスモンヨトウは、オクラの葉の裏に卵の塊を産みつけます。こまめに葉の裏を観察して、卵を見つけたら潰して駆除します。
ふ化した幼虫は、夜間に活動して葉を暴食します。昼間は根元近くの土の中などに潜んでいるため、見つけたら潰して処分します。防虫ネットで覆うと、産卵の被害を抑えることができます。

ワタアブラムシ

アブラムシは、体長0.5~2㎜ほどの害虫で、集団で寄生してオクラの新芽や葉などを吸収します。
夏期に発生が多く、群生して糖分を含む液体を排泄するため、多発すると排泄物の上に黒いかび(すす病)が発生して株を弱らせてしまいます。
土壌中の窒素成分が多いと発生しやすいので、窒素肥料のやりすぎに注意します。目の細かい防虫ネットで覆い、ワタアブラムシの飛来を予防します。

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