シソ(しそ・大葉)の育て方・栽培方法

赤しそと青しそ

1.シソ栽培の特徴と時期


シソの育て方手順に沿って、畑やプランターでシソを栽培してみましょう!
シソは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

シソの栽培データ
■シソの栽培難易度:簡単
■分類: シソ科シソ属
■原産地:ヒマラヤ、中国
■主な旬: 7月~10月
■栽培時期:春まき
春まき栽培:種まき4月~6月、植え付け5月~7月、収穫時期7月~10月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~25℃
■生育適温:20~25℃

シソの苗や種が買えるお店

シソの種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!

シソの特徴

シソは、ヒマラヤ~中国が原産のシソ科の植物で、日本には古くから伝わり、栽培が簡単な和風ハーブとして知られています。

シソは、青ジソと赤ジソに大きく分けられ、青ジソは「大葉」とも呼ばれています。青ジソは、さわやかな香りと鮮やかな緑色が特徴で、和食の薬味のほか、酢の物、煮物などに使われています。
赤ジソは、梅干しや柴漬けなどの色付けによく使われています。 赤ジソにはアントシアニンという色素が多く含まれているため、紫色に見えます。

シソの成分には、抗酸化作用や抗菌作用などがあり、健康にも良いとされています。
シソは、種まき時期を守れば失敗が少なく、プランターでも簡単に育てることができます。

シソの栄養素

シソは栄養価の高い野菜で、βカロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれています。青ジソと赤ジソの栄養成分はほぼ同じで、すぐれた抗菌・防腐作用があり、食中毒予防のほか食用増進の効果があります。

シソの主な品種

シソの品種は、『青しそ(大葉)』『大葉青しそ』『青ちりめんしそ』『赤ちりめんしそ』『芳香うらしそ』などがあります。

シソの栽培ポイント

・日当たりと風通しのよい場所で栽培する。
・気温が十分に上がってから苗を植え付ける。
・肥料切れや水切れ、害虫に注意する。

シソの栽培時期

シソの栽培時期は、品種や地域によって異なりますので、ホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
春まき栽培:種まき4月中旬~6月中旬、植え付け5月中旬~7月中旬、収穫7月上旬~10月上旬

シソの連作障害

シソは連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出てシソの生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。

シソの好適土壌pH

シソの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.シソの栽培方法(畑・プランター)

肥料

シソは、畑でもプランターも基本的な栽培方法は同じです。
シソは種から育てることができますが、苗も販売されます。苗は、本葉4~6枚で茎が太く、葉色が濃く健康的で病害虫の被害がないものを選びます。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作って栽培します。

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕し、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。

種まき

種まきは、十分気温が上がってから行います。気温が低い時期や植え付ける株数が少ない場合は、ポットに種をまくのが安全です。
種は水を十分に含まないと発芽しにくいので、種を一晩水につけて吸水させてからまくと発芽率がよくなります。
ポットまきの場合は、3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ1㎝ほどの窪みを3箇所作り、1粒ずつ種をまきます。
周りの土をごく薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水をたっぷり与えます。
発芽したら本葉2~3枚の頃に間引きを行い、最終的に1ポット1本にして本葉4~6枚の頃に植え付けます。

植え付け

ポット苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになるように植え付けます。
株間は30~40㎝程度にします。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水をあげます。

プランター栽培の場合

プランターは標準サイズで2株、8号鉢(直径24㎝)で1株が栽培目安となります。
種から育てることができますが、栽培する株数が少なくてもよいときは、市販の苗を利用すると簡単です。

用土

シソは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。排水性を良くするために鉢底石を敷き詰めて、野菜用培養土を8分目くらい入れます。

種まき

種から育てる場合は、ポットまきがおすすめです。
ポットまきの手順は、畑栽培と同じように行います。

植え付け

ポット苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになるように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水をあげます。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.シソの栽培手入れ

水やり

収穫までの主な作業は、水やり、追肥、摘芯などです。

水やり

シソは病気にも非常に強く、生命力が旺盛ですが、水やりをしっかり行うことが大切です。種をまいてから発芽するまでの間や、苗を植え付けてから根が定着するまでの間は毎日しっかりと水やり行うようにします。

畑栽培では、自然の降雨で足りるので基本的に水やりの必要はありません。
雨が降らないようであれば乾燥に注意し、水やりをします。
梅雨が過ぎた頃に、株元に敷きわらなどを施すと、夏場の乾燥を防ぐことができます。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎに気を付けます。

追肥

シソの追肥は、植え付けから約2~3週間後に施し、その後は草勢や葉色の様子を見ながら、1か月に1~2回追肥を行います。
畑栽培の場合は、化成肥料20~30g/㎡を株間にまき、土と肥料を軽く混ぜて株元に土を寄せます。
プランター栽培は、1株当たり化成肥料5g程度を株の周りにまいて土と混ぜ合わせます。

摘芯

シソの草丈が30cmほどに成長したら、主枝の先端を摘芯します。主枝を摘芯することで側枝が多く出て、良質の葉を多く収穫することができます。

4.シソの収穫時期

シソ

収穫適期

シソの収穫時期は、7月上旬~10月上旬が適期です。
草丈30㎝程度で本葉10枚以上になったら収穫時期です。
葉ジソ(大葉)は、開いて間もない軟らかい葉を手やハサミで切り取って収穫します。収穫方法は、下の方の葉から必要な分を収穫します。
収穫した葉は、きれいに洗ってから使います。

シソは生育が旺盛で分岐性も強いため、大胆に収穫をしても次々と新しい葉が出てきます。余分な葉を収穫することで日当たりが良くなり、若い芽が育ちやすくなります。

シソ(大葉)は、若い新鮮な葉を摘み取って収穫します。
そのほか、間引き菜、花穂のつぼみ(穂ジソ)、結実した実(実ジソ)を収穫して利用することもできます。

5.シソに発生しやすい病気

シソ

シソは病気の少ない野菜ですが、青枯病などに注意します。

青枯病(あおがれびょう)

青枯病は、土壌中の細菌による病気で、多くの野菜で発生します。
根から侵入した細菌が茎の導管内で増殖するため、上部に栄養分が行かなくなります。病原菌は高温下で活発化するため、日中は葉が萎れて気温が低くなる夜間に回復します。これを2~3日繰り返し、やがて株が青いまま枯れてしまいます。
梅雨明けから夏にかけて発生し、連作障害で株が弱っている時も発病します。青枯病に有効な農薬はないため、、連作を避け、水はけを良くし、窒素肥料の過多に注意します。発病した場合はシソの株ごと抜き取って処分します。

6.シソに発生しやすい害虫

シソの害虫は、アブラムシ、ハダニなどに注意します。

アブラムシ

アブラムシは、4~6月に発生する体長1~4㎜ほどの害虫で、口針を刺しこんでシソの葉や茎の汁を吸収し、モザイク病などのウイルスを媒介します。
アブラムシが通れないくらい目の細かい防虫ネットをかけて、飛来を防止します。繁殖力が非常に旺盛なため、発生したら早急に捕殺します。
自然派薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』『アースガーデン やさお酢』などがあります。

ハダニ

ハダニは、葉の表側に群集し、シソの葉を食害します。雨の少ない高温期に多発します。株元に敷きわらをすることで高温乾燥を防ぎ、発生被害を軽減できます。
自然派薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』『アースガーデン やさお酢』などがあります。

ベニフキノメイガ

幼虫がシソの葉の裏側に生息し、糸を張って葉を食害します。葉が食害されていないか観察し、見つけ次第捕殺します。

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