寒冷紗と遮光ネットの違いと正しい使い方

畑の寒冷紗白

1.寒冷紗と遮光ネットの違い

畑の寒冷紗白アップ

寒冷紗(かんれいしゃ)と遮光ネット、どちらも網状で農作物や植物を守ってくれるものですが、寒冷紗と遮光ネットの違いや、正しい使い方についてわからないという方が多くいらっしゃいます。
今回は、寒冷紗と遮光ネットの違いと、正しい使い方について説明をしていきます。

2.寒冷紗とは

寒冷紗とは、目が粗く、薄地でできている、白や黒のやや堅い布で、ガーゼを固くしたような生地です。
寒冷紗の使い方としては、遮光、防寒、防温、防風、凍霜、水分蒸発防止などがあります。
主に使う季節としては、春と夏ですが、お住まいの地方や、育てている野菜などによっては秋や冬にも使います。
寒冷紗の網目は粗くて通気性が良いため、寒冷紗の上からそのまま水やりをすることもできます。

畑の寒冷紗黒

遮光

寒冷紗は、夏の強い日差しから農作物を守ってくれます。
寒冷紗の網目は、強い太陽光を適当に和らげ、優しい光で植物にちょうど良い光を与えてくれます。
春先の種をまいた直後であれば、発芽の妨げになる光から種を守ってくれます。
太陽光が強すぎる場合は、寒冷紗を使って遮光を行いましょう。

防寒・防温対策

寒冷紗は、防寒・防温対策にも使えます。
特に春先の寒い時期は、発芽温度を保つためにも、防寒対策が大切です。
明け方や夕方に冷え込むと、寒さに弱い植物は葉が黄色くなり弱ってしまうこともあるため、寒冷紗をかけて防寒対策をする必要があります。

防風対策

6月や9月の台風シーズンなどに、強い風がそのまま植物に当たると茎が折れてしまったり、葉や花が落ちたりとかなりのダメージがあります。
寒冷紗をかけることで、強すぎる風を防ぎ、被害を抑えることができます。
強い風が、茎、葉、花、実などに被害を及ぼしそうな場合には、寒冷紗をかけることをおすすめします。

凍霜防止

寒い季節に外で植物を育てると、葉や根の水分が凍って、凍霜を起こす場合があります。
凍霜により植物がうまく育たなかったり、最悪の場合、枯れてしまうこともあるので、寒冷紗をかけて凍霜を防止しましょう。

水分蒸発防止

植物の発芽時は、植物は水分を必要とするため、温度上昇による水分の蒸発を防ぐ必要があります。
寒冷紗をかけ、水分蒸発をコントロールしながら育てましょう。

■寒冷紗が買えるお店

寒冷紗を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!

3.寒冷紗の色別使い分け方(白・黒・銀)

寒冷紗黒

寒冷紗(白)

冬場に使用される寒冷紗で、保温と凍霜害を目的とした寒冷紗です。
遮光率は約20%前後で、やや光を多く通します。

寒冷紗(黒)

夏場に使用される寒冷紗で、遮光・遮熱・乾燥防止を目的とした寒冷紗です。
遮光率は約50%前後で、強い光をカットし、植物を守ってくれます。

寒冷紗(銀)

春~夏にかけて使用される寒冷紗で、銀色のテープが太陽光線で反射し、害虫から農作物を守ってくれます。

4.遮光ネットとは

木漏れ日の半日陰

遮光ネットは、光を遮るために作られたネットで、日差しの暑い夏の季節に使うものです。
主に、農作物への直射日光をさえぎり、適切な光量に調節するネットで、植物を覆うように設置して使います。

遮光ネットは種まきの際にも使え、遮光ネットで気温調節をすることによって暑さで発芽不良を起こす種を守ることができます。
また、水分が早く蒸発するのも防いでくれます。
農作物が育って葉が茂る頃には、直射日光の量を調節する事で、農作物の葉焼けを防いでくれます。
日差しが弱くなったり、秋口には取りはずして、遮光量を調整して使います。
素材は高密度ポリエチレンのものが多く、軽くて丈夫です。

遮光ネットの色は白と黒が一般的ですが、目の粗さのバリエーションは豊富なので、遮光率で選ぶと良いです。
遮光率は、ネットの編み方によって変わり、主に平織り・ラッセル織り・絡み織りの三つに分けられます。
平織りは遮光率が非常に高くなっており、ラッセル織りは網目の切り口がほつれないようになっています。
絡み織りは、平織りとラッセル織りの良い部分を合わせたものになっています。
遮光ネットは、遮光に特化しているため、高い遮光率でも明るさを保つものや、遮熱性を強化したものなど、性能の高い商品が出てきているので、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。

遮光ネットが買えるお店

遮光ネットを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
ハトメがついているものは、ひも等で固定しやすく、設置も楽です。

5.遮光ネットの色別使い分け方(白・黒・銀)

遮光ネット

遮光ネットには、白・黒・銀色があり、色によって使う季節や目的などが異なります。

遮光ネット(白)

光を反射し、温度上昇を防ぐ効果が高く、熱がこもらず、程よく光を通します。

遮光ネット(黒)

ホームセンターでも売られている一般的な色です。
遮光性が高く、遮熱性は低めで、家庭菜園などでよく使われている遮光ネットです。
黒色なので、泥などの汚れも目立ちにくいです。

遮光ネット(銀)

銀色の遮光ネットは、遮光性と遮熱性、どちらもバランスよくあわせもった黒と白の中間の遮光ネットです。

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