1.トウ立ちとは?
トウ立ちとは、花芽のついた花茎が株の中心から伸びてくる状態のことを言います。
トウ立ちの「トウ」は花茎(花を咲かせる茎)のことを指します。
花芽のついた花茎が伸びてくる状態のことを、「トウ立ち(薹立ち)」や「抽苔(ちゅうだい)」と言います。
ニンニクは、長く伸びた花茎の先に総苞と呼ばれる袋状のものができますが、中には小さな花が入っています。
ニンニクのトウの部分を半分に切って断面を見てみると、成長前の緑色の花が入っているのがわかります。
ニンニクはトウ立ちが進むと、やがて花茎が伸びた後に総苞が破れて紫色の綺麗な花が咲きますが、花の観賞を行う場合以外は、開花前に収穫を行います。
ニンニクの花は、中々見ることがないと思いますので、家庭菜園をしている場合は、1~2個ぐらいはトウ立ち後、花が咲くまで待って観賞を楽しむのも良いでしょう。
2.ニンニクのトウ立ち時期
ニンニクは植えたままにしているとやがてトウが立ちます。
ニンニクは早生や晩生などがあるため、時期は品種によって多少異なりますが、ニンニクのトウ立ちの時期は、収穫の1ヶ月ぐらい前にトウ立ちするニンニクが多いです。
一般的な「富良野」「壱州早生」「上海早生」「遠州極早生」などのニンニク品種は、5月~6月頃がトウ立ち時期であることが多いです。
しかし、トウ立ちしない「沖縄早生」などの品種もあります。
中々トウ立ちしない場合は、栽培しているニンニクがトウ立ちする品種かどうか確認してみましょう。
3.ニンニクがトウ立ちしたら
一般的なニンニクは5月~6月のトウ立ち時期を迎えると、軸の一番上から伸びてきます。
ニンニクはトウ立ちして花が咲いてしまうと、球根部分の栄養が奪われニンニクの収穫は貧弱になります。
ニンニクのトウ立ちの次期は、収穫の1ヶ月ぐらい前なので、ちょうどニンニクの球が肥り始める頃です。
そのため、トウ立ちさせてしまうと、花茎や花を成長させるために栄養を使ってしまい、球根部分に十分な栄養がなくなり、球肥りが悪くなっていまいます。
葉ニンニクとして育てている場合も、トウ立ちして花を咲かせてしまうと、葉が硬くなってしまいます。
そのため、葉ニンニクもできるだけトウを早く摘んだ方が、柔らかくて美味しい葉が収穫できますが、摘み取る時期が、あまり早すぎると、球が分かれてしまうため、葉の先端くらいまでトウが伸びたときに折り取るのが良いでしょう。
一番上の葉と同じくらいの長さに伸びてきた花茎は、ハサミを使わなくても、手で簡単にぽきっと折れます。
しなって折れにくい場合は、細菌感染を防ぐために、清潔なハサミなどを使って花茎を切り取ります。
花茎を切り取る時は、できるだけ付け根から切るのがポイントです。
上の部分を残しておくと、茎部分に栄養が取られてしまうためです。
トウはいっせいには立たないため、ときどき畑を見回って摘み取るのがポイントです。
花茎を穫ったら、後はニンニクの収穫を待つのみです。
4.トウ立ちした花茎の使い道
トウ立ちして伸びた茎は利用することができます。
調理して食べる
トウ立ちした花茎を摘み取った後は、食べることができます。
茎ニンニクは、ニンニクがとう立ちして花茎が伸びたもので、中国料理で使われます。
蕾から上はかたいので、食用には向きません。
スーパーなどで「ニンニクの芽」を見かけたことがあると思いますが、これはニンニクのトウ立ちした花茎を切り取ったものです。
スーパーでニンニクの芽として売っているものは、総苞部分が切られて茎の部分だけで売られている場合が多いですが、中には、総苞付きで売られているものもあります。
ニンニクの茎や芽は、炒め物にしたりして食べられますので、ぜひ調理して美味しくいただきましょう。
葉ニンニクを栽培する
ニンニクの茎葉は「葉ニンニク」としてハウス栽培できます。
葉ニンニク専用の品種も販売されています。
葉ニンニクの栽培は、9~10月に密植して栽培し、翌春に若い茎葉部分を収穫します。
ニンニクの小鱗片をプランターやトロ箱などに植えて、葉ニンニクを育てることもできます。
小粒赤玉土7:腐葉土3で土壌をつくり、植え付け前に、用土10ℓ当たり、苦土石灰30g、有機配合肥料30gを混ぜておきます。
株間5cmで鱗片を植えつけて育てましょう。
お手軽に栽培できるため、家庭菜園初心者にもおすすめです。
ほのかなニンニクの風味を楽しめるので、収穫後は4~5cmくらいに切って炒めて食べるのがおすすめです。
ゆでて和え物にしたり、サラダに用いたりして利用することもできます。
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