ブドウ(葡萄/ぶどう)の育て方・栽培方法

ぶどう(ブドウ・葡萄)の育て方・栽培方法

1.ブドウの特徴と栽培時期


ブドウの育て方手順に沿って、ブドウを栽培してみましょう!
ブドウは鉢植えでも育てられるので、栽培にチャレンジする人も増えている人気の果樹です。

ブドウの栽培データ
■ブドウの栽培難易度:★★★☆☆
■ブドウの旬:8月~10月
■栽培適地:全国各地
■栽培方法:庭植え、鉢植え
■植え付け時期:12月~3月
■収穫時期:8月~10月
■結実まで:庭植え2~3年、鉢植え1~2年

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ブドウの特徴

ブドウは古くから世界各地で栽培され、高温多湿の日本の気候にも適した果樹です。寒さ・暑さ、乾燥にも強く、品種を選べば日本全国で栽培することができます。
ブドウの品種には、西アジア原産の「欧州種」、北アメリカ原産の「米国種」、両者を交配した「欧米雑種」の3つがあります。欧州種は、雨や病気に弱く、栽培がやや難しいことから経験者向きの果樹とされています。
家庭果樹では、病気に強い米国種や欧米雑種の品種がおすすめです。米国種ではキャンベルアーリー』、欧米雑種では『デラウエア』『ピオーネ』『巨峰』などがあります。

温暖な地域では12月~1月、寒冷地では3月下旬に植え付けをします。植え付け場所は、日当たりと水はけの良い場所が適しており、水はけが良ければ、乾燥地でもやせ地でも育つことができます。ブドウは植え付けてから結実するまでの期間が短く、庭植えで2~3年、鉢植えで1~2年で収穫することができます。また、1本でも結実するので受粉樹を用意する必要はありません。

ブドウは、つるが旺盛に伸びるので、庭植えでは棚やフェンスを用意してつるや枝を誘引します。鉢植えでは、あんどん仕立て、オベリスク仕立てなどで育てることができます。
ブドウ栽培は難しいというイメージがありますが、4月~5月に枝の摘芯などを行い、5月~6月に摘房・摘粒をすると、8月~10月にかけて収穫を楽しむことができます。

ブドウの栄養素

ブドウの皮や種の部分には、ポリフェノールが多く含まれています。ポリフェノールは、活性酸素などの有害物質を無害化する働きがあるため、動脈硬化や生活習慣病の予防に効果があるといわれています。
また、ポリフェノールの一種のアントシアニンは赤ブドウに多く含まれていて、目の疲れや視力回復の改善に効果があるとされています。

ブドウの品種

家庭果樹では、日本の気候に適した欧米雑種や米国種の品種がおすすめです。
主な品種には、『デラウエア』『ピオーネ』『巨峰』『マスカットベリーA』『シャインマスカット』『キャンベルアーリー』『スチューベン』などがあります。
初心者の場合は、病気に強い『デラウエア』『マスカットベリーA』『キャンベルアーリー』などがおすすめです。

ブドウ

ブドウの栽培時期

温暖な地域では12月~1月、寒冷地では3月下旬に植え付けをします。生長後は、4月~5月に整枝・剪定を行い、5月~6月に摘房・摘粒などの果実管理をすると、8月~10月にかけて収穫することができます。

ブドウの栽培のポイント

ブドウは、水はけと日当たりの良い場所で育てます。病気に強い欧米雑種や米国種の品種を選び、病気や害虫が発生したら早めに対応するようにします。枝やつるが良く伸びるので、棚やフェンスなどを設置して枝を誘引します。

鉢植えでは、あんどん仕立てかオベリスク仕立てが適しています。
春に新しく伸びた枝(新梢)に果房ができるので、毎年剪定を行って若い枝に更新します。果実を多く付けすぎると樹勢が衰えるので、摘房・摘粒を行って果実の量を調整することも大切です。

2.ブドウの栽培基本(庭植え・鉢植え)

肥料

ブドウの植え付け

ブドウの苗木は、12月~3月に入手します。接ぎ木苗は値段は高くなりますが、病害虫に強いのでおすすめです。植え付けは、温暖地では12月~1月、寒冷地では3月下旬に行います。

庭植えの場合

庭植えの場合は、日当たりと風通しの良い場所を選びます。ブドウは乾燥には強い植物ですが、過湿には弱いため、水はけが悪い場合は、腐葉土などを入れて水はけを良くします。また、酸性土壌の場合は、植え付け2週間前までに苦土石灰を施しておきます。植え付けの際は、スコップで直径50㎝×深さ50㎝の植え穴を掘り、掘り上げた土に同量の腐葉土を混ぜ込みます。腐葉土を混ぜた土の半分に、油かすや発酵牛ふんなどを混ぜ合わせて穴に戻します。

苗木は、根土ごと穴の中央に置き、根を広げるようにして残りの土を戻します。苗木は浅植えにして、地面よりも低くならないように注意します。接ぎ木苗の場合は、接ぎ木部分が土に埋まらないようにします。
植え付けが終わったら、苗木の近くに支柱を1本立てて、苗木と支柱をひもで結わえます。苗木は、株元から4~5芽を残して主枝を切り詰めます。植え付け後は、たっぷりと水やりをします。

鉢植えの場合

鉢植えの場合は、屋外の日当たりの良い場所で育てます。苗木が大きく育つからといって最初から大きな鉢に植え付けると、根の発達が悪くなってしまいます。このため、最初は7~8号(直径21~24cm)の鉢を使います。生長後は、1号大きいサイズの鉢に植え替えます。

用土は、市販の果樹・花木用の培養土を使うと便利です。用土を自分で作る場合は、赤玉土中粒6、川砂3、腐葉土1などの割合にします。鉢底に鉢底石を敷いてから用土を入れ、深植えにならないようにして苗木を植え付けます。
植え付けが終わったら、苗木の近くに支柱を1本立てて、苗木と支柱をひもで結わえます。
苗木は、株元から2~3芽を残して主枝を切り詰めます。植え付け後は、たっぷりと水やりをします。

ブドウの誘引

ブドウはつる性の植物ですので、棚やフェンス仕立てが適しています。枝を棚やフェンスなどにひもで固定することを「誘引」といいます。
棚仕立ての場合は、棚の支柱近くに植え付けを行い、主枝を上方向に伸ばしていきます。主枝以外の枝は、主枝の先が棚の上に届く頃までに付け根からすべて取り除きます。棚の上部に達した主枝は、対角線上に伸ばします。

2年目は、12月~2月に冬季剪定を行い、伸び過ぎた主枝や側枝を整理します。主枝が棚の端まで達したときは、主枝の先端部を半分ほど切り詰めます。棚に収まらない側枝も先端部を切り詰めます。
鉢植えの場合は、植え付け1年目は主枝を上方向に伸ばし、主枝以外の枝は間引きをします。2年目の春に、あんどん仕立てかトレリス仕立てにして枝を誘引します。

3.ブドウの栽培手入れ

水やり

ブドウの整枝・剪定

ブドウは、春に新しく伸びた枝(新梢)に果房をつけます。このため、冬季剪定(12月~2月)を行って、新梢の発生を促進させます。
樹勢の弱い『マスカットベリーA』などは、前年枝の付け根から2~3芽残して剪定します(短梢剪定)。
樹勢の強い『デラウエア』『ピオーネ』『巨峰』などは、前年枝の付け根から7~8芽残して剪定します(長梢剪定)。
春に新梢が大きく伸びてきたら、花穂のついていない先端部を摘芯し、日当たりと風通しを良くします。

巻きひげは、こまめに切り取ります。巻きひげを放任すると、他の枝などに絡みついて誘引しにくくなります。ブドウに多い「黒とう病」の病原菌は、巻きひげに付着して越冬し、病気を引き起こします。

ブドウの摘房

ブドウは1本の新梢に多くの花房ができますが、放置すると花が落ちたり、未熟果ができてしまいます。『デラウエア』などの小粒の品種は、1枝に2房、『巨峰』などの大粒の品種は、形の良いものを残して1枝に1房にします。
大粒の品種は、房の先端と、付け根付近の花の集まりをハサミで除去します。房の中間部に13~15段程度の花の集まりを残すことによって、粒が均一に肥大します。

ジベレリン処理

ブドウは、自然状態ではタネができますが、ジベレリンという植物ホルモンを使うことによって、タネなしにすることができます。また、実がつきやすくなり、収穫時期が早くなります。
ジベレリン処理は、開花前と開花後の2回行います。コップにジベレリン液を入れ、花房全体を浸します。作業適期は品種によって異なり、『デラウエア』などは、1回目は開花2週間前、2回目は開花10日後に行います。『ピオーネ』『巨峰』などは、1回目は開花時、2回目は開花10日後に行います。

ブドウの摘粒

ブドウの果粒を間引くことを「摘粒」といいます。大粒の品種は、1房30粒を目安に摘粒を行い、果実を肥大させて良質なものにします。摘粒を行わないと、実が混み合って粒が不揃いになったり、割れたりします。
摘粒は、6月上旬~7月上旬に行います。上向きや下向きの実、小さな実、傷のある実は取り除き、軸が水平なものをバランスよく残すようにします。『デラウエア』などの小粒の品種は、摘粒の必要はありません。

袋かけ

摘粒を行ったら、実が色づく前に専用の袋をかけて口をしっかりと閉じて、病気や鳥害を予防します。
病気にかかりやすい品種には、必ず袋をかけるようにします。

ブドウの水やり

庭植えの場合は、自然の雨で足りますので、基本的に水やりの必要はありません。夏場に雨が降らずに乾燥が1週間以上続いた時は、水やりをします。
鉢植えの場合は、土の量が限られるため乾燥しやすいので、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

ブドウの肥料

肥料は、植え付け時の元肥だけで足ります。生長後は、年に3回の肥料を与えます。
庭植えの場合は、2月に元肥(寒肥)として堆肥などの有機質肥料を与えます。
追肥は、6月(夏肥)と9月(礼肥)に緩効性化成肥料を与えます。
6月は果実の肥大を促進するために与えるもので、9月は果実の収穫後に与えるものです。
樹勢が強ければ、6月と9月に無理に追肥を与えなくても大丈夫です。また、野菜や花を栽培した場所に苗木を植え付けた場合は、肥料を多く与える必要はありません。
鉢植えの場合は、6月と収穫後に有機肥料を少量施します。

4.ブドウの収穫時期

ブドウの収穫

ブドウの収穫適期は、8月~10月です。収穫時期の目安は品種によって異なりますが、枝に近いほうの部分から順に成熟します。
果房全体がしっかりと色づき、香りが出るようになったら試食し、甘みが十分出ていれば収穫します。収穫の際は、果梗(かこう)部分を手で持ちながらハサミで切り取ります。

ブドウは非常にデリケートですので、積み重ねるように置くと下部の実がつぶれてしまいます。1房ずつラップや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存します。
ブドウは、できるだけ早く食べるというのが一番ですが、消費しきれないときは、ジャムやドリンクにしたり、凍らせてシャーベットにすることもできます。

5.ブドウに発生しやすい病気と害虫

ブドウ栽培

ブドウの主な病気

主な病気では、黒とう病、べと病があります。ブドウは病気に弱いため、なるべく病気に強い欧米雑種や米国種の品種を選ぶようにします。

黒とう病

黒とう病はカビによる伝染性の病気で、梅雨の前後に、新梢、葉、幼果、巻きひげなどに発生します。葉では葉脈に沿って黒褐色の斑点が現れ、葉がゆがんだり裏側に巻いたりします。果実では暗褐色で中央がくぼんだ斑点ができ、生長を阻害します。胞子が周囲に拡散しないように、発生初期に被害部を早めに取り除くようにします。

枝葉が繁り過ぎている場合は、剪定を行い、日当たりや風通しを良くします。果実には袋を掛けて、雨に当たらないようにします。病原菌は、枯れた巻きひげなどに付着して越冬しますので、巻きひげをこまめに切り取ることも予防対策となります。薬剤を使う場合は、冬の休眠期にベンレート水和剤などを散布します。

べと病

5月頃から、葉や果実などに発生します。葉の裏面に白いカビが現れ、やがて拡大して落葉します。果実に早期発生すると花穂が枯死します。発生初期に被害部を早めに取り除くようにします。日当たりや風通しを良くして、病気を予防します。また、軟弱に育つと発生しやすいので、窒素肥料を与え過ぎないようにします。

ブドウの主な害虫

主な害虫では、コガネムシやブドウハモグリダニに注意します。

コガネムシ

幼虫が6月頃から羽化して成虫になり、葉脈を残して葉を食害します。多発すると果実を食害することもあります。幼虫は根を食害するため、木の生長を阻害します。
成虫、幼虫とも、見つけ次第捕殺します。剪定を行い、風通しを良くして発生を予防します。薬剤を使用する場合はベニカ水溶剤などを散布します。鉢植えでは、植え替え時に幼虫を見つけて捕殺します。

ブドウハモグリダニ

葉裏に寄生するダニの一種で、0.2㎜ほどの虫が群生して葉を食害し、ウイルス病を媒介します。被害に遭うと、葉の表面に小さなコブが現れ、葉の裏面は褐色になり、生育が阻害されます。
適用する薬剤がないため、発生初期に被害にあった葉を速やかに除去します。成虫の状態で越冬して若葉に寄生するため、秋の防除も大切です。

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