からし菜(カラシナ)の育て方・栽培方法

カラシナ

1.からし菜の特徴と栽培時期


からし菜の育て方手順に沿って、畑やプランターでからし菜を栽培してみましょう!
からし菜は簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

からし菜の栽培データ
■からし菜の栽培難易度:★☆☆☆☆
■分類:アブラナ科アブラナ属
■原産地:中央アジア
■主な旬:5月~6月、11月~翌年2月
■栽培時期:春まき、秋まき
春の種まき:3月~4月、収穫時期:5月~6月
秋の種まき:9月~10月、収穫時期:11月~翌年2月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~20℃
■生育適温:15~20℃

からし菜の種や苗が買えるお店

からし菜の種や苗を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!

からし菜の特徴

からし菜は、中央アジア原産で、日本への伝来は弥生時代といわれています。
からし菜と同じ仲間のタカナ(高菜)は、からし菜の変種とされています。
野菜の分類では、中型以下のものをからし菜類、中型から大型のものをタカナ類と呼んでいます。
からし菜は関東から北の冷涼な地方で多く栽培され、タカナは西日本で多く栽培されています。

からし菜の葉は濃緑色で、大根のように大きな切れ込みがあり、葉に辛味があるのが特徴です。
からし菜は栄養価の高い緑黄色野菜で、サラダや漬け物、炒め物、おひたしなど様々な料理に活用されています。

からし菜の栽培は秋まきが一般的で、種まきから60日前後で収穫することができます。
からし菜は、プランターでも簡単に育てられるので、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。

からし菜の栄養素

からし菜には、β-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、葉酸などが豊富に含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや生活習慣病の予防効果があり、目や粘膜の健康を保ちます。
ビタミンCは風邪の予防や疲労回復、カリウムは高血圧の予防、カルシウムは骨粗鬆の予防に効果があるとされています。

からし菜の主な品種

からし菜には、多くの交配品種があります。
『葉からし菜』『黄からし菜』『サラダからし菜』『マスタード』『セリフォン』など。

からし菜の栽培ポイント

・日当たりが良く、水はけのよい環境で栽培する
・種まき後に防虫ネットを掛けて、害虫の産卵を予防する。
・連作を避け、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空ける。

からし菜の栽培時期

春まきは3月~4月、秋まきは9月~10月に種まきをします。
温度が高い夏の時期は病害虫が多くなるため、暖地では秋の栽培がおすすめです。
秋まきの場合は、種まきから60日前後で収穫することができます。

からし菜の連作障害

からし菜は、連作障害が起こる野菜です。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
アブラナ科野菜の跡地で栽培する場合は、最低でも1~2年の期間を空けるようにします。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

からし菜の好適土壌pH

からし菜の好適土壌pHは6.0~6.5です。酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.からし菜の栽培方法(畑・プランター)

肥料

からし菜の栽培は、一般的には種まきから始めますが、苗を植え付けて育てることもできます。

畑栽培の場合

土づくり

畑で栽培するときは、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
種まきの2週間以上前までに、苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。1週間前に、完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10㎝~15㎝にして表面を平らにします。

種まき

からし菜は間引きをしながら育てるので、すじまきが一般的です。
棒や板を土に押し付けて、深さ1㎝ほどのまき溝を作り、1㎝間隔でタネが重ならないようにまいていきます。
タネをまいたら土を薄く被せ、手で軽く押さえて土と密着させて、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土が乾かないように水やりをします。からし菜は、3~5日で発芽します。

種まき方法は、点まきも可能です。
点まきの場合は、株間を10㎝程度にします。空き缶などの底を使って深さ1㎝の窪みを作り、種が片寄らないように5~6粒まきます。
土を薄くかけて手で軽く押さえ、たっぷりと水やりをします。

間引き・追肥

からし菜の栽培では、成長を促すために間引きを3回行います。間引きをして、株間を十分に確保することで株が大きく育つようになります。

1回目は、発芽がそろった頃に株間が3㎝間隔になるようにします。
生育の悪い苗を選び、株元を手で押さえて引き抜きます。
間引き後は、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。このとき、本葉が出てくる成長点を埋めないように注意します。

2回目は、本葉2~3枚の頃に7~8㎝間隔になるようにします。
2回目の間引き後に追肥をします。化成肥料20~30g/㎡を条間に施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
その後は、2週間に1回、同量の追肥と土寄せを行います。

3回目は、本葉5~6枚の頃に20~30㎝間隔にし、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。

点まきをした場合は、1回目は、発芽がそろった頃に3本に間引きます。間引き後に、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。
2回目は、本葉2~3枚の頃に2本に間引きます。間引き後に化成肥料20~30g/㎡を条間に施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
その後は、2週間に1回、同量の追肥と土寄せを行います。
3回目は、本葉5~6枚の頃に1本に間引き、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。

プランター栽培の場合

基本的な育て方は、畑の場合とほとんど同じです。

種まき

プランターは、標準タイプ(深さ15㎝以上)を用意します。
用土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れます。
種まきは、すじまきが一般的です。
細い棒を土に押し付けて、深さ1㎝程度のまき溝を作り、1㎝間隔ですじまきにします。
土を薄く被せて手で軽く押さえて土と密着させ、たっぷりと水やりをします。

発芽するまでは、土の表面が乾く前に水やりをします。
発芽後は、土の表面が乾いたら1日1回、たっぷりと水やりをします。
プランターは、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

間引き・追肥

1回目は、発芽がそろった頃に株間が3㎝間隔になるようにします。
生育の悪い苗を選び、株元を手で押さえて引き抜きます。
間引き後は、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。このとき、本葉が出てくる成長点を埋めないように注意します。

2回目は、本葉3~4枚の頃に7~8㎝間隔になるようにします。
2回目の間引き後に追肥をします。化成肥料10g程度を全体に施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
その後は、2週間に1回、同量の追肥と土寄せを行います。

3回目は、本葉5~6枚の頃に株間を10~15㎝程度にし、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。

3.からし菜の栽培手入れ

水やり

からし菜の水やり

畑の場合は、発芽するまでは土の表面が乾かないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。土の表面がひどく乾いているときは、水やりをします。

プランターの場合は、発芽するまでは土の表面が乾く前に水やりをします。
その後は、土の表面が乾いてきたらプランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
水やりの基本は1日1回、早朝にたっぷりと与えます。秋以降は、気温が上がり始める時間帯に水やりをします。

防虫ネット

からし菜は、辛み成分があるため害虫被害が少ないと思われがちですが、アブラナ科野菜の害虫が発生します。
アブラムシ、アオムシなどの被害を防ぐため、防虫ネットや寒冷紗などを掛けておくと安心できます。

害虫は、防虫ネットなどの隙間をくぐり抜けて入ることもあるので、こまめに葉の裏を観察して被害が大きくならないようにします。

4.からし菜の収穫時期

カラシナの収穫

若くてやわらかい葉を食べる場合は、草丈が小さいうちに収穫し、サラダなどに利用します。
からし菜は、草丈が25~30cmになったら本格的に収穫ができます。
収穫の際は、外側の葉から必要な分だけハサミで切り取るか、株全体を根元から切り取ります。

からし菜は、株が大きく育ち過ぎると茎葉が硬くなるので、順次収穫します。
春まきはトウ立ち(茎葉が伸びて花が咲く)すると味が落ちるので、トウが出始めたら株ごと引き抜いて収穫します。
収穫後のからし菜は日持ちしないので、早めに食べるようにします。

5.からし菜に発生しやすい病気

からし菜

からし菜の病気は、主に多湿が原因ですので、水のやりすぎや水はけに注意します。

根こぶ病

根こぶ病は、アブラナ科だけに感染する病気です。病原菌が根から侵入して根にコブができるため、地上部の茎葉が栄養を吸収できず生育不良になります。
高温多湿時に発生しやすいので、水はけを良くし、連作を避けます。発病した株は、早めに撤去処分します。

白さび病

白さび病は、カビによる病気で、葉に多数の白色の盛り上った病斑が現れます。降雨の多い時期に多湿になると発生しやすくなります。アブラナ科野菜の連作を避けて、畝を高くして排水を良くします。泥はねによって感染することもあるので注意します。発病した株は伝染源になるので、早めに撤去処分します。

菌核病(きんかくびょう)

菌核病は、カビによる病気で、地際付近の茎や葉に淡褐色の病斑が現れ、やがて萎れてしまいます。
アブラナ科野菜の連作を避けて、風通しを良くして予防します。土づくりの段階で、畝を高くして排水を良くすることも大切です。
放置すると病気が拡大するため、発病株は早期に抜き取って撤去処分します。菌核病の病原菌は越冬して翌年に再発するので、しっかりと撤去します。

6.からし菜に発生しやすい害虫

からし菜は、アブラムシ、アオムシなどの害虫に注意します。

アブラムシ

アブラムシは体長1~5㎜の小さな虫で、成虫が飛来して葉に産卵します。繁殖力が強く、集団で食害するため被害が大きくなります。ウイルス病を媒介するため、健康な株にも病気が拡大します。寄生される前に防虫ネットで覆って飛来を予防します。窒素過多にも注意します。

アオムシ

アオムシはモンシロチョウの幼虫で、アブラナ科の野菜を好んで食害します。幼虫は食欲が旺盛なため、葉の部分の被害が大きくなります。窒素分が豊富な株に産卵されやすいので、肥料過多にも注意します。防虫ネットなどで産卵を防ぎ、葉の裏をこまめに観察して卵や幼虫を捕殺します。

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