ナスの種まきと苗づくり方法

ナスの種まきと苗づくり方法

1.ナスの特性

ナスはインド原産で、和洋中を問わない万能食材として人気の高い野菜です。
家庭菜園初心者でも失敗が少なく、上手に育てれば秋まで長く収穫できるのも魅力です。

ナスの種まき時期は、2~3月です。
ナスは、畑やプランターにナスの種や苗を植えて、家庭菜園でも育てることができる野菜なので、ぜひチャレンジしてみてください。

2.ナスのおすすめ品種

ナスの品種は、地域に合った特徴ある品種が出回っています。
家庭菜園でおすすめな品種は、収穫量の多い「とげなし千両2号」「筑陽」などです。

3.ナスの栽培ポイント

ナスは、20~30℃を保てるような高温多湿の環境を好みます。
寒さには弱いので、種は保温・加温をしながら管理して栽培します。

ナスは果菜類の中ではもっとも高温好みな野菜なので、農業用電熱線で地中加温したり、ビニールトンネルを掛けると良い。
夜間は温度が下がるため、保温資材で覆って適温を確保して管理すると良く育ちます。

4.ナスの種まきの基本

畑での種まき

ナスの栽培は、種をポットまきして育苗して畑に植え付ける方法と、市販の苗を購入して畑に植え付ける方法があります。
ナスの種は、大きさは小さく、色は薄茶色をしていて、厚みはあまりなく、歪んだ丸い形をしています。

まず、ナスの種まきの基本からみていきましょう。
ナスの種まきの基本は、良い種を選び、2~3月の適期にまいて覆土と水やりをすることです。
ナスの発芽をよくするにはこれらをきちんと守る必要があります。

①良いナスの種を使う

ナスの種まきをするには、まず良い種を手に入れます。
ナスの種はホームセンターや園芸店で購入することができます。
近くで購入できない場合や、欲しい品種の種がない場合はインターネットで購入すると便利です。

購入する際は、日当たりのよい場所に陳列されていたり、古いタネは避けましょう。
ナスの種子は寿命が決まっていますので、種袋の裏にある種まき期限も確認しておきましょう。
また、発芽率、病気への抵抗性、薬剤処理の有無なども記載されているので、チェックしておきましょう。

②ナスの適温時期にまく

ナスの種にはそれぞれ発芽適温がありす。
ナスの発芽適温は一般的に25~30℃で、生育適温は20~30℃です。
種袋の裏に適温の記載があるので、ナスの栽培時期に合わせて種まきをしましょう。

③ナスの種に適切な用土を使う

ナスの種まき用土は、「タネまき専用用土」を使用すると、発芽しやすく、育てやすいです。
タネまき専用用土は、発芽しやすいように微粒の各種用土がブレンドされており、ナスの種まきにも良い用土です。
保水性・排水性・通気性に優れている為、ナスの生育を安定させてくれます。

まいた種にかける土を覆土といいます。
覆土が厚すぎたり逆に薄すぎたらすると発芽しにくくなるため、覆土の厚さは、種子の性質に合った覆土の厚さにします。
ナスは嫌光性種子ですので覆土を厚くします。

土の底面は凸凹がないように平らにすることを心がけると、発芽がそろってよく育ちます。

④きちんと水やりをする

ナスの種をまいたら、水やりを行い、室内の暖かい場所で、25℃前後で管理します。

5.ナスの苗づくり手順

苗づくり(セルトレイ)

ナスを種から育てる場合は、発芽に2か月以上かかるため、2月中旬~3月上旬に作業を行います。
ポット、セルトレイ、育苗箱などで育てます。

ナスの苗づくり(ポット)

ポットまきは、発芽や発芽直後の管理がしにくい野菜に適しています。
ポットまきの手順は、以下の通りです。

①ポットまき:まき溝を作る

ポットに種まき用の土を入れ、土を平らにならした後に、指先で深さ1cmの窪みを3箇所作る。

②ポットまき:種をまく

それぞれのくぼみの中に、ナスの種を一粒ずつまく。

③ポットまき:土をかける

周囲の土を寄せるようにしてくぼみを埋めて、軽く手で押さえて種と土を密着させる。

④ポットまき:水やり

ポットにナスの種まき後、ジョウロでたっぷりと水やりをする。
必要なら保温をしながら管理して栽培します。

ナスの苗づくり(セルトレイ)

セルトレイは仕切りがあるため、苗を取り出しやすく、植え替えもしやすいのが特徴です。
セルトレイまきの手順は、以下の通りです。

①セルトレイまき:まき溝を作る

セルトレイに種まき用の土を入れ、土を平らにならした後に、指先で浅いくぼみをつける。

②セルトレイまき:種をまく

それぞれのくぼみの中に、ナスの種を一粒ずつまく。

③セルトレイまき:土をかける

ナスの種が隠れるように土をかぶせ、軽く手で押さえて種と土を密着させる。

④セルトレイまき:水やり

セルトレイに種まき後、ジョウロでたっぷりと水やりをする。
必要なら保温をしながら管理して栽培します

⑤セルトレイまき:植え替え

3月にナスの本葉が出たら植え替えます。
竹串などを使って、ナスの根っこを傷めないようにそっと取り出し、培養土を入れた3~4号のポットに植え替えます。

ナスの苗づくり(育苗箱)

育苗箱にまくと、たくさん種をまくことができるため、間引きながら育てます。
育苗箱まきの手順は、以下の通りです。

①育苗箱まき:培養土を入れる

育苗箱に種まき用の土を入れ、土を平らにならす。

②育苗箱まき:種をまく

育苗箱に条間10cm、種子間隔5cmでナスの種をまく。

③育苗箱まき:土をかける

ナスの種が隠れるように土をかぶせ、軽く手で押さえて種と土を密着させる。

④育苗箱まき:水やり

育苗箱に種まき後、ジョウロでたっぷりと水やりをする。
必要なら保温をしながら管理して栽培します

⑤育苗箱まき:間引き・植え替え

発芽したころに、葉が重ならないように間引きます。
3月にナスの本葉が出たら植え替えます。
竹串などを使って、ナスの根っこを傷めないようにそっと取り出し、培養土を入れた3~4号のポットに植え替えます。

6.ナスのプランター栽培

プランターでの種まき

苗を取り出すときは、株元を2本の指で挟み、ポットを逆さにして根鉢を崩さないようにします。
プランターに根鉢より大きめの植え穴を掘り、根鉢の土が地表面から1㎝程度出るように浅植えにし、周りの土を寄せて株元を軽く押さえます。
その後、たっぷりと水やりをします。ナスの植え付け後は、仮支柱を立てて風の弱い日当たりのよい場所で育てるようにします。

7.ナスの良い苗の条件

ポット苗

ナス苗は、良い苗と悪い苗がありますので、元気に育ちそうな良い苗を選んで栽培していきましょう。
良いナスの苗には下記の特徴があります。

茎が太く節間の詰まった苗を選びます。
耐病性のある接ぎ木苗は接ぎ口がなめらかで、接ぎ穂から元気のよい色が濃い葉が出ているものを選びます。

良いナス苗の特徴
  1. 芯葉がしっかりしている。
  2. 葉が厚くて色が濃い。
  3. 茎が太くて色が濃い。
  4. 二葉がついている。
  5. 一番花が咲き始めている。

「ナスの種まきと苗づくり方法」を読んだあなたにおすすめの記事:



ナスの種まきと苗づくり方法