トウモロコシ(スイートコーン)の育て方・栽培方法

トウモロコシ

1.トウモロコシ栽培の特徴と時期


トウモロコシの育て方手順に沿って、畑やプランターでトウモロコシを栽培してみましょう!
トウモロコシは比較的簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

トウモロコシ(とうもろこし)の栽培データ
■トウモロコシの栽培難易度:普通
■分類:イネ科トウモロコシ属
■原産地:アメリカ大陸
■主な旬:7月~8月
■栽培時期:春まき・春植え
種まき4月~5月、植え付け5月、収穫7月~8月
■連作障害:少ない(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:20~30℃

トウモロコシの種が買えるお店
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トウモロコシの特徴

トウモロコシは、米、麦と並ぶ世界三大穀物の一つで、日本では明治時代に北海道で本格的に栽培されるようになり、現在は全国に普及しています。
日本で多く栽培されているのは糖分が多くて甘味が強い「スイートコーン」という種類で、粒が黄色や白色のほか、白と黄色が混ざったバイカラーの品種もあります。
トウモロコシは、ゆでてそのまま食べたり、スープやサラダ、コロッケなどいろんな料理に幅広く使われています。
主食として食べられるほど栄養豊富で、ビタミンB1、ビタミンB2、カリウム、食物繊維などもバランスよく含んでいて、動脈硬化の予防や生活習慣病の予防効果もあるとされています。

トウモロコシの栽培は、異なる品種を一緒に植えると交雑して品種の特性が出なくなるので、家庭菜園では同じ品種を栽培するようにします。
畑で栽培する場合は、受粉しやすいように2列にして育てます。株数が少ないときは、人工授粉を行うようにします。
トウモロコシは、種からでも苗からでも育てることができ、種まきから約3か月後に収穫することができます。
トウモロコシは、もぎたてが一番美味しく、大人から子供まで人気の野菜ですので、チャレンジしてみましょう。

トウモロコシ

トウモロコシの栄養素

トウモロコシは栄養価が高く、主成分の炭水化物のほか、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カリウム、食物繊維などが含まれています。
また、トウモロコシに含まれる有効成分のリノール酸は、中性脂肪値や悪玉コレステロールを減らす働きがあるとされています。

トウモロコシの主な品種

トウモロコシは、実の色によって黄粒種、白粒種、バイカラー種に分けられ、以下のような品種があります。
『おひさまコーン』『キラキラコーン』『甘々娘』『ピュアホワイト』『ゆめのコーン』『ハニーバンダム』『ピーターコーン』『カクテル』『キャンベラ』『ゴールドラッシュ』『ウッディーコーン』『味来』など。

トウモロコシの栽培ポイント

・日当たりと風通しのよい場所で栽培する。
・種まき後に不織布などを掛けて鳥害を防ぐ。
・他の品種と交雑しやすいので、同一品種を栽培する。
・育てる株数が少ない場合は、人工授粉を行う。 

トウモロコシの栽培時期

栽培する品種や地域により異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
種まき4月中旬~5月中旬、植え付け5月上旬~5月下旬、収穫7月中旬~8月中旬

トウモロコシの連作障害

トウモロコシは連作障害が少ない野菜ですが、1~2年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると土壌中の微生物に偏りが出て、生育に悪影響を及ぼします。収穫量が極端に減少することもあるため、連作障害には注意が必要です。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。

トウモロコシの好適土壌pH

トウモロコシの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.トウモロコシの栽培基本(畑・プランター)

肥料

トウモロコシは、種から育てることもできますが、園芸店やホームセンターなどでポット苗も4月頃に販売されます。
苗を購入する際は、本葉3~4枚で、茎が太く緑色の濃い苗を選ぶようにします。

畑栽培の場合

土づくり

日当たりと風通しの良い場所を選び、種まきや植え付けの2週間以上前に苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕します。
畝幅は80~100㎝、高さ10~15㎝にし、黒いポリマルチを張っておきます。
トウモロコシは、受粉しやすいように2条植え(2列)にし、株間は30㎝にします。

種まき

トウモロコシの種まきは、直接畑にまく方法(直まき)と、育苗ポットに種をまいて苗を育てる方法(ポットまき)があります。直まきは4月中旬以降が目安で、気温が低い時期はポットまきにします。

直まきの場合は、株間30㎝で点まきにします。深さ1~2㎝で種が重ならないように1箇所3~4粒ずつ種をまきます。土を2~3㎝ほど被せて手で軽く押さえて土と種を密着させ、水をたっぷり与えます。
発芽するまでは、鳥害に遭わないように不織布などを掛けておくことをおすすめします。
直まきの場合は、本葉3~4枚の頃に生育の悪いものを間引いて1本立ちにします。
間引く際は良い苗を残して、生育の悪いものや葉に傷があるものは株元からハサミで切り取り、株が倒れないように株元に土寄せをします。

ポットまきの場合は、3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指で1cmの深さに押し込んで3粒ずつ種をまき、水をたっぷり与えます。
発芽したら本葉1~2本の頃に間引いて1本立ちにし、本葉3~4枚の頃に植え付けます。
ポット苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さないで植え付けます。株元を手で軽く押さえて土と密着させ、たっぷりと水をあげます。

プランター栽培の場合

トウモロコシは、同じ株の花粉では受粉しにくいので、複数の株を育てて人工授粉を行う必要があります。また、草丈が180㎝ほどまで伸びるので、プランター栽培は難易度が高くなります。
プランターは大型・深型サイズで2~3株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。

用土

トウモロコシは連作障害があるので、用土は新しいものを使うようにします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、野菜用培養土を7~8分目くらい入れます。

種まき

直まきの場合は、株間15~20㎝で点まきにし、深さ1~2㎝で種が重ならないように1箇所3~4粒ずつ種をまきます。土を2~3㎝ほど被せて手で軽く押さえて土と種を密着させ、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
ポットまきの場合は、畑栽培と同じ手順で行い、本葉3~4枚の頃に植え付けます。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.トウモロコシの栽培手入れ

水やり
収穫までの主な作業は、水やり、人工授粉、追肥などです。

水やり

トウモロコシは、茎の先端の雄花(雄穂)が出始めると急激に生長するため、多くの水が必要です。水不足になると、良い実が収穫できなくなります。
畑栽培では、発芽までは土が乾いたら水やりをします。根付いた後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。雨がしばらく降らないで土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えます。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎに気を付けます。

追肥

トウモロコシの追肥は、本葉5~6枚の頃に1回目、頂部の雄花(雄穂)が出始める頃に2回目を施します。
畑栽培は、化成肥料30g/㎡を株の周りや畝の肩などにまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせて株元に土を寄せます。
プランター栽培は、1株当たり化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。

人工授粉

トウモロコシは、茎の先端に雄花ができ、数日後に葉のつけ根に雌花ができます。
雄花は、花粉を飛ばすとすぐ枯れてしまうので、花粉がこぼれるようになったら茎を手で軽くゆすって花粉を飛散させます。
育てる株数が少ない場合は、別の株の雄花を切り取って、雌花(ひげの部分)をたたくようにして確実に受粉させます。

わき芽摘み

トウモロコシは、生育が進むと株元からわき芽が伸びてきますが、株の倒伏防止に役立つので、わき芽は取らずに伸ばしておきます。
プランター栽培でも同様にわき芽を伸ばし、風が強いようであれば支柱を立てると安心です。

4.トウモロコシの収穫時期について

ゆでたトウモロコシ

トウモロコシの収穫時期は、7月中旬~8月中旬です。
受粉が成功して約3週間後に、雌穂の絹糸(ヒゲの部分)が茶褐色に枯れて縮れてきたら収穫適期です。
ヒゲの部分を少しめくってみて、先端部の粒が丸く膨らんでいれば収穫します。

収穫が早すぎると甘みが少なく、収穫が遅すぎると粒にシワができて硬くなってしまいます。
収穫の際は、実の先端部分を下に向けるようにして手でもぎ取ります。
トウモロコシは、糖度が一番高くなる早朝に収穫して、すぐに食べるのがおすすめです。

ヤングコーンの収穫

トウモロコシは、1株に実が3本くらいできます。通常は、一番上の実に養分を集中させて、実入りの良いものを収穫します。
余分な実は、ヒゲの部分が5~10㎝ほど伸びた頃に摘果すると、ヤングコーンとしてサラダや炒め物などに利用することができます。
ヤングコーンを収穫する際は、主枝を傷めないように注意します。

5.トウモロコシに発生しやすい病気

栽培

トウモロコシに発生しやすい病気に、モザイク病があります。

モザイク病
モザイク病はウイルスによる病気で、主にアブラムシがウイルスを媒介します。発病すると新葉に緑と黄色のモザイク状の斑紋ができ、生育不良になります。
モザイク病は一度感染してしまうと薬剤でも治療ができないため、発病した株は早めに抜き取って被害が拡大しないようにします。
防虫ネットなどを張って、アブラムシの飛来を予防することも有効です。

6.トウモロコシに発生しやすい害虫

トウモロコシの害虫では、アワノメイガやアブラムシなどに注意します。

アワノメイガ
アワノメイガは蛾の仲間で、トウモロコシの葉や茎に産卵して幼虫が茎の内部や実を食害します。茎の中に入った幼虫の駆除は難しいので、卵を発見したらふ化する前に駆除します。幼虫は雄花の花粉に誘われて入り込み、その後は雌花も食害します。人工授粉が終わったら、雄花を軸ごと切り落とすことも有効です。

アブラムシ
アブラムシは、多くの植物に寄生し、トウモロコシの葉や新芽などの柔らかい部分に群生します。アブラムシが出す甘露でベトベトになり、カビが生えて「すす病」にもなります。アブラムシはモザイク病などのウイルスを媒介しますが、モザイク病にかかると薬剤で治療することはできません。
繁殖力が非常に旺盛なため、見つけたら早急に捕殺するか、弱い粘着テープなどで取り除きます。窒素肥料の与えすぎにも注意します。

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