1.空芯菜の特徴と栽培時期
空芯菜の育て方手順に沿って、畑やプランターで空芯菜を栽培してみましょう!
空芯菜は簡単に育てられるので、家庭菜園初心者にもオススメの野菜です。
■分類:ヒルガオ科サツマイモ属
■原産地:熱帯アジア
■主な旬:6月~10月
■栽培時期:春まき・春植え
種まき:5月~7月、植え付け:5月~7月、収穫時期:6~10月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~30℃
■生育適温:25~30℃
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空芯菜の特徴
空芯菜は、熱帯アジア原産のツル性の野菜で高温多湿の環境を好み、夏の時期でも旺盛に生長します。
茎の中が空洞になっていて、エンサイ、クウシンサイ、ヨウサイとも呼ばれています。
空芯菜は、夏の栽培にもってこいの葉物野菜で、やわらかい茎葉を摘み取って収穫します。
主茎を摘芯するとわき芽が次々と伸びてくるので、10月頃まで収穫を楽しむことができます。
β-カロテンたっぷりの緑黄色野菜で、ホウレンソウよりも栄養価が高いことも特徴の一つです。
中華料理に欠かせない食材で、ニンニクと一緒に炒めると相性が良く、夏バテ予防にもおすすめです。
空芯菜は、夏の暑さに強く、病害虫も少ないので、家庭菜園初心者でも育てやすい野菜です。
空芯菜の栄養素
空芯菜には、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンB1、B2、ビタミンK、カルシウム、葉酸などが豊富に含まれています。
特にβ-カロテン、ビタミンC、カルシウムは、ホウレンソウよりも多く含まれています。
βカロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を保護します。ビタミンCは、風邪の予防に効果があります。
空芯菜の主な品種
空芯菜の品種は、ツルあり種とツルなし種があります。栽培スペースが狭いときは、ツルなし種を選びます。
『空芯菜』『エンツァイ』『クウシンサイ』『ヨウサイ』『アサガオナ』『なつサラダ』など。
空芯菜の栽培ポイント
・酸性土壌の場合は、苦土石灰を施してよく耕す。
・タネは皮が硬いので、一晩水に浸してから種まきをする。
・土が乾燥しないように、こまめに水やりをする。
空芯菜の栽培時期
種まきや植え付け時期は5月~7月、収穫時期が6月~10月です。
空芯菜の連作障害
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。空芯菜は連作障害が起こるので、最低でも1~2年の期間を空けます。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。
空芯菜の好適土壌pH
空芯菜の生育に適した土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。
2.空芯菜の栽培基本(畑・プランター)
空芯菜は、タネと苗から栽培を始めることができます。
家庭菜園初心者の場合は、苗を植え付けると手軽に始めることができます。
畑栽培の場合
土づくり
日当たりと水はけのよい場所を選びます。
植え付けの2週間以上前に、苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕し、1週間前に完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。畝幅60㎝、高さ10㎝~15cmにして、表面をレーキなどで平らに均します。
種まき
タネから始める場合は、育苗ポットやセルトレイで育苗してから植え付けます。地温が高ければ、畑に直まきすることもできます。
育苗ポットの場合は、3号ポット(9㎝径)に培養土を入れ、真ん中に浅い窪みを作り、タネを2~3粒まきます。
土は薄くかぶせて、手で軽く押さえて土と密着させます。タネをまいた後は、やさしくたっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土の表面が乾かないように水やりをします。
発芽したら本葉2~3枚の頃までに1本に間引き、本葉4~5枚の頃に畑に植え付けます。
植え付け
株間を30㎝~50㎝にして、苗の植え穴を掘ります。
根鉢は崩さないで浅めに植えて、株元に土寄せをして軽く押さえつけます。
植え付け直後にたっぷりと水やりを行い、根付くまでの約1週間は毎日水やりをします。
苗が根付いた後は、毎日の水やりは必要ありませんが、土が乾燥したらたっぷりと水をやります。
プランター栽培の場合
プランター栽培では、新しい用土を使用することをおすすめします。
プランターは、標準サイズ(深さ20㎝程度)で、2~3株植えられます。
種まき
タネから栽培する場合は、畑の場合と同じように育苗ポットにタネをまきます。
発芽するまでは、土の表面が乾かないように水やりをします。
プランターに直接タネをまく場合は、株間を広くとって点まきにします。
植え付け
株間は、15~20cmに広めにとって、気温が十分に上がってから植え付けます。
プランターの底に鉢底石を敷き、野菜用培養土を7分目ほど入れます。
植え付ける際は、根鉢の土を崩さないように苗を取り出し、土の表面と同じ高さで植えます。
植え付け後に株元に土を寄せて軽く押さえ、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。
3.空芯菜の栽培手入れ
空芯菜の水やり
畑の場合は、苗が根付くまでの間は、土の表面が乾かないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。土がひどく乾燥しているときは、水やりをします。
プランターや鉢の場合は、苗が根付くまでの約1週間は、たっぷりと水を与えます。
その後は、土の表面が乾いたら、底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
空芯菜の摘芯
植え付けから約1か月後に草丈が20㎝~30㎝になったら、株元の葉を2~3枚残して地際から5㎝くらい上で先端を摘芯します。
残した葉の根元からわき芽が生長し、次々と収穫できるようになります。
空芯菜の追肥
空芯菜は、長期間収穫するため、肥料切れを起こさないようにします。
主枝の摘芯後に生育状況を見ながら、化成肥料を月1回、または薄めの液体肥料を1週間に1回程度与えます。
畑の場合は、化成肥料30g/㎡を株元にまいて周りの土と軽く混ぜ合わせて土寄せします。
プランターの場合は、化成肥料2~3gを株元にまいて同様に土寄せします。
4.空芯菜の収穫時期
植え付けから約1か月後に、草丈が20㎝~30㎝ほどになったら、1回目の収穫を兼ねて摘芯収穫します。
その後は、わき芽から立ち上がったやわらかい部分を15~20㎝ほどの長さで摘み取って収穫します。
収穫するときは、根元から全部摘みとらず、下葉を2~3枚残すようにします。
その後もわき芽が伸びてくるので、同じように若い茎葉を摘み取ることができます。
収穫が遅れると茎葉が硬くなるので、こまめに収穫するようにします。
また、乾燥や肥料不足になると生育が遅れてしまうので、水やりと追肥を忘れないようにします。
5.空芯菜に発生しやすい病気
空芯菜は病気に強い野菜ですが、褐斑病が発生することがあります。
褐斑病(かっぱんびょう)
カビによる病気で、葉の表面に淡褐色の病斑が現れます。
病気が進行するといびつな褐色に変色し、病斑部が破れて葉が枯れてしまい、株の生育が妨げられます。
連作を避け、株間を広く取って風通しを良くします。
降雨や水やりによって菌が飛散するので、発病した葉や株は、早めに撤去処分します。
6.空芯菜に発生しやすい害虫
空芯菜には、イモキバガ、アブラムシ、ヨトウムシなどが発生することがあります。
イモキバガ
イモキバガは蛾の仲間で、幼虫が空芯菜のほか、サツマイモなどのヒルガオ科の植物の葉を好んで食害します。
葉をつづり合わせるのが特徴で、巻いた葉の中に生息しているので葉ごと潰します。気温が高い時期に発生し、雨が少ない年に多発します。
防虫ネットをかけると、成虫の産卵を予防することができます。
アブラムシ
アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、葉に集団で寄生して植物の汁を吸収します。
他の植物から体内にウイルスを取り込み、健康な植物にウイルスを媒介するやっかいな害虫です。
窒素肥料のやりすぎに注意し、アブラムシの飛来を予防します。アブラムシの飛来を防ぐには、目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防御します。
ヨトウムシ
ヨトウムシは、ヨトウ蛾の幼虫で、一晩で野菜を食い尽くしてしまう害虫です。葉の裏をこまめに観察して、卵や幼虫を見つけたら潰して駆除します。大きくなった幼虫は、日中は株元の地面に潜って隠れています。発見が困難ですが、食害された株元の土を割りばしで掘ってみて、見つけたら捕殺します。苗の植え付け時に、防虫ネットで覆うと産卵の被害を抑えることができます。
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