とう立ち(とうだち)

とう立ち(とうだち)

とう立ちは、「とうだち」と読みます。
「とう立ち」とは、植物が花を咲かせようとして、花芽のついた花径が立ち上がる現象を指します。
植物は、一定の条件が揃うと生長点に花芽ができ、とう立ちして花が咲きます。

野菜の中でとう立ちするものには、葉菜類のホウレンソウ、コマツナ、キャベツなど、根菜類のダイコン、ニンジンなどが挙げられます。しかし、野菜の栽培においては、とう立ちが発生すると、花芽に栄養が集中し、葉が硬くなったり味や品質が低下するため、望ましくありません。

野菜のとう立ちには、様々な要因があります。例えば、温度や日長、肥料切れなどが挙げられます。ダイコンやハクサイは、低温に長時間さらされると、子孫を残すためにとう立ちするようになります。一方で、タマネギやニンジン、キャベツは、ある程度の大きさに達すると、低温に敏感になり、とう立ちしやすくなります。また、ホウレンソウやレタス、シュンギクなどは、日照時間が長く、高温であることが原因となります。特に、ホウレンソウは、夜間に街灯や家の明かりに当たることで、昼が夜よりも長いと認識し、とう立ちを促すことがあります。

葉菜類や根菜類のとう立ちは、品質が低下し、収穫が困難になるため、収穫前に花芽を形成しないよう注意が必要です。収穫時期を調整したり、晩抽性(ばんちゅうせい)の品種を選んだりすることで、とう立ちを回避することができます。ただし、コマツナ、チンゲンサイ、ハクサイなどの一部の野菜は、とう立ちしても茎や葉を美味しく食べることができるため、とう立ち菜として親しまれています。


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