イタリアンパセリの育て方・栽培方法

イタリアンパセリの育て方・栽培方法

1.イタリアンパセリの特徴と栽培時期


イタリアンパセリの育て方手順に沿って、畑やプランターでイタリアンパセリを栽培してみましょう!
イタリアンパセリは、苗から栽培すると簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

イタリアンパセリの栽培データ
■イタリアンパセリの栽培難易度:簡単
■分類: セリ科オランダゼリ属
■原産地:地中海沿岸
■主な旬: 6月~11月、3月~5月
■栽培時期:春まき、秋まき
春まき栽培:種まき3月~5月、植え付け5月~6月、収穫6月~11月
秋まき栽培:種まき8月~9月、植え付け9月~10月、収穫3月~5月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~23℃
■生育適温:15~20℃

イタリアンパセリの苗や種が買えるお店

イタリアンパセリの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

イタリアンパセリの特徴

イタリアンパセリは、地中海沿岸地方原産のハーブで、ヨーロッパでは古くから食用として利用され、葉が縮れた一般的なパセリよりも主流とされています。
イタリアンパセリは葉が平たく、形状は三つ葉やパクチーに似ています。

イタリアンパセリは苦味やえぐみが少なく、葉や茎が柔らかいので食べやすいという特徴があり、イタリア料理や西洋料理のほか、サラダなどの生食にも向いています。
イタリアンパセリは、普通のパセリと同じようにビタミンやミネラルが豊富で、動脈硬化や高血圧などの予防効果が期待されています。また、香り成分には食欲増進や疲労回復、食中毒の予防効果があると言われています。

イタリアンパセリは、種から育てると育苗に時間がかかるので、苗を購入して植え付けると簡単で、プランターで栽培することもできます。

イタリアンパセリの栄養素

イタリアンパセリは栄養価の高い緑黄色野菜で、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維などが多く含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや動脈硬化などの予防効果があり、目や粘膜の健康を保ちます。ビタミンCは風邪の予防や疲労回復、カリウムは高血圧の予防、ビタミンKやカルシウムは骨の健康維持に効果があるとされています。

イタリアンパセリの主な品種

イタリアンパセリの品種は、『イタリアンパセリ』『ハーブ・イタリアンパセリー』などの名称で販売されています。

イタリアンパセリの栽培ポイント

・日当たりと水はけ、風通しのよい場所で栽培する。
・乾燥に弱いので、土が乾いたら適宜水やりをする。
・株の生育状況を見て、定期的に追肥を行う。

イタリアンパセリの栽培時期

栽培時期は、品種や地域によって異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
春まき栽培:種まき3月~5月、植え付け5月~6月、収穫6月~11月
秋まき栽培:種まき8月~9月、植え付け9月~10月、収穫3月~5月

イタリアンパセリの連作障害

イタリアンパセリは連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出て生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

イタリアンパセリの好適土壌pH

イタリアンパセリの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.イタリアンパセリの栽培方法(畑・プランター)

肥料

イタリアンパセリは、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると栽培が簡単です。
苗は、本葉5~6枚で茎が太く、節間が詰まった葉の緑色が濃いものを選び、病害虫の有無もチェックします。

畑栽培の場合

イタリアンパセリは、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作って栽培します。

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100/㎡を施してよく耕し、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。

種まき

種から育てる場合は、育苗に時間がかかるのでポットに種をまきます。
3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で浅い窪みを3箇所作り、2~3粒ずつ種をまきます。
周りの土をごく薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、濡らした不織布や新聞紙を被せて乾燥させないようにし、風通しの良い明るい日陰で管理します。
発芽したら本葉2~3枚の頃に生育の悪いものをハサミで切って間引き、1ポット1本にし、本葉5~6枚になったら植え付けます。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになるように植え付けます。株間は30㎝程度にします。植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水やりをします。

プランター栽培の場合

イタリアンパセリは種から育てることができますが、市販の苗を利用すると簡単です。
プランターは65㎝標準タイプで3株、7号鉢(直径21㎝)で1株が栽培目安となります。

用土

イタリアンパセリは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。プランター栽培では、排水性を良くするため鉢底石を敷き詰めて、野菜用培養土を8分目ほど入れます。

種まき

種から育てる場合は、ポットに種をまいて育苗します。
3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で浅い窪みを3箇所作り、2~3粒ずつ種をまきます。周りの土をごく薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。

植え付け

購入した苗や育苗した苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになるように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、夏の直射日光を避けて風通しの良い場所で管理します。

3.イタリアンパセリの栽培手入れ

水やり

収穫までの主な作業は、水やりと追肥などです。

水やり

畑栽培は、苗が根付くまでの間は土の表面が乾かないように水やりをします。活着後は自然の降雨で足りますが、雨が少ないときは乾燥に注意して水やりをします。
イタリアンパセリは乾燥に弱いので、株元に敷きわらを施すと乾燥防止になり、除草対策にもなります。夏場の水やりは、日中を避けて気温の低い時間帯に与えるようにします。
プランター栽培は、苗が根付くまでの約1週間はたっぷりと水を与えます。その後は、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。

追肥

イタリアンパセリは、肥料が不足すると葉が黄色く変色してくるので、葉の色や株の生育状況を見ながら追肥を施します。
畑栽培は、植え付けから2~4週間後に化成肥料30g/㎡を株の周りにまき、土と肥料を軽く混ぜて株元に土を寄せます。
以後は3~4週間に1回、同量を株の周りにまき、土と肥料を軽く混ぜて株元に土を寄せます。
プランター栽培は、植え付けから約2週間後に1株当たり化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、軽く土と混ぜ混ぜ合わせます。
以後は2~3週間に1回、同量をプランターの縁にまき、軽く土と混ぜ混ぜ合わせます。

4.イタリアンパセリの収穫時期

イタリアンパセリの収穫時期

イタリアンパセリは、草丈20㎝程度で本葉が12枚以上になったら収穫することができます。
収穫の際は、根元を2~3cm残して、外側の大きな葉から順にハサミで切り取って収穫します。
一度に多くの葉を収穫すると株が弱ってしまうので、葉を10枚前後残すようにします。また、収穫後も株の状態を見ながら追肥を施すようにします。

5.イタリアンパセリに発生しやすい病気

イタリアンパセリは、軟腐病やうどんこ病などに注意します。

うどんこ病

うどんこ病はカビによる病気で、外側の葉や葉柄に白い粉をまぶしたようなカビが斑点状に発生します。病気が進行するとイタリアンパセリの葉がカビで覆われ、光合成ができなくなって葉が枯れてしまいます。空梅雨の年や雨が少ない乾燥した年に多発します。
窒素過多になると株が軟弱に育つため、窒素肥料を少なめにし、日当たりと風通しをよくします。発病した葉は、切り取って畑の外に撤去処分します。
薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』などがあります。

軟腐病(なんぷびょう)

軟腐病は細菌による病気で、根などの傷口から細菌が侵入し、地際部分が軟化、腐敗して悪臭を放ちます。高温多湿の6月以降に多発し、窒素肥料が多い場合も軟弱に育って発生します。連作を避け、高畝にして排水性をよくします。発病したイタリアンパセリの株は、早めに抜き取り撤去処分します。

6.イタリアンパセリに発生しやすい害虫

イタリアンパセリは、キアゲハやアブラムシなどに注意します。

キアゲハ

キアゲハはチョウの仲間で、幼虫はセリ科の葉を好んで食害します。幼虫は黒褐色に橙色の斑点があり、成熟すると緑と黒の縞模様のイモムシになります。体長が5㎝ほどになり目立つので、見つけたら捕殺します。発生初期の薬剤には、『ゼンターリ顆粒水和剤』などがあります。

アブラムシ

アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、イタリアンパセリの茎や葉に集団で寄生し、口針を刺しこんで植物の汁を吸収します。モザイク病やウイルス病に感染した植物を吸汁した際に体内にウイルスを取り込み、健康な植物にウイルスを媒介します。
窒素肥料のやりすぎに注意し、0.8㎜以下の目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防止します。

ハダニ

ハダニはクモの仲間で、体長0.5㎜ほどで肉眼では見つけにくい害虫です。成虫はイタリアンパセリの葉の裏に卵を産み、幼虫は葉の組織から養分を吸いとります。葉に小さな白い斑点などの症状が現れたら、葉の裏をよく観察します。気温が高く乾燥している時期に発生するので、梅雨明け頃から多発します。ハダニは雑草にも発生するため、周囲の雑草はこまめに取り除きます。

ヨトウムシ

ヨトウムシは数百個の卵をイタリアンパセリの葉に産み付け、幼虫は一晩で野菜を食い尽くすほどの害虫です。苗の植え付け時に防虫ネットで覆うと産卵の被害を抑えることができます。葉の裏をこまめに観察して、卵を見つけたら孵化する前に葉ごと切り取って駆除します。

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