イタリアンパセリの育て方・栽培方法

イタリアンパセリの育て方・栽培方法

1.イタリアンパセリの特徴と栽培時期


イタリアンパセリの育て方手順に沿って、畑やプランターでイタリアンパセリを栽培してみましょう!
イタリアンパセリは、苗から栽培すると簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

イタリアンパセリの栽培データ
■イタリアンパセリの栽培難易度:★★☆☆☆
■分類: セリ科オランダゼリ属
■原産地:地中海沿岸
■主な旬: 6月~11月
■栽培時期:春まき
春まき栽培:種まき3月~5月、植え付け5月~6月、収穫6月~11月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~23℃
■生育適温:15~20℃

イタリアンパセリの苗や種が買えるお店

イタリアンパセリの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

イタリアンパセリの特徴

パセリは、地中海沿岸地方原産のハーブで、古代ギリシャ・ローマ時代には薬用や香辛料に用いられていたと言われています。

イタリアンパセリは、ヨーロッパでは古くから食用として利用され、葉が縮れたパセリよりも主流とされています。葉は平たく、形状は三つ葉やパクチーに似ています。

イタリアンパセリは苦味やえぐみが少なく、葉や茎が柔らかいので食べやすいという特徴があり、イタリア料理や西洋料理のほか、サラダなどの生食にも向いています。

イタリアンパセリは、ビタミンやミネラルが豊富で健康野菜としても注目されています。栄養価は普通のパセリとほぼ同じで、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習病の予防効果があるとされています。
また、香り成分には食欲増進や疲労回復、食中毒の予防効果があると言われています。

イタリアンパセリは、種まきから始めると育苗に約2か月近くかかるので、家庭菜園では苗を購入して植え付けると簡単で、プランターで栽培することもできます。

イタリアンパセリの栄養素

イタリアンパセリには、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維などが多く含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや動脈硬化などの予防効果があり、目や粘膜の健康を保ちます。
ビタミンCは風邪の予防や疲労回復、カリウムは高血圧の予防、ビタミンKやカルシウムは骨の健康維持に効果があるとされています。

イタリアンパセリの主な品種

各種苗メーカーから「イタリアンパセリ」の名称で販売されています。
『イタリアンパセリ』『ハーブ・イタリアンパセリー』など。

イタリアンパセリの栽培ポイント

・日当たり、水はけ、風通しのよい場所で栽培する。
・発芽率がよくないので、やや多めに種をまく。
・乾燥に弱いので、土が乾いたら適宜水やりをする。

イタリアンパセリの栽培時期

春まき栽培:種まき3月~5月、植え付け5月~6月、収穫6月~11月

栽培時期は、品種や地域によって異なりますので、タネ袋やホームセンターなどで確認するようにします。

イタリアンパセリの連作障害

イタリアンパセリは連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生します。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

イタリアンパセリの好適土壌pH

イタリアンパセリの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.イタリアンパセリの栽培方法(畑・プランター)

肥料

肥料

イタリアンパセリは、育苗に手間がかかるので、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると栽培が簡単です。
苗を選ぶときは、節間がほどよく詰まっていて葉の緑色が濃いものを選び、葉が黄色くなっているものや病害虫の被害があるものは避けます。

畑栽培の場合

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間以上前に苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100/㎡を施してよく耕します。
畝幅は60㎝、高さ10~15㎝にします。

種まき

種まきから始める場合は、ポリポットに種をまいて苗を育てます。
3号ポット(9㎝径)に培養土を入れ、指先で浅いくぼみを3箇所作り、各くぼみに4~5粒ずつ種をまきます。
まわりの土をごく薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてやさしく水やりをします。

発芽するまでは、濡らした不織布や新聞紙を被せて乾燥させないようにし、風通しの良い明るい日陰で管理します。
発芽して本葉3~5枚の頃に、生育の悪いものをハサミで切って間引き、1ポット1株にします。
本葉5~6枚になったら、畑に植え付けます。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が地面と同じ高さになるように植え付けます。株間は、30㎝程度にします。

植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて株を安定させ、たっぷりと水をあげます。

プランター栽培の場合

種から育てることができますが、栽培する株が少ないときは、市販の苗を利用すると簡単です。苗を植え付ける場合は、標準タイプのプランターで2~3株、8号鉢(直径24㎝)で1株が栽培目安となります。

用土

イタリアンパセリは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、野菜用培養土を
7~8分目ほど入れます。

種まき

種まきから始める場合は、畑栽培と同じ手順でポリポットに種をまきます。
種はとても細かいので、厚まきしないように注意し、土はごく薄くかけるようにします。

種まきは、ポットまきのほか、直まきもできます。すじまき又はばらまきにして土を薄く被せます。発芽して株が混み合ってきたら、間引きをします。

植え付け

苗を植え付ける場合は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになるように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて株を安定させ、たっぷりと水をあげます。

プランターや鉢は、夏の直射日光を避けて風通しの良い場所で管理します。

3.イタリアンパセリの栽培手入れ

水やり

水やり

畑栽培は、苗が根付くまでの間は土の表面が乾かないように水やりをします。
活着してからは自然の降雨で足りますが、雨が少ないときは乾燥させないように注意し、水やりをします。
イタリアンパセリは乾燥に弱いので、株元に敷きわらを施すと乾燥防止ができ、除草対策にもなります。
夏場の水やりは、日中を避けて気温の低い時間帯に与えるようにします。

プランター栽培は、苗が根付くまでの約1週間はたっぷりと水を与えます。
その後は、土の表面が乾く前にたっぷりと水やりをします。

追肥

畑栽培は、植え付けの約1か月後に化成肥料30g/㎡を株の周りにまき、土の表面をほぐしながら土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
以後は月に1回、同量を株の周りにまき、土の表面をほぐしながら土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。

プランター栽培は、植え付けから約2週間後に1株当たり化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、軽く土と混ぜながら株元に土寄せをします。
以後は2~3週間に1回、同量をプランターの縁にまき、軽く土と混ぜながら株元に土寄せをします。

4.イタリアンパセリの収穫時期

イタリアンパセリの収穫時期

イタリアンパセリは、草丈が20㎝を越えるようになったら収穫ができます。
収穫の際は、必要な分だけ外葉からハサミで切り取って収穫します。
また、株ごと刈り取って収穫することもできます。春まき栽培では、株元を5㎝ほど残して刈り取り、株の周りに化成肥料を追肥しておくと新芽が伸びて再度収穫することができます。

5.イタリアンパセリに発生しやすい病気

イタリアンパセリの病気に注意していきましょう。

萎黄病(いおうびょう)

萎黄病は土壌中の細菌による病気で、葉が萎れて次々と黄色くなり、やがて株が枯れてしまう病気です。多湿環境で発生しやすいので排水を良くして、連作をしないようにします。発病した株は、早めに抜き取り撤去処分します。

軟腐病(なんぷびょう)

軟腐病は細菌による病気で、根などの傷口から細菌が侵入し、地際部分が軟化、腐敗して悪臭を放ちます。
高温多湿の6月以降に多発し、窒素肥料が多い場合も軟弱に育って発生します。
連作を避け、高畝にして排水性をよくします。
発病した株は、早めに抜き取り撤去処分します。

6.イタリアンパセリに発生しやすい害虫

イタリアンパセリの害虫被害にも注意しましょう。

キアゲハ

キアゲハはチョウの仲間で、幼虫がニンジンやミツバなどのセリ科野菜の葉を食害します。幼虫は黒褐色に橙色の斑点があり、成熟すると緑と黒の縞模様のイモムシになります。体長が5㎝ほどになるので、イタリアンパセリの葉を食べ尽くしてしまいます。
幼虫は目立つので、見つけたら捕殺します。

アブラムシ

アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、茎や葉に集団で寄生し、口針を刺しこんで植物の汁を吸収します。モザイク病やウイルス病に感染した植物を吸汁した際に体内にウイルスを取り込み、健康な植物にウイルスを媒介します。窒素肥料のやりすぎに注意します。
アブラムシの飛来を防ぐには、0.8㎜以下の目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防御する方法も効果があります。

ヨトウムシ

ヨトウムシはヨトウガの幼虫です。ヨトウガは数百個の卵を葉に産み付け、幼虫は一晩で野菜を食い尽くすほどの害虫です。
苗の植え付け時に防虫ネットで覆うと産卵の被害を抑えることができます。
イタリアンパセリの葉の裏をこまめに観察して、卵を見つけたら孵化する前に葉ごと切り取って駆除します。

ハダニ

ハダニはクモの仲間で、体長0.5㎜ほどでとても小さく、肉眼では見つけにくい害虫です。成虫はイタリアンパセリの葉の裏に卵を産み、幼虫は葉の組織から養分を吸いとります。
葉に小さな白い斑点などの症状が現れたら、葉の裏をよく観察するようにします。気温が高く、乾燥している時期に発生するので、梅雨明け頃から多発します。
ハダニは雑草でも発生するため、株の周囲の雑草はこまめに取り除きます。

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