1.アスパラ栽培の特徴と時期
アスパラガスの育て方手順に沿って、畑やプランターでアスパラガスを栽培してみましょう!
アスパラガスは株が育つと、たくさん収穫ができるので、家庭菜園で栽培するのにオススメの野菜です。
■分類:ユリ科アスパラガス属
■原産地:南ヨーロッパ~ロシア南部
■アスパラガスの旬:4~6月
■栽培時期:春まき・春植え
春の種まき:2~3月、植え付け:翌年4~5月、収穫時期:3年目の4~6月
■連作障害:あり(3~4年あける)
■好適土壌pH:6.0~7.0
■発芽適温:20~30℃
■生育適温:15~25℃
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アスパラガスの特徴
アスパラガスは、ユリ科アスパラガス属の植物で、原産地は南ヨーロッパからロシア南部です。アスパラガスは、一度植え付けを行うと、同じ場所で7~10年間も収穫ができる作物です。一般に見かけるのはグリーンアスパラガスですが、他にもホワイトアスパラガス、ミニアスパラガスなどがあります。アスパラガスは、苗を植え付けてから1年目と2年目は収穫しないで、3年目の春から本格的に収穫をします。家庭菜園初心者の方には、栽培難易度がやや高い野菜ですが、苗から育てることで栽培しやすくなります。
アスパラガスの品種
アスパラガスの品種としては、『シャワー』『ウェルカム』『スーパーウェルカム』『ウェルカムAT』『グリーンタワー』『ハイデル』『バイトル』『パープルタワー』『メリーワシントン』『HLA-7(ガインリム)』など様々な品種があります。
アスパラガスの栄養素
アスパラガスは、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、葉酸などの栄養を豊富に含んでいます。アミノ酸の一つであるアスパラギン酸は、アスパラガスから発見されたものです。高血圧予防、造血効果、疲労回復、スタミナアップなどの効果があります。取れたてが一番おいしく、サラダやパスタなどの料理に活用できる使い勝手の良い野菜でもあります。
アスパラガス栽培のポイント
一般的な畑栽培では、1~2年目は株を大きく成長させて、3年目の春から収穫します。栽培のポイントは、①1~2年目は株を大きく育てる、②収穫は3年目から行う、③水やりと追肥をしっかり行う、④株を冬越しさせて翌年の収穫に備えることです。
アスパラガスの栽培時期
種から育てる場合は、3月中旬に種まきをします。発芽したら、ポリポットに苗を移し替えて1年間育てます。発芽適温は20~30℃、生育適温は15~25℃です。2年目の4月下旬~5月中旬に植え付けを行います。秋になって茎葉が枯れてきたら株を切り取って冬越しさせます。3年目の4~6月に本格的に収穫していきます。
アスパラガスの連作障害
アスパラガスは連作障害がありますので、3~4年の期間をあけます。
アスパラガスの好適土壌pH
アスパラガスの好適土壌pHは、6.0~7.0です。
アスパラガスの収穫時期
アスパラガスの種をまいた1年目は、株を育てるため収穫はしません。2年目は少しだけ収穫して株を育てます。3年目の4~6月に本格的に収穫します。
2.アスパラの栽培基本(畑・プランター)
アスパラガスの栽培では、植え付ける苗を用意します。苗は、種まきを行う方法と、市販の苗を購入する方法があります。種から育てる場合は、植え付けまで1年間かかるため、家庭菜園初心者の方は苗から栽培することをおすすめします。
アスパラガスの種まき
アスパラガスを種から育てる場合は、2月上旬~3月上旬にセルトレイやポリポットに種をまきます。セルトレイは、1穴に1粒ずつ種をまき、種が隠れる程度に土を被せます。ポリポットは2~3粒を点まきして、土を軽く被せます。その後、水をたっぷりとやります。発芽までは、温室などで25~30℃を保って温度管理をします。畑に直接種をまく方法(直まき)もありますが、難易度が高くなります。アスパラガスの種を直まきをする場合は、地温が上がった4月中旬~5月中旬に種まきを行います。
アスパラガスの発芽
アスパラガスは一般的には15日前後で発芽しますが、発芽適温が高いため1か月近くかかる場合もあります。発芽して草丈5㎝程度になったら間引きます。草丈10cm程度になったらポリポットに1本ずつ移し替えて1年間育てていきます。
アスパラガスの土づくり
畑に苗を植え付ける時期は2年目の春になります。植え付け2週間前に苦土石灰1㎡当たり100gを撒いて土を耕します。植え付け1週間前に、1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料100~150gをまいて深く耕します。畝は、幅60㎝、高さ10㎝程度にします。
アスパラガスの植え付け
アスパラガスの植え付けは、晩霜の心配がなくなる4月下旬~5月上旬に行います。植え付けの際は、苗の根鉢を壊さないようにポットから取り出して、植え穴に入れて土を寄せます。株間は30~40㎝にします。植え付け後は、たっぷりと水やりを行います。
2年目から収穫を楽しみたい場合は、大苗を購入して植え付けます。大苗は、数年間栽培された根株ですので、11月頃に植え付けると、翌春から収穫することができます。大苗を植える場合は、根を大きく広げて、芽を上に向けて土を4~5㎝被せます。植え付け後は、敷きワラやモミ殻などで寒さ対策をすることが大切です。
プランターでの栽培方法
アスパラガスをプランターで栽培する場合は、苗から栽培することをおすすめします。プランターは深さ30㎝以上のものを用意します。鉢植えの場合は、1つの鉢に1株が目安です。アスパラガスは多湿に弱いので、プランターの底に赤玉土を敷き詰め、水はけを良くしておきます。植え付けは、4月下旬~5月上旬に行います。
種まきや植え付け方法は、畑の場合と手順は同じです。プランターは、日当たりの良い所に置き、土の表面が乾いてきたら水を与えます。アスパラガスは草丈が1m以上に育ちます。風で倒れると病気になりますので、プランターの四隅に支柱を立てて、ヒモを張って茎葉を囲み、倒伏対策をします。晩秋になると、茎葉が黄色くなってきますので、枯れた茎は地際から切り取り、撤去します。
3.アスパラの栽培手入れ
栽培1年目は、元肥をしっかりと施して土づくりを行い、株を大きく成長させます。苗が大きくなったら、風で倒れないように支柱を立てます。除草もしっかりと行っていきます。晩秋になって地上部の茎葉が枯れてきたら、地際から切り取り、畑から撤去します。
アスパラガスの水やり
アスパラガスは水を好みますので、水はけを良くして水やりを行います。夏場の高温期は、最低でも1週間に一度は水やりをするようにします。敷きワラを施すと、乾燥を防ぐことができ、雑草対策にもなります。
アスパラガスの支柱立て
アスパラガスは、草丈が1mほどの高さまで育つので、風で倒れやすくなります。茎が折れると枯れてしまうため、支柱を立てて倒伏を防ぎます。長さ1.5m程度の支柱を畝の四隅に立てて、ひもを横に張って茎葉を囲み、株が通路側に倒れないようにします。ひもは2〜3段に張ると、さらに効果があります。
アスパラガスの追肥
生育期間が長いアスパラガスは、株を丈夫に育てて維持していくことが大切です。そのためしっかりと肥料を与えます。追肥は化成肥料を1年に3回施します。1回目は、収穫後の6月頃に1株あたり10g、2回目は8~9月頃に1株あたり10g、3回目は2~3月頃に1株あたり5gを施します。肥料は、株元から30cmほど離れたところに施します。
茎葉の管理
アスパラガスは、生長してくると茎葉が混み合い、風通しが悪くなりますので、茎が細いものは取り除きます。太さ1cm程度のものを3~4本残して、茎の間隔を10cm以上あけると良いでしょう。収穫の際は、全部収穫しないで新芽を数本残して株の生育を促すようにします。
アスパラガスは、秋から冬にかけて根に養分を蓄えますが、晩秋になると地上部の茎葉が黄色く枯れてきます。枯れた茎葉は、株元からハサミで切り取り、畑の外に撤去処分します。放置しておくと病気や害虫発生の原因となるため、早めに撤去します。なお、刈り取った株の上に、堆肥やモミ殻などを施すと防寒対策にもなります。
4.アスパラの収穫時期について
アスパラガスの収穫適期
アスパラガスは、3年目の4~6月頃まで収穫を楽しむことができます。草丈20㎝ほどの大きさで、茎が太くて穂先が開く前のものを収穫します。収穫の際は、ハサミを使って地際付近から切り取っていきます。
本格的な収穫は3年目からですが、2年目から新芽が出てきます。少量であれば収穫することも可能です。2年目はまだ株を大きく育てている途中ですので、収穫は最小限にします。茎が細いものや、6月中旬以降に出るものは収穫しないで、秋になって茎葉が枯れるまで株を成長させていきます。
アスパラガスの生理障害
アスパラガスは、新芽をすべて収穫してしまうと株が弱くなり、病気にも感染しやすくなります。茎が細いという場合は、養分不足や病気で株が弱っていることが原因です。アスパラガスは、茎枯病という病気にかかりやすいので、注意が必要です。発病すると生育不良になり、茎葉が枯れてしまいます。病原菌は、落ち葉や茎に付着して越冬しますので、発病した茎葉は畑に残さないように撤去します。
5.アスパラに発生しやすい病気
アスパラガスの主な病気についてご紹介します。
茎枯病(くきがれびょう)
茎枯病は、アスパラガスに最も発生しやすい病気で、土の中の病原菌(カビ)が原因で起こります。発芽直後に灰褐色の病斑が現れ、やがて全体に広がって茎が枯れてしまいます。梅雨や秋雨の時期に多発し、水やりの時に泥はねによって感染する場合もあります。
多湿にならないように注意し、敷きワラを施して泥はねを防ぎます。茎葉が過繁茂になると蒸れやすくなるので、茎の数を減らして風通しを良くすることも大切です。発病したアスパラガスの株は、病気の拡大を防ぐため、切り取って撤去処分します。病原菌は、枯れた茎葉に残って越冬するため、病株は放置しないで早期に撤去します。
斑点病
斑点病は、病斑は赤褐色で茎枯病と同じような症状が起こります。多湿条件で発生しやすいため、敷きワラを施して泥はねを防ぎ、茎葉が過繁茂にならないようにして風通しを良くします。発病した株は伝染源となるので、アスパラガスの株元から切り取って、撤去処分します。
6.アスパラに発生しやすい害虫
アスパラガスの主な害虫についてご紹介します。
ジュウシホシクビナガハムシ
ジュウシホシクビナガハムシは、テントウムシのような色をしており、赤い体に黒い模様があります。成虫は、落葉や茎葉に付着して越冬し、新芽を食害します。食害されるとアスパラガスの茎が曲がり、変色します。春になると産卵して越冬するまで食害し続けるため、被害が大きくなります。肥料過多に注意し、薬剤処理で予防します。
タバココナジラミ
タバココナジラミは、体長約0.8㎜の非常に小さな虫で、発見が難しく、気づいた時には多発していることがあります。成虫が葉に産卵し、成虫や幼虫が葉を吸汁加害し、排泄物(甘露)にすす病が発生します。防虫ネットで成虫の侵入を防止します。
ネギアザミウマ
ネギアザミウマは、体長1~2㎜の小さな虫で細長い形をしています。茎葉に寄生し、多発すると生育が止まってアスパラガスの穂先が曲がったりします。防虫ネットで飛来を防止し、早期発見に努めて発生初期に防除します。
ヨトウムシ
ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、日中は土の中に潜んでいます。夜間になると活動を始め、地中から株元を食害します。根が食害されるとアスパラガスが生育不良になり、曲がったものができてしまいます。成虫は外部から飛来し、卵を産み付けて秋まで増え続けます。株もとの土中に潜んでいるため発見が難しく、農薬処理も効果が少ないので厄介です。防虫ネットを掛けて飛来を予防し、土の中を掘ってみて捕殺します。
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