根菜類の育て方
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秋ジャガイモの育て方!種芋の植え付け時期は?
1.秋ジャガイモの種芋の植え付け時期
秋ジャガイモの育て方手順に沿って、畑やプランターで秋ジャガイモを栽培してみましょう!
秋ジャガイモの植え付け時期は8月~9月で、約2カ月ほどで収穫ができるので、家庭菜園で栽培するのにもオススメの野菜です。
秋ジャガイモ(じゃがいも)の栽培データ
■秋ジャガイモの栽培難易度:普通
■分類:ナス科ナス属
■原産地:南米アンデス高地
■主な旬: 11月~12月
■栽培時期:秋植え
植え付け8月~9月、収穫時期:11月~12月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:5.0~6.0
■発芽適温:15~20℃
■生育適温:15~20℃
■秋ジャガイモの種イモが買えるお店
秋ジャガイモの種イモを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
甘みが強い秋ジャガイモや、土とセットになっていて育てやすい秋ジャガイモ、高発芽率の秋ジャガイモなど色々な品種が購入できます。
特徴
秋ジャガイモは、関東地方の南部やそれ以西の温暖地では、夏の終わりから秋にかけて植え付けをし、11~12月頃に収穫することができます。
秋ジャガイモは、和食、洋食を問わずいろんな料理に使われる食材で、ジャガイモに含まれるビタミンCは加熱による損失が少ないことも特徴の一つです。
秋ジャガイモの品種
秋ジャガイモの品種としては、『 出島(デジマ)』『キタアカリ』『アンデスレッド』など様々な種類があります。
出島は、肉じゃが、味噌汁、フライドポテト、肉じゃがなどの料理に使うことができ、とても使い勝手のいいジャガイモです。
皮はとても薄く、皮ごと調理もできます。
キタアカリは、ポテトサラダやコロッケ、粉吹いも、煮物などの料理に適したジャガイモです。
別名「くりじゃが」と呼ばれるほど肉質に黄色みがあり、 他のじゃかいもに比べて甘みが強いのが特徴です。
アンデスレッドは、ポテトサラダやコロッケなど、崩して使う料理に向いたジャガイモです。
皮は薄く、赤い色をしていて、肉色は明るい鮮黄色です。
肉質は粉質で、茹でるとホクホクして甘味がありとてもおいしい品種です。
栄養素
秋ジャガイモの栄養素としては、ビタミンC、ビタミンB1、カリウム、食物繊維などが多く含まれています。ビタミンCは免疫力を高め、カリウムは体内の塩分を調節して高血圧予防に効果があるとされています。ジャガイモの芽や、日に当たって緑色になったジャガイモは、毒があるので食べないように注意しましょう。
栽培のポイント
ジャガイモ栽培のポイントは、①種芋は無病の検定済みのものを使用する②土寄せをしてジャガイモを土から露出させない②ナス科の連作を避けることです。
好適土壌pH
ジャガイモの好適土壌pHは、5.0~6.0とされています。苦土石灰を撒きすぎないように注意が必要です。
連作障害
ジャガイモは、連作障害がありますので、同じナス科(トマト、ナス、ピーマン、シシトウなど)の野菜を栽培した土壌では2~3年の期間をあけるようにします。
植え付け時期
秋ジャガイモの植え付け時期は、8月~9月です。
収穫時期
秋ジャガイモの収穫時期は、11~12月頃です。
秋ジャガイモは、苗を植えて2カ月ぐらいで収穫ができます。
2.秋ジャガイモの栽培基本(畑・プランター)
■畑での栽培
種芋の準備
秋ジャガイモの種芋は、種苗検定済みのものを園芸店で購入して植え付けるようにします。スーパーで売られている食用のジャガイモや自家栽培のジャガイモを土に埋めても病害などでうまく育たないので、種芋を購入するようにします。
秋ジャガイモの植え付けは、暑い時期に行うので、種芋を切って植え付けると腐りやすくなります。
秋植えの場合は、1個30~40gの小ぶりの種芋が適しています。腐るのを防止するために、切らずにまるごと植え付けします。
秋ジャガイモの芽出し
秋ジャガイモの芽出しは8月中旬ぐらいから行い、3週間ほどで芽が出てきます。
秋ジャガイモの芽出しは夏に芽出しとするため、日に当てるのではなく、種芋を植え付けまでに冷暗所に広げておきます。
秋ジャガイモの発芽適温は、15〜20℃と言われているため、15〜20℃で管理します。
外で芽出しを行う場合、苗床を作って、日陰の風邪通りの良い涼しい場所で発芽させることも可能です。
プランターや、発泡スチロールのケースなどに土や砂を敷き、種芋を重ならないように並べ、軽く土をかけて芽出するまで待ちます。
土や砂がない場合は、新聞を敷いて並べて置いておいてもかまいません。
秋ジャガイモの芽出しに成功すると、くぼみ部分から三角にとんがった芽が出てきます。
土づくり
秋ジャガイモは、日当たりと水はけの良い場所で栽培します。ジャガイモは根を深く伸ばすので、20㎝くらいの深さまでしっかりと耕します。ジャガイモは弱酸性を好むため、pH6.0以上の場合は苦土石灰をまく必要はありません。秋ジャガイモは土寄せを行いながら栽培しますので、水はけのよい場所では、畝を立てなくても大丈夫です。元肥は、種芋を植え付ける時に施しますので、堆肥と化成肥料を用意しておきます。
植え付け
秋ジャガイモの種芋は、土が湿っていると腐ることがあるため、雨が降った時は土がよく乾いてから植え付けるようにします。植え付け場所に、深さ15㎝程度の植え溝を掘ります。秋ジャガイモの種芋を深く植え付けると芽が出にくくなるので、注意します。種芋を植え付ける際は、30㎝間隔で種芋を溝に置いていきます。植え付けが終わったら、種芋と種芋の間に堆肥200g、化成肥料30g程度を置き肥で施します。
このとき、種芋に肥料がかかると肥料焼けを起こすので、種芋に肥料がかからないようにします。肥料を施したら、溝の土を7~8㎝被せて埋め戻します。畑栽培では、秋ジャガイモの種芋を植え付けた後は、水やりは必要ありません。水を多くやりすぎると腐敗の原因となります。
■プランターでの栽培方法
プランターで秋ジャガイモを栽培する場合は、大型で深さ30㎝以上のものを用意にします。植え付ける株は、幅65cmのプランターでは2株、直径30cmの鉢は1株が目安となります。
水はけを良くするために、鉢底石を底部に敷きつめます。土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。土はプランターの高さ6分目まで入れ、増し土(培養土を補充すること)ができるようにします。
種芋は、種苗検定済みのものを購入して植え付けるようにします。秋植えの場合は、1個30~40gの小ぶりの種芋が適しています。腐るのを防止するために、切らずにまるごと植え付けします。大きすぎると病気に感染しやすくなります。
植え付けの際は、土を5㎝ほど掘ってから種芋を置き、土を5㎝ほど被せます。植え付け後は、容器の底から流れ出るくらいたっぷりと水をやります。その後は、日当たりと風通しのよい場所で育てるようにします。
3.秋ジャガイモの栽培手入れ
水やり
秋ジャガイモのプランター栽培では、土の表面が乾いてから水やりをします。水を多くやりすぎると、種芋が腐ることもあります。水を与えすぎないことも秋ジャガイモ栽培のポイントです。畑の場合は、水やりはあまり必要ありません。自然の雨だけで足ります。
芽かき
植え付けから1か月ほどで、1株の種芋から5~6本の芽が伸びてきます。秋ジャガイモは、すべての芽を残しておくと小さいイモばかり出来てしまいます。そこで、芽が10~15㎝になったら不要な芽をかき取ります。芽かきは、1株の芽が1~2本になるようにして、茎が太くて生育のよいものを残すようにします。残す芽の根元を手でしっかりと押さえ、かき取る芽を横に倒すようにして引き抜きます。無造作に芽を引っぱると種芋ごと抜けてしまうので注意します。芽を引き抜かずに、株元近くをハサミで切ってもかまいません。
プランター栽培でも、畑と同じように芽かきを行い、1株の芽が1~2本になるようにします。
追肥・土寄せ
秋ジャガイモは、追肥と土寄せ(株の根元に土を寄せること)を行うことでイモが肥大してきます。また、イモが土から露出して直射日光にあたるとソラニンという有毒物質が作られるため、土寄せはとても大切な作業です。
1回目の追肥は、芽かき後に行います。株と株の間に化成肥料20~30gを施し、土と軽く混ぜ合わせて、株元から5㎝ほど高くなるように土寄せをします。土寄せの際は、クワなどで秋ジャガイモの根を傷つけないように注意します。
2回目の追肥は、つぼみがつき始めたら行います。1回目と同じように化成肥料20gを施し、土と軽く混ぜ合わせて株元から5㎝ほど高くなるように土寄せをします。それ以降もイモが土から露出していたら、土をかけるようにします。
プランター栽培の場合は、植え付けから1か月ほど経ったら、追肥も兼ねて肥料入りの培養土を補充します(増し土)。2~3週間後にもう一度増し土を行い、イモが露出してきた場合は土寄せを行っていきます。
4.秋ジャガイモの収穫時期について
収穫適期
11~12月ごろ、気温が低くなって茎や葉が枯れてきたら試し掘りをします。イモがまだ小さいときは、土をかけて戻しておきます。イモが大きくなっていたら、晴天が2~3日以上続いて土壌が乾燥している日に収穫をします。土が過湿状態のときに収穫するとイモが腐りやすくなるので、晴天の日に収穫するようにします。
畑の場合は、イモを切断しないように注意して、株から少し離れたところにスコップを入れて、株全体を掘り起こします。掘り起こした土の中にイモが残っている場合があるので、手で探して収穫します。
プランター栽培の場合は、株元の部分を持って真っすぐに引き抜きます。掘り出した直後のイモは、皮がまだ軟らかいので土をつけたまま1~2時間ほど乾かします。
保存方法
収穫した秋ジャガイモは、少し乾燥させてから土を軽く落とし、風通しのよい日陰の場所にならべて3~5日ほど乾燥させます。乾燥を終えたら、傷んでいる秋ジャガイモは取り除き、ダンボールや保存袋に入れて風通しの良い場所で保存します。収穫した秋ジャガイモは呼吸をしているので、密閉しないで日光にあたらないようにすることが重要です。
生理障害
ジャガイモは連作障害を起こすため、同じナス科(トマト、ナス、ピーマン、シシトウなど)の野菜を栽培した土壌では2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。連作すると、土壌中の微生物に偏りが出て生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。
5.秋ジャガイモに発生しやすい病気
秋ジャガイモには、「そうか病」や「疫病」が発生しやすいので注意します。
そうか病
そうか病は、土壌中に生息する細菌によって起こる病気です。イモの表皮に直径5~10㎜のかさぶた状の病斑ができ、へこみや周囲が盛り上がったような病斑が現れます。土壌pHが6.5以上のアルカリ性土壌で多発します。ナス科作物の連作を避け、健全な種イモを使用し、アルカリ性土壌での栽培を避けるようにします。
疫病(えきびょう)
疫病は、土壌中に生息するカビによる病気で、泥はねなどで感染して葉や茎に発生して株を枯らします。葉には、水が浸みたような暗褐色の病斑ができます。
健全な種イモを使用し、水はけと風通しをよくして、窒素肥料の過多に注意します。発病した部分はすべて取り除いて、畑の外に撤去処分します。
6.秋ジャガイモに発生しやすい害虫
アブラムシ類
アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、植物や野菜の新芽や葉裏などに寄生し、汁液を吸って加害します。集団で吸汁するため、野菜の生育が著しく悪くなり、寄生した部分を食べ尽くすと、健康な野菜に移動して吸汁加害します。ウイルス病に感染している植物や野菜を吸汁すると、そのウイルスを体内に保毒するため、健康な野菜にウイルス病を感染させます。また、アブラムシの甘露(排泄物)に菌が付着して、葉が黒くなる「すす病」を引き起こすことがあります。すす病が発生すると、光合成ができなくなり葉が枯れてしまいます。
アブラムシは、土壌中の窒素成分が多いと発生しやすいので、窒素肥料のやりすぎに注意します。アブラムシは繁殖力が非常に旺盛でウイルス病を媒介するため、早期駆除に努めます。キラキラテープを張って飛来を防御し、周囲にムギなどのイネ科植物を植えて寄生させる方法も効果があります。
テントウムシダマシ
テントウムシダマシはテントウムシの仲間で、主にナス科の野菜に寄生し、成虫も幼虫も葉を好んで食害します。肥料分が多いと寄生されやすいので、肥料過多に注意します。寄生されると一気に繁殖してしまうので、葉裏をよく確認して幼虫や卵を見つけて捕殺します。
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