ジャガイモの土づくり方法

ジャガイモの土作りの基本

1.ジャガイモの土づくり

ジャガイモにとってよい土とは、排水性、保水性、通気性、保肥性がよく、微生物がたくさんいる土です。

水はけや通気性が良い土は、水と一緒に新しい酸素が土の中に供給され、土の中の二酸化炭素や有害物質を外に排出してくれます。また、水もちや肥料もちが良い土は、水分や養分を効率よくジャガイモに供給します。

ジャガイモの栽培では、よい土づくりが基本です。種イモの植え付け前にきちんと土づくりをすると、病害虫に強い丈夫なジャガイモを収穫することができます。

ジャガイモの栽培データ
■ジャガイモの栽培難易度:簡単
分類:ナス科ナス属
■栽培時期:中間地(関東地域)
春植え栽培:植え付け2月下旬~3月下旬、収穫5月下旬~6月中旬
秋植え栽培:植え付け8月下旬~9月上旬、収穫11月下旬~12月上旬
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:5.0~6.0
■使用肥料:堆肥、化成肥料

2.畑の準備

畑

畑の準備について紹介します。

栽培場所を選ぶ

ジャガイモは連作障害を起こすため、一度栽培した場所は2~3年の期間を空けるか、ナス科の野菜を栽培していない他の場所を選びます。
日当たりと水はけの良い場所を選び、種イモを植え付ける1週間前に土づくりを行います。

土を耕す

場所が決まったら除草を行い、クワや剣先スコップを使って、かたい土を深さ30~40㎝ほど掘り起こします。
前作の茎や根、マルチフィルム、石などは丁寧に取り除き、土が柔らかくなるまでよく耕します。

3.土壌酸度と苦土石灰

畑の土作り

土づくりの際は、ジャガイモが好む土壌酸度にする必要があります。

土壌酸度の測定

土を耕したら、土壌酸度(pH値)を測定します。測定機器や測定キットは、園芸店やインターネットで購入できます。
野菜に適した土壌酸度は、「好適土壌pH」と呼ばれています。
ジャガイモの好適土壌pHは、5.0~6.0とされています。ジャガイモは弱酸性を好むため、土壌pHが6.0以上の場合は苦土石灰をまく必要はありません。

苦土石灰

雨の多い日本では土壌が酸性になりやすいので、多くの野菜は苦土石灰をまいて土壌酸度を調整しますが、ジャガイモは弱酸性を好むため、苦土石灰をまく必要はありません。

4.完熟堆肥と化成肥料

畑の畝づくり

ジャガイモの栽培では、植え付けの1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕し、畝を作ります。

完熟堆肥を施す

完熟堆肥は肥料の一種で、動物の骨や糞、籾殻、木の皮などを完全に発酵させて作ったものです。臭いも少なく、扱いやすいので家庭菜園におすすめです。
完熟堆肥のほかに、腐葉土を使うこともできます。腐葉土は落ち葉などが腐ってできた土です。
どちらの場合も土壌微生物の働きで、土をふかふかにしてくれます。
なお、未熟堆肥を使うと分解過程でアンモニアガスなどの有害ガスが発生するので、使用する時は注意します。

化成肥料を施す

肥料には多くの種類がありますが、家庭菜園では汎用性の高い「化成肥料8-8-8」が手軽でおすすめです。
ジャガイモは、窒素成分が多すぎると徒長の原因となるので、窒素肥料の与え過ぎに注意します。

土をクワなどで耕すのが大変な場合は、電動小型耕うん機などが便利です。
家庭菜園では、充電式のコンパクトな家庭用耕うん機も人気です。

5.畝づくりとマルチング

畝を作る

畝を作ると水はけと通気性がよくなり、栽培場所と通路が分かれて管理も楽になります。

畝づくり

ジャガイモの畝づくりは、幅60〜70㎝、高さ10~15㎝にします。畝の長さは、栽培するスペースに合わせて決めます。
畝づくりの際は、畝幅に合わせて2本のロープなどを張り、ロープの外側の土を内側に入れて畝を高くします。盛り上げた土は、レーキなどを使って表面を平らに均しておきます。

マルチング

マルチング(マルチともいう)は、土の表面をポリフィルムなどで覆うことです。
マルチング資材には多くのタイプがあり、地温の調整、乾燥防止、肥料の流出防止、雑草防除、病害防除などの効果があります。
ジャガイモの栽培では、地温を高める黒マルチがおすすめです。
ジャガイモの栽培では、乾燥防止のため敷きわらを施すこともおすすめです。

6.プランター栽培の用土

培養土

ジャガイモは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。
プランター栽培の場合も、水はけと通気性がよく、適度な保水性がある土づくりが必要です。
『花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合』『ハイポネックス野菜の培養土』などがおすすめで、保水性・通気性・排水性に優れています。

野菜用培養土

プランター栽培では、市販の野菜用培養土やジャガイモ専用培養土を利用すると手軽に始めることができます。市販の培養土には数種類の用土がブレンドされているので、すぐに使うことができます。
用土を自分で作る場合は、保水性の良い赤玉土を主体にして、腐葉土などの有機物を加え、化成肥料や苦土石灰を入れてブレンドします。
ジャガイモは根もの野菜なので、赤玉土5、バーミュキュライト3、川砂2などの割合で配合し、用土10ℓあたり苦土石灰10g、化成肥料20gを加えてブレンドします。

土のリサイクル

一度使用した土には、病原菌や前作の肥料分などが残っていますので、なるべく新しい土を使用します。
土を再利用する場合は、日光消毒などが必要です。土をビニール袋に入れて、直射日光が当たる場所に数日間置いておくと、土の温度が約80℃まで上がって多くの病原菌が死滅すると言われています。
古い土をすぐに使いたい場合は、古い土に混ぜるだけで再利用可能なリサイクル材も市販されています。

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