1.メキャベツの特徴と栽培時期
メキャベツの育て方手順に沿って、畑やプランターでメキャベツを栽培してみましょう!
メキャベツは比較的簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。
■分類:アブラナ科アブラナ属
■原産地:ヨーロッパ(ベルギー)
■主な旬:11月~翌年2月
■栽培時期:夏まき・秋植え
種まき:7月、植え付け:8月~9月、収穫:11月~翌年2月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~25℃
■生育適温:18~22℃
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メキャベツの特徴
メキャベツは、アブラナ科アブラナナ属の野菜で、日本には明治時代にキャベツとともに導入されました。
メキャベツは、長く伸びた茎の部分に小さな結球が鈴なりにつくのが特徴です。
メキャベツは、小さいながらも栄養価に優れた野菜で、ビタミンCやミネラル、食物繊維などを豊富に含み、健康野菜としても注目されています。
メキャベツは独特な苦みがあるため、キャベツのように生で食べるのは不向きですが、シチューなどの煮込み料理や蒸し料理、バター炒め、サラダなどに幅広く使うことができます。
メキャベツは、関東などの中間地では7月上旬~7月下旬に種まきをすると、11月下旬~翌年2月下旬頃まで収穫を楽しむことができます。低温にも強く、1株から50個以上の球を収穫することができることも魅力の一つです。
メキャベツは、市販の苗を購入して植え付けると栽培が簡単で、プランターで栽培することもできます。
メキャベツの栄養素
メキャベツは、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、鉄分、葉酸、食物繊維などを豊富に含んでいます。
野菜のなかでも栄養価が高く、ガンの予防効果などが期待されています。
ビタミンCは、免疫力アップや美肌づくりなどに効果があります。
メキャベツの主な品種
主な品種は、以下のとおりです。
『早生子持』『ファミリーセブン』『ベビースター』『クラスター』など。
メキャベツの栽培ポイント
・日当たりと水はけのよい場所で栽培する。
・アブラナ科野菜を2~3年間栽培していない場所を選ぶ。
・早期に防虫ネットを張り、害虫被害を予防する。
・生育期間が長いので、定期的に追肥を施す。
・不要な下葉やわき芽をかき取り、わき芽の結球を促す。
メキャベツの栽培時期
栽培時期は、品種や地域によって異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
種まき7月上旬~7月下旬、植え付け8月上旬~9月上旬、収穫11月上旬~翌年2月下旬
メキャベツの連作障害
メキャベツは連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生します。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。
メキャベツの好適土壌pH
メキャベツの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。
2.メキャベツの栽培方法(畑・プランター)
メキャベツは、種から育てると温度管理が難しいので、栽培初心者の場合は、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると簡単です。ポット苗は本葉5~6枚で茎が太く、葉の色が濃いものを選びます。病害虫の有無もチェックします。
畑栽培の場合
土づくり
日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
植え付けの1週間前になったら、畝を立てる場所の中央にクワを使って深さ20~30㎝、幅15㎝ほどの溝を掘ります。溝の中に、完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g /㎡を均等に施し、掘り上げた土を埋め戻してから、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。
種まき
メキャベツは、ポットに種をまいて育苗します。
3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ1㎝ほどの窪みを3~4箇所作り、1粒ずつ種をまきます。
周りの土を薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水をたっぷり与えます。
発芽したら本葉2枚の頃までに生育の弱いものや形の悪いものを間引き、1ポット1株にして育苗します。
本葉5~6枚になったら、畑やプランターなど植え付けます。
植え付け
苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになるように植え付けます。株間は、40~45㎝程度にします。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて株を安定させ、たっぷりと水をあげます。
プランター栽培の場合
プランターは大型サイズで2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。
種から育てることができますが、栽培する株が少ないときは、市販の苗を利用すると簡単です。
用土
メキャベツは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、野菜用培養土を7~8分目ほど入れます。
種まき
種から栽培する場合は、ポリポットに種をまきます。
3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ1㎝の窪みを3~4箇所作り、1粒ずつ種を入れて土をかぶせます。
周りの土を薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水をたっぷり与えます。
発芽したら本葉2枚の頃までに生育の弱いものや形の悪いものを間引き、1ポット1株にして育苗します。
植え付け
苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになるように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて株を安定させ、たっぷりと水をあげます。
害虫の被害を少なくするため、防虫ネットは植え付け直後に速やかに掛けるようにします。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。
3.メキャベツの栽培手入れ
収穫までの主な作業は、水やり、追肥、防虫ネット、葉かき、支柱立てなどです。
水やり
畑栽培では、自然の降雨で足りるので基本的に水やりの必要はありません。
雨が降らないようであれば乾燥に注意し、水やりをします。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎに気を付けます。
追肥
メキャベツの追肥は、植え付けから約3週間後から行い、11月上旬で終わらせるようにします。
畑栽培は、植え付けから約3週間後に化成肥料30g/㎡を株の周りにまき、土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
その後は、約1か月おきに同量を株元から離して施し、土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
プランター栽培は、植え付けから約3週間後に化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、土と軽く混ぜ合わせて株元に土寄せをします。
その後は、約1か月おきに同量をプランターの縁にまき、土と軽く混ぜ合わせて株元に土寄せをします。
防虫ネット
メキャベツは、アブラナ科の害虫であるアブラムシやアオムシなどの被害を受けやすくなります。
害虫の被害を少なくするため、防虫ネットや寒冷紗を掛けて虫の飛来と産卵を防ぐことが重要です。
防虫ネットは、植え付け直後に速やかに掛けるようにします。苗に害虫が付いていないことを確認することも大切です。
葉かき
メキャベツは、植え付けから約2か月後に、葉の付け根に小さなわき芽が膨らんできます。わき芽に養分を集中させるために摘葉することを「葉かき」と言います。
葉かきを行うことによって、日当たりと風通しがよくなり、結球を促すことができます。
葉かきの際は、わき芽を傷つけないように手やハサミで葉柄を少し残して切り取ります。残した葉柄は自然に枯れて落ちます。
一度に多くの葉を切り取ると光合成ができなくなるので、葉かきは2回に分けて行います。地際から10㎝ほどの下葉から順に4~5枚ずつ切り取り、上部の葉は常に10枚以上残すようにします。
株元から10節目ぐらいまでの形の悪いわき芽は結球しないことが多いため、早めにかき取って他のわき芽の結球を促すようにします。
支柱立て
メキャベツは、株が倒れると結球しなくなるので、支柱を立ててヒモで結わえるようにします。
プランター栽培でも、風にあおられて倒伏しないように支柱を立てることをおすすめします。
4.メキャベツの収穫時期
メキャベツの収穫時期は、11月上旬~2月下旬です。
メキャベツは寒さに強いので、2月下旬まで収穫を続けることができます。
一度に結球しないので、大きさが2~3㎝になったら、かたく締まったものから順に手で摘み取って収穫します。
収穫の際は周りの芽を傷つけないように注意し、下葉を順次かき取り、黄色く変色した葉も摘み取っておきます。
5.メキャベツに発生しやすい病気
メキャベツに多い病気には、菌核病や根こぶ病などが挙げられます。多湿によるものが主な原因で、水のあげすぎや水はけに注意します。
菌核病(きんかくびょう)
菌核病は、結球期に発生することが多いので注意が必要です。発病すると茎や葉が水浸状に褐色してドロドロに腐敗します。軟腐病のような悪臭はありません。
菌核病を予防するためには、連作を避け、水はけの良い畝を作り、ワラなどを敷いて泥はねを防ぐことが大切です。
窒素肥料の過多にも注意し、発病したらすぐに株全体を抜き取り、病気の拡大を防ぐため畑の外に撤去処分します。
根こぶ病
根こぶ病は、アブラナ科の作物だけに感染する病気です。病原菌が根から侵入して根に大小のコブができます。コブが導管を圧迫するため、地上部の茎葉が栄養を吸収できなくなり生育不良になります。
土壌水分の多い畑で多発するため、畝作りの段階で排水性を良くします。
アブラナ科野菜の連作を避け、水はけの良い環境で栽培します。発病したら、根こぶが腐敗する前に抜き取って撤去処分します。
6.メキャベツに発生しやすい害虫
メキャベツは、栽培期間が長いこともあり、アブラナ科の害虫被害に遭いやすい野菜です。生育初期にアブラムシ、アオムシなどの害虫が寄ってきますので、日頃から葉の様子をチェックしておきます。
アブラムシ
アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、茎や葉に集団で寄生し、口針を刺しこんで植物の汁を吸収します。モザイク病やウイルス病に感染した植物を吸汁した際に体内にウイルスを取り込み、健康な植物にウイルスを媒介します。窒素肥料のやりすぎに注意します。
アブラムシの飛来を防ぐには、0.8㎜以下の目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防御する方法も効果があります。
繁殖力が非常に旺盛なため、見つけたら早急に捕殺するか、殺虫剤を株全体に散布して駆除します。
アオムシ
アオムシは、モンシロチョウの幼虫で、アブラナ科の野菜を好んで食害します。孵化したアオムシは食欲旺盛で、葉をレース状に食べ尽くしてしまい、葉の光合成が阻害されて結球できなくなります。窒素肥料が多い株に産卵されやすいので、窒素肥料の与え過ぎに注意します。
苗の植え付け直後に、防虫ネットや寒冷紗で覆うことが重要です。ネットに隙間がないかどうかもよく確認し、アオムシを見つけたら捕殺します。
コナガ
コナガはガの仲間で、幼虫が葉の内部に潜り込んで葉肉を食害します。繁殖力が強く農薬にも強いため、多発して野菜を食い尽くしてしまいます。窒素肥料が多い株に産卵されやすいので、窒素肥料の与え過ぎに注意します。
防虫ネットで産卵を予防しますが、葉がネットに触れていると外側から産み付けられるのでこまめにチェックします。
アブラナ科の雑草にも飛来するので、除草もしっかり行います。
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