1.モロヘイヤの特徴と栽培時期
モロヘイヤの育て方手順に沿って、畑やプランターでモロヘイヤを栽培してみましょう!
モロヘイヤは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。
■分類: アオイ科(シナノキ科)
■原産地:北アフリカ
■主な旬: 7月~10月
■栽培時期:春まき、夏植え
種まき時期:4月~6月、植え付け時期:6月~7月、収穫時期:7月~10月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:25~30℃
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モロヘイヤの特徴
モロヘイヤは、北アフリカ原産のシナノキ科の植物で、新分類体系ではアオイ科に含まれるようになりました。
モロヘイヤは、アラビア語で「王様の食べもの」を意味し、古代エジプトでは王様の病気回復の特効薬として重宝されていたと言われています。
日本では、1980年代に健康野菜として導入され、各地で栽培されるようになりました。
やわらかい葉を収穫し、スープ、天ぷら、かき揚げ、酢のもの、おひたしなどに利用します。
モロヘイヤは、栄養価がとても高い野菜で、すぐれた抗酸化作用があり、ガンや生活習慣病などの予防効果が期待されています。
秋に黄色い花が咲いて結実しますが、サヤがついた種子や茎は食べないように注意します。
サヤや種子などには、「ストロファンチジン」という有毒物質が含まれているので、花が咲き始めたら収穫を終わるようにします。
モロヘイヤは、夏の暑い時期でも収穫ができる貴重な葉物野菜で、家庭菜園でも簡単に育てることができます。
モロヘイヤの栄養素
モロヘイヤには、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、葉酸、食物繊維などが多く含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや生活習慣病を予防すると言われています。
生葉を刻むと出てくるネバネバは「ムチン」という成分で、胃の粘膜を保護するほか、肝臓や腎臓の機能を高める働きがあるとされています。
葉酸は、DNAや赤血球などの合成に欠かせない重要な栄養素となっています。
モロヘイヤの主な品種
日本では導入歴史が浅いため、特に品種はありません。品種改良されたものが、種苗店から販売されています。
『モロヘイヤ』『健康野菜モロヘイヤ』など。
モロヘイヤの栽培ポイント
・低温に弱いので、気温が十分に上がってから種まきや植え付けをする。
・生育旺盛のため、こまめに摘芯収穫をして小ぶりに育てる。
・サヤや種子には有毒成分があるので、絶対口に入れない。
モロヘイヤの栽培時期
モロヘイヤの栽培時期は、種まきが4月~6月、植え付けが6月~7月、収穫が7月~10月となります。
発芽適温、生育適温とも25~30℃と高いので、気温が十分に上がってから種まきや植え付けをします。
モロヘイヤの連作障害
モロヘイヤは、連作障害が起こる野菜です。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
同じ場所で栽培する場合は、最低でも1~2年の期間をあけるようにします。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。
モロヘイヤの好適土壌pH
モロヘイヤの好適土壌pHは、6.5~7.0です。
酸性土壌に弱いので、苦土石灰を多めにまいて土壌酸度を調整します。
2.モロヘイヤの栽培方法(畑・プランター)
モロヘイヤの栽培は、種まきと苗の植え付けの両方ができます。苗は、ホームセンターなどで購入できます。
家庭菜園初心者の場合は、市販の苗を購入して植え付けると手軽です。
畑栽培の場合
土づくり
畑で栽培するときは、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
種まき又は植え付けの2週間以上前までに、苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に、完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10㎝にして表面を平らにします。
植え付けの2~3日前に黒マルチを張り、地温を高めておきます。
種まき
畑に直まきもできますが、移植に強いので育苗ポットに種をまきます。
種は一晩水につけてからまくと、発芽しやすくなります。
3号ポット(直径9㎝)に用土を入れ、種を5~6粒まいて土を薄く被せます。
手で軽く押さえて土と種を密着させ、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは育苗ポットを新聞紙で覆い、土が乾燥しないように管理します。
土の表面が乾いたら、土が流れないように霧吹きなどで水を与え、発芽したら新聞紙を取り除きます。
発芽して本葉2枚の頃に生育の悪いものを間引いて1ポット3本にし、本葉3~4枚の頃に1本立ちにします。
本葉5~6枚になったら、畑やプランターに植え付けます。
苗の植え付け
植え付けは、晩霜の心配がなくなった晴れた日の午前中に行います。
低温時に植え付けると寒さで弱るため、地温が十分に上がってから植え付けるようにします。
モロヘイヤは、わき芽を伸ばして大きく成長するので、株間は30~50㎝にします。
根鉢を崩さずに、根鉢の肩が地表面から少し出る程度の浅植えにします。
植え付け後は、株元に土を寄せて苗を安定させ、株元にたっぷりと水やりをします。
プランター栽培の場合
種まきから育てることができますが、市販の苗を購入して植え付けると栽培の手間が省けます。
用土
プランターや鉢で栽培する場合は、深さ30㎝以上のものを用意します。
用土は、市販の野菜用培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は7分目くらい入れます。
植え付け
低温時に植え付けると寒さで弱るため、気温が十分に上がってから植え付けるようにします。
プランターでは2~3株、鉢植えは1鉢1株が栽培の目安です。
根鉢を崩さないようにして、根鉢の肩が地表面から少し出る程度の浅植えにします。
株元に土を寄せて苗を安定させ、株元にたっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。
3.モロヘイヤの栽培手入れ
モロヘイヤの水やり
畑栽培の場合は、根付いた後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。
夏場に晴天が続いて降雨が無い場合は、葉が萎れる前に水やりをします。
水やりは、朝の涼しい時間帯に株元にたっぷりと与えます。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
やや湿り気を好む野菜ですが、土の表面が乾いてから水やりをするようにします。
追肥
畑栽培では、植え付けの1か月後から月に1回程度追肥をします。化成肥料30g/㎡を株の周りにまいて、土と軽く混ぜて株元に土寄せをします。
肥料が不足すると葉が硬くなるので、肥料切れにならないように注意します。
プランター栽培では、植え付け後3週間ほど経ったら追肥を開始します。
1株当たり化成肥料5g程度を株の周りにまき、土と軽く混ぜて株元に土寄せをします。
液肥を施す場合は、水やりを兼ねて7~10日に1回与えます。
用土が減っていたら、葉の下の茎が半分ほど埋まる程度に増し土をします。
摘芯
主枝の草丈が30~40㎝になったら、主枝の先端から15~20㎝のところで収穫を兼ねて摘芯します。
摘芯をするとわき芽が伸びてくるので、先端の柔らかい部分を摘み取って収穫を続けます。
4.モロヘイヤの収穫時期
収穫適期
モロヘイヤは、株の高さが40~50㎝になったら収穫適期です。
収穫の際は、わき芽のやわらかい枝先を15~20㎝の長さで、節の上で切り取ります。
下のほうまで切り過ぎるとわき芽が出なくなるので、葉を3~4枚ほど残すようにします。
収穫が始まったら、株の生育状況を見ながら化成肥料を追肥します。
株の周りに肥料をまき、土と軽く混ぜ合わせて株元に土寄せをします。
モロヘイヤは短日植物のため、秋になると花が咲いて種ができます。
サヤや種子、茎などには有毒成分が含まれているので、花が咲き出したら収穫を終わらせるようにします。
種は採種して翌年に使うこともできますが、寒冷地では種が完熟する前に枯れてしまうので採種することはできません。
5.モロヘイヤに発生しやすい病気
モロヘイヤは病気に強い野菜ですが、黒星病などを発症することがあります。
黒星病(くろぼしびょう)
黒星病は、糸状菌と呼ばれるカビによる病気で、葉に淡褐色や黒色のシミが現れます。次第に大きくなり、病班部の周りが黄変し落葉します。
湿気の多い梅雨の時期に発生しやすいので、泥はねに注意し、風通しを良くします。発病した株は、早めに撤去処分します。
6.モロヘイヤに発生しやすい害虫
モロヘイヤは害虫にも強い植物ですが、ハダニやオンブバッタなどの被害を受けることがあります。
ハダニ
ハダニは、クモのような糸を吐く体長0.3~0.5㎜の虫で、葉の裏に寄生して植物の栄養を吸い取ります。
放置すると葉の色が悪くなり、株が枯れてしまうこともあるので早期に駆除します。
葉に小さな白い斑点などの症状が現れたら、葉の裏をよく観察するようにします。
気温が高く、乾燥している時期に発生しやすいので、梅雨明け頃から多発します。
黒マルチを外して敷きわらに替えたり、大量に発生した場合は殺虫剤を散布して対応します。
ハダニは水に弱いので、葉の裏に霧吹きで水をかけることも有効です。
オンブバッタ
オンブバッタは、草むらや畑にいる害虫で、雄が雌の背中に乗っている姿をよく見かけます。
雑食性で、多くの野菜や草花の葉を食害します。幼苗を食害されると、苗が枯死することもあります。
ふ化した幼虫は、葉の表側から食害するため、葉に大きな穴があきます。
幼虫は集団で加害するため、見つけたら捕殺します。
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