里芋(サトイモ/さといも)の育て方・栽培方法

サトイモの育て方・栽培方法

1.里芋の特徴と栽培時期


里芋の育て方手順に沿って、畑やプランターで里芋を栽培してみましょう!
里芋は難易度がやや高い野菜ですが、初心者にも育てられる野菜です。

里芋(サトイモ)の栽培データ
■里芋の栽培難易度:★★★☆☆
■分類:サトイモ科サトイモ属
■原産地:東南アジア
■主な旬:10月~11月
■栽培時期:春植え
植え付け:4月~5月、収穫時期:10月~11月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~30℃
■生育適温:25~30℃

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里芋の特徴

里芋は、マレー半島付近の東南アジア原産で、日本に伝わったのは縄文時代とされています。山で採れるものを山芋と呼び、里で栽培されたものを里芋と呼んでいたと言われています。

里芋は、食べる部位によって品種が分類され、親芋用、子芋用、親子兼用の3種類があります。
関東では、土垂(どだれ)という子芋用品種が多く栽培されています。
里芋は、イモ類の中では低カロリーで、カリウムや食物繊維を多く含んでいます。
体脂肪が気になる方や、生活習慣病の予防にもおすすめの野菜です。

里芋は、栽培期間がやや長く、植え付けから約180日後に収穫ができます。
病害虫の発生も少なく、手間があまりかからないので、家庭菜園初心者にも育てることができます。

里芋の栄養素

里芋には、カリウムや食物繊維が豊富に含まれています。
里芋特有のぬめり成分は、ムチンやガラクタンと呼ばれるもので、消化吸収を助け、免疫力を高める効果があります。カリウムは、体内のナトリウムを排出する働きがあり、高血圧の予防に効果があります。
食物繊維は、コレステロールや腸内の老廃物を排出し、動脈硬化などの予防効果があるとされています。

サトイモの収穫

里芋の主な品種

里芋の品種は、食べる部位によって子芋用、親芋用、親子兼用の3種類があります。
『石川早生』『土垂』『セレベス』『善光寺』『八ツ頭』『赤芽大吉』『大野里芋』『女早生』など。

里芋の栽培ポイント

・乾燥に弱いので、水やりをしっかりと行う。
・追肥と土寄せを2〜3回行う。
・同じ場所で栽培する場合は、4~5年の期間をあける。

里芋の栽培時期

植え付けは4月~5月、収穫は10月~~11月です。
里芋は寒さに弱いため、気温が十分暖かくなってから植え付けて、霜が降りる前に収穫します。

里芋の連作障害

里芋には、連作障害が起こります。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
里芋の場合は、最低でも4~5年の期間をあけるようにします。

里芋の好適土壌pH

里芋の好適土壌pHは6.0~6.5です。酸性土壌に弱いので、苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.里芋の栽培基本(畑・プランター)

肥料

里芋の栽培は、植え付け用の種イモを用意します。
種イモは、ホームセンターなどで購入できますが、スーパーで買ったものなども利用できます。
種イモは地上に芽を出すまで1か月ほど要するため、芽出しをしてから植え付けると安心です。

種イモの準備

種イモは40~60gくらいの大きさで、ふっくらと良く太っていて傷がなく、芽の付いているものを選びます。
発芽しているものは、そのまま植え付けることができます。

発芽の遅れが心配であれば、芽出しをしてから植え付けます。
芽出しは、プランターなどに野菜用培養土を入れ、種イモの芽を上にして置き、土をかぶせてたっぷりと水やりをします。
換気用の穴をあけたビニールをかけて、日当たりのよい場所に置き、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。

畑栽培の場合

土づくり

畑で栽培するときは、日当たりと風通しの良い場所を選びます。
植え付けの2週間以上前までに苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。1週間前に完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいて深く耕します。
植え付け前までに、幅70~80㎝、高さ10㎝~15㎝の畝を作り、表面を平らにします。

植え付け

里芋は寒さに弱いので、十分に暖かくなってから植え付けをします。
畝の中央に植え穴を掘り、深さ10㎝くらいにして芽を上に向けて植え付けます。
周囲の土を穴に埋め戻して、表面を軽く手で押さえておきます。
株間は45~50㎝程度にします。土が湿っている場合は、植え付け後の水やりは必要ありません。
敷きワラを施しておくと、土の乾燥を防ぐことができます。

追肥・土寄せ

植え付けから約1か月たったら、追肥を行います。
化成肥料30g/㎡を株間や畝間にパラパラとまき、土と良く混ぜてクワなどで株元に土寄せをします。
土寄せは、一度に厚くしないで高さ5㎝くらいにします。
2回目は梅雨明け前に行い、1回目と同様に追肥を施して土寄せをします。

プランター栽培の場合

基本的な育て方は、畑の場合と同じです。
プランターは、深さ30㎝以上の大型サイズを利用します。
野菜用培養土は、新しい用土を使用することをおすすめします。

植え付け

プランターの底に鉢底石を敷き、野菜用培養土を7分目ほど入れます。
培養土は、増し土する分を考慮して上部から10~15㎝ほどスペースを空けるようにします。
種イモは、深さ10㎝ほどの穴を掘り、芽が出ているほうを上にして土を5㎝ほど被せます。
植え付け後に、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。

追肥・土寄せ

6月頃に草丈が15㎝前後になったら、株元に化成肥料5gをばらまき、その上に新しい用土を5㎝ほどの厚さで増し土をします。
2回目は、草丈が30㎝前後になったら、1回目と同じように化成肥料を施して増し土を行います。

3.里芋の栽培手入れ

水やり

里芋の水やり

畑の場合は、自然の降雨で足りるため、基本的に水やりの必要はありません。
梅雨明け以降は乾燥に注意し、降雨の無い日が続いた場合は、週に1~2回水やりをします。
真夏の水やりは、朝か夕方の涼しい時間帯に行います。

プランター栽培では、毎日たっぷりと水を与えます。
真夏の時期は乾燥しやすいため、朝夕2回の水やりをします。

乾燥対策

里芋は、一度水切れを起こすと回復するまで時間がかかるため、乾燥には十分注意します。真夏の時期は乾燥しやすいので、梅雨明け前に株元に敷きワラなどを施して土が乾燥しないようにします。
プランター栽培の場合も、敷きワラを施して、毎日たっぷりと水やりをします。

4.里芋の収穫時期

サトイモ

収穫時期は、品種によって異なりますが、10月中旬から収穫ができます。
気温が下がり、葉の部分が黄色く枯れ始めた頃が収穫の目安です。
霜が降りると茎の部分から腐敗してくるので、霜が降りる前に収穫を終わらせます。

収穫は、晴天が続いて土が乾いている状態の日に行います。
地上部の茎を10㎝ほど残して切り、株元から少し離れた場所にスコップを入れて株の周りを掘り起こします。

掘り出した芋は、土を落として親芋と小芋に分けて、風通しの良い場所で半日ほど乾かします。
長期保存する場合は、親芋から子芋を外すと傷口から腐ってしまうので、塊のまま保存します。

5.里芋に発生しやすい病気

葉っぱ

里芋に発生しやすい病気として、疫病があります。

疫病(えきびょう)

葉や茎に灰褐色の円形または楕円形の病斑が発生し、病斑の中央から穴が空いて枯れていきます。
高温で多雨の年に発生しやすい病気です。連作を避けて、過度の水やりと施肥に注意します。
発病した葉などは、早めに撤去処分します。

6.里芋に発生しやすい害虫

セスジスズメやハスモンヨトウなどの幼虫が、里芋の葉を食害します。

セスジスズメ

セスジスズメはガの仲間で、幼虫は大型のイモムシで葉を食害します。
初夏~秋にかけて大量発生しますので要注意です。
葉の裏を定期的にチェックし、産卵された葉を取り除き、幼虫は見つけ次第捕殺します。

ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウは、多くの野菜の葉を食害します。8月~9月の高温が続く年に被害が大きくなります。
成虫は数百個の卵を葉裏に産卵し、孵化した幼虫は葉裏に群生して食害します。卵を見つけたら、葉ごと切り取って撤去処分します。

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