里芋の土作り方法(畑・プランター)

サトイモの土作りの基本

1.里芋の土作り下準備

里芋の土作り方法は、里芋に適した栽培環境を選び、土中のゴミをきちんと処理し、好適土壌pH調整を行い、苗を植え付ける2週間以上前までに、土作りを行います。
苦土石灰や、堆肥、化成肥料を撒いて土を作ります。

家庭菜園で里芋栽培を行う場合には、事前に里芋に適した栽培環境にあった場所で土づくりをしてから始めましょう。

里芋の栽培データ
■里芋の栽培難易度:★★★☆☆
■分類:サトイモ科サトイモ属
■原産地:東南アジア
■主な旬:10月~11月
■栽培時期:春植え
植え付け:4月~5月、収穫時期:10月~11月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~30℃
■生育適温:25~30℃
■土作り時期:苗を植え付ける2週間以上前

里芋に適した栽培環境

木漏れ日の半日陰

里芋は、マレー半島付近の東南アジア原産で、日本に伝わったのは縄文時代に稲よりも早く渡来したとされています。
夏の暑さでもよく育ちますが、霜には弱いので秋の初霜で枯死してしまうことがあります。
乾燥にも弱く、暑い夏期に雨が少ないと、収穫が減ってしまいます。
乾燥が続く際は、たっぷりと水やりを行います。

里芋は乾燥に弱いので、保水性がよく、湿りけのある場所が栽培場所として適します。
植え場所の土質は選びませんが、砂質地など乾きやすい時は水やりをし、敷きわらなどで乾燥を抑えておくと良いです。

日当たり

里芋栽培を行う上で、日当たりは重要です。
里芋の葉が日光を浴びて元気よく育ちそうな日当たりの良い栽培場所を選びましょう。

周囲に木や建物がある場合、栽培場所が長時間日陰にならないか調べましょう。
日陰になる場合は、光合成が足りず、果菜類はうまく育たないことがあります。

また、日陰の状態にもよりますが、草丈の低い葉菜類や根菜類なら、栽培することが可能です。

土中のゴミ処理

畑の畝づくり

里芋の土づくりをする前に、土の中にゴミが混じっていないかもチェックします。

庭や畑などでは、ビニール、マルチフィルム、ガラス片、コンクリート片、金属片などが土に混ざっていることがあります。

こうしたゴミが土の中に混ざっていると、耕うん機の刃に当たってケガをしたり、絡まったりするとケガや故障の原因になりとても危険です。

また、ゴミが障害になって、里芋が成長する過程で根っこの成長に影響を及ぼす場合もありますのでこれらのゴミは、丁寧に取り除きましょう。

ネズミ・モグラ対策

庭や畑で里芋などの作物を栽培すると、ネズミやモグラの被害にあう場合があります。
種や苗を植えた土が掘り返されて荒らされたり、野菜をかじられたりして、里芋の株が枯れる原因になることもありますので、ネズミやモグラがいる場合には対策をしましょう。

置くだけで敷地を守ってくれる「ネズミガード」や、土に埋めるだけで簡単に使用できる「モグラン」がおススメです。

ネズミガードは電池を入れてすぐに使用することができるネズミ撃退グッズです。
モグランは、電池を入れてモグラ被害のある場所に差すだけで使えます。

2.里芋の好適土壌pH調整

家庭菜園で里芋を植える際には、土のpHを調べて、栽培場所の土のpHを里芋に合わせます。

日本では酸性土壌が多いのですが、畑によっては、石灰資材の入れすぎで、アルカリ性に傾いている畑もあります。
また、pHは作物をつくるごとに変わるため、同じ畑であっても、野菜の作付け前と収穫後では、pHは異なります。

pHが里芋に合っているかどうかを調べるためには、測定キットや測定器で測ります。
土に差すだけで測れる測定器が簡単なのでおすすめです。

里芋の好適土壌pHは、6.0~6.5です。
里芋を育てる土のpHを測って、必要に応じて石灰資材を施用して調整しましょう。

堆肥と石灰資材を同時に施すと、堆肥に含まれる窒素がアンモニアガスとなって逃げてしまいます。
そのため、里芋を育てる場合、堆肥は石灰資材を施してから1週間ほど間隔をあけて施用するようにしましょう。

3.里芋の土作り方法(畑栽培)

畑

里芋を上手に栽培するためには、土作りが重要です。
日当たりと風通しの良い場所を選んで、里芋の苗を植え付ける2週間以上前までに、土作りを行います。
里芋の植え付けは4月~5月なので、植え付け時期から逆算して土作りをはじめましょう。

4.苦土石灰を撒いて耕す

畑に石灰を撒く

多くの野菜は、強い酸性土壌では生育が悪くなりますので、石灰資材を施用して調整します。

石灰資材にはいくつか種類がありますが、家庭菜園で使いやすいのは「苦土石灰」です。
比較的ゆっくり効果が現れるため、障害が起きにくいうえに、確実な効果が得られるメリットがあります。
また、野菜の生長に必要な苦土の補給にもなるため、おすすめです。

里芋の植え付け場所に、苦土石灰100g/㎡を全面に撒いて、すぐに深さ20~30cmを目安に十分に耕して、土となじませます。
まいたまま放置すると、石灰がかたまり土となじまなくなり、十分な効果が得られないので注意します。

5.堆肥・化成肥料を撒いて耕す

畑の土作り

1週間前に完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいて、深さ20~30cmを目安に十分に耕して、土と良くなじませます。

土は鍬で耕しても良いですが、鍬で耕すのが大変な場合は、小型の耕うん機などで耕すと便利です。
家庭菜園では、充電式のコンパクトな家庭用耕うん機が人気です。

6.畝を作る

畝を作る

土をよく混ぜたら、里芋栽培用の畝を作ります。
畝をつくる部分にロープ(さくり縄)を張って目印にすると、初心者でも容易にまっすぐな畝をつくれます。

植え付け前までに、幅70~80㎝、高さ10㎝~15㎝の畝を作り、表面を平らにします。
その後、マルチシートを施します。

7.マルチシートを敷く

畑のマルチシート

里芋は、高温を好み、乾燥を嫌うので、里芋栽培では畝に黒のマルチシートを敷きます。

マルチを敷く際は、マルチの両端を持って引き出します。
片足をマルチの端にのせて踏み、しわ、たるみを伸ばしながら、クワで土をかけてマルチを押さえて広げて敷いていきます。

マルチシートは、地温を上げるとともに、梅雨時の過剰な湿気を防ぎ、泥はねによる病気の予防にもなります。
また、土の乾燥を防ぎ、雑草防除にも効果があります。

8.里芋の土作り方法(プランター栽培)

プランター野菜

基本的な育て方は、畑の場合と同じです。
プランターは、深さ30㎝以上の大型サイズを利用します。
野菜用培養土は、新しい用土を使用することをおすすめします。

プランターの底に鉢底石を敷き、野菜用培養土を7分目ほど入れます。
培養土は、増し土する分を考慮して上部から10~15㎝ほどスペースを空けるようにします。

種イモは、深さ10㎝ほどの穴を掘り、芽が出ているほうを上にして土を5㎝ほど被せます。
植え付け後に、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。

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