■目次
1.ツルムラサキの特徴と栽培時期
ツルムラサキの育て方手順に沿って、畑やプランターでツルムラサキを栽培してみましょう!
ツルムラサキは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。
■分類:ツルムラサキ科ツルムラサキ属
■原産地:熱帯アジア
■主な旬:6月~10月
■栽培時期:春まき、春植え
種まき時期:4月~6月、植え付け時期:5月~6月、収穫時期:6月~10月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~30℃
■生育適温:20~30℃
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ツルムラサキの特徴
ツルムラサキは、熱帯アジア原産のつる性の植物で、つるが紫色であることから「ツルムラサキ」の名がついたと言われています。
ツルムラサキは、夏場に収穫ができる葉物野菜で、若い茎葉を摘み取って食用にします。
加熱するとヌメリが出るのが特徴で、ゆでておひたしや和え物のほか、油との相性がよいので炒め物や天ぷらなどに利用します。
栄養価がとても高く、ガンや生活習慣病などの予防効果が期待されている健康野菜です。
夏の暑さに強く、プランターや鉢でも育てることができ、種をまいてから2ヶ月ほどで収穫することができます。
病害虫の心配も少ないので、家庭菜園初心者の場合でも育てやすい野菜の一つです。
ツルムラサキの栄養素
ツルムラサキは、β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分などを豊富に含んでいます。
β-カロテンはガンや動脈硬化の予防、ビタミンCは風邪の予防や美容効果、カルシウムは骨粗鬆症などの予防効果があるとされています。
ツルムラサキの主な品種
ツルムラサキには、「赤茎種」と「緑茎種」の2種類があります。野菜用に流通しているのは、主に「緑茎種」です。
『つるむらさき(緑茎)』『つるむらさき(赤茎)』『中国野菜つるむらさき』など。
ツルムラサキの栽培ポイント
・気温が十分に上がってから、種まきや植え付けをする。
・つるが伸び始める前に支柱を立てて、つるを誘引する。
・夏場の土の乾燥を防ぐため、株元に敷きわらを施す。
ツルムラサキの栽培時期
ツルムラサキの栽培時期は、種まきが4月~6月、植え付けが5月~6月、収穫が6月~10月となります。
気温が低いと生育不良になるので、気温が十分に上がってから種まきや植え付けをします。
ツルムラサキの連作障害
ツルムラサキは、連作障害が起こる野菜です。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
同じ場所で栽培する場合は、最低でも1~2年の期間をあけるようにします。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。
ツルムラサキの好適土壌pH
ツルムラサキの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、苦土石灰を多めにまいて土壌酸度を調整します。
2.ツルムラサキの栽培方法(畑・プランター)
ツルムラサキの栽培は、種まきと苗の植え付けの両方ができます。苗は、ホームセンターなどで購入できます。
家庭菜園初心者の場合は、市販の苗を購入して植え付けると手軽です。
畑栽培の場合
土づくり
畑で栽培するときは、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
種まき又は植え付けの2週間以上前までに、苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に、完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10㎝にして表面を平らにします。
種まき
種まきは、畑に直まきにするか、育苗ポットにまきます。
種は一晩水につけてからまくと、発芽しやすくなります。
直まきする場合は、畝に直径5㎝、深さ1㎝ほどのまき穴を作り、点まきにします。株間は、30~40㎝にします。
1箇所に3~4粒ずつ等間隔に種をまき、土を1㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させます。
種まき後は、株元にたっぷりと水やりをします。
10日ほどで発芽しますので、発芽するまでは土が乾かないように水やりをします。
発芽したら、本葉2枚のときと本葉4枚のときに間引きを行い、1箇所1株にします。
間引く際は、他の株を傷めないようにハサミで切り取ります。
ポットに種をまく場合は、3号ポット(直径9㎝)に用土を入れ、指先で深さ1㎝ほどの窪みを3箇所作って1粒ずつまきます。
土を被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。
発芽するまでは室内の暖かい場所に置き、25℃前後で管理します。
本葉4枚の頃までに1ポット1株にし、本葉5~6枚の頃に畑やプランターに植え付けます。
苗の植え付け
植え付けは、晩霜の心配がなくなった晴れた日の午前中に行います。
低温時に植え付けると寒さで弱るため、地温が十分に上がってから植え付けるようにします。株間は30~40㎝にします。
根鉢より少し大きめの穴を掘り、根鉢を崩さないようにして、地表面と同じ高さで植え付けます。
株元に土を寄せて苗を安定させ、株元にたっぷりと水やりをします。
プランター栽培の場合
種まきから育てることができますが、市販の苗を購入して植え付けると栽培の手間が省けます。
用土
プランターや鉢で栽培する場合は、深さ30㎝以上のものを用意します。
用土は、市販の野菜用培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れます。
植え付け
低温時に植え付けると寒さで弱るため、気温が十分に上がってから植え付けるようにします。
プランターでは2株、鉢植えは1鉢1株が栽培の目安です。
根鉢より少し大きめの穴を掘り、根鉢を崩さないようにして、地表面と同じ高さで植え付けます。
株元に土を寄せて苗を安定させ、株元にたっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。
3.ツルムラサキの栽培手入れ
ツルムラサキの水やり
畑栽培では、根付いた後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。
夏場に晴天が続いて降雨が無い場合は、朝の涼しい時間帯に株元にたっぷりと与えます。
ツルムラサキは高温に強い野菜ですが、乾燥を嫌うので、株元に敷きわらを施すと土の乾燥を防ぐことができます。
プランター栽培では、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が出てくるまでたっぷりと水やりをします。
追肥
畑栽培では、種まきの3週間後から月に2回程度追肥をします。化成肥料30g/㎡を株の周りにまいて、土と軽く混ぜて株元に土寄せをします。
プランター栽培では、株の生育に合わせて追肥をします。
株の生育が悪いようであれば、1株当たり化成肥料2~3g程度を株の周りにまき、土と軽く混ぜて株元に土寄せをします。
支柱立て
ツルムラサキの草丈が20~30㎝ほどになったら、つるが伸び始める前に支柱を立てます。長さ2m程度の支柱を用意し、合掌型か直立型にします。
つるを支柱に誘引し、ひもを8の字形にして支柱に結びつけます。
支柱を立てないで栽培する場合は、主枝の先端を摘芯し、わき芽をこまめに収穫すると草丈を低く抑えることができます。
摘芯
草丈が30㎝ほどになったら、つるの先端から15~20㎝くらいのところで収穫を兼ねて摘芯します。
摘芯をすると、わき芽が次々と伸びてくるので、同様に摘み取って収穫を続けます。
つるが支柱の先端に届くようになったら、その先は摘芯します。
4.ツルムラサキの収穫時期
収穫適期
ツルムラサキの草丈が50~60㎝になり、わき芽が20~30㎝になったら収穫適期です。
つるの先端を15~20㎝ほど切り取って収穫します。
下のほうまで切り過ぎるとわき芽が出なくなるので、下の葉を3~4枚ほど残すようにします。
収穫は、わき芽だけでなく、葉を1枚ずつ切り取って収穫することもできます。
収穫が遅れると品質が悪くなるので、若いうちに収穫するようにします。
夏の高温時期は生育が旺盛で、茎葉が密集して株が蒸れることがあるので、こまめに摘み取るようにします。
混み合っている部分や株元から出ている複数のつるは、ハサミで切り取って風通しを良くします。
5.ツルムラサキに発生しやすい病気
ツルムラサキは病気に強い野菜ですが、灰色かび病などを発症することがあります。
灰色かび病(はいいろかびびょう)
灰色かび病はカビによる病気で、気温が20℃前後とやや低く、雨が降り続いて湿度が高い環境下で発生しやすくなります。
土の中にいる病原菌の胞子が風で飛ばされ、茎や葉などに付いて発病します。
最初は水がにじんだように褐色となり、やがて灰褐色のカビが密集して腐敗します。
日当たりや風通しが悪いと発生しやすいため、密植を避けるとともに、摘葉して風通しを良くします。
水やりの際は、葉の上からの水やりを避け、株元に与えるようにします。
発症した部分は丁寧に取り除き、撤去処分します。
6.ツルムラサキに発生しやすい害虫
アブラムシ
アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、集団で寄生して新芽や葉を吸収します。
他の作物からモザイク病などのウイルスを体内に取り込み、健康な作物にウイルスを媒介するやっかいな害虫です。
株が繁茂状態になるとアブラムシが発生しやすいので、混み合った部分を摘葉して風通しを良くし、日光が良く当たるようにします。
窒素肥料のやりすぎに注意し、目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張ってアブラムシの飛来を予防します。
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