オリーブの育て方・栽培方法

オリーブの育て方

1.オリーブ栽培の特徴と時期


オリーブの育て方手順に沿って、オリーブを栽培してみましょう!
オリーブは鉢植えでも育てられるので、栽培にチャレンジする方も多い人気の果樹です。

オリーブの栽培データ
■オリーブの栽培難易度:★★☆☆☆
■科名属名:モクセイ科オリーブ属
■分類区分:常緑高木
■栽培適地:関東地方以西の暖地
■栽培方法:苗木(受粉樹が必要)
■植え付け:3~4月、9~10月
■収穫まで:庭植え3~4年、鉢植え2~3年

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オリーブの特徴

オリーブは、モクセイ科オリーブ属で、高さ10mにもなる常緑高木で庭木としても親しまれています。原産地は地中海沿岸で、オリーブの枝葉は平和の象徴として国連旗のデザインに使われています。日本では香川県小豆島がオリーブの産地として有名です。
オリーブは耐寒性が強いほうですが、暖かくて夏期に雨の少ない地方での栽培が適しています。関東地方以西の温暖地では庭植えが可能です。関東以北では鉢植えにして、寒さの厳しい時期には室内に取り込ます。オリーブは1本の樹だけでは受粉が難しいので、開花時期が同じ別の品種を近くに植えたり、人工授粉をすると実付きがよくなります。オリーブの果実は、生の状態では渋くて食べられないので、塩漬けやピクルスなどにします。
オリーブは、比較的寒さに強く生育も旺盛で育てやすいため、家庭栽培初心者にもおすすめの果樹です。

オリーブ栽培

オリーブの栄養価

オリーブには、ビタミンEやオレイン酸、βカロテン、カルシウム、ポリフェノールが多く含まれているため、生活習慣病の予防、老化防止、美肌づくりに効果があるとされています。また、ミネラルを多く含むヘルシーフルーツとしても人気があります。

2.オリーブの栽培基本(畑・プランター)

肥料

オリーブの品種

オリーブの品種はたくさんありますが、一般的に流通しているオリーブの品種としては『マンザニロ』『ルッカ』『ネバディロ・ブロンコ』『シプレッシーノ』『ミッション』『レッチーノ』などがあります。品種タイプは2種類あり、枝が真上に伸びる直立性タイプと、枝が横に広がる開張性タイプがあります。『マンザニロ』と『ルッカ』は開張性タイプです。

オリーブは、自分の花粉では受粉しないため、収穫するためには近くに受粉樹を植える必要があります。『ネバディロ・ブロンコ』は花粉量が多いため、受粉樹に向いている品種です。『ミッション』は1本だけでも結実する品種です。

オリーブの栽培ポイント

・庭植えでは、日当たり、排水、風通しの良い場所を選んで植えます。
・アルカリ性土壌を好むため、苦土石灰を撒いて土壌pHを調整します。
・乾燥に弱いので特に夏場の水切れに注意します。
・小枝の間引き剪定を行い、風通しをよくして病気の発生を予防します。
・結実させるために、受粉樹を近くに植えるか別の品種の花粉で人工授粉をします。

3.オリーブの栽培手入れ

水やり

オリーブの水やり

オリーブを庭植えする場合は、特に水やりは必要ありませんが、夏場に雨が2週間以上降らないときは、たっぷりと水やりをします。鉢植え栽培では、鉢土の表面が乾いてきたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。果実が育つ6~7月は、1日に2~3回水やりを行います。ただし、水のやりすぎは根が腐ってしまうため、注意が必要です。

オリーブの温度管理

オリーブを鉢植えする場合は、寒さに当てないと花・果実をつけないため、12~1月の冬期は平均気温が10℃以下になる場所で管理します。-5℃以下では枯れることもありますので気をつけます。

オリーブの施肥

庭植えの場合は、萌芽前の3月と収穫後の11月に有機肥料や緩効性肥料を与えます。鉢植えの場合は、萌芽前の3月、開花後の6月、お礼肥えの11月に粒状タイプの肥料与えます。鉢植え栽培では土の量が限られているため、6月に追肥を施して樹勢の維持を図ります。なお、石灰も毎年3月に施すようにします。

オリーブの仕立て方

オリーブは、剪定をしないと樹高が高くなり枝葉も混み合うため、剪定して高さ2m程度に仕立てます。樹形は、開心自然形仕立てや変則主幹形仕立てが適しています。開心自然形仕立ては、主幹を短く切り詰めて主枝を2~3本に配置した樹形で、花芽がつきやすく、狭い場所でも栽培が可能です。変則主幹形仕立ては、主幹から出る枝を円錐状に仕立てる方法で、自然な形に近いので樹の生育や収穫も多くなります。

オリーブの実のつき方

前年に伸びた枝の中間に花芽がつき、開花・結実します。1つの花芽に20~40個の花が咲きますが、結実するものが少ないので人工授粉をして実をつけさせます。結実したら、葉10枚程度に1果になるように摘果します。摘果しないと実が小さくなります。

オリーブの整枝・剪定

果実をつけるための樹形づくりを「整枝」といい、そのための枝を切る作業を「剪定」といいます。庭などの限られたスペースでは、毎年少しずつ切って樹形を整えていきます。鉢植えの場合は、植え替え時期に合わせて形を整える程度でも大丈夫です。
オリーブの葉が伸び出す時期は5月ですので、2~3月初旬に剪定しておくと管理が楽になります。剪定の際には、徒長枝、下向きの枝、内向きの枝、交差している枝、立ち枝などのほか、「ひこばえ」と呼ばれる樹木の根本から生える若芽もカットします。剪定を行うことによって実つきがよくなり、日当たりや風通しもよくなって病害虫の発生も少なくなります。

オリーブの人工授粉

オリーブはもともと自家受粉できる品種が少ないうえに、開花時期が5~6月の雨期で花粉が飛びにくいため、他の品種を近くに植えるか、別の品種の花粉を使って人工授粉します。1本で結実する品種でも人工授粉をすると安心できます。人工授粉は、花粉の出が多い午前中に行うようにします。

4.オリーブの収穫時期について

オリーブの収穫

オリーブの収穫時期は、9~12月頃になります。品種によって開花期が違うので収穫時期や収穫量に違いがありますが、大体この時期に収穫されることになります。果皮の色は、緑色から赤色、黒紫色に変化して完熟してきます。黒紫色のオリーブも塩漬けに用いますが、緑色のものと比べると味がまろやかで栄養価も高いといわれています。収穫は手摘み方式で、果実を手でつまんで集めます。収穫した果実はしっかりと選別しておくことが大切で、腐敗や傷のあるもののほか、病気のものが混入しないように気を付けます。

秋の時期に葉が落ち始めることがあります。気温や環境の変化で葉が枯れたり、水不足や日光不足などで枯れることもありますが、その中のひとつにコガネムシの幼虫の存在があります。幼虫が根を食い散らして成長した結果、オリーブの根がほとんどなくなり枯れ始めます。葉が枯れ始めたら、根を調べてみることをおすすめします。

5.オリーブに発生しやすい病気と害虫

オリーブ

オリーブは比較的病害虫には強い果樹ですが、炭そ病やオリーブアナアキゾウムシが発生することがあります。

炭そ病

炭そ病は、多くの草木に発生するカビが原因の病気で、葉に黒褐色の円形の病斑が現れます。窒素肥料のやりすぎに注意し、風通しをよくして予防します。病気にかかった葉枝は、切り取って撤去処分します。

オリーブアナアキゾウムシ

害虫で要注意なのは、オリーブアナアキゾウムシです。名前の通りオリーブの天敵のような虫で、樹皮を食害します。穴からオガクズのようなものを発見したら見つけて捕殺します。冬には発生しませんが、春から秋には専用の殺虫剤で対応します。

コガネムシ

鉢植えでは、コガネムシの幼虫が根を食害していることがあります。酸性土壌になっている場合にもコガネムシが寄生しやすいので、苦土石灰を施用します。

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