■目次
１．ホウレンソウの葉が白い原因
家庭菜園で育てているホウレンソウの葉が白くなってしまって、なぜ白くなってしまったのか気になったことはありませんか？
大事に育てているホウレンソウが病気になってしまったのではないか、枯れてしまう前兆ではないのかと大変心配される方も多いと思います。
ホウレンソウの葉が白くなる原因は色々ありますが、葉が白くなったり、葉の白い斑点の原因で多いのは「うどんこ病」「べと病」「白斑病」などの病気によるものです。
また、生理障害によって葉が白くなることもあります。
これらについて順番に詳しく見ていきたいと思います。
２．ホウレンソウのうどんこ病
ホウレンソウはうどんこ病にかかることがある野菜です。
うどんこ病はカビ(糸状菌)による伝染性の病気で、ホウレンソウの主要病害です。
被害部位は主に、ホウレンソウの葉の部分で、葉が小麦粉をまぶしたように白くなり、カビが生える病気です。
ホウレンソウの葉の白い粉のようなものはカビの胞子で、風で飛散するため、周囲のホウレンソウ株にも伝染していき、伝染すると健康な葉も白くしていきます。
うどんこ病の病原菌は発病した株とともに土の中で冬を越し、翌年の伝染源にもなるため注意が必要です。
うどんこ病の発生時期
うどんこ病の主な発生時期は、5～10月です。
この時期にホウレンソウの葉っぱが白くなりやすいので、発生時期には気をつけましょう。
うどんこ病の症状
うどんこ病の発生初期には、葉っぱの表面に白く丸い粉状の小さな斑点が発生します。
被害が進んでいくと、白いカビが葉の全面に広がっていき、葉っぱが真っ白に覆われていきます。
ホウレンソウは葉全体が白く覆われると、光合成がうまくできず生育が悪くなって収穫量にも影響が出ます。
症状がひどい場合は、ホウレンソウの株全体が枯れてしまい、白い葉っぱだけでなく、緑だった葉っぱもやがて衰弱して枯れて落ちてしまいます。
うどんこ病の発生条件
うどんこ病は雨が少ない、乾燥ぎみの条件で発生するため、湿度が低い曇りの日が続いている場合は注意が必要です。
また、ホウレンソウを大きく育てようとして、肥料を与え過ぎて葉ばかりが茂り過ぎたり、密植して日当たりや風通しが悪い状態で育てると、うどんこ病が発生しやすくなります。
３．うどんこ病予防方法
うどんこ病で、ホウレンソウの葉が白くなって枯れてしまう前に、事前に予防できることがありますので、対処していきましょう。
ホウレンソウの日当たり・風通し
ホウレンソウの葉っぱや茎への日当たりや風通しが悪くならないように、植え付けの際は、十分な間隔を取って植えましょう。
ホウレンソウの株間は5～6㎝あけて植えます。
うどんこ病で白くなった葉っぱや株の処分
うどんこ病は、ホウレンソウの葉から発病して株全体に広がります。
被害を受けたホウレンソウの葉などは早めに畑の外に持ち出して処分します。
持ち出す際は、健全な葉に白い粉が飛散しないように注意します。
うどんこ病にならないように追肥に注意
うどんこ病は窒素肥料が多いと発病しやすいです。
ホウレンソウを大きく育てたいからと言って、窒素肥料を一度に施し過ぎないように注意しましょう。
４．うどんこ病対処方法
うどんこ病は薬剤を使う防除方法があります、薬剤はインターネットやホームセンターなどで購入することができます。
まだ葉っぱがうっすらと白くなっている程度の発生初期であれば薬剤で対処しても良いでしょう。
ホウレンソウの葉っぱが白くなっているのを見つけたら、枯れる前に早めに散布して対処しておきましょう。
うどんこ病の薬剤
自然派薬剤では、ベニカマイルドスプレーがおすすめです。
ベニカマイルドスプレーはうどんこ病の発生初期に使います。
環境にやさしい自然派薬剤で、ホウレンソウなどあらゆる野菜類に使えます。
使用方法は、そのまま薄めずに、ホウレンソウの株全体に散布して使います。
アグロケア水和剤は、使用回数制限がなく、農薬の使用回数にカウントされません。
使用方法は、水で1,000～2,000倍に薄め、霧吹きなどの容器に入れて散布して使います。
ホウレンソウに使う場合、収穫前日まで使えます。
５．ホウレンソウのべと病
ホウレンソウはべと病にかかることがある野菜です。
べと病はカビ(糸状菌)による伝染性の病気で、ホウレンソウの主要病害です。
被害部位は主に、ホウレンソウの葉の部分で、葉に葉脈に囲まれた黄色い斑紋ができたり、葉が白っぽくなる病気です。
葉脈で区切られて角型に症状が出るのが特徴です。
べと病の発生時期
べと病の主な発生時期は、6～7月です。
べと病は低温多湿の梅雨の時期に多く発生します。
この時期にホウレンソウの葉っぱが黄色や白っぽくなりやすいので、発生時期には気をつけましょう。
べと病の症状
ホウレンソウがべと病にかかり、被害が進むと、葉が枯れ上がります。
発病した葉の裏側には、すす状のカビや白いカビが生えます。
このカビの胞子が風で周囲に飛び、健全なホウレンソウの葉の気孔に入り伝染していきます。
べと病の発生条件
べと病は、肥料不足で株が衰弱していたり、長雨や水分が多い多湿環境、水はけや日当たり、風通しが悪い場所で発生しやすい病気です。
べと病の病原菌は発病したホウレンソウの株とともに土の中で冬を越し、翌年の伝染源にもなるため注意が必要です。
６．べと病予防方法
べと病で、ホウレンソウの葉が黄色や白っぽく変色して枯れてしまう前に、事前に予防できることがありますので、対処していきましょう。
ホウレンソウの水やり
定植時は畝を高くして排水性をよくします。
ホウレンソウの株の上部からの水やりを避け、敷きワラを施して、雨や水による泥はねを防止します。
べと病にならないように追肥に注意
ホウレンソウは窒素肥料を一度に多く施したり、逆に不足した場合にもべと病が発生しやすいので注意しましょう。
べと病で白くなった葉っぱや株の処分
べと病は、ホウレンソウの下葉から発病して徐々に上の葉に拡大していきます。
被害を受けたホウレンソウの葉や、落ち葉は早めに畑の外に持ち出して処分します。
７．べと病対処方法
べと病は薬剤を使う防除方法があります、薬剤はインターネットやホームセンターなどで購入することができます。
発生初期であれば薬剤で対処しても良いでしょう。
ホウレンソウの葉にべと病の症状がある場合には、枯れる前に早めに散布して対処しておきましょう。
ホウレンソウのべと病薬剤
ホウレンソウのべと病薬剤は、アリエッティ水和剤がおすすめです。
アリエッティ水和剤は、病原菌に対する直接作用とともに植物自体が持つ自己防衛機能を高め、病原菌の侵入を防ぎます。
使用方法は、水で1500倍に薄め、霧吹きなどの容器に入れて散布して使います。
ホウレンソウに使う場合、収穫前日まで、使用回数は2回以内です。
８．ホウレンソウの白斑病
ホウレンソウは白斑病にかかることがある野菜です。
白斑病は、初期症状で灰白色の小斑点を生じ、拡大していくと円形から多角形の病斑ができる病気です。
カビ(糸状菌)が原因で発生する病気です。
被害部位は主に、ホウレンソウの葉の部分です。
白斑病の発生時期
白斑病の主な発生時期は、9～11月です。
白斑病は秋から初冬にかけて多雨の年に多く発生します。
この時期にホウレンソウの葉っぱが灰色や白っぽくなりやすいので、発生時期には気をつけましょう。
白斑病の症状
ホウレンソウが白斑病にかかった場合、初期病斑では、葉っぱに灰白色の小斑点症状が出るのが特徴です。
被害が進むと、葉全体が枯れて収穫量が大きく減ります。
白斑病の発生条件
白斑病は、早まき、酸性土壌で発生しやすく、窒素（N）欠乏で蔓延します。
９．白斑病予防方法
白斑病で、ホウレンソウの葉が黄色や白っぽく変色して枯れてしまう前に、事前に予防できることがありますので、対処していきましょう。
ホウレンソウの種まき
白斑病は、早まきで発病しやすいため、種まきの適期を守ります。
ホウレンソウの春の種まきは3月～5月、秋の種まきは9月～10月です。
土壌pH・肥料に注意
好適土壌pHは、6.5～7.0で育てるようにしましょう。
チッ素肥料の量が極端に足りなくならないように注意しましょう。
白斑病で白くなった葉っぱや株の処分
白斑病は、発病して落ちた葉やなどで越冬し、翌春の伝染源になります。
被害を受けたホウレンソウの葉などは早めに畑の外に持ち出して処分します。
１０．白斑病対処方法
白斑病は薬剤を使う防除方法があります、薬剤はインターネットやホームセンターなどで購入することができます。
発生初期であれば薬剤で対処しても良いでしょう。
ホウレンソウの葉に白斑病の症状がある場合には、枯れる前に早めに散布して対処しておきましょう。
白斑病の薬剤
ホウレンソウの白斑病に使う薬剤は、コサイド3000がおすすめです。
コサイド3000は、幅広い病害に、銅イオンが優れた予防効果を発揮します。
糸状菌（カビ）由来の病害だけでなく、細菌性（バクテリア）病害にも効果があります。
使用方法は、水で1000倍に薄め、霧吹きなどの容器に入れて散布して使います。
ホウレンソウは、うどんこ病、べと病、白斑病以外に、苗立枯病、根腐病、萎凋病、株腐病、灰色かび病にもかかることがありますので、病気にならないように気を付けて栽培しましょう。
１１．ホウレンソウの生理障害
ホウレンソウは生理障害が起こる野菜です。
ホウレンソウ栽培には、窒素（N）・リン酸（P）、カリ（K）の三要素だけではなく多量要素と、微量要素も必要です。
ホウレンソウの葉が白っぽくなったり、色が薄くなる症状が出る場合は、窒素、銅、マグネシウムが欠乏している場合などです。
窒素は「葉肥」ともいわれ、成長を促進し、ホウレンソウの葉色を濃くしてくれます。
窒素が不足すると、ホウレンソウの花のつきが悪くなり、葉色が淡くなります。
銅は光合成や、呼吸に重要な役割をしており、欠乏すると葉が黄白化します。
マグネシウムは、葉緑素の構成成分で、欠乏すると葉緑素の生成が少なくなり、葉が黄化します。
このように、ホウレンソウの葉にとって必要な栄養素が欠乏すると、葉が白や黄色に色抜けたようになる症状が出ます。
また、反対にカリウムやマンガンなどの栄養素が過剰な状態になっても、
ホウレンソウの葉が白色化したり黄色に色抜けたようになる症状が出ますので、生理障害の疑いがないかもチェックしてみてください。
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