ソラマメ(そら豆)の育て方・栽培方法

そら豆(ソラマメ)の育て方・栽培方法

1.ソラマメの特徴と栽培時期


ソラマメの育て方手順に沿って、畑やプランターでソラマメを栽培してみましょう!
ソラマメは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

ソラマメ(そら豆)の栽培データ
■ソラマメの栽培難易度:普通
■分類:マメ科ソラマメ属
■原産地:中央アジア~地中海沿岸
■主な旬:5月~6月
■栽培時期:秋まき・秋植え
 種まき:10月~11月、植え付け:11月、収穫時期:翌年5月~6月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.5~7.0
■発芽適温:20℃前後
■生育適温:16~20℃

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ソラマメの特徴

そら豆栽培

ソラマメは、起源の最も古い野菜の一つで、エジプトでは約4000年前から栽培され、中国から日本へ伝わったのは、奈良時代とされています。
さやが上を向いて実を付けることから「空豆」と呼ばれるようになったと言われています。

ソラマメは栄養バランスの良い野菜で、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどが多く含まれています。高血圧や生活習慣病などの予防効果があることから、健康野菜としても注目されています。
ソラマメは、塩ゆでのほか、和風、洋風、中華料理にもよく利用されています。

ソラマメは、鮮度や風味が急速に落ちてしまうことから「味も栄養も3日間」と言われています。適期に収穫して、新鮮なうちに調理すると栄養効率も高くなります。

ソラマメは、涼しい気候を好む野菜です。このため、秋に種まきや植え付けをして冬越しをさせ、春に収穫する栽培方法が一般的です。
ソラマメは、比較的簡単に栽培できるので、家庭菜園初心者の方にもおすすめの野菜です。

ソラマメの栄養素

ソラマメには、タンパク質、ビタミンB1、B2、C、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。
動脈硬化や高血圧の予防、疲労回復などの効果があるとされています。

ソラマメの主な品種

一寸系は豆の大きさが約3㎝で、人気の高い品種です。
『仁徳一寸』『打越一寸』『陵西一寸』『駒栄』『三連』『早生そらまめ』など。

ソラマメの栽培ポイント

・連作障害に弱いため、マメ科野菜を4~5年間栽培していない場所を選ぶ。
・土が酸性土壌の場合は、2週間以上前に苦土石灰をまいてよく耕す。
・種まきは、おはぐろ(黒い部分)を斜め下に向けて土に挿し込む。
・秋まき栽培は、種まきや植え付け適期を守り、小苗で越冬させる。
・株が生長すると倒れやすくなるので、摘芯と土寄せを行う。

ソラマメの栽培時期

ソラマメは、種まきが早すぎると苗が育ち過ぎて耐寒性が失われ、寒さにやられてしまいます。苗が小さすぎても春に大きく育たないので、種まき適期を守ることが重要です。

中間地(関東地域)
秋まき栽培:種まき10月中旬~11月上旬、植え付け11月中旬~11月下旬、収穫5月上旬~6月中旬

ソラマメの連作障害

ソラマメは、連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は4~5年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出てソラマメの生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

ソラマメの好適土壌pH

ソラマメの好適土壌pHは、6.5~7.0です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.ソラマメの栽培方法(畑・プランター)

肥料

栽培初心者の場合は、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると手軽でおすすめです。ポット苗は、11月になると販売されます。
苗を購入する場合は、病害虫の被害がなく、草丈7~8㎝程度で茎が太く、節間がほどよく詰まっていて葉の緑色が濃いものを選びます。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作って栽培します。

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰150~200g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料50g/㎡を施してよく耕します。
マメ科の植物は根粒菌が働いて窒素を供給するので、窒素成分は少なめにします。窒素が多すぎると、葉茎だけが伸びて実つきが悪くなりますので、肥料の与え過ぎに注意します。畝幅は60㎝、高さ10~15㎝にします。

種まき

ソラマメの種まきは、10月中旬~11月上旬に行います。早くまいてしまうと、苗が大きくなりすぎて耐寒性が弱くなり、遅すぎると根が伸びずに枯れてしまいます。
種まきは、直接畑にまく方法(直まき)と、育苗ポットに種をまいて苗を育ててから植え付ける方法(ポットまき)があります。

ソラマメは、直まきすると種が腐ってしまうことがあるので、家庭菜園ではポットに種をまいて、しっかりと苗を育ててから植え付ける方法がおすすめです。
ポットまきは、3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、種を1~2粒ずつまきます。「おはぐろ」と呼ばれる黒いスジの部分を斜め下に向けて土に差し込み、頭が少し見えるくらいに土を被せて、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、鳥害に遭わないように不織布などを掛けておくことをおすすめします。

植え付け

苗の植え付け時期は、11月中旬~11月下旬となります。
ソラマメの小苗は、本葉2~3枚の頃に耐寒性が最も高いと言われています。冬の間にしっかりと根を張って、春先になると急激に伸びて花をつけるようになります。
苗を植え付ける際は、ポリポットの大きさと同じくらいの植え穴を作り、根鉢を崩さずに植え付けます。株間は、30㎝程度にします。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて安定させ、たっぷりと水をあげます。

プランター栽培の場合

プランターは標準サイズで2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。
種から育てることができますが、市販の苗を購入して植え付けると栽培の手間が省けます。

用土

ソラマメは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
培養土は、プランターの上部から3㎝下のところまで入れます。

種まき

ソラマメは、直まきすると種が腐ってしまうことがあるので、家庭菜園ではポットに種をまいて、しっかりと苗を育ててから植え付ける方法がおすすめです。
ポットまきの手順は、畑栽培と同じです。

植え付け

ポット苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水をあげます。
苗が根付くまで1週間ほどかかるので、この間に水切れにならないように注意します。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.ソラマメの栽培手入れ

水やり

水やり

畑栽培では、自然の降雨で足りるので基本的に水やりの必要はありません。
冬の期間は、乾燥防止と防寒対策を兼ねて敷きワラを施すのもおすすめです。

プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
ソラマメは多湿を嫌うので、植え付け直後はたっぷりと水を与えますが、その後乾燥気味に育てます。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎに気を付けます。
開花してサヤができる時期は、特に水分を多く必要とするので、水切れにならないようにしっかりと水やりをします。

追肥

畑栽培は、開花した頃に化成肥料30g/㎡を株の周りにまきます。その後、クワなどで外側の土を浅く掘るようにして肥料に被せて株元に土を寄せます。
プランター栽培は、開花した頃に1株当たり化成肥料5g程度を株の周りにまき、土と混ぜながら株元に土を寄せます。
追肥を施す場合は、窒素の量に注意します。窒素が多すぎるとつるボケになり、葉が伸び過ぎて収穫量が減ってしまいます。

防寒対策

12月下旬~2月にかけては、寒さが一段と厳しくなります。ソラマメは寒さに強い野菜ですが、冬越しさせるために防寒対策を施します。
畝全体に不織布などをかけるか、株元に敷きワラやもみ殻を施します。風が吹く北側にササ竹を立てる方法も有効です。

支柱立て

株が生長してくると風で倒れやすくなるので、3月下旬頃に支柱立てを行います。
畑栽培の場合は、長さ1mほどの支柱を畝の両側に数本立てて、20㎝くらいの高さで平テープなどを張り、株が倒れないようにします。
プランター栽培の場合は、容器の四隅に支柱を立てて平テープなどを張り、株が倒れないようにします。

整枝

3月下旬頃から生育が旺盛になると、株元から複数のわき芽(側枝)が出てきます。これを放任すると栄養が分散されてしまい、立派なサヤができません。
このため、太くて節間のつまった枝を6~8本ほど残すように整枝をします。細い枝や後から出てきた短い枝は、つけ根からハサミで切り取ります。
整枝が終わったら、株元が隠れる程度に周りの土をかぶせて、株がぐらつかないようにします。
プランター栽培の場合は、1株当たり4~5本に整枝し、株元に新しい培養土を増し土して倒伏を防ぎます。

摘芯

ソラマメは、生長すると草丈が1mを越え、花やサヤ数も多くなります。放任すると株が消耗してしまい、よい実が収穫できなくなります。
このため、草丈が大きく伸びてきたら60㎝くらいの高さで枝の先端を切りそろえ、サヤに栄養が回るようにします。
プランター栽培の場合は、草丈60㎝くらいの高さで枝の先端を切りそろえます。

4.ソラマメの収穫時期

ソラマメ

収穫適期

ソラマメの収穫時期は、5月上旬~6月中旬です。品種にもよりますが、開花してから35~40日前後で収穫することができます。
完熟前のサヤは上を向いていますが、収穫適期のサヤはマメの重さで下向きになり、サヤの背スジが黒褐色になって表面に光沢が出てきます。
慣れないうちは試し採りをして、マメのおはぐろ部分が黒くなっていたら収穫します。

収穫の際は、中のマメが十分に膨らんでいるものを下から順番にハサミで切って収穫します。
ソラマメをおいしく頂くためには、収穫時期がとても大切です。収穫適期が遅れるとマメが硬くなり、鮮度が落ちてしまうので、収穫したら早めに頂きます。

ソラマメは、連作すると生育不良を引き起こし、収穫量が減少します。
生育が悪くなるだけにとどまらず、株全体が枯れることもあります。一度マメ科の野菜を栽培した場所では、4~5年の期間を空けるようにします。
花やサヤが多すぎると株が消耗するので、適時に整枝や摘芯を行い、不良なサヤは早めに取り除きます。

5.ソラマメに発生しやすい病気

そら豆栽培

ソラマメの栽培では、赤色斑点病などに注意します。

赤色斑点病(せきしょくはんてんびょう)

赤色斑点病は、カビによる病気で、5~6月に発生することが多く、葉や茎にチョコレート色の斑点が現れます。
梅雨の時期に雨天が続くと発生しやすいので、排水を良好にします。
発病した場合は、発生源となるので株ごと抜き取って撤去処分します。

えそモザイク病

えそモザイク病は、ウイルスによる病気で、梅雨の5~6月に発生することが多く、葉や茎に赤褐色の斑点が現れます。
症状が進むと色が濃くなって、やがて枯れてしまいます。茎に発生すると、草丈が細いままで大きく育たなくなります。
発病した場合は株ごと抜き取って撤去処分し、連作を避けます。

立枯病(たちがれびょう)

立枯病は、土の中に生息するカビによる病気で、根が侵されて生育が悪くなり、葉が黄色くなって株が立ったまま枯れてしまいます。
立枯病の原因は、連作や水はけが悪いことが主な原因です。同じ場所で栽培する場合は、4~5年の期間をあけて栽培します。
発病した場合は、株ごと抜き取って撤去処分します。

6.ソラマメに発生しやすい害虫

ソラマメの栽培では、アブラムシなどに注意します。

アブラムシ

アブラムシは、4~6月に発生する体長1~4㎜ほどの害虫で、口針を刺しこんで葉や茎の汁を吸収し、モザイク病などのウイルスを媒介します。
繁殖力が非常に旺盛なため、見つけ次第駆除します。
ソラマメは、茎葉の先端部分にアブラムシが群生するので、草丈が60~70㎝になったら、先端部分を60㎝の高さで摘芯します。
自然派薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』『アーリーセーフ』などがあります。

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