1.ソラマメの土づくり
ソラマメの栽培では、よい土づくりが基本になります。
ソラマメにとってよい土とは、排水性、通気性、保水性、保肥性がよく、微生物がたくさんいる土です。
排水性や通気性が良い土は、水と一緒に新しい酸素が供給され、土の中の二酸化炭素や有害物質を外に排出してくれます。
保水性や保肥性が良い土は、水分や養分を効率よく供給することができます。
ソラマメの栽培では、よい土づくりが基本です。種まきや植え付け前にきちんと土づくりをすることで、病害虫に強い丈夫なソラマメを作ることができます。
■分類:マメ科ソラマメ属
■栽培時期:中間地(関東地域)
種まき:10~11月、植え付け:11月、収穫時期:翌年5~6月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.5~7.0
■使用肥料:苦土石灰、堆肥、化成肥料
2.畑の準備

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間以上前に土づくりを行います。
栽培場所を選ぶ
ソラマメの栽培では、4~5年以上マメ科の野菜を栽培していない場所を選びます。
土を耕す
場所が決まったら除草を行い、クワや剣先スコップを使って、かたい土を深さ30~40㎝ほど掘り起こします。
前作の茎や根、マルチフィルム、石などは丁寧に取り除き、土が柔らかくなるまでよく耕します。
3.土壌酸度と苦土石灰

土づくりの際は、ソラマメが好む土壌酸度にします。
土壌酸度の測定
土を耕したら、土壌酸度を測定します。測定機器や測定キットは、園芸店やインターネットで購入できます。
野菜に適した土壌酸度は、「好適土壌pH」と呼ばれています。
ソラマメの好適土壌pHは、6.5~7.0です。
雨の多い日本では土壌が酸性になりやすいので、アルカリ性の石灰をまいて土壌酸度を調整します。
石灰には多くの種類がありますが、家庭菜園では「苦土石灰」がおすすめです。
苦土石灰
苦土石灰の散布は、植え付けの2週間前までに済ませて置きます。
土壌が酸性の場合は、苦土石灰150~200g/㎡を全面にまいてよく耕します。
苦土石灰は放置すると、雨や土壌中の水分を吸収して固まってしまうので、十分に耕して土となじませます。
4.完熟堆肥と化成肥料

植え付けの1週間前になったら、完熟堆肥と化成肥料を施します。
完熟堆肥を施す
完熟堆肥は肥料の一種で、動物の骨や糞、籾殻、木の皮などを完全に発酵させて作ったものです。臭いも少なく、扱いやすいので家庭菜園におすすめです。
完熟堆肥のほかに、腐葉土を使うこともできます。腐葉土は落ち葉などが腐ってできた土です。
どちらの場合も土壌微生物の働きで、土をふかふかにしてくれます。
なお、未熟堆肥を使うと発芽不良や立枯病が発生しやすく、分解過程でアンモニアガスなどの有害ガスが発生するので、使用する時は注意します。
化成肥料を施す
ソラマメの生育には肥料が不可欠のため、土づくりの段階で肥料を入れます。
肥料には多くの種類がありますが、家庭菜園では「化成肥料」が手軽でおすすめです。
ソラマメのようなマメ科の植物には、根粒菌が働いて窒素を供給するので、窒素成分は少なめにします。窒素成分が多すぎると、茎葉が繁茂して実つきが悪くなるので、肥料の与え過ぎに注意します。
土をクワなどで耕すのが大変な場合は、電動小型耕うん機などが便利です。
家庭菜園では、充電式のコンパクトな家庭用耕うん機も人気です。
5.畝づくりとマルチング

ソラマメの栽培は、元肥を施したタイミングで畝(うね)を作ります。畝を作ると水はけと通気性がよくなり、栽培場所と通路が分かれて管理も楽になります。
畝づくり
ソラマメの栽培では、畝幅60㎝、高さ10~15㎝にします。
元肥を入れた後は、畑の土を盛り上げて畝(うね)を作ります。畝を作ることで、通気性がよくなり、水はけもよくなります。ソラマメの栽培では、畝幅60㎝、高さ10~15㎝にします。
畝づくりの際は、畝幅に合わせて2本のロープなどを張り、ロープの外側の土を内側に入れて畝を高くします。
盛り上げた土は、レーキなどを使って表面を平らに均しておきます。土の表面積が大きくなって地温効果が上がり、根の張りが良くなります。
マルチング
マルチング(マルチともいう)は、土の表面をポリフィルムなどで覆うことです。
マルチング資材には多くのタイプがあり、地温の調整、乾燥防止、肥料の流出防止、雑草防除、病害防除などの効果があります。
6.プランター栽培の用土

ソラマメは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。
『花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合』『ハイポネックス 培養土 鉢・プランター用 14L』などがおすすめで、保水性・通気性・排水性に優れています。
野菜用培養土
ソラマメのプランター栽培では、市販の野菜用培養土を使うと手軽に始めることができます。市販の野菜用培養土には、数種類の用土がブレンドされているので、すぐに使うことができます。
栽培用土を自分で作る場合は、保水性の良い赤玉土を主体にして、腐葉土などの有機物を加え、化成肥料や苦土石灰を入れてブレンドします。
ソラマメは実もの野菜なので、赤玉土6、腐葉土3、バーミュキュライト1の割合で配合し、用土10ℓあたり化成肥料10~30g、苦土石灰10gを加えてブレンドします。
土のリサイクル
一度使用した土には、病原菌や前作の肥料分などが残っていますので、なるべく新しい土を使用します。
土を再利用する場合は、日光消毒などが必要です。土をビニール袋に入れて、直射日光が当たる場所に数日間置いておくと、土の温度が約80℃まで上がって多くの病原菌が死滅すると言われています。
ソラマメ栽培に古い土をすぐに使いたい場合は、古い土に混ぜるだけで再利用可能な『アイリスオーヤマ 再生材 古くなった土の再生材 20L』なども市販されています。
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