秋キュウリの育て方!苗の植え付け時期は?

秋キュウリの育て方・栽培方法

1.秋キュウリの苗の植え付け時期

秋採りキュウリの苗木

秋キュウリの育て方手順に沿って、畑やプランターで秋キュウリを栽培してみましょう!
秋キュウリは苗を植えて約30日で収穫開始でき、栽培期間も短いので、家庭菜園で栽培するのにもオススメの野菜です。

秋キュウリ(きゅうり)の栽培データ
■秋キュウリの栽培難易度:★★★☆☆
■分類:ウリ科キュウリ属
■原産地:インド
■秋キュウリの旬:9~11月
■栽培時期:夏まき、夏植え・秋植え
 夏の種まき:6月~7月、植え付け:8月~9月、収穫:9月~11月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:17~28℃

秋キュウリの苗や種が買えるお店

秋キュウリの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
晩秋や霜の降る頃まで収穫できる品種の秋キュウリもあります。
べと病・うどんこ病に強く、耐暑性に優れた秋用品種が人気です。

特徴

秋キュウリは8月~9月頃に苗を植え付けて栽培することができる野菜で、秋キュウリの旬は10~11月です。
秋キュウリは、畑に種を直まきして地這い栽培を行うか、支柱栽培で育てます。
秋キュウリは、非常に生育が早く、収穫までの期間が短いことが最大の特徴です。
プランターでも簡単に栽培でき、寒冷地以外では植付けは9月末頃まで可能です。

秋キュウリ栽培

品種

秋キュウリの品種には、『秋キュウリ つぎつぎとれる』『秋どりキュウリ はやみどり』『霜知らず地這』『強力みどりきゅうり』『つばさ』など色々な品種があります。

栄養価

秋キュウリは、90%以上が水分で構成されていますが、β-カロテン、カリウム、ビタミンC、食物繊維などが含まれています。
利尿作用、むくみの解消、高血圧予防などの効果があるとされています。

秋キュウリ栽培のポイント

秋キュウリは、①日当たりと水はけのよい場所で栽培する、②追肥を定期的に施す、③摘葉、摘芯を行う、④連作を避けることです。

秋キュウリ栽培

秋キュウリの栽培時期

秋キュウリの栽培時期は、地域や品種によって違いがありますが、関東地域では6月~7月に種まきを行い、7月~9月に植え付けをします。
秋キュウリの発芽適温は25~30℃、生育適温は17~28℃とされていますので、地温が十分に上がってから種まきをするようにします。
秋キュウリの収穫は、植え付けしてから約30日で収穫が開始できます。

秋キュウリの連作障害

秋キュウリは連作障害がある野菜のため、1度栽培した土壌では2~3年の期間をあけるようにします。

好適土壌pH

秋キュウリの好適土壌pHは、6.0~6.5とされています。植え付けの2週間以上前までに苦土石灰をまき、土壌pHを適切に調整しておきます。

2.秋キュウリの栽培基本(畑・プランター)

肥料

秋キュウリの栽培は、種をポットまきして育苗して畑に植え付ける方法と、市販の苗を購入して畑に植え付ける方法があります。
秋キュウリの種をまいて栽培する場合は、温度管理が必要となるため、家庭菜園初心者の場合は、市販の苗を購入して栽培することをおすすめします。

種まき

秋キュウリの種をポリポットにまく場合は、6月~7月に作業を行います。3号ポット(直径9cm)を使用すると、苗の植え付けの際に便利です。ポリポットに野菜用培養土を入れ、直径3cm、深さ1cmほどの窪みを作り、2~3粒の種を離れるように点まきし、土を被せます。ポリポットに指先で3箇所の窪みを作り、種を1粒ずつ入れて土を被せる方法でも構いません。種をまいた後は水やりを行い、25℃前後で管理します。

間引き

秋キュウリの種まきから約1週間後に双葉が開き、本葉が出始めます。本葉が2~3枚出てきたら、形や生育の悪いものをハサミで切り取り、1ポット1株にして植え付け時期まで育てます。

土づくり

秋キュウリを栽培するためには、畑の土作りが重要です。日当たりと排水性の良い場所を選び、植え付けの2週間以上前までに土作りを行います。
苦土石灰1㎡当たり100gを全面に撒いてよく耕します。植え付けの1週間前になったら、堆肥1㎡当たり3kg、化成肥料300gを撒いて深く耕します。
土をよく混ぜたら、畝を作ります。1列で作る場合は畝幅60㎝、高さ10~15㎝の平畝にします。

植え付け

秋キュウリを畑に植え付ける時期は、8月~9月が最適となります。ポリポットで育てた苗は、本葉3~4枚の丈夫な苗を畑に植え付けます。ポット苗の根と土が塊になっているものを「根鉢」と呼びますが、根鉢より大きめの植え穴を掘ります。根鉢を崩さないように苗を取り出して植え穴に入れ、土を被せて軽く押さえます。
その後、たっぷりと水やりをします。植え付けの際は、株間を40~50㎝あけます。市販の苗を利用する場合は、本葉3~4枚の丈夫な苗を選んで植え付けるようにします。

プランターでの栽培方法

秋キュウリをプランターで栽培する場合は、大型で、深さ30㎝以上のものを用意にします。水はけを良くするために、鉢底石や砕いた発泡スチロールを網に入れて底部に敷きつめます。土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。土はプランターの高さ8分目まで入れ、ウオータースペースを作ります。秋キュウリは大きく成長しますので、一つのプランターに1~2株が栽培目安となります。
市販の苗を購入して植え付ける場合は、本葉3~4枚の丈夫な苗を選ぶようにします。苗は、節間が短く、茎が太くて葉に傷みや病気が無いものを選びます。
秋キュウリの植え付けの際は、苗の株元を2本の指で挟み、ポリポットを逆さにして根鉢を崩さないように苗を取り出して植え穴に入れ、土を被せて軽く押さえます。根元を強く押さえつけず、浅く植えるようにします。その後、たっぷりと水やりをします。仮支柱を立てる場合は、根を傷めないように斜めに挿します。植え付け後は、風の弱い日当たりのよい場所で育てるようにします。

3.秋キュウリの栽培手入れ

秋キュウリの水やり

支柱立て

支柱立て栽培を行う場合には、支柱を立てます。
畑栽培では、つるが伸びてきたら合掌式の支柱を立てます。畝の外側に長さ2mほどの支柱を斜めに差し込み、2本を上部で交差させてヒモで縛ります。交差した高さをそろえて、支柱を1本渡してヒモで縛り固定します。

誘引

茎やつるを支柱に固定する作業を「誘引」と言います。麻ひもなどを使って秋キュウリのつるや茎を8の字に支柱に固定します。誘引することで、つる同士の絡みや葉の密集を防ぐことができ、日当たりや風通しも良くなるので、病害虫対策にもなります。

水やり

秋キュウリは、根を浅く張る作物のため、土が乾燥すると水分不足になってしまいます。畑栽培でも、乾燥がひどい時は水やりが必要です。土の表面が乾いたら、葉に水がかからないように、株元にたっぷりと水やりをします。
水やりは、朝早くか夕方に行うようにします。夏場の暑い時期は、気温が下がってから水やりをします。株元に敷きワラを施すと、乾燥や雨による泥はねを防ぐことができます。プランター栽培では、土が乾いたら水やりをします。

追肥

秋キュウリの追肥は、苗を植え付けてから2週間後に1回目を施します。その後は、株の様子を見ながら2週間に1回の頻度で追肥を施します。畑栽培の場合は、1回目は株の根元近くに施し、2回目以降は、畝の肩口付近に化成肥料1㎡当たり20~30gを施し、土と軽く混ぜ合わせて株元に寄せます。
肥料切れによって、果実が曲がった秋キュウリができることもがあります。また、一度に大量に与えすぎると、うどん粉病にかかりやすいので注意します。
プランター栽培の場合は、1株当たり化成肥料5gを株のまわりにパラパラと撒いて土と軽く混ぜ合わせます。根が地表に出ていたら、根が隠れる程度に培養土を入れて平らにならします。

わき芽かき・摘芯

秋キュウリはツル性の作物なので、主茎を「親づる」、親づるから発生したわき芽を「子づる」、子づるから発生したわき芽を「孫づる」と呼びます。
秋キュウリ栽培では、わき芽かきと、親づるの摘芯作業を行います。
作物の成長を促すため、不要なわき芽を取り除くことを「わき芽かき」と言います。植え付けから2~3週間後に、株元から5節目(高さ30cm)までのわき芽を全部摘み取ります。つぼみや雌花も同時に摘み取りますが、親づるに付いている葉と子葉(双葉)は残すようにします。
6~10節目(高さ30~60cm)の間に出ている子づるは、葉を2枚残してその先にある葉は摘み取ってしまいます。孫づるは、葉を1~2枚残してその先にある葉を摘み取ります。
11節目(高さ60cm)からは、子づるは葉を2枚残してその先の葉を摘み取ります。孫づるは放任しますが、葉が込み合ってきたら摘葉します。
親づるは、株が大きくなった段階で、手の届く高さでつるの先端を摘芯します。親づるの先端を摘芯することで、わき芽の生育を促します。

摘果

秋キュウリは、一つの株に雌花と雄花を咲かせますが、人工受粉をしなくても実をつけるため、人工授粉の必要はありません。果実は雌花にできますが、小さい苗に果実をつけてしまうと、苗の体力を消費してしまいます。このため、最初に咲いた雌花(花が実になってしまった場合は最初にできた実)を取り除くようにします。

摘葉

秋キュウリは、株が成長してくると、下の方の葉が古くなって枯れてきます。枯れた葉は病気の原因になるので早めに摘み取るようにします。また、重なり合っている葉や風通しを悪くしている葉も切り取ってしまいます。
日当たりや風通しをよくすることで、株の成長を促し、病害虫の被害を予防します。一度に大量の葉を摘葉してしまうと株を弱めてしまうため、1回の摘葉は1株当たり3~4枚を限度にします。

4.秋キュウリの収穫時期と生理障害

秋キュウリの収穫時期と生理障害について見ていきましょう。

収穫適期

秋キュウリは収穫時期を変えて色々な大きさで収穫して楽しむことができます。
花が咲いているキュウリは、花キュウリとして楽しめます。
花も食べられるので、花を取らずに炒めものとして調理すると、緑と黄色のコントラストが鮮やかな一品になります。
8~13cmのキュウリはモロキュウにして食べることができますので、小さいキュウリから、大きいキュウリまで収穫を楽しんでみましょう。

秋キュウリの収穫時期は、9月~11月頃が適期で、開花後10日ぐらいで収穫ができます。一番果(最初につく果実)は、株が小さな時期につきますが、株を疲れさせないために長さ8㎝ほどで収穫します。2番果と3番果も若どりします。それ以後は、長さ15~20㎝くらいになったら順次収穫します。
秋キュウリの収穫が遅れると株に負担がかかるため、早め早めに収穫します。一旦収穫が始まると雌花の開花スピードが上がり、結実も早くなるので収穫が遅れないようにします。

秋キュウリの収穫

生理障害

秋キュウリは生育が早いので、水不足と肥料不足に注意し、水はけと日当たりを良くします。葉の過繁茂や極端な摘葉にも注意します。株の樹勢を保つことで、果実の変形果を減らすことができます。
生育不良によって、曲がり果、尻細り果などができることがあります。曲がり果は、果実の中心付近から大きく曲がる症状で、先細りや先太りを併発することもあります。日照不足、株の老化などで発生するため、追肥と摘葉を適度に行います。尻細り果は、果実の先端部が細くなる症状で、樹勢の衰えで発生します。追肥、水やりを励行し、樹勢を回復させるようにします。

5.秋キュウリに発生しやすい病気

秋キュウリの葉の病気

秋キュウリに発生しやすい主な病気についてご紹介します。

うどんこ病

うどんこ病は、主に葉に発生し、葉の表面にうどん粉を振りかけたような白い斑点を生じ、症状が進むと葉全体や株全体が白くなります。白い粉の正体はカビで、下葉から発病して株全体に広がります。湿度が低く、乾燥気味の時に発生しやすくなります。
秋キュウリの葉やつるが繁茂してきたら、摘葉や摘芯を行い、日当たりと風通しを良くして対処します。窒素肥料が多いと発病しやすいので、追肥に気をつけます。発病した秋キュウリの葉は切り取って畑の外に持ち出して処分します。持ち出す際は、健全な葉に粉が飛散しないように注意します。

6.秋キュウリに発生しやすい害虫

秋キュウリに発生しやすい主な害虫についてご紹介します。

アブラムシ類

アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、新芽や葉裏などに寄生し、汁液を吸って加害します。集団で吸汁するため、植物の生育が著しく悪くなり、寄生した植物を食べ尽くすと、健康な植物に移動して吸汁加害します。ウイルス病に感染している植物を吸汁するとウイルスを体内に保毒し、健康な植物にウイルス病を感染させます。また、アブラムシの甘露(排泄物)に菌が付着し、葉が黒くなるすす病を引き起こすことがあります。すす病が発生すると、光合成ができなくなり葉が枯れてしまいます。
アブラムシは、土壌中の窒素成分が多いと発生しやすいので、窒素肥料のやりすぎに注意します。アブラムシはウイルス病を媒介するため、早期発見と駆除に努めます。アブラムシの飛来を防ぐには、0.8㎜以下の目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防御する方法も効果があります。繁殖力が非常に旺盛なため、早急に発見して捕殺するか、殺虫剤を株全体に散布して駆除します。

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