にんにくの「さび病」を石灰で対処するには?

にんにくの「さび病」の原因と対処方法

1.にんにくはさび病が発生する?

にんにくはさび病が発生する?

にんにくは、ユリ科のネギ属ですが、にんにくがかかりやすい病気に『さび病』があります。
さび病はユリ科の植物に多く見られる病気で、その名の通り、にんにくの葉っぱが錆びたように赤茶色に変色する病気です。
さび病は土の中にいるカビ菌が原因で起こる病気で、カビ菌が葉の裏表にある気孔から侵入し、さび病が発生します。

家庭菜園でにんにくを育てていると、葉っぱに赤茶色の斑点がついていて、立体的に盛り上がったり、粉を吹いたような状態になっているのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

さび病の初期状態は、葉の裏に白っぽい小さな斑点があらわれるので、中々気づきにくいことも多いです。
大抵の場合は気づかないまま放置してしまっており、病状が進行して葉の表側にも斑点が現れ、斑点の色が赤茶色に変化したあたりで、様子がおかしいことに気づく方も多いです。
にんにくの茎の部分に発生する斑点は『茎さび病』と呼ばれることもありますが、葉っぱに発症するものと同じ菌による病気です。

にんにくのさび病は、症状が進むと、葉の表側も斑点に覆われて、葉や茎の形が変形してしまい、光合成ができずに株が枯れてしまうこともあります。
また、さび病は放置していると、発生した株だけでなく胞子によって周囲の株まで感染が広がってしまう怖い病気です。

さび病には、石灰で対処する方法や農薬で対策を行う方法など色々ありますので、さび病の原因を知り、適切な対策をおこなうようにしましょう。

2.にんにくのさび病発生時期

にんにくのさび病発生時期

さび病は、真夏など暑すぎる時期だと、病原菌の胞子が発芽しないので、発生することがありませんが、低温で雨が多いと発生しやすいという特性があります。

さび病の主な発生時期としては、4月~5月、9月~11月頃です。
にんにく栽培では、5月に入ると鱗片が肥大を始め、茎や葉も大きく育ってきて収穫間近になってきます。
にんにくはこのころに、さび病にやられてしまう場合がありますので気をつけましょう。

またさび病は、さび病菌の胞子が、風に乗ってほかの株に付着して感染が拡大していきますので、もうすぐ収穫時期だからと言って様子を見たり、収穫まで待つのはやめましょう。
さび病に感染したにんにくの株を畑に残しておくと、次に植える作物への感染源となってしまうため、くれぐれも放置してしまわないように注意しましょう。
さび病が発生した株は速やかに畑の外に持ち出し処分しましょう。

また、さび病に感染したにんにくの根っこは、さび原菌の越冬場所になり、前年発生したさび病が原因で起こることもありますので気をつけましょう。

3.にんにくのさび病予防

家庭菜園

さび病でにんにくをダメにしないためには、日ごろから、さび病を発生させないように予防することが大事です。
にんにくのさび病の予防する方法としては、窒素過多に気を付ける方法と、農薬で予防する方法がありますので順番に見ていきましょう。

窒素成分が多くない肥料を使う

にんにくのさび病は窒素過多で発生しやすいので、窒素成分が多くない肥料を使うなどして、窒素肥料を与えすぎないように気をつけましょう。
マイガーデンベジフルは窒素成分が多くない追肥ですので、にんにく栽培にもおすすめの肥料です。
3月頃にマイガーデンベジフルを、1m²当たり120gを株のまわりにまいて追肥を行いましょう。
また、酸性土壌でもさび病の発生が多くなるため、PHも調整するようにしましょう。

4.さび病にかかった場合の対処方

気をつけて栽培していたのにもかかわらず、もしもにんにくがさび病にかかってしまった場合の対処方法としては、石灰をまく方法や、農薬を使う方法があります。
石灰をまく方法は、手軽にできますので、まず試してみる方法としてはおすすめになります。
早めに手を打てば、病気にかからなかった部分の栽培を続けられますので早めの対策を心がけましょう。

石灰を撒いて対処する

さび病菌はアルカリ性が苦手という特徴がありますので、にんにく栽培の土壌に石灰をまいて、アルカリ性に傾けると、菌の広がりを抑制することができます。

すでに畑で作物が育っている場合は、使用するタイミングを気にしなくてよい有機石灰を使うことをおすすめします。
有機石灰は、かきがらで出来ている石灰であれば、土が硬くなりません。

また、化学反応を起こすわけではないので、生石灰のように発熱もしないため、作物が育っている場合でも大丈夫ですし、すぐに種をまいたり、植え付けをしても障害の出ない石灰になります。

農薬を使って対処する

にんにくのさび病は、アミスター20フロアブルなどの農薬で殺菌するのも有効な対策です。
さび病の発症が確認されたら使います。
アミスター20フロアブルは、各種野菜、畑作物のさまざまな病害に高い効果があり、同時防除にも最適です。
また、作物の汚れも少なく、使いやすいフロアブル剤です。
使い方は、日の光が強い時の使用を避けて散布します。散布後1週間程度で、赤茶色のサビの部分が白くなります。

にんにくのさび病は、シグナムWDGで殺菌するのも有効な対策です。
シグナムWDGは、2つの成分ストロビルリン系の「ピラクロストロビン」と、カルボキサミド系の「ボスカリド」を混合した新しい野菜用殺菌剤です。
両有効成分とも葉内に浸達するため残効性、耐雨性にすぐれます。
農薬の使用量をおさえるためには早めの対処が大切ですので、それぞれの農薬の使用方法をよく確認し、農薬の使い過ぎにならないように使用しましょう。

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