かき菜(カキナ)の育て方・栽培方法

かき菜の育て方・栽培方法

1.かき菜の特徴と栽培時期


かき菜の育て方手順に沿って、畑やプランターでかき菜を栽培してみましょう!
かき菜は栽培難易度も低いので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

かき菜(カキナ)の栽培データ
■かき菜の栽培難易度:★☆☆☆☆
■分類: アブラナ科アブラナ属
■原産地:日本
■主な旬:2月~4月
■栽培時期:秋まき(中間地)
種まき:9月~10月、収穫時期:翌年2月~4月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20℃前後
■生育適温:15~20℃

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かき菜の特徴

かき菜は、アブラナ科アブラナ属の植物で、栃木県佐野市などの北関東で古くから栽培されている伝統野菜です。
かき菜は、菜の花と同じ仲間で、トウ立ちした茎葉を手でかいて収穫するため、「欠き菜」と名付けられたと言われています。

かき菜は、苦味が少なく、口の中でほのかな甘味を感じることが出来る野菜です。
癖のない野菜ですので、様々な料理に使うことが出来ます。
味噌汁の具を初め、和え物や炒め物、天ぷらなどで美味しく頂くことができ、食卓を彩ってくれる栄養満点の緑黄色野菜です。

温暖地では、秋に種をまくと、2月~4月にかけて蕾が付いた茎葉を次々と収穫することができます。
かき菜は、害虫被害が少ない冬野菜ですので、家庭菜園初心者でも栽培しやすい野菜の一つです。

かき菜の栄養素

かき菜は栄養価の高い緑黄色野菜で、βカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維などを豊富に含んでいます。
生活習慣病の改善や健康維持に欠かせない野菜の一つで、ガンの予防、高血圧の改善、貧血予防、免疫力アップのほか、疲労回復、美肌づくりなどにも効果があるとされています。

かき菜の主な品種

かき菜は、宮内菜、芯切菜などとも呼ばれています。
『あまうまやわらか かき菜 さちうら』『かき菜』『宮内菜(みやうちな)』『芯切菜(しんきりな)』など。

かき菜の栽培ポイント

・日当たりと水はけのよい環境で栽培する。
・種まき後に防虫ネットを掛けて、害虫の飛来と産卵を予防する。
・アブラナ科野菜の連作を避け、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空ける。

かき菜の栽培時期

中間地では、9月~10月が種まきの適期で、収穫時期は2月~4月です。
栽培時期は品種や地域によって大きく異なりますので、種袋の記載事項を確かめるようにします。

かき菜の連作障害

かき菜は連作障害を起こすため、アブラナ科野菜を栽培した土壌では1~2年の期間を空けます。

かき菜の好適土壌pH

かき菜の好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌では生育が悪くなるので、種まきの2週間以上前までに苦土石灰をまいて酸度を調整します。

2.かき菜の栽培方法(畑・プランター)

肥料

畑栽培の場合

土づくり

畑栽培では、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
種まきの2週間以上前までに、苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に、完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10~20㎝程度にして、土の塊を取り除いて表面を平らにします。

種まき

種まきは、すじまきや点まきのほか、ポットに種をまくこともできます。
すじまきの場合は、畝に棒や板を押し付けて、深さ1㎝ほどのまき溝を作り、1㎝間隔で種が重ならないようにまきます。
種をまいたら、土を1㎝ほど被せてから、表面を軽く手で押さえて土と密着させます。種が水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土が乾燥しないように水やりをします。
通常は、3~5日程度で発芽します。

点まきの場合は、深さ1㎝、直径3~4㎝のまき穴を作り、1つの穴に等間隔に4~5粒まきます。周囲の土を寄せて1㎝ほど被せてから、手で上から押さえて土と種を密着させ、たっぷりと水やりをします。株間は30~40㎝にします。

間引き・追肥

すじまきの場合は、数回に分けて間引きを行い、本葉4~5枚の頃までに株間を30~40cmにします。
なるべく丈夫に育っているものを残して、萎れているものや細いものは取り除いておきます。
間引き後は、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。

追肥は、生育の状態を見ながら月に1回程度、化成肥料30g/㎡を施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。

点まきの場合は、本葉2~3枚の頃に1箇所2本に間引き、本葉4~5枚の頃に生育の良いものを残して1本立ちにします。

プランター栽培の場合

土づくり

プランターは、幅65cm、深さ20㎝以上のものを用意します。
用土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れます。

種まき

種まきは、すじまきや点まきのほか、ポットに種をまくこともできます。
すじまきの場合は、棒や板を土に押し付けて、深さ1㎝程度のまき溝を作り、1㎝間隔で種が重ならないようにまきます。
土を1㎝ほど被せてから、表面を軽く手で押さえて土と密着させます。
種が水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土の表面が乾燥しないように水やりをします。
発芽後は、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
プランターは、日当たりの良い場所で管理します。

点まきの場合は、20~30㎝の間隔でまき穴を作り、1つの穴に4~5粒の種を等間隔にまきます。周囲の土を寄せて1㎝ほど被せてから、手で上から押さえて土と種を密着させ、たっぷりと水やりをします。
本葉2~3枚の頃に1箇所3本に間引き、本葉4~5枚の頃に生育の良いものを残して1本立ちにします。

間引き・追肥

すじまきの場合は、数回に分けて間引きを行います。
生育の良すぎるものや悪いものを手で引き抜くか、株元をハサミで切り取ります。間引き後は、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。
本葉5~6枚の頃までに株間を20~30㎝にし、一つのプランターで2~3株を目安に栽培します。
追肥は、生育の状態を見ながら月に1回程度、化成肥料10gを施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
用土が減っていたら、生長点を埋めないようにして増し土をします。

3.かき菜の栽培手入れ

水やり

水やり

畑栽培では、発芽するまでは土が乾燥しないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。
土がひどく乾いているときは、午前中に水やりをします。

プランター栽培では、発芽するまでは土の表面が乾燥しないように水やりをします。
その後は、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出すくらいたっぷりと水やりをします。

防虫ネット

かき菜は、発芽するとアブラナ科の害虫が飛来するので、種をまいたらすぐに防虫ネットや不織布などをかけて害虫の飛来や産卵を予防します。10月上旬頃までは害虫が発生しやすいため、特に注意が必要です。
冬の時期に入ると害虫もいなくなりますので、冬になったら防虫ネットを外して育てていきます。
また、ヒヨドリの多い地域では早春に食害を受けやすいので、防鳥ネットを張って鳥害を防ぐようにします。

除草

かき菜の生育期間中は、除草を行うようにします。雑草に養分を奪われてしまうと肥料切れになり、生育が悪くなり、病害虫の発生につながります。除草作業は適度に行うのが無難で、数日おきに行えば手間もさほどかかりません。

4.かき菜の収穫時期

かき菜の収穫

かき菜の収穫適期

かき菜は、地域や品種によって収穫時期が異なりますが、中間地では2月~4月頃まで収穫することができます。

トウ(花茎)が立って主茎の蕾が膨らんできたら、先端から20㎝ほどの部分をハサミなどで切り取るか、手でポキッと折れる箇所で摘み取ります。
その後は、葉の根元から順次伸びてくるわき芽を同様に摘み取って収穫します
花が咲くと茎葉が硬くなり風味が落ちてしまうので、花が咲く前に収穫するようにします。

収穫が始まったら、月に1回程度、化成肥料を追肥します。

かき菜の保存方法

収穫後のかき菜は日持ちしないので、早めに食べるようにします。
すぐに利用しない場合は、軽く湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。
保存期間は、2~3日です。

種の取り方

種を採種する場合は、花を咲かせてサヤが茶色くなったら株元から刈り取って乾燥させます。よく乾燥させたら、サヤから種を取りだし、紙袋などに入れて冷蔵庫で保存します。保存した種は、秋の種まきに使用します。

5.かき菜に発生しやすい病気

かき菜

かき菜に発生しやすい病気には、根こぶ病があります。

根こぶ病

根こぶ病は、アブラナ科の作物だけに感染する病気です。病原菌が根から侵入し、根にコブができます。
コブが導管を圧迫するため水の吸収が阻害され、地上部の茎葉が栄養を吸収できなくなり生育不良になります。
アブラナ科野菜の連作を避け、水はけの良い環境で栽培します。
発病した株は、根ごと掘り上げて早めに撤去処分します。堀り上げに使った道具も綺麗に洗い、消毒しておきます。

5.かき菜に発生しやすい害虫

かき菜の栽培では、アブラナ科の害虫に注意します。

アオムシ

アオムシはモンシロチョウの幼虫で、アブラナ科の野菜を好んで食害します。
窒素分が豊富な株に産卵されやすいので、肥料の与えすぎに注意します。防虫ネットなどで覆って成虫の産卵を防ぎ、葉の裏をこまめに観察して卵や幼虫を捕殺します。

コナガ

コナガは蛾の仲間で、緑色の幼虫が葉の表皮だけを残して葉肉を食害します。窒素分の多い株に産卵されやすく、幼虫は成長が早いので放置すると被害が大きくなります。防虫ネットなどで覆って成虫の侵入や産卵を防ぎます。被覆後も葉をこまめに観察して、卵や幼虫を捕殺します。

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