紫ニンニクの育て方・栽培方法

紫にんにくの育て方・栽培方法

1.紫ニンニク栽培の特徴と時期


紫ニンニクの育て方手順に沿って、畑やプランターで紫ニンニクを栽培してみましょう!紫ニンニクはベランダのプランターでも育てられるので、家庭菜園で栽培するのにオススメの作物です。

紫ニンニク(にんにく)の栽培データ
■紫ニンニクの栽培難易度:★★★☆☆
■分類: ヒガンバナ科ネギ属
■紫ニンニクの旬:春から夏5月~7月
■連作障害:あり
■栽培時期:秋植え
■植え付け:9月~10月
■収穫時期:翌年5月~7月

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紫ニンニクの特徴

皮を剥いて取り出した紫ニンニク

紫ニンニクは表面の薄皮が紫色をしているのが特徴です。
紫ニンニクは年1回栽培することができる作物で、紫ニンニクの旬は、春から夏5月~7月です。

紫ニンニクは、 ヒガンバナ科ネギ属で、中央アジアが原産地と言われています。主に肥大した鱗片を食用とします。
紫ニンニクは、刺激のある香りとスパイシーな風味を持ち、炒めるとさらに香りが引き立つニンニクです。

紫ニンニクの品種

紫の網に入った紫ニンニク

紫ニンニクの品種としては、『スペイン産紫ニンニク』『紫々丸』など色々な品種があります。
スーパーではスペインニンニクが良く売られており、紫ニンニクだということが分かりやすいように、紫色の網に入って販売されています。

紫ニンニクの栄養素

紫の皮を剥いた紫ニンニク

紫ニンニクの栄養素としては、アリシン、タンパク質、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、カリウム、カルシウム、リン、ナイアシン、鉄、糖質などの栄養素が含まれています。

紫ニンニクの土壌pH

野菜にはそれぞれ栽培に適した好適土壌pHがありますが、紫ニンニクの場合には好適土壌pHが6.0~6.5と弱酸性の土壌を好み、酸性土壌には弱いという特徴を持っています。紫ニンニクの生育は、土壌pHに大きな影響を受けますので注意が必要です。

紫ニンニクの土壌水分

生長期の水切れは、球根の発育によくないので注意して下さい。
土壌水分についてですが、鱗片が大きくなるためには水分が必要なので、水持ちの良い土質が適しています。しかしながら、土壌の水分が多すぎると根が酸欠状態となり、腐ってしまう原因にもなりますので、水持ちが良いと同時に水はけの良さも大切になります。
なお、日光を好むので一日中、太陽が当たるような場所が栽培に適しています。

紫ニンニクの連作障害

毎年同じ場所で同じ野菜を育てていると、土壌の栄養バランスなどが崩れてしまい、野菜が上手く育たなくなるということがあります。これを連作障害と言いますが、連作障害の症状や出やすさは、それぞれの野菜によって異なっています。

紫ニンニクの場合、比較的連作障害が出にくく、毎年同じ場所で栽培を続けてもそれほど深刻な連作障害の被害が表れることは少ないと言えます。

しかしながら、3年以上同じ場所で栽培を続けると鱗片が小さくなってしまったり、病気にかかりやすくなるといった症状が出る場合があるので、できれば1年以上は紫ニンニクを栽培していない場所で育てるようにした方が無難です。

紫ニンニクの栽培時期

紫ニンニクの栽培時期ですが、発芽適温が15~20℃ですので、一般地では9月末~10月中旬頃に鱗片を植えつけます。
あまり早くに植えすぎると発芽前に土の中で腐ってしまう場合があります。逆に植え付けるのが遅すぎると発芽しづらくなります。

2.紫ニンニクの栽培基本(畑・プランター)

肥料

紫ニンニクの栽培方法について順番に見ていきましょう。

土づくり

紫ニンニクを栽培するには、まずはしっかりとした土作りを行うことが大切です。
植え付けの2週間前までに1平方メートル当たり、苦土石灰150g、堆肥2㎏、化成肥料(N-P-K:8-8-8)を150g施します。

プランターや鉢植えで栽培する場合は、市販の培養土か、赤玉土:腐葉土=6:4の割合で混ぜ合わせた用土を使用します。
植え付け1週間前に、プランター1個当たり化成肥料(N-P-K:8-8-8)30gを施しよく混ぜ合わせておきます。

種の選定

種については、ぶよぶよしていない硬くて大粒のものを選びます。
また、既に芽が出てしまっているような種も避けた方が良いでしょう。

種の植え付け

植え付けは、日当りがよく、排水・保水がよくて、有機質に富む肥沃な土壌が適しています。
種の植え付けですが、15㎝間隔で種の厚みの2~3倍の深さに植えていきます。この時、芽が出る尖った部分を必ず上に向けて植えるようにします。

あまり深く植えすぎると発芽率が悪くなりますし、逆に浅すぎると霜などの被害を受けやすくなってしまいますので、植える際には深さに注意しましょう。そして、種を植えたら土を被せて軽く押さえます。

なお、通常であれば土壌に含まれる水分だけで発芽することができるので、植え付け時に水やりは不要です。
しかしながら、植え付け後に何日も乾燥が続くようであればたっぷりと水やりをします。
プランターの場合は乾燥しやすいので、植え付け時にたっぷりと水をやり、その後も乾燥するようならば定期的に水を与えます。

苗から植え付ける場合

植え付け間隔は、地植えでは15~20cm位にし、プランターや鉢植えでは10~15cm位にします。
1箇所に1つずつ植え付けを行います。
覆土は地植えで5~6cm位、プランターや鉢植えで3~5cm位にしましょう。

3.紫ニンニクの栽培手入れ

紫ニンニクの収穫時期

植え付け後の具体的な手入れについてですが、まず植え付け後1週間ほどで発芽し始めますので、雨がほとんど降らずに乾燥している場合には水を与えます。

また、ビニールマルチを使っている場合、発芽した芽がマルチの下に引っ掛かっている場合がありますので、引っかかっているのを見つけたら、そっとビニールマルチの外に引っ張り出します。
発芽したばかりの芽は折れやすいので無理やり引っ張らずに、出しにくければ少しマルチを破るなどしましょう。

ヨモギやチガヤなどの雑草は根で繁殖し一面にはびこりますので、見つけた場合には根から引き抜き、畑の外に持ち出しておくと春先の除草の手間を減らすことができます。

紫ニンニクの追肥

追肥は10月、12月、春先に中耕をかねて行います。
追肥は化成肥料を1株当たりスプーン小さじ1杯を施してください。
生長期の水切れは、球根の発育によくないので注意しましょう。

わき芽かき

冬までに行っておくべき手入れでもっとも大切なのがわき芽かきです。15cm位に生長するとわき芽が出てきますので、欠き取って下さい。

発芽した芽をよく見てみると芽が2本、3本と出ている場合がありますので、1本に間引きます。これをわき芽かきと呼びますが、わき芽をそのままにしておくと土の中でわき芽の本数だけ球ができてしまうため、その分1粒が小さくなってしまい、形もいびつなものになりがちです。

わき芽を見つけたら、最も大きなわき芽を1本残し、残りは根元から手で抜いていきます。なお、抜いたわき芽も炒め物などにして食べることができます。

また、春になると、トウ(花茎)が立ってくるので、球根の肥大を良くするためにも早めに摘み取ってください。

また、冬前に間引きを行っても、春先に再度わき芽が出てくる場合がありますので、見つけ次第改めてわき芽かきを行います。

水やり

5月に入ると鱗片がいよいよ肥大を始めますが、肥大には水が必要になります。5月は晴れた日が多く乾燥しやすいので、たっぷりと潅水するように心がけます。
そして、6月になると花芽が出てきます。花芽をそのままにしておくと肥大が不十分になる場合があるので、見つけ次第手で折ってしまいましょう。

4.紫ニンニクの収穫時期について

紫ニンニクの収穫時期

6月中旬頃~下旬頃になると葉先が少し枯れてきますが、これが紫ニンニクの収穫タイミングのサインになります。

なお、植えた紫ニンニクの一部のみの葉が枯れている場合には生理障害の可能性もありますので、まず、葉先が枯れた株を試しに堀ってみます。
もし、収穫したものが変形していたり、根が茶色く変色している場合には生理障害の可能性が高いので、畑の外に持ち出して処分します。

また、生育不良の場合にも収穫期前に葉が枯れてしまう場合があります。
収穫前に生育不良で枯れた株を見つけた場合は、肥料切れや水の過不足など原因の特定と、早めの対策を心がけます。

実際に収穫期になって紫ニンニクを掘ってみて、肥大した紫ニンニクを見てみます。もし、球が少し縦長の状態であれば、収穫適期までもう少し日にちがかかります。逆に紫ニンニクの鱗片同士が割れて離れていれば、既に栽培適期が過ぎてしまっています。
少し横に平たく、根の付け根が平らになっていれば収穫適期ですので、収穫してしまいましょう。

収穫方法ついては、紫ニンニクの付け根を手で持って上に引き抜くだけです。しかし、粘土質の硬い土などでは手で引っ張っても上手く抜けずにちぎれてしまう場合がありますので、剣先スコップなどを使って収穫します。

剣先スコップなどを使う場合には紫ニンニクが植えられている場所から少し離れた部分に刺し込み、土ごと掘り上げるようにしたり、周りの土をほぐしてから手で引き抜くようにします。
あまり紫ニンニクの近くに剣先スコップを刺し込んでしまうと鱗片を傷つけてしまう可能性があるので気をつけましょう。

晴れた日に収穫をし、その場で根を切って、数日乾かしましょう。
乾燥させてた紫ニンニクは、ネットなどに入れて風通しの良い場所で保存しましょう。

5.紫ニンニクに発生しやすい病気と害虫

紫ニンニクの写真

紫ニンニクは比較的、病気や害虫に強い植物ですが、病気や害虫の被害がまったくないわけではありません。

紫ニンニクがかかりやすい病気にはさび病があります。
さび病は、葉っぱが錆びたように赤茶色に変色してしまう病気で放置していると、発生した株だけでなく胞子によって周囲の株まで感染が広がっていきます。

紫ニンニクの病気を予防するには、土壌pHを適正に保つことや、適正な水分状態を保つことなどを心がけることが大切です。

また、病気を拡散させないためには、できるだけ早めに病気の株を見つけて、畑の外に持ち出すことが大切です。場合によっては農薬などを使用して病気の拡散を防ぎましょう。

紫ニンニクの害虫による被害を見てみると、アブラムシによる被害があげられます。
アブラムシは極めて繁殖力が強いだけでなく、様々なウィルスを媒介しますので、見つけたら早めに対処するようにしましょう。

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