小玉スイカの育て方・栽培方法

小玉スイカの育て方・栽培方法

1.小玉スイカ栽培の特徴と時期


小玉スイカの育て方手順に沿って、畑やプランターで小玉スイカを栽培してみましょう!
小玉スイカは、栽培がやや難しい野菜ですが、プランターで栽培することもできます。

小玉スイカの栽培データ
■小玉スイカの栽培難易度:難しい
■分類:ウリ科スイカ属
■原産地:南アフリカ
■主な旬:7月~8月
■栽培時期:春まき・春植え
 種まき:3月~4月、植え付け:5月、収穫時期:7月~8月
■連作障害:あり(5年あける)
■好適土壌pH:5.5~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:25~30℃

小玉スイカの苗や種が買えるお店

小玉スイカの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!

小玉スイカの特徴

小玉スイカは、強い日差しを好む高温性の野菜で、低温と多湿に弱いという特徴があります。
小玉スイカは、通常のスイカを品種改良したもので、直径10~20㎝程度のスイカのことを指します。
種類が豊富で、皮や果肉、形などが異なる様々な品種が誕生しています。

小玉スイカは、スイカ特有のみずみずしさと甘みがあり、食べ応えも十分で、ビタミンCやカリウム、食物繊維などが豊富で、健康にも良い食品とされています。
小玉スイカは、栽培期間が比較的短く、栽培初心者でも育てやすいとされています。また、小型サイズのためスペースをとらず、プランターやベランダでも栽培することができます。

小玉スイカの栄養素

小玉スイカには、ビタミンCやカリウムが多く含まれています。疲労回復、夏バテ解消、むくみの解消のほか、余分なナトリウムを排出して高血圧などを抑える働きがあるとされています。

小玉スイカの主な品種

小玉スイカには、多くの品種があります。地域にあった品種を選び、栽培適期を守るようにします
『紅こだま』『紅しずく』『ひとりじめ7』『愛娘』『姫まくら』『姫甘泉』『黄こだま』『マダーボール』『サマーオレンジB 』など。

小玉スイカの栽培ポイント

・日当たりと水はけの良い場所を選ぶ。
・苗は、連作障害や病害虫に強い「接ぎ木苗」を利用する。
・苗の植え付けは、気温が十分に上がってから行う。
・親づるを摘芯して子づるを伸ばし、雌花が咲いたら人工授粉を行う。

小玉スイカの栽培時期

小玉スイカは寒さに弱いので、気温が十分に上がってから苗を植え付けます。
中間地(関東地域)
春まき栽培:種まき3月中旬~4月下旬、植え付け5月上旬~5月下旬、収穫7月上旬~8月下旬

小玉スイカの連作障害

小玉スイカは連作障害を起こすため、ウリ科野菜の連作を避け、同じ場所で栽培する場合は5年間空けるか、他の場所を選んで栽培します。連作すると、土壌中の微生物に偏りが出て生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。
小玉スイカは、「接ぎ木苗」を使用すると連作が可能です。

小玉スイカの好適土壌pH

小玉スイカの好適土壌pHは、5.5~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.小玉スイカの栽培方法(畑・プランター)

肥料

小玉スイカは、種から育てると育苗に時間がかかるので、苗を購入します。苗は、病害虫に強い「接ぎ木苗」がおすすめです。
苗は、本葉4~5枚程度で緑色が濃く、茎が太く節間が詰まっていて株元がぐらついていないもの選び、病害虫の有無もチェックします。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行ってから苗を植え付けます。

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施し、幅70~80㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。
マルチフィルムを張ると、地温確保のほか、雑草防止、雨の跳ね上がりによる病気予防などが期待できます。

種まき

種から育てる場合は、ポットに種をまきます。
3号ポット(直径9㎝)に種まき用土を入れ、指先で深さ1㎝ほどの窪みを2箇所作り、1粒ずつ種をまきます。周りの土を1㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。
発芽したら、本葉2~3枚の頃までに1本に間引き、本葉4~5枚の頃に植え付けます。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を掘り、植え穴に水を注ぎます。水が引いたら、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。株元に周りの土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水やりをします。
植え付け後は、倒伏防止のために仮支柱を立てておきます。
マルチを張らないときは、畝全体に敷きわらを施すと乾燥防止のほか、泥はねによる病害虫の予防や雑草対策になります。

プランター栽培の場合

野菜用大型プランター(深型)や10号鉢(直径30㎝)以上を用意し、1つのプランターに1株を植え付けます。

用土

小玉スイカは連作障害を起こすので、新しい用土を使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。排水性を良くするため、プランターの底に鉢底石を敷き詰めて、上部から3㎝下のところまで培養土を入れます。

種まき

種から育てる場合は、ポットに種をまきます。
ポットまきの手順は、畑栽培と同じように行います。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。株元に土を寄せて手で軽く押さえて根鉢を密着させ、たっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.小玉スイカの栽培手入れ

水やり

収穫までの主な作業は、水やり、支柱立て、摘芯・整枝、人工授粉、追肥などです。

水やり

畑栽培は、苗を植え付けてから根付くまでの間は、土が乾燥しすぎないように水やりをします。その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。雨が何日も降らないようであれば、土の状況を確認して水やりをします。
プランター栽培は、苗が根付くまでの間はしっかりと水を与えます。その後は、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。

支柱立て

プランター栽培では、つるが伸びてきたら支柱を立てて誘引します。
あんどん仕立てがおすすめで、長さ2mほどの支柱3~4本とひもを用意し、つるが折れないように支柱へ誘引してひもで固定します。

摘芯・整枝

小玉スイカは、親づるが本葉5~6枚の頃にその先を摘芯し、子づるを発生させます。
畑栽培では子づる3~4本を伸ばし、それ以外の子づるは摘み取ります。プランター栽培は、子づる1~2本を伸ばし、それ以外は摘み取ります。

人工授粉

小玉スイカは、確実に実をつけるために人工授粉を行います。同じ株に雌花と雄花が咲きますが、雌花は花弁の下に小さな丸い実が付いています。
人工受粉は、その日に咲いた雌花の柱頭に、切り取った雄花の花粉を軽くこすりつけます。気温が上がってくると受粉能力が落ちるので、人工受粉は午前9時頃までに行います。
また、受粉した日付をラベルに書いて雌花に付けておくと収穫日の目安になります。

追肥

小玉スイカは、着果した実が鶏卵ほどの大きさになった頃に追肥をします。実がつく前に追肥を行うと「つるぼけ」になりやすいので、追肥の時期に注意します。2回目以降は、株の生育状況をみながら適宜行います。
畑栽培は、畝の肩に化成肥料20~30g/㎡を施し、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。
プランター栽培は、プランターの縁に化成肥料10g程度をまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。

摘果

小玉スイカは、子づる1本に2つ以上の果実がついたときは、生育や形の悪いものを摘果し、基本的に1個にします。
また、余分な雌花や孫づるは摘み取り、果実に栄養を集中させます。
プランター栽培では、果実が5㎝ほどになったらネットや麻ひもでつるして支柱に結び付けると落下防止になります。

4.小玉スイカの収穫時期

小玉スイカの収穫

小玉スイカの収穫時期は、関東などの中間地では7月上旬~8月下旬が目安で、受粉してから35日ほどで収穫ができます。
早く採りすぎると青っぽくて味が薄く、採り遅れると食感が悪くなるので、受粉日のラベルを確認してから収穫します。
受粉日が不明の場合は、果実の重さを確認したり、果実のつるの部分が枯れ始めたら収穫します。
収穫の際は、ハサミを使って果柄の部分を切り取ります。

5.小玉スイカに発生しやすい病気

スイカの葉の病気

小玉スイカは、うどんこ病、炭疽病、つる割病、つる枯病などに注意します。

うどんこ病

うどんこ病はカビ(糸状菌)による病気で、葉にうどん粉を振りかけたような白い斑点が現れます。病気が進行すると、光合成ができなくなって葉が枯れてしまいます。カビは空気が乾燥した環境を好むため、空梅雨や雨が少ない年に多発します。株が軟弱に育つと発生しやすいので、窒素過多にも気をつけます。株間を十分に取り、日当たりや風通しを良くし、発病した葉は切り取って畑の外に撤去処分します。
薬剤には、「家庭園芸用カリグリーン」などがあります。

炭疽病(たんそびょう)

炭疽病はカビ(糸状菌)による病気で、葉、茎、果実に発生します。葉に褐色の円形の病斑ができ、葉が裂けて穴があきます。茎や果実には、褐色のくぼんだ病斑ができます。気温がやや高い梅雨時に病気が拡大しやすくなります。
水はけと風通しをよくし、窒素肥料の多用を避け、敷きわらを施して泥はねを防止します。被害にあった葉や株は、畑の外に持ち出して処分します。薬剤には、「STダコニール1000」などがあります。

つる割病(つるわれびょう)

つる割病は、土壌中に生息している病原菌が根から侵入して導管(水の通る組織)を侵す病気です。株全体にまん延するため、昼間はしおれて夜に回復することを繰り返し、ひどい場合は株が枯死します。夜に回復するため発見が遅れ、水や肥料のやりすぎと勘違いすることもあります。連作を避け、苗を購入する際は「接ぎ木苗」を選びます。被害のあった株は抜き取り、畑の外に持ち出して処分します。

つる枯病(つるがれびょう)

つる枯病はカビ(糸状菌)による病気で、葉や茎に発生することが多く、水がしみたような病斑を生じ、やがて株全体が衰えて枯死します。雨が多く湿度が高い時期に発病しやすく、土壌中に生息している病原菌が、泥はねなどによって葉やつるに付着して侵入します。
水はけと風通しを良くし、敷きわらを敷いて泥はねを防ぎます。発病した葉やつるは、株ごと引き抜いて畑の外に持ち出して処分します。

6.小玉スイカに発生しやすい害虫

小玉スイカは、アブラムシ、ウリハムシ、ハダニなどの害虫に注意します。

アブラムシ

アブラムシは、ほとんどの野菜に発生する体長2~4㎜ほどの害虫で、葉の裏や新芽に寄生して汁液を吸収します。アブラムシは、回復手立てのないウイルス病(モザイク病)を媒介するので、早期に発見して駆除します。
薬剤には、「ベニカマイルドスプレー」「アーリーセーフ」などがあります。

ウリハムシ

ウリハムシは、体長7㎜ほどの小さな虫で、カボチャ、キュウリ、スイカなどウリ科の野菜の葉を食害します。葉を円弧状に食害して穴をあけてしまうので、多発すると成長が悪くなり、株が枯れてしまうこともあります。苗の植え付け直後から発生するので、動きが鈍い午前中に見つけて捕殺します。薬剤には、「ダントツ水溶剤」などがあります。

ハダニ

ハダニは体長0.5㎜ほどのクモの仲間で、葉の裏に生息して吸汁します。多発すると葉の表面に白い斑点ができ、やがて葉が枯れてしまいます。ハダニは、梅雨明け以降に急激に繁殖するので、入梅前にポリマルチを敷きわらに取り替えます。薬剤には、「ベニカマイルドスプレー」「アーリーセーフ」などがあります。

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