レモンの育て方・栽培方法

レモン

1.レモンの特徴と栽培時期


レモンの育て方手順に沿って、レモンを栽培してみましょう!
レモンは比較的簡単に育てられるので、初心者の方にもオススメの果樹です。

レモンの栽培データ
■レモンの栽培難易度:★★☆☆☆
■レモンの旬:10月~3月
■栽培適地:関東地方南部以西の暖地。暖地以外は鉢植え
■栽培方法:庭植え、鉢植え
■植え付け時期:3月~4月
■収穫時期:10月~3月

レモンの苗が買えるお店

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こちらから購入すると、届けてくれるので便利です。

レモンの特徴

レモンは、インドのヒマラヤ山麓原産の植物で、日本では広島県、愛媛県、和歌山県などで多く栽培されています。レモンはビタミンCが豊富で、ビタミンCの量を表すときに「レモン何個分」と表現されることがよくあります。
レモンは、非常に酸っぱい果物として有名ですが、果汁や生食のほか、料理やスイーツなどにもよく利用されています。店頭で見かける黄色いレモンは、甘みが強くて果汁が多く、グリーンレモンは、酸味が強くて果汁はやや少ないという特徴があります。
レモンとよく似た果実のライムは、原産地が異なり、カクテルなどに利用されています。
レモンは暖かい気候を好む植物ですが、関東地域などでも寒さに強い品種を選んで「鉢植え」で育てることができます。

レモンティー

レモンの栄養素

レモンには、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどが含まれています。特にビタミンCが豊富で、抗酸化作用や免疫力の向上、風邪などの感染症予防、老化防止、美肌などに効果があります。酸味の成分はクエン酸で、疲労回復や食欲増進に効果があります。カリウムは体内の余分なナトリウムを排出してくれるので、高血圧の予防・改善に役立ちます。

レモンの品種

レモンの苗木は、ホームセンターや園芸店などで入手できます。品種はいろいろありますが、『リスボン』『ビラフランカ』『マイヤーレモン』『ユーレカ』などが多く出回っています。家庭果樹では、耐寒性があるリスボン、ビラフランカ、マイヤーレモンなどがおすすめです。

レモンの栽培ポイント

関東地方南部以西の暖地以外では「鉢植え」にして、日当たりが良く、雨の当たらない場所で管理します。
夏場の乾燥には特に注意し、6月~8月の時期は1日2~3回たっぷりと水を与えます。
冬は室内へ取りこむか、霜が当たらない場所へ移動します。

レモンの栽培時期

レモンの植え付け適期は、3月~4月です。開花は5~6月で、秋果は10月頃から収穫できるようになります。なお、7~8月、9~10月にも開花しますが、果実の収穫は難しいので花を観賞したら摘み取ります。

2.レモンの栽培基本(庭植え・鉢植え)

水やり

植え付け

レモンの植え付け適期は、3月~4月です。秋から春にかけて、1~2年生の接ぎ木苗がホームセンターや園芸店などで販売されます。苗木を早く入手した場合は、鉢などに仮植えをして、適期になったら植え付けをします。

庭植えの場合

日当たりと水はけがよく、強い風が当たらない場所を選びます。レモンを植え付ける際は、直径、深さとも50cm程度の植え穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥を混ぜ込み、半分ほど穴に埋め戻します。レモンの苗木は、接ぎ木部分が埋まらない程度の高さにして、根を広げて据え付けます。残りの土を埋め戻すときは、棒などを使ってすき間ができないようにしますが、根を傷つけないように注意します。
棒苗は高さ50cm程度でカットし、支柱を側に立てて苗木を麻ひもなどで固定します。植え付けが終わったら、水をたっぷりとあげます。

鉢植えの場合

用土は、果樹・花木用の培養土を使用すると手軽です。用土を自分で作る場合は、赤玉土6、腐葉土3、川砂1などの割合で配合します。鉢は7~8号鉢(直径21~24cm)を用意して、鉢底石を敷いてから用土を入れます。レモンの苗木を植え付ける際は、接ぎ木部分が土に埋もれないように注意します。用土は容器の縁から3cm程度のところまで入れて、ウォータースペースを作ります。
棒苗は高さ30cm程度でカットし、支柱を側に立てて苗木を麻ひもなどで固定します。植え付けが終わったら、水をたっぷりとあげます。

強風が当たると葉の傷口から病原菌が侵入し、かいよう病になるので鉢の置き場所に注意します。冬場はマイナス3℃以下になると枯れてしまうので、日当たりのよい室内に取り込みます。また、鉢植えは根詰まりを起こしやすいため、2~3年たったら一回り大きな鉢に植え替えるようにします。

3.レモンの栽培手入れ(水やり・肥料・剪定)

レモンの木

水やり

水切れや水の与え過ぎは、枯れる原因になりますので注意します。庭植えの場合は、1年目は定期的に水やりします。2年目以降は、水やりはほとんど不要ですが、夏場に雨が2週間ぐらい降らないときは水やりが必要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。果実が大きくなる6月~8月にかけては、水切れにならないように注意します。夏場は、朝と夕方の2回水やりします。水やりの際は、花や果実に水がかからないように株元に与えます。

肥料

レモンは、花を咲かせる回数が多いことから、肥料切れにならないように注意します。元肥には油かすなどの有機質肥料、追肥には速効性化成肥料を施すとよいでしょう。庭植えの場合は、3月に元肥、6月と11月に追肥を施します。鉢植えの場合は、3月に元肥、6月と10月に追肥を施します。

整枝・剪定

レモン植え付け時の棒苗は、庭植えは高さ50cm、鉢植えは高さ30cm程度でカットします。2年目の春に、主枝候補として3~4本の強い枝を残し、最終的にバランスの良い主枝3本を選んで開心自然形に仕立てます。樹形が整ってきた4年目以降は、間引き剪定を3月に行います。
レモンの枯れた枝、病気の枝、弱い枝、徒長枝、内向枝、下垂枝、立ち枝などを切って、日当たりと風通しを良くします。

間引き剪定は、樹全体の2~3割程度にします。また、春枝に秋果の花芽ができるため、春枝は剪定しないようにします。
切り口が大きい枝には、トップジンMペーストやカルスメイトなどの癒合促進剤を塗っておくと病気の予防になります。
葉のつけ根に出るトゲは、剪定や摘果作業の妨げになるため、ハサミで切り落としてもかまいません。

摘果

レモンは年に3回開花して結実しますが、夏以降に咲いた花は観賞したら摘み取り、秋果を収穫します。果実は、葉20~30枚当たりに1果とし、残りは摘果します。鉢植えの場合も1枝に1果とし、残りは摘果します。摘果の時期は、生理落下後の8月が適しています。

人工授粉

レモンは1本で結実するので、人工授粉を行う必要はありません。実つきが悪かった時は、筆などで人工授粉をすると実つきが良くなります。

4.レモンの収穫時期

切ったレモン

レモンは、開花からおよそ6カ月後が収穫適期となり、秋果は10月頃から収穫できるようになります。品種にもよりますが、直径約5cmになったら収穫の目安です。黄色くなるのは12月以降になりますが、成熟しすぎると酸味がなくなるので早めに収穫するようにします。未熟なグリーンレモンは、9月頃から収穫して料理に利用することができます。
収穫の際は、果実を手で持ち、果柄部分をハサミで切り取ります。また、ほかの果実を傷つけてしまうため、切り取った果柄は二度切りにします。

5.レモンに発生しやすい病気と害虫

レモンの病気

主な病気

レモンの主な病気に、かいよう病や黒点病があります。
かいよう病は柑橘類に多い病気で、レモンの葉、枝、果実に発生し、淡黄色や褐色などのコルク状の病斑ができます。風雨によって細菌が運ばれて、レモンの葉のすり傷やミカンハモグリガの食害痕などから病原菌が侵入します。風が強く当たる場所を避け、長雨のときは軒下に鉢を移動します。ミカンハモグリガが発生したら、早めに防除します。窒素肥料が多いと枝葉が軟弱となり、病害虫の被害に遭いやすくなるので肥料過多にも気を付けます。枝のトゲも傷の原因となるので、ハサミで切り取っておくとよいでしょう。

黒点病は、かいよう病よりも細かい黒い斑点が、レモンの葉や果実の表面にできます。枯れ枝で越冬した病原菌が、雨風で飛び散って葉や果実に付着して感染します。剪定を行って日当たりを良くし、剪定後のレモンの枝や葉は放置しないで撤去します。鉢植えは、雨の当たらない場所に軒下などに置くようにします。

主な害虫

レモンの主な害虫には、ミカンハモグリガ(エカキムシ)、アオムシ(アゲハの幼虫)、アブラムシなどがあげられます。
ミカンハモグリガは蛾の仲間で、通称エカキムシとも呼ばれ、絵を描いたように白いスジを残してレモンの葉肉を食害します。レモンの葉の中に潜った幼虫が食害するため、かいよう病の病原菌が食害部分から侵入します。葉の白いスジの先端部分に幼虫がいますので、潰して駆除します。薬剤防除を行う場合は、ベニカ水溶剤やベニカS乳剤などを散布します。

アオムシはアゲハ蝶の幼虫で、黒茶と白の斑模様をしていて、レモンの葉を縁取るように食害します。成長すると緑色のイモムシとなって食べる量が増えるため、葉の光合成が阻害されてしまいます。羽化した成虫がレモンの葉裏に産卵するため、ふ化した幼虫が再び葉を食害します。幼虫を見つけたら、手や割り箸などで捕獲して駆除します。薬剤を使用する場合は、発生初期にベニカ水溶剤などを散布します。

アブラムシは、植物全般に寄生する体長2~4㎜の害虫です。レモンの葉や枝の先端に群生して樹液を吸汁し、分泌する排泄物によってすす病を引き起こすことあります。食害されるとレモンの葉が縮んだり巻いたりするため、木の生育が悪くなります。見つけ次第捕殺するか、ブラシなどでこすり取ります。発生が多い場合は、ベニカベジフルスプレーなどの薬剤で駆除します。

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