サツマイモ(さつまいも)の育て方・栽培方法

サツマイモ(さつまいも)の育て方・栽培方法

1.サツマイモ栽培の特徴と時期


サツマイモの育て方手順に沿って、畑やプランターでサツマイモを栽培してみましょう!
サツマイモは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

サツマイモ(さつまいも)の栽培データ
■サツマイモの栽培難易度:★☆☆☆☆

■サツマイモの旬:秋9月~11月

■連作障害:出にくい

■栽培時期:春植え

■春植え:5月~6月
収穫時期:9月~11月

■サツマイモの苗や種が買えるお店
サツマイモの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

サツマイモは年1回栽培することができる野菜で、サツマイモの旬は、秋の9月~11月です。

サツマイモは、科目がヒルガオ科のサツマイモ属で、中央アメリカが原産地です。高温や乾燥にめっぽう強く、栄養分の少ないやせた土地でも育ちます。

サツマイモの品種としては、『シルクスイート』『安納芋』『金時』『紅あずま』『紅はるか』など色々な品種があります。

日本では凶作のときは大きな役目を果たしてきました。サツマイモの栄養素としては、ビタミC、ビタミンE、カルシウムなど栄養価が豊富な作物で、大正時代から多くの品種が作られてきました。

あまり肥えていない土地でも栽培可能であることから、手間がかからず作りやすい作物の代表です。
ナスやトマトやナスと同様に多くの家庭で栽培されている野菜です。

サツマイモの葉

5月上旬になると、ホームセンターや園芸店でサツマイモの苗が売り出されます。芋から出たツルの先端を切りとった根のないものが、束になっていますので、これを植えます。

苗の植え付け時期は、5月中旬~6月下旬がおすすめです。
霜の危険がなくなり、平均気温が18℃以上で、地温15℃以上になった頃に行います。

夏や冬に植えてしまうとサツマイモが十分に育たないので、出来るだけ温暖な環境で育てるようにします。

サツマイモは、好適土壌pHは5.5~6.0で、連作障害が起こらないことから、病害虫にも比較的強く、同じ場所に何年も作付けできます。連作障害はありませんが、1~2年空けると収穫量も増えます。

植え付けの1~2週間前に土作りをして植付けます。
サツマイモは丈夫な作物ですが、良い苗を選ぶことが大切です。
茎が太く、葉は厚くて広い濃い緑色をしているものを選びます。
茎が細いものや、茎や葉が間伸びしている細い苗は避けましょう。

苗の活着には水分が必要なので、畝が乾いている場合は植え付け後に水やりをします。

サツマイモは、栽培中に旺盛にツルを伸ばしますので、つる返しをします。
定期的に、畝間に伸びたつるを持ち上げてひっくり返します。

ツルが土につくと、葉のつけ根部分から根を出していきます。養分の分散を防ぎ、植えた苗のところだけに栄養を集中させるため、余分な箇所に養分がいかないようにすることが基本です。

サツマイモの品質にも影響が出てしまうのはもちろんですが、どれがツルでどれが葉なのかがわからなくなってしまいます。

サツマイモは、肥料が多いと「つるボケ」し、茎や葉ばかりが生育して根が大きくならないことがあります。
つるボケの発生要因は、曇雨天が続くこと、畑の水はけが悪いこと、前作の肥料分が多く残っていること、などが考えられます。

このため、茎や葉の肥大に大きく影響を与える窒素肥料を控えることが基本とされています。

栽培の条件である「水はけが良く、痩せた土」ではなく、「水はけが悪く、肥えた土」では、サツマイモ本体に影響が出るのは当然です。

つるボケはサツマイモだけでなく、他の野菜類でも発生します。
ツルの管理に慣れることで、他の作物を栽培する場合にも対処できるようになります。

収穫時期は、苗を植付けてから3~4ヶ月経った9月上旬~11月末です。
3ヶ月ほど経ったら試し掘りをして大きさを確認しましょう。

サツマイモは栽培の手間がほとんどかからず、暑さや病害虫にも強く、誰にでも簡単に育てられるので、家庭菜園の初心者にもおすすめです。

2.サツマイモの栽培基本(畑・プランター)

肥料

サツマイモの栽培は、苗の準備から始めます。
サツマイモには種まきは必要ないので、苗を購入します。
苗は、茎の横幅を確認します。横幅が細い場合は栄養が回らないことがあります。茎は横幅が太いものを使うようにします。

次に見るのは、節間(せっかん)です。
節間は盆栽などと同じように、出来るだけ間伸びしていない、短いものを選びます。節の数に注目し、あまり生えすぎていないものを選ぶようにします。大体、4、5箇所程度なら問題ありません。

葉の色が薄いものは成長が遅いので、緑色の濃い葉の付いたものを選びます。
苗全体の長さは大体15cmのものが良いです。苗を買ってすぐに使わない場合は、水を入れた容器に浸けて日陰に置いておくと保存できます。

次は、土作りを行います。
土は出来るだけ通気性の良い乾燥した痩せた土を使います。
肥えた土にしてしまうと、つるボケを起こしてしまう危険があります。肥料は基本的に元肥のみを使うので、あまり必要ありません。

好適土壌pHは、5.5~6.0です。
植え付けの最低でも1週間ほど前に土を耕しておきます。
横幅45cmほどの畝を作り、高さは通気性や水はけを考慮して30cmほどの高畝にします。
高畝は、畝と畝の間に水たまりが出来やすいので、排水環境も整えておきます。
また、長期に渡る栽培になるので、雑草対策としてマルチをかけておきます。

次に、植え付けを行い、栽培の準備を整えます。
かけたマルチに植え穴を開け、苗を植える場所を作ります。
苗と苗の間は40cmほど空け、深さ10cmほどの楕円形になるように土を掘ります。掘った植え穴に寝かせるように苗を置いたら、土をかけて鎮圧します。
寝かせる苗の方向は、畝と平行にします。畝と直角に植えると通路や隣の畝までイモが広がり、収穫が大変になります。

さつまいもは節間から出る根(不定根といいます)が肥大して「いも」になります。不定根が良く出るように3、4節が土に埋まるように植え付けるのが大切です。

苗の植え方にも色々と種類があり、「斜め植え」と「垂直植え」の二つがあります。
斜め植えは一般的な植え方で、根が横に長く伸びることを利用して生る状態が細長く締まったサツマイモになります。
細くなる分、個数は多めになります。焼き芋などには向かないサツマイモになるので、汁物や鍋など主食に使われます。

垂直植えはマイナーな植え方ですが、垂直に植えることで根が縦に短く伸びることを利用して生る状態が太く短いサツマイモになります。
斜め植えで作られるサツマイモとは違って、焼き芋やスイートポテトなどによく使われるので、品種によってはこの垂直植えのみを利用するものも存在します。
また、植え付けの際には棒などを刺し込んで土を掘ることで、垂直植えや斜め植えの植え方にあった穴を簡単に作ることができます。

プランター栽培の場合は、大型(60㎝)で深型のものがおすすめです。
また、市販の培養土を利用すればすぐに植付けることができます。
「まし土」を行うため、用土の量は7割くらいにします。

植付け直後のサツマイモは水分を必要とするので、水は毎日をやります。
追肥は必要ありませんが、葉が黄色くなったり、生育不良が見られたら追肥を行います。つるボケを防ぐため、窒素成分の少ない化成肥料を与えます。

3.サツマイモの栽培手入れ

水やり

サツマイモを栽培するうえで一番重要なのは「つる返し」です。
これをしないとつるボケになり、かなりの凶作になってしまいます。

つる返しの方法は、ツルを持ちあげて、節間から伸びた不定根を切り落とします。不定根は、伸びたツルから生え始めて地中に入る根のことです。本体の根と同じくサツマイモが生りますが、品質が良いものではなく、齧る(かじる)ほどの細さしかないものができてしまいます。

この不定根は、放っておくと栄養分の多くを吸い取ってしまい、本体のサツマイモが大きくなりません。
より大きなものを栽培するために不定根を切り落とすのがツル返しです。

持ちあげたツルは、マルチのかかった畝の上に置いていきます。
ツルを畝と畝の間に置いてしまうと、またそこから不定根が伸びてしまいます。
つる返しを行う時期は特になく、ツルが伸びてきたなと感じたら早めにつる返しの作業を行うことです。
つる返しはサツマイモを栽培する上で絶対に必要な作業なので、面倒くさがらずに積極的に行いましょう。

サツマイモでは追肥を行うことはほとんどありません。
追肥は、元肥(植え付ける前に使用する肥料)とは別に作物の成長に合わせて撒く肥料です。
品種や成長進捗によって判断することですが、通常は元肥と必要な手入れを施すだけで問題なく成長していきます。

もし、行う場合(夏なのにあまり成長が見られないなど)は、窒素量によって肥料を選ぶことが大切です。
窒素量が多いとつるボケを起こしやすくなってしまいます。
追肥向けの肥料としては「ぼかし肥」などがあります。
ぼかし肥はサツマイモだけでなくほとんどの野菜に使用することが可能な有機質肥料です。

農作物の栽培において一番の難関になるのが除草です。
どんな野菜でも生えて来る雑草ですが、有害なので刈り取らないといけません。
畝にマルチをかけておけば雑草による被害は最小限に抑えることが出来ます。

梅雨の時期は特に雑草が生えやすく、4回以上も除草作業を行ったという人もいます。
サツマイモは高畝に苗を植えるので、除草で大きな機材を使用することが出来ません。
畝の中の根も刈り取ってしまう恐れがあるからです。
サツマイモ栽培で除草作業をする際は手作業で行う必要があります。

したがって、サツマイモを栽培する時には必ずマルチも一緒に準備しておきましょう。
マルチや防草シートがあるだけで雑草などの被害は全然違います。

サツマイモの手入れは、ツルから生えた不定根、夏場のサツマイモの成長具合、雑草の度合いで作業内容も変わってきますので、それぞれに合った手入れを行うことが大切です。

4.サツマイモの収穫時期について

サツマイモの収穫

サツマイモの収穫時期は、植え付けてから大体4ヶ月後(120~140日)です。
もっと遅めに収穫すれば太く大きくなり甘味が増す品種もありますが、追熟にも時間を要してしまうので実が生った段階で収穫してします。

サツマイモの取り方ですが、時間帯としては出来るだけ朝に行うようにします。
サツマイモは掘った後にすぐ保存するのではなく、収穫してから数時間は畑で寝かせておきます。

まず、畝にかけたマルチを全て取り外します。
サツマイモは傷つけてはいけないので、スコップなどでサツマイモの周りの土ごと掘り起こします。
掘り出したら、株元でツルを切ります。
その後はその場で午後まで乾燥させ、表面がカサカサしてくれば保存し始めます。
これで収穫に関しては終わりです。
あとは1週間ほど追熟(通常は14℃で保管しておくことで甘味が増す)して食べるだけです。

栽培してから様々なトラブルに気づく場合もあります。
例えば、サツマイモの実が細く小さくなってしまっている生育不良があります。
生育不良は基本的に生理障害の一種であるつるボケによって起こるもので、つる返しを行っていないことや、不定根を放置したまま栽培していた場合に起こります。
ツル返しを念入りに行っていれば大抵の場合は回避できるトラブルです。
間違って不定根に生ったサツマイモを本体のサツマイモと勘違いしている例もあります。

収穫後の生理障害では、寒害というものが特に起こりやすいです。
サツマイモは低温に弱く、9℃以下の環境で長期間保存してしまうと、皮の色が変色し、内部も黄色ではなくこげ茶色になっていきます。

アルコール臭くなるので、寒害になると気づく方は多いですが、寒害に陥ると食べられなくなってしまいます。
防ぐ方法としては、平均温度が14℃程度になるような環境で追熟を行うことです。冷蔵庫で保存することは絶対にしてはいけません。冷蔵庫だと必ず寒害に陥ってしまいますが、一方で高過ぎても単純に腐ってしまいます。

大雨が降ったあとに起こりやすい生理障害で、イモの内部に空洞が出来、成長速度が著しく遅くなってしまうものもあります。
これは大雨によって水分を吸い、急激に肥大したサツマイモに起こる障害です。
これが起こってしまうと、つる返しを行っていても収穫時には状態の悪いものになってしまいます。

同じような生理障害で、裂開症などもあるので、サツマイモに取って天候は大事です。

栽培中は遠成りなどの生理障害も起きやすいです。
遠成りは、夏場の高温で根が伸びていき、伸びきった先にサツマイモが生ってしまうことです。
品質に影響が出てしまう生理障害のことです。

まとめとして、生育不良は栽培中の手入れで起こることが多いので、収穫までは念入りに手入れを行い、収穫後は保存状態をしっかりとすることが大事です。

5.サツマイモに発生しやすい病気と害虫

サツマイモ

サツマイモに発生しやすい病気とその対策を紹介します。

つる割病
土壌から感染した場合に発症することがほとんどです。
つる割病に感染すると、葉が黄化して茎が縦に裂け、茎の間から繊維質が露出します。
病原菌はサツマイモの土から苗の根元まで行き渡り、収穫する頃には枯れ果ててしまいます。
一度感染してしまうと治療は不可能なので、予防するには連作をしないことが重要です。
連作してしまうと、再びつる割病に感染する可能性が高くなります。

黒斑病(こくはんびょう)
黒斑病に感染すると、葉に黒い焦げ跡のような斑点が出来始めます。
冬の寒い間は病原菌は活動することなく伝染した葉に居座り続けますが、夏など高温の環境になると葉から茎まで侵食し始め、最終的にはサツマイモを枯らします。

この症状になったサツマイモはすぐに排除し、焼却します。
黒斑病の病原菌は糸状菌の一種なので、つる割病と違って枯らせて終わりではなく、感染した葉から風に乗って胞子が飛ばされ、拡散していきます。

立枯病(たちがれびょう)
茎や塊根に黒い病斑ができます。葉が黄色になって萎れて、つるは伸びず生育不良になり、症状が激しいと枯れてしまいます。

斑紋モザイク病
葉に紫色の斑紋が現れます。サツマイモの表面が帯状にひび割れ、色あせます。

次に、作物を栽培するうえで病気よりも深刻なのが害虫です。
サツマイモの害虫被害の代表的なものが、イモキバガの幼虫です。
イキモバガは蛾の一種で、幼虫はサツマイモの葉によく潜伏します。
サツマイモの葉を体に巻き付けて身を隠しながら、葉を内側から食害していき、次々に葉を食い荒されてしまいます。

イモキバガの幼虫は葉を折り曲げて潜伏するので、葉を開いてみると幼虫がいることが多いので比較的見つけやすい害虫です。
予防方法は、落ち葉や枯れ葉などを取り除くことでイモキバガの越冬する環境を失くします。

次に多く寄生するのがセンチュウという害虫です。
センチュウは大量が1cmもないので非常に発見が困難な虫で、土の中から根に寄生します。
寄生されると、栄養がサツマイモに行き届きにくくなり、葉色が減色したり葉が枯れたりして成長速度や収穫量に悪影響を及ぼします。
センチュウを発見するのは難しいですが、寄生を判断する症状としては根の腐敗、根の分裂、卵が詰まった袋が確認出来ます。
対策としては、土壌消毒が一番効果的です。センチュウは土壌洗浄を行えばほとんどの場合、死滅します。

次に発生しやすいのはハリガネムシによる食害です。
イモキバガやセンチュウのように葉や茎に症状が出ることはありませんが、直接サツマイモを食い荒す害虫で、収穫するまでその存在に気づくことが出来ません。

根まで食い荒されると枯れ始めたりしますが、ハリガネムシの場合は中心部分まで穴を開けて食い荒らします。
発見後は速やかに土壌消毒を行しょう。他にも生息している可能性は十分にあるので、念入りに行うことが大切です。

ドウガネブイブイ(コガネムシ)
カブトムシやクワガタムシの幼虫と似ています。
地中にいる幼虫が芋を食害します。

ナカジロシタバ
体長40~50mm、灰青色で黒色の小斑点、背には黄色の筋が特徴のイモムシ状の幼虫が葉を食害します。

ハスモンヨトウ
茶色でイモムシ状の幼虫が葉を食害します。

ハリガネムシ(コメツキムシの幼虫)
体長2~3cmの赤茶色をしたイモムシが、イモを食害します。
食害箇所には穴があき、イモの奥深くまで穴だらけになります。

まとめとして、
病気や害虫はサツマイモだけでなく、作物の成長に大きな悪影響をもたらしてしまうので、栽培する農作物がどのような害虫に狙われやすいのかを調べておくことが重要になります。
また、病気や害虫に侵された株が1つでもあった場合は、土壌洗浄や殺虫剤を使用することが重要です。

サツマイモの育て方を読んだあなたにおすすめの記事:

サツマイモ(さつまいも)の後作に植えても良い野菜とは?(連作障害)

2018.07.29




サツマイモ(さつまいも)の育て方・栽培方法