苦土石灰(くどせっかい)のQ&A一覧

家庭菜園の土づくり

1.苦土石灰はなんて読む?

家庭菜園の土

苦土石灰の読み方は、(くどせっかい)と読みます。

苦土石灰の苦土(くど=マグネシウム)とは、野菜などの成長に必要な必須成分です。
苦土は葉緑素を増やして、光合成を盛んにさせるので、野菜などの作物が元気に育ちます。

苦土石灰は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが主な成分です。
苦土石灰は、酸性土壌を中和し、カルシウム、マグネシウム(苦土)の補給を行ってくれます。
カルシウムは、作物の体内にできる有機酸の中和を行います。
マグネシウムは、葉緑素の構成と光合成を活発にして、健全な作物をつくります。

2.苦土石灰はどんなもの?

家庭菜園の土

苦土石灰は、主に家庭菜園での土づくりの際に使用する、土作り資材です。
苦土石灰は土にまいて使うため、粉状のものや、まきやすい粒状タイプの苦土石灰などが販売されています。

土の酸度を示す値はpHですが、phは0〜14までの数値で表され、pH7を中性とし、それより大きい値はアルカリ性、小さい値は酸性となり、多くの作物は、弱酸性のpH6.0~6.5を好みます。

一般的には酸性の土は、植物が生育する上で様々な障害をもたらします。
そのため、酸性に傾いた土は中和して弱酸性に戻す必要がでてきます。

そこで、酸性に傾いた土を弱酸性に戻すための資材が、アルカリ分を多く含む石灰資材になります。
石灰資材には、生石灰、消石灰、苦土石灰、有機石灰など色々ありますが、家庭菜園では苦土石灰や有機石灰を使うのが一般的です。

3.苦土石灰いつ使う?

家庭菜園

雨が降ると、土中のアルカリ分が流亡するため、降雨量が多い日本の土は、弱酸性の雨によって酸性に傾きやすくなっています。

また、人の手が加えられていない畑や庭の土は、酸性濃度が濃くなっていますし、プランターや鉢など、限られた土で植物を栽培した場合は土の劣化が早まり、施肥の際の肥料成分も影響して、酸性に傾きやすくなりますので、苦土石灰は土づくりの際にhp調整として使用します。

苦土石灰を家庭菜園で利用する場合は、種まきや、植え付けする2週間前ぐらい地ごしらえをして苦土石灰を全面に施し、土と混和させ土と馴染ませて使います。

ほとんどの作物は弱酸性を好み、作物のよく育つphはおおむね下記の通りです。
栽培する野菜に合わせてph調整を行いましょう。

種類 好適PH
トマト 6.0~6.5
キャベツ 6.0~6.5
ダイコン 6.0~6.5
キュウリ 6.0~6.5
チンゲン菜 6.0~6.5
ハクサイ 6.0~6.5
レタス 6.0~6.5

4.苦土石灰は肥料ですか?

苦土石灰は肥料ですかという質問がよくありますが、苦土石灰は、「ドロマイト」と呼ばれる岩石を使った肥料です。

ハイパワー苦土石灰など商品によって、苦土石灰(アルカリ分・苦土)、ようりん(リンサン・ケイ酸)、腐植酸(たい肥の主成分)、微量要素(ホウ素・マンガン)の様な作物の成長に良い成分がいろいろ含まれる苦土石灰などがあります。

土づくりはこの改良材で十分ですが、作物の肥料としては足りないので、栽培時には、チッソ・リン酸・カリを含む肥料を与える必要があります。

5.苦土石灰をまくとどうなる?

苦土石灰をまくと、酸性土壌を中和し、カルシウム、マグネシウム(苦土)の補給を行ってくれます。
苦土石灰(アルカリ分・苦土)、ようりん(リンサン・ケイ酸)、腐植酸(たい肥の主成分)、微量要素(ホウ素・マンガン)のような成分を含む苦土石灰の場合は、作物に以下のような効果があります。

苦土石灰(アルカリ分・苦土)
酸性土壌の矯正に役立ってくれます。
作物の葉色を濃くし、糖分生成にも役立ちます。

ようりん(リンサン・ケイ酸)
花つきや実つきを良くし、植物の茎を丈夫にしてくれます。

腐植酸(たい肥の主成分)
根張りが良く、健全な細根を増大し、養分吸収を促しまてくれます。
また、保肥力を高めてくれます。

微量要素(ホウ素・マンガン)
カルシウムの吸収を良くし、果実の品質を高める働きがあります。
作物の光合成を助けてくれ、ビタミンCの生成に役立ちます。

6.石灰と苦土石灰の違いは何ですか?

「消石灰」と「苦土石灰」の違いは、成分と使用方法です。

消石灰は、アルカリ成分が特に高いのが特徴です。石灰の使用目的は、土壌が酸性土壌の場合に施すもので、酸度の調整です。
多くの作物は、弱酸性が適していますが、土壌は雨などでに酸性になっていくため、石灰類を混ぜて土壌を中和します。
消石灰は肥料分と同時に入れるとアンモニアガスが発生するので、消石灰を入れてから1週間後に肥料分を入れるようにします。

苦土石灰は、消石灰とマグネシウムを含む石灰のことです。
苦土石灰は、マグネシュウム等の不足しがちな成分が配合されているため、作物が思うように育たない場合に栽培途中でも撒くと追肥をよく吸収してくれることがあります。
苦土石灰は、消石灰に比べ中和反応が穏やかなため、直ぐに肥料分を混ぜても問題ありません。
苗を植え付ける場合は数日置いた方が良いですが、すぐ植付けてもあまり問題はありません。

7.堆肥と苦土石灰はどっちが先?

苦土石灰を使いたい場合、堆肥と苦土石灰はどっちが先か悩むことがあると思いますが、鶏ふん堆肥や、牛糞堆肥のような肥料成分の多い堆肥を使用する場合は、先に苦土石灰をまき土になじませます。

苦土石灰と肥料成分の多い堆肥などは、同時に混ぜ込まないように注意する必要があります。

堆肥は、2週間後ぐらい経って苦土石灰が土にしっかりなじんでから混ぜ込むようにしましょう。
その後は、すぐに植物を植え付けられます。

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