オータムポエム(アスパラ菜)の育て方・栽培方法

オータムポエム(アスパラ菜)の育て方・栽培方法

1.オータムポエムの特徴と栽培時期


オータムポエムの育て方手順に沿って、畑やプランターでオータムポエムを栽培してみましょう!
オータムポエムは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

オータムポエム(アスパラ菜)の栽培データ
■オータムポエムの栽培難易度:★★☆☆☆
■分類:アブラナ科アブラナ属
■原産地:中国
■主な旬:10月~12月
■栽培時期:秋まき(中間地)
種まき:8月~9月、収穫時期:11月~翌年1月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~25℃
■生育適温:15~25℃

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オータムポエムの特徴

オータムポエムは、アブラナ科アブラナ属の野菜で、別名「アスパラ菜」とも呼ばれています。
オータムポエムは、アブラナ科野菜のコウサイタイ(紅菜苔)とサイシン(菜心)の交配品種で、トウ立ちした茎葉や花蕾を摘み取って収穫します。

オータムポエムは、見た目は菜の花に似ていますが、菜の花のような苦味は無く、食べるとアスパラガスに似た風味と食感があります。ほんのりとした甘みがあり、おひたし、サラダ、炒め物、天ぷら、スープの具などで美味しく頂くことができます。
栄養価がとても高い野菜で、ビタミンやミネラル類を多く含み、生活習慣病の改善などに効果があるとされています。

オータムポエムは、寒さにはやや弱いので、盛夏を過ぎた頃に種をまき、本格的な寒さが来る前に収穫を終わらせます。
オータムポエムは、主茎を摘み取るとわき芽が次々と伸びてくるので、家庭菜園初心者でも栽培しやすい野菜の一つです。

オータムポエムの栄養素

オータムポエムは栄養価の高い緑黄色野菜で、βカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維などを豊富に含んでいます。
生活習慣病の改善や健康維持に欠かせない野菜の一つで、ガンの予防、高血圧の改善、貧血予防、免疫力アップのほか、疲労回復、美肌づくりなどにも効果があるとされています。

主な品種

『オータムポエム』『アスパラ菜』『サラダアスパラ菜』『愛味菜(まなみな)』など。

オータムポエムの栽培ポイント

・日当たりと水はけのよい環境で栽培する。
・寒さにやや弱いので、種まき時期を遅れないようにする。
・種まき後に防虫ネットを掛けて、害虫の飛来と産卵を予防する。
・アブラナ科野菜の連作を避け、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空ける。

オータムポエムの栽培時期

中間地では、8月~9月が種まきの適期で、収穫時期は11月~1月です。
栽培時期は品種や地域によって大きく異なりますので、種袋の記載事項を確かめるようにします。

オータムポエムの連作障害

オータムポエムは連作障害を起こすため、アブラナ科野菜を栽培した土壌では1~2年の期間を空けます。

オータムポエムの好適土壌pH

オータムポエムの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌では生育が悪くなるので、種まきの2週間以上前までに苦土石灰をまいて酸度を調整します。

2.オータムポエムの栽培方法(畑・プランター)

肥料

畑栽培の場合

土づくり

畑栽培の場合は、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
種まきの2週間以上前までに、苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に、完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10~20㎝程度にして、土の塊を取り除いて表面を平らにします。

種まき

種まきは、すじまきや点まきのほか、ポットに種をまくこともできます。
すじまきの場合は、畝に棒や板を押し付けて、深さ1㎝ほどのまき溝を作り、1㎝間隔で種が重ならないようにまきます。
種をまいたら、土を1㎝ほど被せて表面を軽く手で押さえて土と密着させます。種が水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土が乾燥しないように水やりをします。
通常は、3~5日程度で発芽します。

点まきの場合は、深さ1㎝、直径3~4㎝のまき穴を作り、1つの穴に等間隔に4~5粒まきます。周囲の土を寄せて1㎝ほど被せてから、手で上から押さえて土と種を密着させ、たっぷりと水やりをします。株間は30~40㎝にします。

間引き・追肥

すじまきの場合は、3回に分けて間引きを行います。
1回目の間引きは、双葉が完全に開いた頃に3~4㎝間隔にします。生育の良すぎるものや悪いものを手で引き抜くか、株元をハサミで切り取ります。間引き後は、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。
2回目は、本葉2~3枚の頃に7~8㎝間隔にします。
3回目は、本葉5~6枚の頃に30㎝間隔にします。
追肥は、3回目の間引きのあとに、化成肥料30g/㎡を施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。

点まきの場合は、本葉2~3枚の頃に1箇所2本に間引き、本葉4~5枚の頃に生育の良いものを残して1本立ちにします。

プランターでの栽培方法

土づくり

プランターは、幅65cm、深さ20㎝以上のものを用意します。
用土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れます。

種まき

種まきは、すじまきや点まきのほか、ポットに種をまくこともできます。
すじまきの場合は、棒や板を土に押し付けて、深さ1㎝程度のまき溝を作り、1㎝間隔で種が重ならないようにまきます。
土を1㎝ほど被せてから、表面を軽く手で押さえて土と密着させます。種が水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土の表面が乾燥しないように水やりをします。
発芽後は、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
プランターは、日当たりの良い場所で管理します。

点まきの場合は、20~30㎝の間隔でまき穴を作り、1つの穴に4~5粒の種を等間隔にまきます。周囲の土を寄せて1㎝ほど被せてから、手で上から押さえて土と種を密着させ、たっぷりと水やりをします。
本葉2~3枚の頃に1箇所3本に間引き、本葉4~5枚の頃に生育の良いものを残して1本立ちにします。

間引き・追肥

すじまきの場合は、数回に分けて間引きを行います。
生育の良すぎるものや悪いものを手で引き抜くか、株元をハサミで切り取ります。間引き後は、周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。
本葉5~6枚の頃までに株間を20~30㎝にし、一つのプランターで2~3株を目安に栽培します。

追肥は、生育の状態を見ながら月に1回程度、化成肥料10gをプランター全体に施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
用土が減っていたら、生長点を埋めないようにして増し土をします。


3.オータムポエムの栽培手入れ

水やり

水やり

畑栽培では、発芽するまでは土が乾燥しないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。
土がひどく乾いているときは、午前中に水やりをします。

プランター栽培では、発芽するまでは土の表面が乾燥しないように水やりをします。
その後は、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出すくらいたっぷりと水やりをします。

防虫ネット

オータムポエムは、発芽するとアブラナ科の害虫が飛来するので、種をまいたらすぐに防虫ネットや不織布などをかけて害虫の飛来や産卵を予防します。
10月上旬頃までは害虫が発生しやすいため、特に注意が必要です。
冬の時期に入ると害虫もいなくなりますので、冬になったら防虫ネットを外して育てていきます。

除草

オータムポエムの生育期間中は、除草を行うようにします。
雑草に養分を奪われてしまうと肥料切れになり、生育が悪くなり、病害虫の発生につながります。
除草作業は適度に行うのが無難で、数日おきに行えば手間もさほどかかりません。

4.オータムポエムの収穫時期

オータムポエム(アスパラ菜)の収穫

オータムポエムの収穫適期

オータムポエムは、地域や品種によって収穫時期が異なりますが、中間地では11月~1月頃まで収穫することができます。
トウ(花茎)が立って主茎の蕾が膨らんできたら、先端から20㎝ほどの部分を手でポキッと折れる箇所で摘み取ります。
その後は、葉の根元から順次伸びてくるわき芽を同様に摘み取って収穫します。

わき芽は、花が1~2個咲いた頃が収穫適期です。蕾の先端から20~25㎝の長さで茎葉をつけてハサミで切り取るか、手で折って収穫します。
花がたくさん咲いてしまうと風味が落ちるので、早めに収穫するようにします。
収穫後に少量の追肥を施しておくと、長く収穫することができます。

オータムポエムの保存方法

収穫後のオータムポエムは日持ちしないので、早めに食べるようにします。
すぐに利用しない場合は、軽く湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。保存期間は、2~3日です。

5.オータムポエムに発生しやすい病気

オータムポエムの病気では、べと病や白さび病に注意します。

べと病

べと病は、カビによる病気で、低温多雨の時期に多く発生します。葉の表面に小さな淡黄色の斑点が現れ、しだいに大きくなって、葉裏にはすす状のカビが生えます。下葉から発生し始めて、徐々に上の葉に拡大していきます。
長雨や水分が多い環境で伝染するため、水はけを良くし、密植を避け、摘葉・摘芯を適度に行って風通しを良くします。
水やりの際は、泥が跳ね返らないよう株元に丁寧に与えるようにします。
被害のあった葉は、伝染源とならないように早めに摘み取り、畑の外に搬出処分します。

白さび病

白さび病はカビによる病気で、葉の裏側にやや盛り上がった乳白色の病斑が現れます。雨の多い時期に多発しやすくなります。
アブラナ科野菜の連作を避け、畝を高くして水はけを良くします。泥はねによって感染することもあるので注意します。発病した場合は、病気の拡大を防ぐため早めに撤去処分します。

6.オータムポエムに発生しやすい害虫

オータムポエムの栽培では、アブラナ科の害虫に注意します。

アオムシ

アオムシはモンシロチョウの幼虫で、アブラナ科の野菜を好んで食害します。
窒素分が豊富な株に産卵されやすいので、肥料の与えすぎに注意します。
防虫ネットなどで覆って成虫の産卵を防ぎ、葉の裏をこまめに観察して卵や幼虫を捕殺します。

コナガ

コナガは蛾の仲間で、緑色の幼虫が葉の表皮だけを残して葉肉を食害します。窒素分の多い株に産卵されやすく、幼虫は成長が早いので放置すると被害が大きくなります。防虫ネットなどで覆って、成虫の侵入や産卵を防ぎます。被覆後も葉をこまめに観察して、卵や幼虫を捕殺します。

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