1.ころたんの特徴と栽培時期
ころたんの育て方手順に沿って、畑やプランターでころたんを栽培してみましょう!
ころたんは、プランターでも栽培できるように品種改良されたミニサイズのネットメロンですので、チャレンジしてみましょう。
■分類:ウリ科キュウリ属
■ころたんの旬:7月~8月
■栽培時期:春植え
植え付け:5月、収穫時期:7~8月
■連作障害:あり(3~4年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■生育適温:20~30℃
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ころたんの特徴
メロンは、大きく分けると、皮が網目になっている「ネットメロン」と、網目の出ない「ノーネットメロン」があります。大型のネットメロンは栽培が難しいため、家庭菜園ではノーネットメロンの栽培が一般的です。
サカタのタネが開発した品種『ころたん』は、ミニサイズのネットメロンとして育成開発されました。果重は300g~500g、タネの部分が少なく可食部が多く、糖度は約15度になるという特徴があります。また、果実の表面に軽く傷を付けてお絵かきができることあり、人気の品種となっています。
なお、家庭菜園向きのノーネットメロンの品種には、『プリンスメロン』『キューピット』『かわい~ナ』などの品種も人気があります。
栄養素
メロンには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンC、カリウム、葉酸などが多く含まれています。メロンはカリウムの含有量が特に多く、体内の余分な塩分を排出し、高血圧や動脈硬化の予防に効果があるとされています。
ころたんの栽培時期
ころたんの苗の植え付け時期は、5月が適しています。植え付け時の生育適温は20~25℃と比較的高く、地温も16℃以上必要ですので十分暖かくなってから苗を植え付けるようにします。
ころたんの栽培ポイント
ころたんの栽培ポイントは3つあります。
①水はけをよくし、乾燥気味の環境で育てるようにします。
②苗は、気温や地温が十分上がってから植え付けるようにします。
③親づる、子づる、孫づるの整枝・摘芯を適時に行い、孫づるに果実をつけるようにします。
ころたんの好適土壌pH
ころたんの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
雨が多い日本では土が酸性になりがちですので、植え付け場所に苦土石灰をまいてよく耕しておきます。苦土石灰は、1㎡当たり100~150gが適しています。
ころたんの連作障害
ころたんは、連作障害が起こる果菜です。一度メロンやウリ科野菜を作った場所では、3~4年の期間を空けるようにします。
2.ころたんの栽培基本(畑・プランター)
畑での栽培方法
ころたんは、種が販売されていないので、苗を購入して植え付けます。苗を選ぶときは、病害虫に強い接ぎ木苗を購入すると、丈夫で育てやすいのでおすすめです。
土づくり
苗を植え付ける2週間前に土づくりを行います。ころたんの植え付け場所の全面に、苦土石灰100~150g/㎡をまいて深く耕します。
植え付け1週間前に、完熟堆肥2~3kg/㎡、化成肥料100g/㎡を施して再度耕します。畝幅は80~100cm、高さ10cmくらいにし、水はけをよくします。
また、ビニールマルチを畝に施しておくと、地温が上がって苗の活着が良くなります。
植え付け
遅霜の心配があるので、ころたんは気温が十分に上がってから植え付けるようにします。
ポリポットから取りだした苗は、根鉢を崩さずに浅めに植え付けます。ポット表面の土が、畝の土より5㎜~1cmほど出るようにします。植え付ける際は、株間を90cm以上あけるようにします。
植え付けが終わったら、たっぷりと水をあげ、ホットキャップや防虫ネットを被せておくとよいでしょう。
プランターでの栽培方法
ころたんは、プランターや鉢でも栽培できるミニサイズの品種です。
プランターは長さ73cm・深さ25cm以上(46リットル)、鉢は10号鉢(直径30cm・16リットル)以上で、土が多めに入るサイズが適しています。
植え付けの際は、容器の底に鉢底石を敷いて、市販の野菜用培養土を8分目の高さまで入れます。
ポリポットから取りだした苗は、根鉢を崩さずに浅めに植え付けます。ポット表面の土が、畝の土より5㎜~1cmほど出るようにします。
植え付けが終わったら、たっぷりと水をあげ、ホットキャップや防虫ネットを被せておくとよいでしょう。
つるが伸びてきたら、あんどん仕立てなどの立体栽培にして、つるを誘引していきます。
3.ころたんの栽培手入れ
おいしくて良質な果実を収穫するためには、整枝・摘芯、人工授粉、摘果などの日常管理が大切です。
整枝・摘芯
畑栽培
親づるは、本葉が5~6枚になったら本葉4~5枚を残して先端を摘芯します。子づるが出てきたら元気の良い子づる3本を残し、それ以外の子づるはすべて除去します。
また、子づる1~4節目までの孫づるもすべて摘み取ります。
ころたんの雌花は孫づるに多く咲きますので、人工授粉を行って着果させ、着果した孫づるは、葉2枚を残して先端を摘芯します。
子づるは18~20節目くらいで先端を摘芯し、孫づるは混みすぎない程度に残して株が疲れないようにします。
プランター・鉢栽培
親づるは本葉が5~6枚になったら、本葉4~5枚を残して先端を摘芯します。子づるが出てきたら元気の良い子づる1~2本を残し、それ以外の子づるはすべて除去します。
また、子づる1~8節目までの孫づるもすべて摘み取ります。
ころたんの雌花は孫づるに多く咲きますので、人工授粉を行って着果させ、着果した孫づるは、葉2枚を残して先端を摘芯します。
子づるは18~20節目くらいで先端を摘芯し、孫づるは混みすぎない程度に残して株が疲れないようにします。
人工授粉
孫づるに咲いた雌花に確実に着果させるために、人工授粉を行います。ころたんの花の下に小さな膨らみがあるのが雌花で、膨らみが無いのが雄花です。開花している雄花を摘み取り、開花している雌花の柱頭に雄花の花粉をこすりつけます。花粉の寿命が短いので、晴れた日の午前9時頃までに人工授粉の作業を終わらせるようにします。
なお、授粉した日付を書いたラベルを近くに付けておくと、収穫時期が分かりやすくなります。ころたんは、交配後45~50日頃が収穫時期になります。
摘果
ころたんの摘果は、不要な果実を摘み取り、良質の実を残す作業です。果実を多く着果させると養分が分散されてしまい、良質な果実ができなくなります。
着果した果実がピンポン玉くらいの大きさになったら、1株当たり2~4個を残し、それ以外の果実や花弁は取り除きます。
1株当たりの収穫数は、畑栽培で8~10個、プランター栽培では2~4個が目安です。
果実を多くつけすぎると、株が消耗して枯れることもあります。
追肥
畑栽培
1回目の追肥は、ころたんの植え付け後2~3週間後に1株あたり緩効性肥料10gを施します。
2回目の追肥は、1回目の追肥から2週間後に同量を施します。
3回目の追肥は、ころたんの果実がタマゴくらいの大きさになったら同量を施します。
その後は、子づるの生長をみながら同量を施します。
肥料を施す際は、肥料焼けを避けるために株元から50cmくらい離した場所に施します。
プランター・鉢栽培
1回目の追肥は、ころたんの植え付け後2~3週間後に1株あたり緩効性肥料10gを施します。
2回目の追肥は、ころたんの果実がピンポン玉くらいの大きさになったら同量を施します。
その後は、子づるの生長をみながら同量を施します。
肥料を施す際は、容器の縁にぱらぱらと追肥し、水やりなどで用土が減っていたら、肥料の上に土を補充しておきます。
水やり
ころたんは、乾燥気味の環境を好むので、水のやりすぎに注意します。
畑栽培の場合は、苗の植え付け直後はたっぷりと水やりをします。その後は自然の雨で足りますが、つるや葉が萎れてきたら水をあげます。
プランター・鉢栽培の場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
4.ころたんの収穫時期
ころたんは、交配後45~50日で果実が熟して収穫ができます。
収穫適期になると、果実に近い部分の葉が枯れ、果皮が黄金色になり、果実のヘタのつけ根部分にひび割れができてきます。
完熟すると果実がつるから落下することもありますので、ヒモやネットを使って落下防止を施すとよいでしょう。
収穫する際は、果実を軽く握り、つるをハサミで切り取ります。
5.ころたんに発生しやすい病気
野菜作りでは、病害虫の予防対策を行うのは当然ですが、無農薬で完全に防除するのは困難です。
薬剤は、使用目的、使用時期、使用回数などをきちんと守って使用することがとても重要になります。
薬剤使用が気になる場合は、お酢100%のポンプスプレータイプ『殺虫殺菌剤 アースガーデン やさお酢 1000mL』なども参考にするとよいでしょう。
べと病
ころたんの葉の表面に褐色の病斑が現れ、しだいに大きくなって広がり、やがて枯れてしまう病気です。
水はけをよくし、日当たりや風通しを良くします。窒素肥料の過多にも気をつけます。病斑の出たころたんの葉は、早めに摘み取って畑の外に撤去処分します。
薬剤には、「ダコニール1000」などがあります。
つる枯れ病
ころたんの茎の地際部が水が浸みたようになり、葉に褐色の病斑が現れ、徐々に拡大してやがて枯れてしまう病気です。
発病すると感染源になるため、ころたんの株を抜き取って撤去処分します。過湿状態にならないように高畝にし、水はけをよくして予防します。
薬剤には、「トップジンM水和剤」などがあります。
モザイク病(ウイルス病)
モザイク病は、ころたんの葉に黄単色の斑紋が現れ、モザイク状に広がっていくことからこの名がついています。ウイルスが原因で、アブラムシが葉や茎を吸汁してウイルスを媒介します。モザイク病は薬剤で治療ができないので、防虫ネットなどでアブラムシの飛来を予防します。病気にかかったころたんの葉や株は早めに撤去して、感染の拡大を防ぐ必要があります。
6.ころたんに発生しやすい害虫
害虫では、ウリハムシ、アブラムシ、オンシツコナジラミなどに注意します。
苗の購入時に虫の有無をチェックし、植え付け後に防虫ネットをかけて成虫の飛来や産卵を予防します。これらの虫は、キラキラ光るものを嫌うため、シルバーマルチを敷くと虫の飛来を抑制することができます。
ウリハムシ
成虫は、体長7㎜ほどの甲虫でころたんの葉を食害し、株元に産卵することがあります。ふ化した幼虫は地際の根や茎を食害します。成虫は動きが早いので、動きの鈍い早朝に見つけて捕殺します。
薬剤には、「マラソン乳剤」などがあります。
アブラムシ
アブラムシは、体長2㎜ほどの小さな虫で、ころたんの茎や葉に集団で寄生して植物の栄養を吸汁します。ウイルス病を媒介し、すす病を誘発する恐れがあるため、日当たりや風通しをよくして予防します。
オンシツコナジラミ
成虫は、体長2㎜程度の羽のある白い虫で、成虫、幼虫ともころたんの葉の汁を吸うため、葉が白いカスリ状になります。また、アブラムシと同様にウイルス病を媒介し、すす病を誘発することもあります。
ベランダ栽培では、ころたんの葉の裏にも水をかけ、乾燥しすぎないように管理します。
一度駆除しても成虫が次々と飛来するのでやっかいな害虫です。
薬剤には、「アーリーセーフ」などがあります。
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