プリンスメロンの育て方・栽培方法

プリンスメロン

1.プリンスメロンの特徴と栽培時期


プリンスメロンの育て方手順に沿って、畑やプランターでプリンスメロンを栽培してみましょう!
プリンスメロンは上級者向けの果菜ですが、家庭菜園でプランターでも栽培できますので、チャレンジしてみましょう。

プリンスメロンの栽培データ
■プリンスメロンの栽培難易度: ★★★★☆
■分類:ウリ科キュウリ属
■原産地:東アフリカ、中近東
■プリンスメロンの旬:7月~8月
■栽培時期:春植え
種まき:3~4月、植え付け:5月、収穫時期:7~8月
■連作障害:あり(3~4年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:25~30℃

プリンスメロンの種や苗が買えるお店

プリンスメロンの種や苗を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

特徴

メロンは、大きく分けると、皮が網目になっている「ネットメロン」と、網目の出ない「ノーネットメロン」があります。大型のネットメロンは栽培が難しいので、家庭菜園ではノーネットメロンの栽培が一般的です。
サカタのタネが開発した品種『プリンスメロン』は、洋種メロンと日本のマクワウリを交配して育成されました。網目のないノーネットメロンで、果皮がツルっとしていて、果肉は淡い黄緑色で大きさは500g~600gです。糖度は16度前後で甘味が強く、人気の品種となっています。
このほか、『プリンス』『キューピット』『かわい~ナ』や、ミニサイズのネットメロン『ころたん』などの品種も人気があります。

栄養素

メロンには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンC、カリウム、葉酸などが多く含まれています。メロンはカリウムの含有量が特に多く、体内の余分な塩分を排出し、高血圧や動脈硬化の予防に効果があるとされています。

プリンスメロンの育て方

プリンスメロンの栽培時期

プリンスメロンの苗の植え付け時期は、5月が適しています。生育適温が25~30℃と比較的高いため、できるだけ暖かくなってから苗を植え付けるようにします。
種から育てる場合は、3~4月に育苗ポットに種まきを行い、5月に植え付けます。収穫は、7~8月になります。

プリンスメロンの栽培ポイント

プリンスメロンの栽培ポイントは3つあります。
①連作障害があるので、3~4年の期間をあけるようにします。
②完熟堆肥や腐葉土などの有機質をたっぷりと入れ、通気性と水はけをよくします。
③親づる、子づる、孫づるの整枝・摘芯を適時に行い、孫づるに果実をつけるようにします。

プリンスメロンの好適土壌pH

プリンスメロンの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
雨が多い日本では土が酸性になりがちですので、植え付け場所に苦土石灰をまいてよく耕しておきます。苦土石灰は、1㎡当たり100~150gが適しています。

プリンスメロンの連作障害

プリンスメロンは、連作障害が出やすい果菜です。一度メロンやウリ科野菜を作った場所では、3~4年の期間を空けるようにします。連作すると病気などが発生しやすくなりますので、注意が必要です。

2.プリンスメロンの栽培基本(畑・プランター)

肥料

畑での栽培方法

プリンスメロンは、種まきから始めることもできますが、市販の苗を購入して植え付けると育苗の手間が省けます。苗を選ぶときは、病害虫に強い接ぎ木苗を購入すると、丈夫で育てやすいのでおすすめです。

種まき

プリンスメロンを種から育てる場合は、3月下旬~4月にポットに種をまきます。用土を入れたポリポット3号(直径9cm)に、指で1㎝ほどのくぼみを3箇所つくり、1粒ずつ種をまきます。日中は25~30℃以上、夜は18℃以上に保つと発芽しやすくなります。
本葉3~4枚の頃までに間引きを行い、育ちの良い苗を1本残して育苗します。本葉4~5枚になったら、畑に植え付けます。

土づくり

苗を植え付ける2週間前に土づくりを行います。プリンスメロンの植え付け場所の全面に、苦土石灰100~150g/㎡をまいて深く耕します。
植え付け1週間前に、完熟堆肥2~3kg/㎡、化成肥料100g/㎡を施して再度耕します。畝幅は80~100cm、高さ10cmほどにし、水はけをよくします。
また、ビニールマルチを畝に施しておくと、地温が上がって苗の活着が良くなります。

植え付け

プリンスメロンの苗は、本葉4~5枚に育ったものを植え付けます。遅霜の心配があるので、気温が十分に上がってから植え付けるようにします。ポリポットから取りだした苗は、根鉢を崩さずに浅めに植え付けます。ポット表面の土が、畝の土より5㎜~1cmほど出るようにします。植え付ける際は、株間を90cm以上あけるようにします。
植え付けが終わったら、たっぷりと水をあげ、ホットキャップや防虫ネットを被せておくとよいでしょう。

プランターでの栽培方法

プリンスメロンは、プランターや鉢でも栽培ですることができます。
プランターは長さ73cm・深さ25cm以上(46リットル)、鉢は10号鉢(直径30cm・16リットル)以上で、土が多めに入るサイズが適しています。
植え付けの際は、容器の底に鉢底石を敷いて、市販の培養土を8分目の高さまで入れます。
ポリポットから取りだした苗は、根鉢を崩さずに浅めに植え付けます。ポット表面の土が、畝の土より5㎜~1cmほど出るようにします。
植え付けが終わったら、たっぷりと水をあげ、ホットキャップや防虫ネットを被せておくとよいでしょう。
つるが伸びてきたら、あんどん仕立てなどの立体栽培にして、つるを誘引していきます。

3.プリンスメロンの栽培手入れ(整枝・摘芯・水やり)

水やり

おいしくて良質な果実を収穫するためには、整枝・摘芯、人工授粉、摘果などの日常管理が大切です。

整枝・摘芯

プリンスメロンの畑栽培とプランター栽培の整枝・摘芯について見ていきましょう。

畑栽培

親づるは、本葉が5~6枚になったら本葉4~5枚を残して先端を摘芯します。子づるが20cmほど伸びたら元気の良い子づる3~4本を残し、それ以外の子づるはすべて除去します。
また、子づる1~4節目までの孫づるもすべて摘み取ります。
プリンスメロンの雌花は孫づるに多く咲きますので、人工授粉を行って着果させ、着果した孫づるは、葉2枚を残して先端を摘芯します。
子づるは18~20節目くらいで先端を摘芯し、孫づるは混みすぎない程度に残して株が疲れないようにします。

プランター・鉢栽培

親づるは本葉が5~6枚になったら、本葉4~5枚を残して先端を摘芯します。子づるが出てきたら元気の良い子づる1~2本を残し、それ以外の子づるはすべて除去します。
また、子づる1~8節目までの孫づるもすべて摘み取ります。
プリンスメロンの雌花は孫づるに多く咲きますので、人工授粉を行って着果させ、着果した孫づるは、葉2枚を残して先端を摘芯します。
子づるは18~20節目くらいで先端を摘芯し、孫づるは混みすぎない程度に残して株が疲れないようにします。

人工授粉

孫づるに咲いた雌花に確実に着果させるために、人工授粉を行います。プリンスメロンの花の下に小さな膨らみがあるのが雌花で、膨らみが無いのが雄花です。開花している雄花を摘み取り、開花している雌花の柱頭に雄花の花粉をこすりつけます。花粉の寿命が短いので、晴れた日の午前9時頃までに人工授粉の作業を終わらせるようにします。
なお、授粉した日付を書いたラベルを近くに付けておくと、収穫時期が分かりやすくなります。プリンスメロンは、交配後35~40日頃が収穫時期になります。

摘果

プリンスメロンの摘果は、不要な果実を摘み取り、良質の実を残す作業です。果実を多く着果させると養分が分散されてしまい、良質な果実ができなくなります。
摘果は、果実がピンポン玉くらいの大きさになったら、楕円形のものを残して、それ以外の果実や花弁は取り除きます。
1株当たりの収穫数は、畑栽培で6~8個、プランター・鉢栽培では2~4個が目安です。果実を多くつけすぎると、株が消耗して枯れることもあります。

追肥

窒素肥料が多いと、プリンスメロンはつるボケになりやすいので、着果したことを確認してから追肥を行います。
畑栽培の場合は、1回目の追肥は、果実がタマゴくらいの大きさになったら行います。化成肥料30g/㎡を畝の肩に施し中耕し、土寄せします。2回目の追肥は、1回目の追肥から2~3週間後に、同量の化成肥料を施します。
プランター・鉢栽培では、果実がついた頃と、果実が肥大した頃の2回に分けて追肥します。容器の縁に、化成肥料10gをぱらぱらとまいて土に軽く混ぜます。水やりなどで用土が減っていたら、肥料の上に土を補充しておきます。

水やり

プリンスメロンを畑栽培する場合は、苗の植え付け直後はたっぷりと水やりをします。その後は乾燥ぎみに育てますが、つるや葉が萎れてきたら水をあげます。
プランター・鉢栽培の場合は、土の表面が乾いてきたら水やりをします。収穫予定の10日ほど前になったら、水やりを控えて糖度を高めるようにします。

4.プリンスメロンの収穫時期

プリンスメロン切り方

収穫適期

収穫適期は、地域や品種などによって異なります。
プリンスメロンは、交配してから35~40日ほどで収穫ができます。収穫適期になると、果実の近くの葉が枯れてきて、果皮に光沢がでてきます。果実から芳香が出始め、ヘタの部分がひび割れしてきたら収穫ができます。完熟すると果実がつるから落下することもありますので、ヒモやネットを使って落下防止を施すとよいでしょう。
収穫する際は、果実を軽く握り、つるをハサミで切り取ります。

5.プリンスメロンに発生しやすい病気

プリンスメロンの栽培方法

野菜作りでは、病害虫の予防対策を行うのは当然ですが、無農薬で完全に防除するのは困難です。
薬剤は、使用目的、使用時期、使用回数などをきちんと守って使用することがとても重要になります。
薬剤使用が気になる場合は、お酢100%のポンプスプレータイプ『殺虫殺菌剤 アースガーデン やさお酢 1000mL』なども参考するとよいでしょう。

うどんこ病

高温多湿の環境で発生しやすく、カビが原因の病気です。プリンスメロンの葉や茎に、うどん粉をまぶしたような白いカビが発生し、光合成ができなくなって枯れてしまいます。
窒素肥料の与え過ぎに注意し、日光が良く当たるようにし、風通しを良くして予防します。症状がひどい場合は、感染拡大を防ぐため発病した葉を取り除きます。

べと病

葉の表面に褐色の病斑が現れ、しだいに大きくなって広がり、やがて枯れてしまう病気です。
水はけをよくし、日当たりや風通しを良くします。窒素肥料の過多にも気をつけます。病斑の出たプリンスメロンの葉は、早めに摘み取って畑の外に撤去処分します。
薬剤には、「ダコニール1000」などがあります。

つる枯れ病

茎の地際部が水が浸みたようになり、葉に褐色の病斑が現れ、徐々に拡大してやがて枯れてしまう病気です。
発病すると感染源になるため、プリンスメロンの株を抜き取って撤去処分します。高畝にして水はけをよくして予防します。
薬剤には、「トップジンM水和剤」などがあります。

つる割れ病

地際部分の茎が裂けて割れてしまう病気です。割れた部分からカビが生え、症状が進むとプリンスメロンの茎が萎れて枯れてしまいます。
カボチャを台木にした接ぎ木苗を選び、植え付け前に苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。発病した株は抜き取り、畑の外に撤去処分します。

6.プリンスメロンに発生しやすい害虫

害虫では、ウリハムシ、アブラムシ、オンシツコナジラミ、ハダニなどに注意します。
苗の購入時に虫の有無をチェックし、植え付け後に防虫ネットをかけて成虫の飛来や産卵を予防します。

ウリハムシ

ウリハムシは、成虫は体長7㎜ほどの甲虫でプリンスメロンの葉を食害し、幼虫は地際の茎を食害します。成虫は、キラキラ光るものを嫌うため、畑の通路などにシルバーマルチを敷くと成虫の飛来を抑えることができます。
薬剤には、「マラソン乳剤」などがあります。

アブラムシ

アブラムシは、体長2㎜ほどの小さな虫で、プリンスメロンの茎や葉に集団で寄生して植物の栄養を吸汁します。ウイルス病を媒介し、すす病を誘発する恐れがあるため、日当たりや風通しをよくして予防します。

オンシツコナジラミ

成虫は、体長2㎜程度の羽のある白い虫で、成虫、幼虫ともプリンスメロンの葉の汁を吸うため、葉が白いカスリ状になります。また、アブラムシと同様にウイルス病を媒介し、すす病を誘発することもあります。
ベランダ栽培では、葉の裏にも水をかけ、乾燥しすぎないように管理します。
一度駆除しても成虫が次々と飛来するのでやっかいな害虫です。
薬剤には、「アーリーセーフ」などがあります。

ハダニ

ハダニは、高温乾燥時に発生する体長1㎜以下の小さな害虫で、プリンスメロンの葉裏に寄生して汁を吸います。葉に針で突いたような小さな斑点が現れ、次第に白いカスリ状になります。極端に乾燥させないようにして予防し、被害が大きい場合は、殺虫剤で駆除します。

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