ラッカセイ(おおまさり)の育て方・栽培方法

落花生(ラッカセイ)の育て方・栽培方法

1.ラッカセイ栽培の特徴と時期


ラッカセイの育て方手順に沿って、畑やプランターでラッカセイを栽培してみましょう!
ラッカセイは比較的簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

ラッカセイ(らっかせい・ラッカセイ)の栽培データ
■ラッカセイの栽培難易度:普通
■分類:マメ科ラッカセイ属
■原産地:南アメリカ
■主な旬:9月~10月
■栽培時期:春まき・春植え
 種まき:4月~5月、植え付け:5月、収穫時期:9月~10月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~30℃
■生育適温:25~27℃

ラッカセイの種が買えるお店

ラッカセイの種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

ラッカセイの特徴

ラッカセイは、南アメリカのアンデス山地原産のマメ科の野菜で、日本では明治初期以降に栽培が始まりました。現在は、国内流通量の約9割が外国産で、国内産は約1割程度でその約8割が千葉県で生産されています。
ラッカセイは、花が咲き終わると子房柄(花のつけ根の棒状の柄)が下方に伸びて地中に潜って実をつけることが最大の特徴です。

ラッカセイは、タンパク質と脂質が主成分で、約30粒でごはん1杯分のカロリーになると言われています。「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEやミネラルなども豊富に含まれていて、高血圧や動脈硬化などの予防効果があるとされています。

新品種の『おおまさり』は、平成19年に品種登録され、さやが普通のラッカセイの2倍ほどの大きさがあり、甘みが豊かで収穫量も多く、ゆで落花生にも最適の人気品種となっています。
ラッカセイは、種まきから収穫まで約5か月かかりますが、病気や害虫に比較的強いので、家庭菜園初心者でも栽培ができて収穫を楽しむことができます。

ラッカセイの栄養素

ラッカセイには、タンパク質や脂質、ビタミンB群、ビタミンEなどが豊富に含まれています。ラッカセイの脂質にはオレイン酸などが多く、悪玉コレステロールや中性脂肪値を下げる働きがあり、生活習慣病予防に効果があるとされています。
また、ビタミンB群、ビタミンEなどは、高血圧や動脈硬化の予防のほか、貧血、老化防止などの効果があるとされています。

ラッカセイの主な品種

主な品種は以下のとおりで、『おおまさり』や『郷の香』は、ゆで豆用に適しています。
『千葉半立(ちばはんだち)』『ナカテユタカ』『おおまさり』『郷の香』『黒落花生』『Qなっつ』など。

ラッカセイの栽培ポイント

・連作障害に弱いため、マメ科野菜を2~3年間栽培していない場所を選ぶ。
・土が酸性土壌の場合は、2週間以上前に苦土石灰をまいてよく耕す。
・寒さに弱いので、気温が十分に上がってから種まきや植え付けをする。
・子房柄(しぼうへい)が土に潜って実を付けるので、株元に土寄せを行う。

ラッカセイの栽培時期

中間地(関東地域)
種まき:4月中旬~5月中旬、植え付け:5月上旬~5月下旬、収穫時期:9月下旬~10月中旬
栽培時期は、品種や地域により異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。

ラッカセイの連作障害

ラッカセイは、連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
同じ場所に同じ野菜を栽培すると、土壌中の微生物に偏りが出て、野菜の生育に悪影響を及ぼします。収穫量が極端に減少することもあるため、連作障害には注意が必要です。プランター栽培では、常に新しい土を使うようにします。

ラッカセイの好適土壌pH

ラッカセイの好適土壌pHは、6.0~6.5です。酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.ラッカセイの栽培方法(畑・プランター)

肥料

栽培初心者の場合は、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると手軽でおすすめです。ポット苗は、4月中旬頃に販売されます。
苗を購入する場合は、本葉3~4枚で節間が詰まっているがっしりとしたものを選ぶようにします。葉に、病斑や害虫の被害がないことも重要です。

畑栽培の場合

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、種まきや植え付けの2週間以上前に苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料50g/㎡を施してよく耕します。畝幅は60㎝、高さ10~15㎝にします。
マメ科の植物は根粒菌が働いて窒素を供給するので、窒素成分は少なめにします。窒素が多すぎると、葉茎だけが伸びて実つきが悪くなりますので、肥料の与え過ぎに注意します。

種まき

種まきは、直接畑にまく方法(直まき)と、育苗ポットに種をまいて苗を育てる方法(ポットまき)があります。
ラッカセイは鳥に食害されることが多いので、ポットまきがおすすめです。

直まきの場合は、雨が降った翌日などは避けて、晴れた日の午前中に種まきをします。畝の中央に30cm間隔で直径5㎝、深さ1~2㎝のまき穴を作り、種を2~3粒まきます。土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水やりをします。
本葉2~3枚の頃に生育の悪いものを間引いて1~2本にします。発芽するまでは、鳥害に遭わないように不織布などを掛けておくことをおすすめします。

ポットまきの場合は、3号ポット(直径9㎝)に種まき用土を入れ、指先で深さ2~3㎝の窪みを2箇所つくり、種を1粒ずつまきます。
土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。本葉3~4枚になるまで育てて間引かずに植え付けます。

植え付け

苗の植え付け時期は、5月上旬~5月下旬となります。
植え付ける際は、ポリポットの大きさと同じくらいの植え穴を作り、根鉢を崩さずに植え付けます。株間は30㎝程度にします。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて密着させ、たっぷりと水をあげます。

プランター栽培の場合

プランターは大型の深型サイズで2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。
種から育てることができますが、市販の苗を購入して植え付けると簡単です。

用土

ラッカセイは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うようにします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
培養土は、プランターの上部から3㎝下のところまで入れます。

種まき

種から育てる場合は、ポットまきがおすすめです。
ポットまきは、3号ポット(直径9㎝)に種まき用土を入れ、指先で深さ2~3㎝の窪みを2箇所つくり、種を1粒ずつまきます。
土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。本葉3~4枚になるまで育てて間引かずに植え付けます。
発芽するまでは、鳥害に遭わないように不織布などを掛けておくことをおすすめします。

直まきの場合は、直径5㎝、深さ1~2㎝のまき穴を作り、種を2~3粒まきます。土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。本葉2~3枚の頃に生育の悪いものを間引いて1~2本にします。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットの大きさと同じくらいの植え穴を作り、根鉢を崩さずに植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて密着させ、たっぷりと水をあげます。
苗が根付くまで1週間ほどかかるので、この間に水切れにならないように注意します。プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.ラッカセイの栽培手入れ

水やり

収穫までの主な作業は、水やり、支柱立て、追肥、土寄せ、除草などです。

水やり

畑栽培は、自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。
真夏に雨が降らず乾燥が続く場合は、朝夕の涼しい時間帯に水やりをします。

プランター栽培は、土の表面が乾いたらプランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。植え付け後から苗が根付くまでの約1週間は水やりをしますが、その後は土の表面が乾いたら水やりをします。

追肥と土寄せ

追肥は、黄色い花が咲き始めた6月下旬頃に施します。
畑栽培は、化成肥料30g/㎡を株の周りにばらまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせて株元に土を寄せます。
追肥を施す場合は、窒素の量に注意します。窒素が多すぎると葉に養分を取られてサヤつきが悪くなってしまいます。
プランター栽培は、1株当たり化成肥料5g程度を株の周りにまき、土の表面を軽くほぐして肥料と混ぜ合わせます。

ラッカセイは、子房柄が土の中に潜りやすいように株元に土寄せをします。1回目の土寄せは、花が咲き始めたら追肥と同時に行い、2回目は1回目の土寄せから15~20日過ぎに行います。土中に潜り込んだ子房柄を切ってしまうとサヤがつかなくなるので、2回目の土寄せの際は株元の土は耕さないで、株の周りにやわらかい土を盛り上げます。
プランター栽培では、子房柄が伸び出したら土寄せや増し土をこまめに行い、容器の外に伸び出た子房柄はていねいに内側に戻します。

除草

畑栽培では、雑草が伸び出すと追肥や土寄せ作業の妨げになるので、こまめに除草をします。除草作業が遅れた場合は、ハサミで雑草を切り取ります。

4.ラッカセイの収穫時期

ラッカセイの収穫

ラッカセイの収穫時期は、9月下旬~10月中旬頃で、霜が降りる前に収穫をします。栽培地域や品種にもよりますが、開花してから80~100日前後で収穫することができます。
下葉が黄色く枯れ始め、試し掘りでサヤに網目模様が出ていれば収穫適期です。
収穫の際は、株元を手で持って引き抜きます。土の中にサヤが残ることもあるので、取り残しがないように土の中をよく探します。

煎り豆にする場合は、風通しの良い日陰で数日間乾燥させます。中の豆が乾いてカラカラと音がするようになったら豆を取り出します。ゆで豆にする場合は、掘り上げてすぐにサヤをもぎ取り、水洗いしてサヤごと40分ほどゆでます。

5.ラッカセイに発生しやすい病気

らっかせい

褐斑病(かっぱんびょう)
褐斑病は、カビによる病気で、6月中下旬から黄葉の表面に黄褐色の小さな斑点ができ、徐々に大きくなっていきます。病気が進むと下葉から枯れてしまいます。
連作を避け、水はけが悪い場所での栽培を避けます。症状が現れたラッカセイの葉や株は早めに撤去処分します。

白絹病(しらきぬびょう)
白絹病は、カビによる病気で、7~8月に高温多湿条件で発生しやすく、特に30℃を超える高温では菌が増殖します。地際部に白い菌糸が現れ、やがて茎葉がしおれて黄色くなり生育不良や枯れてしまいます。白絹病は、一度発生してしまうと治療することができません。土壌伝染性の病害のため連作を避け、水はけの良い風通しの良い環境で育てます。発病したラッカセイの株は周囲の土壌とともに早めに抜き取り、撤去処分をします。

6.ラッカセイに発生しやすい病気

アブラムシ

アブラムシは、4~6月に発生する体長1~4㎜ほどの害虫で、口針を刺しこんでラッカセイの葉や茎の汁を吸収し、モザイク病などのウイルスを媒介します。
アブラムシが通れないくらい目の細かい防虫ネットをかけて、飛来を防止します。繁殖力が非常に旺盛なため、発生したら早急に捕殺するか、殺虫剤を株全体に散布して駆除します。

コガネムシ

コガネムシは、成虫が葉を食害してラッカセイの株の成長を妨げ、幼虫は根やサヤを食害します。成虫は7〜8月に産卵するので、見つけ次第捕殺します。苗の植え付け前に殺虫剤「ダイアジノン粒剤」などを土に混ぜると幼虫防除に効果があります。

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