1.ラッカセイの種まき時期
ラッカセイは、南アメリカのアンデス山地原産のマメ科の野菜で、日本では明治初期以降に栽培が始まりました。現在は、国内流通量の約9割が外国産で、国内産は約1割程度でその約8割が千葉県で生産されています。
ラッカセイは、花が咲き終わると花の基部から子房柄(しぼうへい)が下方に伸びてきて、それが地中に潜って実をつけることから「落花生」と呼ばれています。
ラッカセイは、「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEやミネラルなども豊富に含まれていて、高血圧や動脈硬化などの予防効果があるとされています。
新品種の『おおまさり』は、さやが普通のラッカセイの2倍ほどの大きさがあり、甘みが豊かで収穫量も多く、ゆで落花生にも最適の人気品種となっています。
ラッカセイの種まき時期は、関東などの中間地では4月中旬~5月中旬が目安です。
ラッカセイは、種まきから収穫まで約5か月かかりますが、病気や害虫に比較的強いので、家庭菜園初心者でも栽培ができて収穫を楽しむことができます。
2.ラッカセイのおすすめ品種
主な品種は以下のとおりで、『おおまさり』や『郷の香』は、ゆで豆用に適しています。
『千葉半立(ちばはんだち)』『ナカテユタカ』『おおまさり』『郷の香』『黒落花生』『Qなっつ』など。
3.ラッカセイの栽培ポイント
・連作障害に弱いため、マメ科野菜を2~3年間栽培していない場所を選ぶ。
・土が酸性土壌の場合は、2週間以上前に苦土石灰をまいてよく耕す。
・寒さに弱いので、気温が十分に上がってから種まきや植え付けをする。
・子房柄(しぼうへい)が土に潜って実を付けるので、株元に土寄せを行う。
4.ラッカセイの種まき(畑)
畑栽培
ラッカセイの種まきは、直接畑にまく方法(直まき)と、育苗ポットに種をまいて苗を育てる方法(ポットまき)があります。
①良い種を選ぶ
種を購入する際は、地域にあった品種を選び、栽培適期を守るようにします。
種袋には、品種の特徴、栽培時期、栽培方法、発芽・生育適温、発芽率、有効期限などが記載されています。種には寿命があるので、種袋の裏にある有効期限もチェックしましょう。
ラッカセイの種は、ホームセンターや園芸店で購入することができます。
購入する際は、直射日光の当たる場所に陳列されているものは避けましょう。
欲しい品種がない場合は、インターネットで購入すると便利です。
②適温時期に種をまく
ラッカセイの種まきは、関東などの中間地では4月中旬~5月中旬が目安です。
ラッカセイの発芽適温は20~30℃です。種袋に発芽適温・生育適温の記載があるので、適期に種まきをします。
ラッカセイは、発芽適温に達していないと、うまく発芽することができません。確実に発芽させるためには、気温が十分に上がってから種まきをします。
③種のまき方
直まきにする場合は、2週間以上前に土づくりを行い、畝を立てておきます。
種まきは「点まき」にして、直径5㎝、深さ1~2㎝のまき穴に種が重ならないように2~3粒まきます。土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえて土と種を密着させ、水やりをします。
種まきは、雨が降った翌日などは避けて、晴れた日の午前中に行うようにします。
④適切な用土を使う
ポットに種をまく場合は、「種まき専用培養土」がおすすめです。
種まき専用培養土は、発芽しやすいように微粒の各種用土がブレンドされています。保水性・排水性・通気性に優れているため、発芽後も安心です。
⑥種まき後の水やり
ラッカセイの種をまいた後はたっぷりと水やりをし、発芽するまでの間は用土の表面が乾いたら水やりをします。
種は、水、温度、酸素などの条件がそろうと吸水を始め、蓄えた養分と酸素を使って発芽します。
5.ラッカセイの苗づくり
ラッカセイの苗づくりは、ポットまきがおすすめです。ポットまきは温度管理や水やりが簡単で、発芽して丈夫に育った苗を選んで植え付けることができます。
ポットまきの手順は、以下のとおりです。
①3号ポット(直径9㎝)に種まき用土を入れる。
②指先で深さ2~3㎝の窪みを2箇所作り、1粒ずつ種をまく。
③土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させる。
④種まき後に、ジョウロでたっぷりと水やりをする。
⑤本葉3~4枚の頃に間引かずに植え付ける。
6.ラッカセイの種まき(プランター)
プランターは大型の深型サイズで2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。
ラッカセイは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
培養土は、プランターの上部から3㎝下のところまで入れます。
種まき
ラッカセイは鳥の被害に遭うので、ポットに種をまいて苗を育ててから植え付ける方法がおすすめです。
ポットまきの手順は、畑の場合と同じです。
直まきの場合は、直径5㎝、深さ1~2㎝のまき穴を作り、種を2~3粒まきます。土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。本葉2~3枚の頃に生育の悪いものを間引いて1~2本にします。
植え付け
苗を植え付ける際は、ポリポットの大きさと同じくらいの植え穴を作り、根鉢を崩さずに植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて密着させ、たっぷりと水をあげます。
苗が根付くまで1週間ほどかかるので、この間に水切れにならないように注意します。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。
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