ミニトマト(プチトマト)の育て方・栽培方法

ミニトマトの育て方・栽培方法

1.ミニトマト栽培の特徴と時期


ミニトマトの育て方手順に沿って、畑やプランターでミニトマトを栽培してみましょう!
ミニトマトは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

ミニトマト(プチトマト)の栽培データ
■ミニトマトの栽培難易度:簡単
■分類:ナス科トマト属
■原産地:南米ペルー
■主な旬:7月~10月
■栽培時期:春まき・春植え
春まき栽培:3月~4月、植え付け:4月~5月、収穫:7月~10月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:25~30℃

ミニトマトの苗や種が買えるお店

ミニトマトの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
多収穫タイプのミニトマトや、支柱いらずのミニトマト、強健品種のミニトマトなど、色々な品種のミニトマトが購入できます。

ミニトマトの特徴

ミニトマトの畑栽培

ミニトマトは、ナス科トマト属に属する野菜で、やや乾燥した温暖な気候を好みます。重さは約10〜30gで「プチトマト」とも呼ばれています。

ミニトマトは、健康に良い緑黄色野菜で、β-カロテンやビタミンCなどが豊富に含まれています。また、ミニトマトの赤色素であるリコピンには、強い抗酸化作用があり、がん予防などに効果があるとされています。
ミニトマトは、形や色も豊富で、サラダやお弁当、料理の彩りに重宝する人気野菜です。

ミニトマトは、家庭菜園で人気が高く、プランターでも手軽に育てられます。
栽培には十分な水やりと適切な肥料管理が必要ですが、初心者でも比較的簡単に栽培することができます。

ミニトマトの栄養素

ミニトマトは、非常に栄養価が高く、特にリコピンが豊富に含まれています。リコピンは、体内の活性酸素を除去する抗酸化物質として知られており、がんや心疾患の予防に効果があるとされています。
また、ミニトマトに含まれるビタミンCは、免疫力を高める働きがあり、美肌効果に効果があるとされています。

ミニトマトの主な品種

ミニトマトは、色や形が異なる多くの品種があります。
『アイコ』『イエローアイコ』『イエローミミ』『オレンジパルチェ』『キャンドルライト』『純あま』『スィートミニイエロー』『千果』『プチぷよ』『ミニキャロル』など。

ミニトマトの栽培ポイント

・日当たりと風通しのよい場所で栽培する。
・ナス科野菜を4~5年間栽培していない場所を選ぶ。
・苗は寒さに弱いので、遅霜の心配がない頃に植え付ける。
・わき芽を定期的に摘み取り、果実に養分をまわす。

ミニトマトの栽培時期

ミニトマトの栽培時期は、地域や品種により異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
春まき栽培:種まき3月上旬~4月下旬、植え付け4月下旬~5月中旬、収穫7月上旬~10月上旬

ミニトマトの連作障害

ミニトマトは連作障害を起こすため、ナス科野菜の連作を避け、同じ場所で栽培する場合は4~5年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出てミニトマトの生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。

ミニトマトの好適土壌pH

ミニトマトの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、植え付けの2週間前までに苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.ミニトマトの栽培方法(畑・プランター)

トマトの種まき

ミニトマトの栽培は、種をまいて育てる方法と苗を購入して植え付ける方法があります。ミニトマトは寒さに弱く、育苗にも時間がかかるので、家庭菜園では苗の購入がおすすめです。
苗を購入する場合は、病害虫の被害がなく、茎が太く、葉の緑が濃くて双葉があり、第1花房に花か蕾がついているものを選びます。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作って栽培します。

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
植え付けの1週間前になったら、畝を立てる場所の中央にクワを使って深さ20~30㎝、幅15㎝ほどの溝を掘ります。溝の中に、完熟堆肥3~4㎏/㎡、化成肥料100g /㎡を均等に施し、掘り上げた土を埋め戻してから、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。

種まき

ミニトマトを種から育てる場合は、ポットまきがおすすめです。
ポットまきは、3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ1㎝ほどの窪みを3箇所作り、1粒ずつ種をまきます。
周りの土を薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水をたっぷり与えます。
発芽したら本葉2~4枚の頃に1本に間引き、本葉5~6枚の頃に植え付けます。

植え付け

ポット苗の植え付けは、遅霜の心配がない頃に行います。
苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。株間は、45~50㎝程度にします。

植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水をあげます。
なお、植え付け前に、ポットをバケツの水につけて土を湿らせてから植えると根張りがよくなります。苗を植え付けたら、最後にたっぷりと水やりをします。
また、ミニトマトの実は同じ方向に付くため、花の向きを通路側に向けて植えると収穫が楽になります。

プランター栽培の場合

プランターは大型サイズで1~2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。

用土

ミニトマトは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。排水性を良くするため、鉢底石を敷き詰めて野菜用培養土を8分目くらい入れます。

種まき

ミニトマトを種から育てる場合は、ポットまきがおすすめです。
ポットまきの手順は、畑栽培と同じです。

植え付け

ポット苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水をあげます。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.ミニトマトの栽培手入れ

トマトの水やり

収穫までの主な作業は、水やり、支柱立て、人工授粉、追肥、わき芽かき、摘芯などです。

水やり

畑栽培では、自然の降雨で足りるので基本的に水やりの必要はありません。
雨が数日間降らないときは、水やりをします。夏場の暑い時期は、気温が下がってから水やりをします。
プランター栽培では、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
水の与えすぎや夜間の水やりは「徒長」の原因になるので注意し、水やりは朝の時間帯に行います。

支柱立て

ミニトマトの苗を植え付けたら、風による倒伏を防ぐため仮支柱を立てます。
仮支柱を立てる場合は、短めの支柱を株元から5㎝ほど離れた場所に斜めに差し込み、茎にひもを8の字にかけて支柱側で結びます。
苗が大きくなったら本支柱に取り替えます。
ミニトマトの場合は、長さ2mほどの支柱を用意し、株元から10㎝以上離した場所に立てます。主茎が伸びてきたら、ヒモを使って支柱へ誘引し、支柱と茎を8の字形に緩く結びます。

人工授粉

ミニトマトは、第1花房に確実に着果させると、その後の果実がつきやすくなります。虫の飛来が少ないベランダでは、花が2~3個咲いたら人工授粉を行うと安心です。
人工授粉には、手で支柱や花を揺する方法、筆などで花粉をつける方法、トマトトーンなどのホルモン剤を使う方法などがあります。人工授粉は、花が咲いた日の午前中に行います。

追肥

ミニトマトの追肥は、植え付けから約1か月たって第1花房の実が大きくなってきた頃に施します。その後は、株の草勢を見ながら1か月に1~2回程度追肥をします。ミニトマトは、早くから追肥を行うと花が落ちやすいので注意します。
畑栽培は、畝の側面に浅く溝を掘り、化成肥料30g/㎡をまいて軽く土と混ぜ合わせて土を寄せます。
プランター栽培は、化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、土と軽く混ぜ合わせます。

わき芽かき

ミニトマトは、葉の付け根からわき芽が出てきますので、小さいうちに摘み取ります。手でつまんで、横に傾けると簡単に折ることができます。
わき芽を取ることで、果実に栄養がまわり、日当たりや風通しもよくなって病虫害も発生しにくくなります。わき芽かきは、晴れた日の午前中に行います。

摘芯

ミニトマトが支柱の高さまで成長したら、それ以上伸びないように最上部の花房の上にある芯を止めます。摘芯は、花房の上の葉2枚を残して、その上の茎を摘み取ります。

雨よけ栽培

ミニトマトは過湿に弱く、雨や多湿を嫌うので、出来るだけ雨に当たらないように工夫します。雨に当たると、病気になりやすく、実が割れてしまう原因となります。
畑栽培は、梅雨に入る前に雨よけを設置します。長めの支柱とビニールを使った手作りの簡易的な雨よけでも大丈夫です。
プランター栽培は、梅雨の時期は雨が直接当たらない場所に移動します。

4.ミニトマトの収穫時期

ミニトマトの収穫時期

ミニトマトは、関東などの中間地では7月上旬~10月上旬頃まで収穫を楽しむことができます。
開花後45~50日ほどで赤く色づいてきますので。ヘタの周囲まで赤く熟してきたら収穫します。
ミニトマトは房状に実がつきますが、全ての実が赤く熟すまで待つと果皮が破れたり落果するので、赤く熟したものから収穫します。

裂果

ミニトマトは、果実に雨が当たって内部に水分が入ったり、夏の乾燥期に急な雨があると水分の吸収量が一気に高まり、外皮が耐えきれず亀裂が入ってしまいます。
簡易的な雨よけ屋根を設置して強い日差しが当たらないようにし、適切な水やりを心掛けます。裂果に強い『アイコ』『千果』などの品種もあります。

5.ミニトマトに発生しやすい病気

トマトの病気と害虫

ミニトマトは、青枯病、疫病、灰色かび病などに注意します。

青枯病(あおがれびょう)

青枯病は土壌中の細菌による病気で、茎の導管内で増殖するため、水分や栄養分の上昇が遮断されてしまい、元気だった株が急に萎れて数日で枯れてしまいます。
梅雨明けから夏にかけて水はけの悪い場所で発病しやすいので、排水を良くします。青枯病は薬剤による防除ができないので、連作を避け、水のやりすぎや窒素肥料の与え過ぎに注意します。発病したミニトマトの株は、根ごと抜き取って撤去処分します。

疫病(えきびょう)

疫病は、土中に生息するカビ(糸状菌)による伝染性の病気で、雨の多い梅雨時に発生しやすく、降雨や水やり時の泥はねなどで菌がミニトマトの葉や茎、果実に侵入して暗褐色の病斑ができ、やがて腐敗して株全体が枯れてしまいます。
連作を避け、水はけを良くし、窒素肥料の与え過ぎに注意します。雨除け栽培やマルチングで泥はねを防ぐことも有効です。発病した葉や茎は取り除いて、畑の外で処分します。
自然派薬剤には『サンボルドー』、化学合成薬剤には『ダコニール1000』などがあります。
ジャガイモと共通して感染するため、近くにジャガイモがある場合は同時に散布します。

灰色かび病

灰色かび病は、カビ(糸状菌)による病気で、ミニトマトの果実、花、茎、葉などのあらゆる組織に発病し、特に果実の被害が大きくなります。果実ではヘタの部分に水が浸みたような病斑ができ、灰色のカビが生えて腐敗します。
低温多湿の梅雨時に発病しやすので、窒素肥料の過多に注意し、株間を十分にあけて風通しを良くし、カビに侵された葉や受粉の終わった花柄をこまめに取り除きます。発病した葉や果実は、すぐに取り除いて畑の外で処分します。
自然派薬剤には『家庭園芸用 カリグリーン』、化学合成薬剤には『STダコニール1000』などがあります。

葉かび病

葉かび病は、トマトやミニトマトのみに発生する病気で、葉の表面に淡い黄色の斑紋ができ、その後、葉の裏側に褐色のカビが生え、やがて葉が枯れてしまいます。
発生適温は20~25℃で、病原菌が風などで飛ばされて被害が拡大します。
多湿条件で発病しやすいため、過繁茂に注意します。
自然派薬剤には『家庭園芸用 カリグリーン』、化学合成薬剤には『STダコニール1000』などがあります。

6.ミニトマトに発生しやすい害虫

ミニトマトは、アブラムシ、タバココナジラミ、オオタバコガなどに注意します。

アブラムシ

アブラムシは体長1~4㎜ほどの害虫で、ミニトマトの新芽や葉裏などに寄生し、汁液を吸って加害します。土壌中の窒素成分が多いと発生しやすいので、窒素肥料のやりすぎに注意します。
アブラムシの飛来を防ぐには、0.8㎜以下の目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防御します。
繁殖力が非常に旺盛なため、早急に発見して駆除します。
自然派薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』『アーリーセーフ』などがあります。

タバココナジラミ

タバココナジラミは体長1㎜ほどの小さな白い虫で、葉の裏側に生息して吸汁し、トマトの生育を妨げます。雨が少ない乾燥した年に発生しやすく、ウイルス病を媒介し、黄化葉巻病などを伝染させます。甘露と呼ばれる排出物で葉や果実がベトベトになり、カビが生じてすす病を発症させます。
発生した場合は、『アーリーセーフ』などをトマトの葉の表と裏に散布します。

オオタバコガ

オオタバコガは蛾の仲間で、ナス科野菜でよく知られた害虫で、幼虫が新芽や蕾、果実に潜り込んで内部を食害します。見つけたら捕殺し、発生初期に専用の殺虫剤を葉や花に散布します。内部に潜り込んだ幼虫は農薬がかかりにくいので、防虫ネットで覆って成虫の産卵を防止します。
自然派薬剤には、『STゼンターリ顆粒水和剤』などがあります。

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