ラッカセイの土づくり方法

落花生の土作りの基本

1.ラッカセイの土づくり

ラッカセイの栽培では、よい土づくりが基本になります。
ラッカセイにとってよい土とは、排水性、保水性、通気性、保肥性がよく、微生物がたくさんいる土です。
水はけや通気性が良い土は、水と一緒に新しい酸素が供給され、土の中の二酸化炭素や有害物質を外に排出してくれます。水もちや肥料もちが良い土は、水分や養分を効率よく供給することができます。

ラッカセイの栽培では、種まきや植え付け前にきちんと土づくりをすることで、病虫害に強い丈夫なラッカセイを作ることができます。

ラッカセイ(落花生)の栽培データ
■ラッカセイの栽培難易度:普通
■分類:マメ科ラッカセイ属
■栽培時期:春まき・春植え
 種まき:4月~5月、植え付け:5月、収穫時期:9月~10月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■使用肥料:苦土石灰、完熟堆肥、化成肥料

2.畑の準備

畑

畑の準備について紹介します。

栽培場所を選ぶ

ラッカセイは、連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
ラッカセイは、子房柄(花のつけ根の棒状の柄)を地中に伸ばして実をつけるので、粘土質や固い土は栽培に不向きです。
日当たりと水はけの良い場所を選び、種まきや植え付けの2週間以上前に土づくりを行います。

土を耕す

栽培する場所が決まったら除草を行い、クワや剣先スコップを使って、固い土を深さ30~40㎝ほど掘り起こします。
前作の茎や根、マルチフィルム、石などは丁寧に取り除き、土が柔らかくなるまでよく耕します。

3.土壌酸度と苦土石灰

畑の土作り

土壌酸度の測定

土を耕したら、土壌酸度を測定します。測定機器や測定キットは、園芸店やインターネットで購入できます。
野菜に適した土壌酸度は、「好適土壌pH」と呼ばれています。
ラッカセイの好適土壌pHは、6.0~6.5です。酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

苦土石灰

苦土石灰の散布は、種まきや植え付けの2週間前までに済ませておきます。
土壌が酸性の場合は、苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
苦土石灰は放置すると、雨や土壌中の水分を吸収して固まってしまうので、十分に耕して土となじませます。

4.完熟堆肥と化成肥料

畑の畝づくり

種まきや植え付けの1週間前になったら、完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料50g/㎡を施してよく耕します。

完熟堆肥を施す

完熟堆肥は肥料の一種で、動物の糞やワラ、もみ殻、オガクズなどを完全に発酵させて作ったものです。臭いも少なく扱いやすい「完熟牛ふん堆肥」などがおすすめです。
完熟堆肥のほかに、腐葉土を使うこともできます。腐葉土は落ち葉などが腐ってできた土です。どちらの場合も土壌微生物の働きで、土をふかふかにしてくれます。
なお、未熟堆肥を使うと発芽不良などが起こりやすく、分解過程でアンモニアガスなどの有害ガスが発生するので注意します。

化成肥料を施す

ラッカセイの生育には肥料が不可欠のため、土づくりの段階で肥料を入れます。
肥料には多くの種類がありますが、家庭菜園では「化成肥料」が手軽でおすすめです。
化成肥料は「8-8-8」のタイプがおすすめで、どんな野菜にも使うことができるので便利です。また、臭いも少なく、粒状で取り扱いやすいという利点があります。
マメ科の植物は根粒菌が働いて窒素を供給するので、窒素成分は少なめにします。窒素が多すぎると、葉茎だけが伸びて実つきが悪くなりますので、肥料の与え過ぎに注意します。

土をクワなどで耕すのが大変な場合は、電動小型耕うん機などが便利です。
家庭菜園では、充電式のコンパクトな家庭用耕うん機も人気です。

5.畝づくりとマルチング

畝を作る

ラッカセイの、畝づくりとマルチング方法について解説します。

畝づくり

ラッカセイの栽培は、元肥を入れて耕した後に畑の土を盛り上げて畝(うね)を作ります。畝を作ることで、水はけと通気性がよくなります。
ラッカセイの畝づくりは、畝幅60㎝、高さ10~15㎝にします。
畝づくりの際は、畝幅に合わせて2本のロープなどを張り、ロープの外側の土を内側に入れて畝を高くします。盛り上げた土は、レーキなどを使って表面を平らに均しておきます。

マルチング

マルチング(マルチともいう)は、土の表面をポリフィルムなどで覆うことです。
マルチング資材には多くのタイプがあり、地温の調整、乾燥防止、肥料の流出防止、雑草防除、病害防除などの効果があります。

6.プランター栽培の用土

培養土

ラッカセイは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うようにします。
『花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合』『花と野菜の有機培養土』などがおすすめです。

野菜用培養土

プランター栽培では、市販の野菜用培養土を使うと手軽に始めることができます。市販の野菜用培養土には、数種類の用土がブレンドされているので、すぐに使うことができます。

用土を自分で作る場合は、保水性の良い赤玉土を主体にして、腐葉土などの有機物を加え、化成肥料や苦土石灰を入れてブレンドします。
ラッカセイは果菜類なので、赤玉土6、腐葉土3、バーミュキュライト1の割合で配合し、用土10ℓあたり化成肥料10~30g、苦土石灰10gを加えてブレンドします。

土のリサイクル

一度使用した土には、病原菌や前作の肥料分などが残っていますので、なるべく新しい土を使用します。
土を再利用する場合は、日光消毒などが必要です。土をビニール袋に入れて、直射日光が当たる場所に数日間置いておくと、土の温度が約80℃まで上がって多くの病原菌が死滅すると言われています。
ラッカセイ栽培で古い土をすぐに使いたい場合は、古い土に混ぜるだけで再利用可能なリサイクル材も市販されています。

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