エダマメ(枝豆・えだまめ)の育て方・栽培方法

エダマメ(枝豆・えだまめ)の育て方・栽培方法

1.エダマメの特徴と栽培時期


エダマメの育て方手順に沿って、畑やプランターでエダマメを栽培してみましょう!
エダマメは比較的簡単に育てられるので、家庭菜園初心者にもオススメの野菜です。

エダマメ(枝豆)の栽培データ
■エダマメの栽培難易度:普通
■分類:マメ科ダイズ属
■原産地:中国
■主な旬:7月~8月
■栽培時期:春まき、春植え
種まき:4月~5月、植え付け:5月、収穫時期:7月~8月
■連作障害:あり(3~4年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~30℃
■生育適温:20~30℃

エダマメの苗や種が買えるお店

エダマメの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

エダマメの特徴

ダイズはマメ科ダイズ属の植物で、原産地は中国とされています。
エダマメは、ダイズを未熟なうちに収穫したもので、さやの付いた枝ごと収穫することから「エダマメ」と呼ばれています。
日本では、地域によって特産のエダマメがあり、新潟県の黒崎茶豆や山形県のだだちゃ豆などがその代表例です。

エダマメは、日本人にとってなじみの深い食材であり、和食の食卓に欠かせない存在となっています。
塩茹でしたものをそのまま食べたり、和え物、煮物、炒め物など様々な料理に使われます。

エダマメはたんぱく質やビタミン群などが豊富で、他の野菜と比べて栄養価が高いという特徴もあります。
夏の採れたてのエダマメは、ビールのおつまみにも最適です。
エダマメは、家庭菜園では人気が高く、初心者でも育てやすい野菜の一つです。

エダマメの栄養素

エダマメは高タンパク質で、ビタミンB群、カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維などが豊富に含まれています。
大豆イソフラボン、大豆サポニンなどの特有成分も含まれています。
エダマメには高い抗酸化作用があり、高血圧や動脈硬化の予防、生活習慣病の予防、疲労回復、老化防止などの効果があるとされています。

エダマメの主な品種

エダマメには多くの品種があります。早く収穫ができる早生品種がおすすめです。
『サッポロミドリ』『湯上り娘』『サヤムスメ』『夕涼み』『錦秋』『あじみのり』『快豆黒頭巾』『おつな姫』『濃姫』『福成』『味風香』など。

エダマメの栽培ポイント

・日当たりと風通しの良い場所で育てる。
・気温が十分に上がってから、種まきや植え付けをする。
・種まき後は不織布などを被せて鳥害を防ぐ。
・窒素肥料のやりすぎに注意する。

エダマメの栽培時期

エダマメの栽培時期は、品種や地域により異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。

中間地(関東地域)

春まき栽培:種まき4月下旬~5月下旬、植え付け5月上旬~5月下旬、収穫7月中旬~8月下旬

エダマメの連作障害

エダマメは連作障害を起こすため、マメ科野菜の連作を避け、同じ場所で栽培する場合は3~4年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。連作すると、土壌中の微生物に偏りが出てエダマメの生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。

エダマメの好適土壌pH

エダマメの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、植え付けの2週間前までに苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.エダマメの栽培方法(畑・プランター)

肥料

エダマメの栽培は、種から育てる方法と市販の苗を購入して植え付ける方法があります。
栽培初心者の方は、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると手軽です。苗は、病害虫の被害がなく、茎が太く、色が濃くて本葉が2~3枚程度ついているものを選びます。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作ります。

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、種まきや植え付けの2週間前までに苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料50g/㎡を施してよく耕し、幅60~80㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。
てよく耕します。畝に黒マルチを張ると、地温効果を高めることができます。

種まき

エダマメの種まきは、直まきとポットまきができます。
直まきの場合は点まきにし、株間は30㎝程度にします。畝に直径5㎝、深さ2㎝ほどの窪みを作り、種を等間隔に3粒まきます。
周りの土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえて土と種を密着させ、土が乾かない程度に水やりをします。
エダマメは、水を与えすぎると種が腐る原因となるので注意します。
種をまいた後は、鳥害に遭わないように不織布などで覆っておくと安心です。

ポットに種をまく場合は、3号ポット(直径9㎝)に用土を入れ、指先で深さ2㎝の植穴を3箇所つくり、1粒ずつ種をまきます。
周りの土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水やりをします。
発芽して初生葉(子葉の次に出る葉)が開いたら間引きを行い、1ポット2本にします。

植え付け

エダマメの苗は、低温時に植え付けると寒さで弱るため、地温が十分に上がってから植え付けます。
ポット苗を植え付ける際は、根鉢を崩さずに丁寧に取り出して深植えにならないように注意します。株元に周りの土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、水やりをします。

プランター栽培の場合

プランターは、標準サイズ(深さ30㎝程度)を用意します。
用土は、市販の野菜用培養土を利用すると便利で、鉢底石を敷き詰めて8分目くらい入れます。
エダマメは種から育てることができますが、市販の苗を購入して植え付けると手間が省けます。

種まき

エダマメを種から育てる場合は点まきにし、株間は20~25㎝にします。
ポットに種をまく場合は、畑栽培と同じように行います。

植え付け

ポット苗を植え付ける際は、2本立ちのまま根鉢を崩さないで深植えにならないように植え付けます。植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえてたっぷりと水やりをします。
プランターは、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

鳥害対策

エダマメの栽培では、鳥害対策が重要です。エダマメは鳥の大好物なので、種や発芽直後の双葉を食べられてしまうことがあります。
鳥害対策は、不織布や防虫ネットなどで覆うと効果的です。育苗ポットで苗を育ててから畑やプランターに植え付ける方法も鳥害対策の一つです。

3.エダマメの栽培手入れ

収穫までの主な作業は、水やりと追肥です。

水やり

畑栽培では、自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。晴天が続いて降雨が無い場合は、朝の涼しい時間帯に株元にたっぷりと水やりをします。
エダマメは、開花時期に乾燥させてしまうと花が落ちたり、実つきが悪くなるので、梅雨明け後の乾燥に注意し、乾燥が続くときは水やりが必要です。葉が黄色くなって枯れてきたときは、水分が不足している合図です。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。水やりの回数が多いと根腐れを起こすので、水のやりすぎにも注意します。

追肥

エダマメは、花が咲いた頃に生育状況をみながら追肥をします。
畑栽培は、畝の肩に化成肥料20~30g/㎡をまき、土と軽く混ぜ合わせて株元に土寄せをします。
プランター栽培は、1株当たり化成肥料3g程度を株の周りにまき、土と軽く混ぜ合わせます。プランター栽培では、水やりのたびに肥料分が流出するので、最初の追肥から2週間後にもう一度追肥をします。

4.エダマメの収穫時期

エダマメは、地域や品種にもよりますが、開花してから約40日~50日で収穫適期になります。
サヤの中の実が膨らんで、サヤを押すと中の実が飛び出しそうになれば収穫ができます。
収穫適期は7日~10日で非常に短く、収穫が遅れると実が硬くなり風味も失われてしまいます。全部の実が膨らむのを待たず、早めに収穫するのがポイントです。

エダマメの収穫方法は、株ごと抜き取るか、枝をハサミで切り取ります。実入りの良いサヤだけを選んで摘み取っても良いでしょう。
収穫後は急速に風味が落ちますので、とれたてをゆでて食べるのが一番です。

5.エダマメに発生しやすい病気

エダマメは、べと病やモザイク病などに注意します。

べと病

べと病はカビによる病気で、低温多湿の梅雨の時期に多く発生します。葉の表面に小さな淡黄色の斑点が現れ、角型になるのが特徴です。密植を避けて、水はけと風通しを良くし、窒素肥料の過多にも気をつけます。被害のあった葉や株は伝染源となるため、畑の外に持ち出して処分します。
発生初期の薬剤には、『サンボルドー』『ダコニール1000』などがあります。

モザイク病

モザイク病は、エダマメの葉に緑と黄色のモザイク状の斑紋が現れ、茎や花、果実にも発生して生育不良になります。ウイルス病にかかった植物の汁を吸ったアブラムシがウイルスを媒介します。モザイク病は薬剤による治療ができないため、アブラムシの飛来を予防します。

6.エダマメに発生しやすい害虫

エダマメは、アブラムシ、ハダニなどに注意します。

アブラムシ

アブラムシは、ほとんどの野菜に発生する体長2~4㎜ほどの害虫で、葉の裏や新芽に寄生して汁液を吸収します。窒素肥料のやりすぎに注意し、目の細かい防虫ネットで覆ってアブラムシの飛来を予防します。アブラムシは、回復手立てのないウイルス病(モザイク病)を媒介するので、早期に発見して駆除します。薬剤には、「ベニカマイルドスプレー」「アーリーセーフ」などがあります。

ハダニ

ハダニは体長0.5㎜ほどのクモの仲間で、葉の裏に生息して吸汁します。多発すると葉の表面に白い斑点ができ、やがて葉が枯れてしまいます。ハダニは、梅雨明け以降に急激に繁殖するので、入梅前にポリマルチを敷きわらに取り替えます。薬剤には、「ベニカマイルドスプレー」「アーリーセーフ」などがあります。

ヨトウムシ

ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、成虫が葉裏に卵を産みつけます。孵化した幼虫は食欲旺盛で、夜間になると活動して葉脈だけ残して食害します。繁殖力も強く、集団で活動するため被害が大きくなります。日中は土の中に潜り込んでいるため発見が困難です。こまめに葉裏を観察し、卵の段階で駆除するのが効果的です。

シロイチモジマダラメイガ

シロイチモジマダラメイガは蛾の仲間で、エダマメのサヤの表面に成虫が卵を産みつけます。孵化した幼虫がサヤに潜り込み、豆を食べ尽くして近くのサヤに移動します。防虫ネットで覆い産卵を予防し、被害にあったサヤはすぐに取り除いて防除します。

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