長ネギ(白ネギ)の育て方・栽培方法

長ネギ(白ネギ)の育て方・栽培方法

1.長ネギ栽培の特徴と時期


長ネギの育て方手順に沿って、畑やプランターで長ネギを栽培してみましょう!
長ネギは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

長ネギ(白ネギ)の栽培データ
■長ネギ(白ネギ)の栽培難易度:★★★☆☆

■長ネギの旬:秋9月、冬12月

■連作障害:出にくい

■栽培時期:春まき・秋まき

■春の種まき:3月、植え付け:7月、収穫時期:12月

■秋の種まき:9月、植え付け:翌年4月、収穫時期:翌年9月

■長ネギの種が買えるお店
長ネギの種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
夏の暑さや冬の寒さに強い長ネギや、肉質が緻密な長ネギ、やわらかい長ネギなど、色々な品種の長ネギを購入することができます。

長ネギは年2回栽培することができる野菜で、長ネギの旬は、秋は9月頃、冬は12月頃です。

長ネギは、ユリ科ネギ属に分類され、原産地は中国西部とされています。日本では、平安時代にすでに栽培されていたと言われています。長ネギは、白ネギ、根深ネギとも呼ばれています。

長ネギは同じネギである葉ネギとは違い、白い部分が美味しい野菜です。鍋や炒め煮のようにしっかり火を入れれば、甘くてとろとろのうまみを感じることができます。

様々な料理に活躍し、和洋中のどんなジャンルにも登場する長ネギですが、それを栽培するにはどうすれば良いのでしょうか。
まずは長ネギを育てていく上で必要なことを理解しておくことが大切です。

長ネギの鍋料理

長ネギの好適土壌pHは、6.0~6.5です。白菜などの野菜と同じなので、長ネギだけではなく他の野菜も作りたいという場合には同時に土作りをすることができます。

野菜の種類によっては、連作ができないものがあります。連作が不可能な野菜の場合には、翌年は別の土に植え付ける必要があります。
同じ場所で育てることができないので、計画的に栽培を行わなければなりません。

しかし長ネギは連作可能の野菜なので、連作障害を気にすることなく、毎年同じ場所で栽培を行っても問題ありません。
また、長ネギの根には土壌病害を抑える効果が認められています。そのため、コンパニオンプランツとして利用することもあります。

長ネギの栽培時期は、春と秋の2つに分かれます。春まきの場合は3月に種をまき、7月に植え付けをして12月頃に収穫時期を迎えます。
秋まきの場合は9月に種をまき、4月に植え付けをして翌年の9月頃に収穫できます。

長ネギは寒さがストレスとなって甘味が増すようになるので、一般的には冬に収穫されることが多く、冬野菜としてメジャーです。つまり、春まきを行っている農家の方が多い傾向にあるのです。
背が高い野菜なので、畝の作り方や土寄せの仕方など、栽培のポイントはいくつかあります。

自宅の庭などで育て、使いたいときにすぐ抜いて料理をするということもできるので、家庭菜園で長ネギを育てている人もたくさんいます。

使い勝手が良い食材で、家計の助けになるという意味でも長ネギは家庭菜園で大人気の食材の1つです。初心者でも挑戦しやすい野菜なので、挑戦してみると良いでしょう。

2.長ネギの栽培基本(畑・プランター)

肥料

長ネギの育て方ですが、畑でのやり方とプランターでのやり方をそれぞれ紹介します。

まず畑でのやり方ですが、長ネギの種まきをする2週間以上前に土作りを行います。
苦土石灰1㎡当たり100gを混ぜながら深く耕します。
長ネギは高さがあるので、しっかり深くまで土壌酸度を調節してあげないと、上手く育たない可能性があります。深さに気を配りながら鍬でしっかり耕しましょう。
そして、種まきの1週間前に、堆肥1㎡当たり2㎏、化成肥料1㎡当たり100gを加えて耕します。これで苗床の土作りは完了です。

次に、長ネギの苗を育てるために、畝づくりを行います。これはまだ定植する前の苗を育てる段階ですので、土を深く掘る必要はありません。

畝は60~90㎝くらいの幅で、高さ10㎝程度で作ります。
畝の表面に浅くまき溝を作り、種を5㎜間隔くらいでまきます。まいた後は土を被せてしっかり押さえ、水やりをします。
徐々に細長い芽が生えてくるようになります。

長ネギの草丈が6~7㎝くらいに成長したら、間隔が1.5㎝程度になるように1回目の間引きを行います。2回目は草丈が10㎝くらいに成長したら間隔が3㎝になるように間引きます。
こうして苗が育ったら、いよいよ植え付けを行います。

長ネギは、太陽の光を遮ることであの白さを出します。そのため、しっかりと隠すために深い畝を作る必要があります。
定植1週間前には、苦土石灰を撒いて溝を掘ります。この時に畑を耕すと溝が崩れてしまうので耕す必要はありません。

幅20㎝、高さ20~25㎝程度に溝を掘っていきます。土は両側に積み上げておきましょう。溝に苗を立てかけるようにして並べ、根が隠れ、株が倒れない程度に土を被せてから、適度な水分を維持するためにワラを敷きます。植え付けして1か月後に、土寄せと追肥を行います。

次に長ネギのプランターでの栽培方法ですが、土作りは畑と同じです。最初の苗づくりの際にはセルトレイやポットに種をまいて育てますが、定植をする際には深さのあるプランターを利用するようにしましょう。

畑との違いで言えば、軟白処理があるということです。畑であれば高さのある土で日光を遮り、白い部分を作り出すことができます。しかし、プランターでの栽培だと畑のように土寄せを行うことができないため、上手く日光を遮ることができなくなってしまいます。

そのため、しっかりと白さを作るために新聞紙などを利用して根元を覆い、軟白処理を行うのです。これで特別なものを用意しなくても長ネギを栽培することができます。

白い部分を多くしたいのであれば、新聞紙で覆う部分を多くすれば良く、晒されている部分が多い状態だと緑の葉が多い長ネギができます。自由自在に調整することができるので、育ち具合を見ながら調整をしていきましょう。

畑で育てるかプランターで育てるかでやり方は異なりますが、基本的なやり方は同じです。

3.長ネギの栽培手入れ

水やり

美味しい長ネギを育てるためには、最初の苗づくりから愛情をかけてあげることが大切です。
丈夫な苗が育つような土作りや畝づくりができたら、種まきを行ってたっぷりの水をあげます。

あとは発芽を待つだけなのですが、土が乾燥すると発芽率が悪くなってしまうので、不織布をべた掛けしておくのがおすすめです。
発芽するようになったらべた掛けを外して、間引きを行います。草丈が短いうちは見た目が雑草に似ているので、間違って苗を抜いてしまうことがないように注意が必要です。

種まきから1ヶ月後くらいに追肥を行いますが、その頃には40~50㎝程度の草丈に育ちます。

プランターで栽培を行う際には新聞紙をまくことで白い部分を調整することができますが、畑ではそうはいきません。
溝の深さや土寄せの仕方によって、白い部分がどれだけできるかが変わります。そのため、しっかりと深さのある溝を掘り、成長に合わせて適度な土寄せを行うことが必要です。

長ネギの定植の際には無理に苗を立てようとする必要はありません。根が隠れて株が倒れないようにできれば問題はないので、最初は浅植えにしましょう。
その際、根元にワラを敷いておくと、適度に水分を維持することができます。また、通気性が良くなるため、病害虫を防止することもできます。

長ネギを育てていく段階で、青い葉のてっぺんにネギ坊主と呼ばれるものが出来ることがあります。そのまま放置すれば花を咲かせるのですが、これはすぐに摘み取るようにしましょう。

また、除草に関してはあまり神経質になる必要はありません。土寄せなどを行う際に、目立つものがあれば抜いておく程度で良いでしょう。

長ネギを育ててく中で重要なのは土寄せと追肥です。
いきなり土を深く被せるのではなく、肥料を混ぜながら少しずつ被せていくことが大切なので、日頃から成長の様子を観察しておくようにしましょう。

4.長ネギの収穫時期について

収穫時期

収穫時期の目安ですが、最後の土寄せから約1ヶ月程度と見ておくと良いでしょう。
太いものを見極めて収穫していきます。

長ネギの収穫方法は、自宅で育てているものは一思いに抜いてしまうというのも手段の1つです。しかし、商品となるものや、綺麗な状態で収穫をしたいという場合には、鍬などで土を掘り上げてとった方が長ネギに傷をつけることなくとることができます。
抜き方がひどいと途中で折れてしまったりする可能性があるので、用途に合ったやり方でとるようにしましょう。

長ネギは収穫時期を迎えると早めに収穫してしまわなければならないと思う人もいますが、実は長ネギは土に植えたまま保管することも可能です。必要な時に必要な分だけ収穫し、後はそのまま置いておいても問題はないのです。

むしろ霜のあたった方が長ネギは甘味やうま味が増すので、より美味しい長ネギになります。とは言っても長期間放置しておいても良いというわけではありません。放置しすぎは枯れる原因にもなるので、目安としては1~2ヶ月程度と覚えておきましょう。

長ネギをたくさん収穫して、消費しきれず腐らせてしまっては意味がありません。収穫量が多いときには無理に全部収穫するのではなく、土の中で保管しておくようにしましょう。

5.長ネギに発生しやすい病気と害虫

ネギ

コンパニオンプランツでもある長ネギは、比較的病害虫に強い印象がある野菜です。
しかし、一切病害虫の心配がないというわけではありませんし、手入れを怠ればせっかく育てた長ネギもすべてダメになってしまう可能性があります。
そのためしっかりと対策を行うことが大切です。

萎凋病
まず、長ネギに起こりやすい病気ですが、萎凋病というものがあります。
これは長ネギの下葉から黄化していき、生育不良となって枯れてしまう病気です。
青々とした葉が特徴でもある長ネギですが、黄色っぽく感じたら萎縮病になっている可能性があります。

黒斑病
黒斑病は、長ネギの葉の一部に淡褐色や黒色の変色が見られる病気です。
梅雨期と秋雨期に発生が多く、肥料不足や肥料過多でも発生します。
発病した長ネギの茎葉は取り除き、畑の外に搬出して処分します。

恐ろしいのは病気だけではありません。害虫による被害も多く、ネキリムシ、ネギアザミウマ、ナメクジなど様々な害虫がいます。
虫が来るということはそれだけおいしい野菜だとも言えますが、枯れてしまったりダメになってしまっては本末転倒です。
おいしい長ネギを収穫するためにも、病害虫から守るための対策などもしっかり行うようにしましょう。

ネキリムシ
代表的な害虫はネキリムシです。この害虫は長ネギの苗の植え付け後に発生します。
それまではさほどの大きさでないので目立ちませんが、ある程度の大きさになるとすぐに発生して一目散に寄ってきます。
この害虫が厄介なのが根の部分をかじって、ネギそのものを駄目にしてしまうので、随時目を光らせておかなければなりません。
もちろん害虫駆除薬を使うとあっという間に駆除できますが、ネギもやられてしまうので、本末転倒です。時間はかかりますが、地道に手で取って駆除しましょう。

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