1.葉ネギの特徴と栽培時期
葉ネギの育て方手順に沿って、畑やプランターで葉ネギを栽培してみましょう!
葉ネギは簡単に育てることができるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。
■分類:ユリ科ネギ属
■原産地:アジア東部
■主な旬:6月~11月
■栽培時期:春まき、夏植え
種まき3月~9月、植え付け:5月~9月、収穫時期:6月~11月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~7.0
■発芽適温:15~25℃
■生育適温:20~25℃
葉ネギの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
葉ネギの種は、「九条葉ねぎ」などが人気も高く、育てやすいのでおすすめです。
葉ネギの特徴
葉ネギは、ユリ科ネギ属の野菜で、中央アジアが原産地です。
ネギ類は日本でも古くから栽培されていて、白い茎の部分を食べる長ネギ(白ネギ)と、緑の葉の部分を食べる葉ネギ(青ネギ)に大きく分けられます。
葉ネギは、青ネギ、万能ネギとも言われ、京都発祥の「九条ネギ」や博多の「万能ネギ」などがよく知られています。
葉ネギは、葉がやわらかくて香りが良いので、お蕎麦やうどんなどの薬味によく利用されています。
また、栄養価が豊富な緑黄色野菜で、血行促進や疲労回復のほか、生活習慣病の予防効果も期待されています。
葉ネギは、プランターや鉢で簡単に育てることができます。株元を切り取って収穫すれば、2~3回収穫することができます。
葉ネギは、病害虫にも比較的強く、品種を選べば1年を通して栽培を楽しむことができるので、家庭菜園でも人気の野菜の一つです。
葉ネギの栄養素
葉ネギは、β-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどを多く含んでいます。
β-カロテンはガンや動脈硬化の予防、ビタミンCは風邪の予防、カリウムは体内のナトリウムを排出して高血圧予防に効果があるとされています。
葉ネギの強い香りは「アリシン」という成分で、疲労回復のほか、殺菌作用やコレステロール値を下げる働きなどもあります。
葉ネギの主な品種
葉ネギには多くの改良品種があります。地域や収穫時期に応じて品種を選ぶようにします。
『九条葉ねぎ』『九条細ネギ』『九条太』『小春』『小夏』『京千羽』『万能小ネギ』など。
葉ネギの栽培ポイント
・日当たりと水はけの良い環境で育てる。
・同じ場所で栽培する場合は、1~2年の期間を空ける。
・肥料切れに注意し、月1回程度追肥をする。
葉ネギの栽培時期
地域や品種によって異なりますので、タネ袋の記載事項を確認します。
種まき3月~9月、植え付け:5月~9月、収穫時期:6月~11月
葉ネギの連作障害
葉ネギは、連作障害が起こる野菜です。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
同じ場所で栽培する場合は、最低でも1~2年の期間をあけるようにします。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。
葉ネギの好適土壌pH
葉ネギの好適土壌pHは6.0~7.0です。
葉ネギは酸性土壌に弱いので、苦土石灰を多めにまいて土壌酸度を調整します。
2.葉ネギの栽培方法(畑・プランター)
葉ネギの栽培は、種まきと苗の植え付けの両方ができます。
種まきから始める場合は、苗が育つまで2ヶ月ほどかかります。
栽培する株が少なくてもよい場合は、ポット苗を購入して植え付けると手軽です。
畑栽培の場合
土づくり
種まきや植え付けの2週間以上前までに、苦土石灰150~200g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に、完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10㎝にして表面を平らにします。
種まき(苗作り)
支柱や板などを使って、畝の表面に深さ1㎝ほどのまき溝を作ります。
1㎝間隔ですじまきにし、土を軽く被せて土と種を密着させ、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土が乾燥しないように随時水やりをします。
発芽後に間引きを行い、最終的に株間3㎝になるようにします。
種まきは、育苗トレイや育苗ポットなどにまく方法もあります。
植え付け
苗は、本葉4~5枚の頃に植え付けをします。
栽培する場所は、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
株間は10~15㎝にし、苗を2~3本ずつまとめて深さ5㎝程度に植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて軽く押さえ、たっぷりと水やりをします。
購入した苗を植え付ける場合も、同様の手順で行います。
プランター栽培の場合
種まきから始める場合は、プランターに直接種をまく方法と、育苗ポットに種をまく方法があります。
初心者の場合は、苗を購入して植え付けると育苗の手間が省けます。
用土
プランターで栽培する場合は、深さ20㎝以上のものを用意します。
用土は、新しい野菜用培養土を利用すると連作障害の心配がありません。
鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れます。
種まき
プランターへ直接種をまく場合は、すじまきにします。
深さ1㎝ほどのまき溝を作り、1㎝間隔で種をまきます。
周りの土を薄く被せて、手のひらで軽く押さえて土と種を密着させます。
種をまき終わったら、種が流れないようにシャワー状に水をたっぷり与えます。
発芽後に間引きを行い、草丈3~5㎝の頃に3㎝間隔、草丈10~15㎝になったら5~10㎝間隔にします。
植え付け
購入したポット苗を利用する場合は、5月〜9月に植え付けをします。
株間は10~15㎝にし、苗を2~3本ずつまとめて深さ5㎝程度に植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて軽く押さえ、たっぷりと水やりをします。
3.葉ネギの栽培手入れ
葉ネギの水やり
種をまいた場合は、発芽するまでは土が乾燥しないように水やりをします。
畑栽培では、根付いた後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。
夏場に晴天が続いて降雨が無い場合は、朝の涼しい時間帯に株元にたっぷりと与えます。
プランター栽培では、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が出てくるまでたっぷりと水やりをします。
葉ネギは過湿に弱いので、頻繁に水やりをしないように注意します。
葉ネギの追肥
畑栽培では、種まきまたは植え付けから約1カ月後に、化成肥料30g/㎡を株の周りにまいて土と軽く混ぜて土寄せをします。以後は1カ月に1回、同量を施します。
プランター栽培では、種まきまたは植え付けから約1カ月後に化成肥料5~10gを全体に施し、表面の土と肥料を混ぜて土寄せをします。以後は1カ月に1回、同量を施します。
4.葉ネギの収穫時期
葉ネギの収穫適期
葉ネギは、種をまいてから約3ヶ月後、植え付けから1ヶ月ほどで収穫ができます。
品種にもよりますが、草丈が20~30㎝以上になったら収穫可能です。
収穫の際は、株ごと引き抜くか、地際から3~5㎝残してハサミで切り取ります。
株ごと引き抜くと、収穫は一度で終わってしまいます。
地際を切り取った場合は、新芽が伸びてくるので2~3回収穫することができます。
この場合、畑栽培では化成肥料30g/㎡、プランター栽培は化成肥料5~10gを追肥しておきます。
葉ネギは日持ちしない野菜なので、収穫したらなるべく早く使い切るようにします。
収穫量が多くて消費しきれないときは、細かくカットして冷凍保存しておくとある程度長く使うことができます。
5.葉ネギに発生しやすい病気
葉ネギは過湿に弱いので、さび病などに注意します。
さび病
さび病は、カビが原因の病気で、梅雨や秋の長雨の時期に多発します。
葉にオレンジ色の斑点ができ、胞子が飛び散ると被害が拡大します。
株が弱くなると発病しやすいため、水はけを良くし、多肥や肥料不足、連作に注意します。
発症した葉は切り取って撤去処分します。
べと病
べと病は、カビが原因の病気で、梅雨の時期や秋の長雨の時期に発生します。
葉の表面に黄色い病斑ができ、やがて下の方から枯れてしまいます。
水分が多くて蒸れやすいと発病しやすいため、水はけを良くし、肥料不足や連作に注意します。
胞子が飛び散ると被害が拡大するため、発病した場合は畑の外に搬出して処分します。
黒斑病(こくはんびょう)
黒斑病はカビによる病気で、葉に楕円形の淡黒色の病斑ができます。
春から秋にかけて発生し、多湿の時期に多発します。
密植を避けて風通しを良くし、肥料切れに注意します。
病原菌は土の中に残存するため、連作を避け、発病した葉は撤去処分します。
5.葉ネギに発生しやすい害虫
ネギアブラムシ
ネギアブラムシは、ネギ類に寄生するアブラムシの仲間で、集団で葉を吸汁加害します。
葉を食害されると生育が阻害され、病気にかかりやすくなります。
防虫ネットやシルバーテープで飛来を防止します。多発した場合は、薬剤処理が効果的です。
ネギアザミウマ
ネギアザミウマは体長1~2㎜の虫で、ネギ類のほか、ナス、トマト、キュウリなどに発生します。
7月~8月の高温乾燥時期に多発し、成虫および幼虫が葉の汁を吸って食害するため葉全体が白っぽくなります。
ネギアザミウマはウイルス病を媒介するので、防虫ネットを張って成虫の飛来を防止します。
被害を受けた株は抜き取り、撤去処分します。
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