1.三つ葉の特徴と栽培時期
三つ葉の育て方手順に沿って、畑やプランターで三つ葉を栽培してみましょう!
三つ葉は栽培難易度も低いので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。
■分類:セリ科ミツバ属
■原産地:日本
■主な旬:春夏5月~7月、秋冬10月~12月
■栽培時期:春まき、秋まき
春の種まき:4月~6月、収穫時期:5月~7月
秋の種まき:9月~10月、収穫時期:10月~12月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~20℃
■生育適温:10~20℃
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三つ葉の特徴
三つ葉は、日本で古くから栽培されている香味野菜で、主な旬は、春夏は5月~7月、秋冬は10月~12月です。
三つ葉は、セリ科の多年草で、1本の茎に葉が3枚付くことから名前がついたと言われています。
三つ葉は栽培方法によって、「青ミツバ」「切りミツバ」「根ミツバ」の3種類が流通しています。
青ミツバは、糸ミツバとも呼ばれ、いちばん多く出回っていてスーパーでよく見かけます。家庭菜園向きのタイプです。
切りミツバは、遮光して根元を切り取ったもので、12月~1月頃に販売されます。
根ミツバは、根つきのまま収穫したもので、3月~4月頃に販売されます。
三つ葉は日本料理に欠かせない香味野菜で、吸い物、蒸し物、鍋物、おひたし、和え物、揚げ物など、多種多様に利用されています。
三つ葉は、緑黄色野菜で栄養価が高く、ビタミン類やカリウム、鉄分などが豊富で健康野菜としても人気があります。
三つ葉は、涼しい気候を好み、暑さと乾燥に弱いので、春と秋の栽培が一般的です。
家庭菜園では青ミツバが主流で、タネをまいてから約50日後に収穫ができます。
栽培の手間がかからず、病害虫にも強いので、家庭菜園初心者でも簡単に育てることができます。
三つ葉の栄養素
三つ葉には、β-カロテンやカリウム、鉄分などが多く含まれています。
β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、免疫力を高めたり、目や粘膜の健康を保ちます。老化の原因となる活性酸素を抑える働きがあり、ガンや生活習慣病の予防に効果があるとされています。
カリウムは、体内のナトリウムを排出する働きをし、高血圧予防に効果があるとされています。
三つ葉の主な品種
大手種苗店から、複数の品種が販売されています。
『白茎三つ葉(関西系)(関東系)』『白茎みつば』『三つ葉』『みつば』『柳川2号みつば』など。
三つ葉の栽培ポイント
・酸性土壌の場合は、苦土石灰を施してよく耕す。
・タネは発芽率が低いので、一晩水につけてから種まきをする。
・土が乾燥しないように、こまめに水やりをする。
三つ葉の栽培時期
春まき栽培は、種まきや植え付けが4月~6月、収穫時期が5月~7月です。
秋まき栽培は、種まきや植え付けが9月~10月、収穫時期が10月~12月です。
三つ葉の連作障害
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
三つ葉は、連作障害が起こる野菜です。セリ科の野菜を栽培した跡地では、最低でも1~2年の期間をあけて栽培するようにします。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。
三つ葉の好適土壌pH
三つ葉の生育に適した土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。
2.三つ葉の栽培基本(畑・プランター)
三つ葉は、タネと苗から栽培を始めることができます。
家庭菜園初心者の場合は、苗を植え付けると手軽に始めることができます。
畑栽培の場合
土づくり
栽培する場所は、水はけが良く、半日陰(1日に3~4時間日が当たる場所)が適しています。
種まきの2週間以上前に、苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕し、1週間前に完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
幅40~60㎝、高さ10~15㎝ほどの畝を作り、表面をレーキなどで平らに均します。
種まき
タネは、前もって一晩水に浸け、新聞紙の上に広げて生乾きにしてからまきます。
畝に、支柱などを使って深さ1㎝ほどの浅いまき溝を作り、1㎝間隔ですじまきにします。
タネは向光性(光が当たらないと発芽しない)のため、土を5㎜ほどかぶせます。
その後、手や板などで上からしっかり押さえて土と密着させ、たっぷりと水やりをします。
三つ葉のタネは、覆土が厚かったり、土が乾くとうまく発芽しないため、発芽までは土を乾燥させないように毎日水やりをします。通常は、7~10日で発芽します。
発芽した後は、土の表面が乾いたら水やりをします。
双葉が開いたら1回目の間引きを行い、丈夫な株を残して株間を3~4㎝にします。
2回目の間引きは、種まきの約3週間後に本葉2~3枚で株間を5~6㎝にします。
株が小さいうちは雑草に栄養を取られてしまうので、除草を行うようにします。
植え付け
植え付け場所に、ポットよりも少し大きめの植え穴を掘り、根鉢は崩さないで浅めに植え付けます。苗が安定するように株元に土寄せをして、軽く押さえつけます。
植え付け直後にたっぷりと水やりを行い、根付くまでの約1週間は毎日水やりをします。
苗が根付いた後は、毎日の水やりは必要ありませんが、土が乾燥したらたっぷりと水をやります。
プランター栽培の場合
プランターは、小型または標準タイプで深さ20㎝程度、鉢は10号鉢(径30㎝)以上を利用します。
プランターの底に鉢底石を敷き、野菜用培養土を8分目ほど入れます。
プランター栽培では、新しい用土を使用することをおすすめします。
種まき
タネから栽培する場合は、畑の場合と同じようにすじまきにします。
タネは、前もって一晩水に浸け、新聞紙の上に広げて生乾きにしてからまきます。
2列にまく場合は、10㎝ほど間隔をあけます。
細い棒を土に押し付けて、深さ1㎝ほどの浅いまき溝を作り、1㎝間隔でタネをまきます。土を5㎜ほど被せてから、手や板などで上からしっかり押さえて土と密着させ、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土の表面が乾かないように水やりをします。
植え付け
苗から始める場合は、株間を10~15cmにします。
根鉢の土を崩さないように苗を取り出し、土の表面と同じ高さで植え付けます。
植え付け後に株元に土を寄せて軽く押さえ、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。
3.三つ葉の栽培手入れ
三つ葉の水やり
畑の場合は、苗が根付くまでの間は、土の表面が乾かないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。土がひどく乾燥しているときは、水やりをします。
プランターや鉢の場合は、苗が根付くまでの約1週間は、たっぷりと水を与えます。
その後は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行います。
気温が上がる時期は、土の表面が乾燥しないように注意し、朝と夕方の2回水やりをします。
間引き・追肥
タネをすじまきにした場合は、間引きを2回行います。
畑の場合、1回目の間引きは、発芽して本葉2~3枚の頃に3㎝程度にします。間引き後は株元がぐらつかないように軽く土寄せします。
2回目は、本葉4~5枚の頃に5~6㎝にします。間引き後に、化成肥料30g/㎡を追肥して、土と軽く混ぜて株元に土寄せします。
その後の追肥は、2週間に1回、同様に化成肥料を施して土寄せします。
プランター栽培では、1回目の間引きは、発芽が揃った頃に3cm間隔にします。
2回目は、本葉3~4枚の頃に5~6㎝にします。
追肥は、2回目の間引き後から開始します。
2~3週間に1回、プランター全体に化成肥料10g程度をばらまき、土に軽く混ぜ込んで株元に土寄せします。
4.三つ葉の収穫時期
三つ葉は、タネをまいてから約50日後に、草丈が15㎝~20㎝になったら収穫ができます。
春まきは5月~7月、秋まきは9月~10月が収穫時期です。
収穫する際は、根元から引き抜くのではなく、ハサミで切り取って収穫します。
片方の手で株の上部をまとめながら、株元を4㎝~5㎝残して切り取ります。
収穫後に追肥をすれば、新芽が伸びてきて2~3回収穫することができます。
この場合も、株元を4㎝~5㎝残してハサミで切り取って収穫します。
5.三つ葉に発生しやすい病気
三つ葉は比較的病気に強い野菜ですが、さび病やべと病が発生することがあります。
さび病
さび病はカビによる病気で、葉に小さな楕円状の病斑が現れ、鉄のサビのように見えるのが特徴です。夏の低温多湿期や秋雨の時期に発生が多くなります。
株が弱くなると発病しやすいため、肥料切れに注意します。
発病した葉や株は、早めに撤去処分します。
べと病
べと病は、カビによる病気で、葉に黄色い病斑が現れ、葉裏にすす状のカビが生えて枯れてきます。日照不足や低温多湿、葉の過繁茂などで発生しやすいので、水のやり過ぎ、窒素肥料の過多に注意します。
カビの胞子が飛散して伝染するため、発病した葉や株は、早めに撤去処分します。
6.三つ葉に発生しやすい害虫
三つ葉には、キアゲハ、アブラムシ、ナミハダニなどが発生することがあります。
早期発見を心がけて、見つけたらすぐに駆除することが大切です。
キアゲハ
蝶の幼虫で、三つ葉、ニンジン、パセリなどのセリ科植物の葉を食害します。
生育初期に被害に遭わなければ、株が枯れる心配はありません。
成熟幼虫は、緑と黒の縞模様でよく目立つので、食害に気付いたら幼虫を見つけて捕殺します。
アブラムシ
アブラムシは、体長1~5㎜ほどの小さな虫で、成虫が飛来して葉に産卵します。ウイルス病を媒介するため、健康な株にも病気が拡大します。繁殖力が強く、集団で食害するため被害が大きくなります。寄生される前に防虫ネットで覆い、飛来を予防します。窒素過多にも注意します。
ナミハダニ
ナミハダニは、蜘蛛の仲間で体長が0.5㎜前後でとても小さく、肉眼では見つけにくい害虫です。葉の裏側に生息し、植物の養分を吸汁して生育を阻害します。
白っぽくなった葉がみられたら、葉の表裏をよく観察します。
夏から秋の乾燥した年に多発するので、黒い寒冷紗などで日よけをします。
大量に発生した場合は、殺虫剤を散布して対応します。
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