1.油粕肥料とは?
油粕(あぶらかす)は、家庭菜園やガーデニングで、肥料として使われます。
油粕は元肥や追肥で使用しますが、その効果や正しい使い方をしっかり理解している方は少ないです。
知識がないまま油粕の間違った使い方をすると、効果がうまく現れなかったり、施用量過剰で作物に悪影響をもたらすことがあるため、正しい使い方を覚えておきましょう。
油粕の使い方・効果・成分・使用上の注意点などをご紹介していきます。
油粕は窒素主体の有機質肥料で、ダイズやナタネなどの植物から油を搾った後のカスでできています。
油粕は土壌の中で微生物によって分解されて無機化し、ゆっくりと肥効が出る緩効性肥料のため、一定期間効果が長続きします。
植物の栄養吸収を助け、土を元気によみがえらせる効果があり、肥料の中でも安価です。
2.油粕の成分は何?
油粕の肥料成分は、窒素分:5~7%・リン酸:1~2%・カリ:1~2%です。
植物の生育に必要な栄養を補うためには、骨粉・草木灰・魚粉・米ぬかなどを加えてバランスをとる必要があります。
市販のものであれば、すでにこれらの栄養素が含まれているものが多く、使い勝手が良いです。
また、臭わないものや、カビないもの、虫がつかないものも販売されているため、室内やベランダでも使えます。
油粕は、水に入れて発酵させ、液肥にして速効性の肥料として使うこともできます。
畑などでまく量が多かったり、吹きかける量が多い場合には、肥料散布機や噴射器を使うと効率よく撒くことができます。
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3.油粕の使い方
油粕は、土壌の改良・地力の保持などに安心して使用できます。
使用量は、粉末や粉状のまま使う場合と液肥として使う場合などでそれぞれ異なります。
プランターの場合(60cm)
元肥:直接植物の根に触れないようにし、50gを土とよく混ぜて使用します。
追肥:植物の根元から少し離れた場所に、深さ3~5cmの穴を数個掘って、30g程度を施して使用します。
菜園・花壇の場合
元肥:直接植物の根に触れないように、1㎡当り300~400gを土とよく混ぜてから使用します。
追肥:植物の間に3~5cm程度の溝を掘り、1㎡当り50~150gを施して使用します。
庭木・花木・果樹の場合
元肥:直接植物の根に触れないように1株当り300~500gを施し、土を軽くかけて使用します。
追肥:枝先の下に10cm程度の穴を掘って1株当り200~300gを施し、土を軽くかけて使用します。
液肥として使用する場合
油粕を水に溶かして液肥として使用する場合は、2ℓの水に200g程度(1:10)を溶かし、蓋のある容器に入れて発酵させます。
夏期は1ヶ月、冬季は2ヶ月程度の期間、風通しの良い日陰において発酵させます。
油粕が発酵したら、上澄み液を取って薄めて施します。
果樹・庭木:希釈約4~5倍
盆栽・草花・野菜:希釈約5~20倍
4.油粕を使う際の注意点
油粕は土壌の中で微生物によって分解される際に、アンモニアガスが発生します。
このため、油粕を施してからすぐに種をまいたり植え付けをすると、発芽障害や根痛みをおこしたり、ガス障害が発生するので注意が必要です。
このような障害をなくすには、油粕を施してから2~3週間空けることが必要です。
油粕は元肥に使う場合、作付けの2~3週間前に施して、土と良く混ぜておくことが大切です。
油粕には『発酵油粕』もあり、こちらは上記の問題を解決したものです。
発酵済み油粕のため、植物への障害が少なく施肥1週間後には作付けでき、追肥に使うことも可能です。
市販の発酵油粕には、数種類の有機質原料もバランス良く配合されており、植物に適した栄養成分に調整してあります。
また、植物に害を及ぼすガスの発生が少ないので安心して使用できます。
油粕は、一般的な肥料と異なる点に留意する必要があります。
油粕を使う時は、未発酵と発酵済みの違い、臭いの有無、虫の発生などに注意し、用途に合わせて用いることが大切です。
6.油粕のまとめ
油粕は、植物の栄養吸収を助け、地力を高める肥料です。
安価で使い勝手の良さから、利用者も多い肥料です。
「野菜や植物に元気がない」といった悩みをお持ちの方は、窒素成分が不足していないか確かめてみましょう。
もし、窒素成分が足りないと感じたら、今回紹介した油粕を使ってみてはいかがでしょうか?
植物の栄養吸収を助け、元気に育ってくれるかもしれません。