サツマイモの芽出し方法

サツマイモの芽出し方法

1.サツマイモの芽出し

切ってから芽出ししたサツマイモ

サツマイモは、広く人気を持つ栽培作物で、多くの家庭菜園家や農業者によって楽しまれています。その美味しさと栄養価の高さから、サツマイモの栽培に興味を持つ人々が増えています。サツマイモの苗は4月下旬にはホームセンターや園芸店で手に入るものの、実は自分で芽出しを行って苗を育てることも可能です。

サツマイモの芽出しは、温床栽培法や、 水耕栽培法で可能ですので、この記事では、サツマイモの芽出し方法と注意点について、わかりやすく解説していきます。

サツマイモ苗を植え付ける時期は、中間地(関東地域)では5月中旬~6月中旬が適しています。そのため、植え付け時期に合わせて準備を進めることが大切です。苗ヅルが取れるまでに40~45日ほどかかるため、サツマイモの芽出し時期は3月から始めるのが良いでしょう。

サツマイモはスーパーや八百屋で手に入れることができますが、品種によって皮色や肉色、食味が異なります。例えば、紅あずまはホクホクとした食感と豊かな甘みを楽しめるサツマイモです。一方で、紅はるかは焼芋にすることで、ねっとりとした食感と豊かな甘さがより一層引き立つ特徴を持ったサツマイモです。

育てたい品種の食用サツマイモを購入する際には、イモがきちんと収穫できるように、病根や傷などのない健康なイモを準備しましょう。これにより、栽培の成功率を高めることができます。
発泡スチロールや、プランターに植え付け、生えてきたツルをさし苗として利用することができます。

2.サツマイモの芽出し(温床栽培法)

サツマイモの芽

温床栽培は、種イモを温かな環境で芽出しするために用いられます。以下が温床栽培法の手順です。

ステップ1: イモの消毒

サツマイモの芽出しには、種イモの病気予防が非常に重要です。特に黒斑病に感染する可能性があるため、殺菌処理を行ってから利用しましょう。

黒斑病とは、特定のカビが原因で発生する土壌病害の一つです。
この病気は、種イモに感染すると、イモが黒く変色し、土中で腐ってしまいます。その結果、発酵臭が放たれ、不快な臭いが広がるだけでなく、苗ヅルの成長も妨げられてしまいます。

種イモの黒斑病予防のためには、47~48℃のお湯に30~40分間浸す殺菌消毒を行います。この作業によって、病気のリスクを減少させつつ、芽の出も良くなる効果があります。
お湯はお鍋などで沸かすと良いですが、熱すぎないように気を付け、温度計で温度をチェックして一定の温度を保つようにしましょう。
正しい消毒処理を行うことで、健康なサツマイモの芽出しを行っていきましょう。

ステップ2: 容器の準備

サツマイモの芽出しを行うための入れ物を用意します。大きめの発泡スチロール箱が最適ですが、プランターでも問題ありません。ただし、発泡スチロール箱は水やりの際にイモが腐ることを防ぐために、底と側面に排水性と通気性を確保するための穴を数か所開けることを忘れずに行いましょう。

また、温度を保つためにビニールシートも用意します。容器を覆うビニールシートには、十分な通気を確保するための空気穴をあけることを忘れないようにしましょう。

ステップ3: 植え付け

消毒済みの種イモを植える段階です。以下が植え付けの手順です。
容器の底に鉢底石を敷き、培養土を入れて準備します。殺菌済みの種イモを入れ、切な深さになるように注意してスコップで土をかぶせ植え付けましょう。
イモに過度な圧力をかけないように気を付けましょう。
土が乾いたら、適宜潅水をします。

サツマイモの発芽に適した温度は20~30℃です。容器をビニールシートで覆い、日当たりの良い場所を選んで暖かい場所で芽が出るまで管理しましょう。

ステップ4: 育成と管理

イモが芽を出し、苗ヅルが成長するまでには約1ヶ月半の時間が必要です。この間は待ちましょう。
1つの種イモからは5~6本の苗ヅルを切り取ることができます。
1か月半ぐらい経って葉が7~8枚になったら、下方の葉を2枚~3枚残して、苗ヅルを清潔なハサミやナイフを使って20~30㎝に切ります。
下方の葉を残すことによって、脇芽が出て採苗数を増やすことができます。

切り取った苗ヅルは、日陰で3~4日間置いておくと、根が成長してきます。その後、苗を畑やプランターに植え付けて栽培を行いましょう。

3.サツマイモの芽出し(水耕栽培法)

水耕栽培で芽出ししたサツマイモ

水耕栽培は、土を使わずに水の中で育てる方法です。以下が水耕栽培法の手順です。

ステップ1: イモの消毒

温床栽培法と同様に、種イモの病気予防のために殺菌処理を行ってから利用しましょう。
消毒済みの種イモは、包丁で半分に切って、水耕栽培することも可能です。

ステップ2: 容器の準備

種イモが入る大きさの容器を用意します。水を定期的に変える必要があるため、持ち運びが便利な軽いプラスチック製のトレイなどが適しています。

ステップ3: 水に浸す

切った種イモは、切り口を水に浸します。
切っていない種イモは横にしてトレイに寝かせ、底から約2㎝の深さまで水に浸します。この際、液体肥料も適量混ぜておきましょう。
水耕栽培にはハイポニカなどの液体肥料が利用できます。

ステップ4: 育成と管理

日がよく当たる場所にトレイを置き、水とイモが腐ることなく育つように毎日水を交換します。

4.芽出しのポイントと注意点

畑に植え付けたサツマイモ苗

温床栽培の注意点

芽が出てきたら毎日水を上げることを忘れずに。水の量に注意し、根腐れを防ぎましょう。
種イモが芽を出す適切な温度は20~30℃です。ビニールで保温し、温度管理を行いましょう。

水耕栽培の注意点

水をこまめに変えて腐敗を防ぎましょう。柔らかくなってきたり、水が濁ってきたりした場合は注意が必要です。

5.まとめ

サツマイモの苗の植え付け

サツマイモの芽出しは、温床栽培法や水耕栽培法を通じて行うことができます。適切な病気予防と温度管理、水の交換などを遵守することで、健康で育成効果の高いサツマイモの苗を得ることができます。自家栽培の楽しみを味わいながら、美味しいサツマイモを育ててみましょう。

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