サツマイモ(さつまいも)の育て方・栽培方法

サツマイモの育て方・収穫方法

1.サツマイモの特徴と栽培時期


サツマイモの育て方手順に沿って、畑やプランターでサツマイモを栽培してみましょう!
サツマイモは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。秋には家庭で、イモ掘りが楽しめます。

サツマイモの栽培データ
■サツマイモの栽培難易度:簡単
■分類:ヒルガオ科サツマイモ属
■原産地:中央アメリカ
■主な旬:9月~11月
■栽培時期:春植え
植え付け時期:5月~6月、収穫時期:9月~11月
■連作障害:出にくい(1~2年あける)
■好適土壌pH:5.5~6.0
■発芽適温:20~30℃
■生育適温:25~30℃

サツマイモの苗が買えるお店

サツマイモの苗を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入するとポイント還元があります。

サツマイモの特徴

サツマイモは、中央アメリカが原産地で、日本では江戸時代に琉球から薩摩藩に導入されたことから、「さつまいも」と呼ばれるようになったと言われています。
現在も、鹿児島県での生産量が多く、次いで茨城県や千葉県などで多く栽培されています。

サツマイモは、各種料理の食材のほか、お菓子や焼酎の原料などに利用されています。
ビタミンC、ビタミンE、食物繊維などを豊富に含み、低カロリーで美容や健康効果もあって人気の高い野菜です。

サツマイモは、5月上旬になるとホームセンターや園芸店で苗が販売されます。
ツルの先端を切りとった苗が束になっていますので、これを植え付けます。
サツマイモは栽培の手間がほとんどかからず、暑さや病害虫にも強いので、家庭菜園初心者でも簡単に育てることができます。

サツマイモの栄養素

サツマイモには、β-カロテン、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、食物繊維などが多く含まれています。
サツマイモに含まれるビタミンCはリンゴの5倍以上と言われ、風邪の予防や疲労回復に効果があります。また、加熱してもでんぷん質で保護されるため、ビタミンCの損失が少ないという特徴があります。
ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富なことから、生活習慣病などの予防効果もあります。

サツマイモの育て方

サツマイモの主な品種

サツマイモは、多くの品種が市販されています。
『紅あずま』『紅はるか』『鳴門金時』『安納いも』『高系14号』『シルクスイート』など。

サツマイモの栽培ポイント

・日当たりと水はけのよい場所を選ぶ。
・水はけが悪い場所は、高さ30㎝ほどの高畝にする。
・寒さに弱いため、気温が十分に上がってから苗を植え付ける。
・窒素肥料は控えめにして、つるぼけを防ぐ

サツマイモの栽培時期

サツマイモの苗は、5月上旬にホームセンターや園芸店などで販売されます。

中間地(関東地域)

植え付け:5月中旬~6月中旬、収穫:9月下旬~11月中旬

サツマイモの連作障害

毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
サツマイモは連作障害が出にくい野菜ですが、収量を増やすために1~2年の期間を空けるようにします。

サツマイモの好適土壌pH

サツマイモの生育に適した土壌pHは、5.5~6.0です。
サツマイモは酸性土壌に比較的強いので、土壌pHが6.0以上の場合は苦土石灰をまく必要はありません。

2.サツマイモの栽培方法(畑・プランター)

肥料

サツマイモ栽培は、苗を購入して植え付けます。

苗の準備

サツマイモの苗は、4月下旬にホームセンターや園芸店で販売されます。
苗を購入する際は、長さ25~30㎝ほどで茎が太く、節間が詰まっていて葉が5~6枚あり、葉色が良く厚みのあるものが適しています。
苗は植え付けの前日に購入しますが、乾燥に比較的強いので水につけなくても2~3日は大丈夫です。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作ります。

土づくり

日当たりと水はけが良く、風通しのよい場所を選びます。
サツマイモは、酸性土壌に比較的強いので、通常は苦土石灰をまく必要はありません。
植え付けの1週間前に、完熟堆肥2~3kg/㎡、化成肥料20~30g/㎡をまいてよく耕し、幅60㎝、高さ30cmの畝を作り、黒マルチを張ります。

植え付け

サツマイモの苗は、バケツの水に数時間浸して十分吸水させてから植え付けます。サツマイモの株間は、30㎝くらいにします。
植え付け方法はいくつかありますが、マルチをしているときは斜め植え(角度45度)にします。
斜め植えは、長さ30㎝ほどの棒を斜め45度に挿し込んで植え穴を作り、苗を3〜4節ほど挿し込み、上から手で軽く押さえます。深く植えすぎると、成長点が埋まってしまうので注意します。植え付け後に、たっぷりと水やりをします。また、畝にマルチを張ってある場合は、高温時に苗がマルチに直接触れると葉焼けを起こしてしまうので、株元に土を撒いて葉焼けを防ぎます。

プランター栽培の場合

プランターは深型サイズ(65㎝、深さ30cm以上)で、2~3株植えられます。
サツマイモは連作障害が出にくい野菜ですが、用土は新しいものを使うことをおすすめします。プランターの底に鉢底石を敷き、野菜用培養土を7~8分目ほど入れます。
苗の植え付け方法は、畑と同じように斜め植えにします。
植え付け後に、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。

3.サツマイモの栽培手入れ

水やり

サツマイモの水やり

畑の場合は、苗が根付くまでの約1週間間は、根の活着を高めるため、毎日朝に水やりをします。その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。晴天が続いて苗のしおれが激しいときは、1日1回、水やりをします。
プランターや鉢の場合も、苗が根付くまでの約1週間は毎日朝に水やりをします。その後は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

つる返し

サツマイモの先端部のつるを持ち上げて、節間から伸びた根(不定根)を地面から引き離し、株元以外のつるを裏返して不定根を日にさらす作業を「つる返し」といいます。
苗を植え付けて1か月ほど経つと、不定根が伸びて芋ができますが、この芋は小さいので収穫はできません。不定根を放置しておくと栄養が分散されてしまい、株元の芋が大きくなりません。また、つるを放任すると他の野菜の支障となります。
つる返しは暑い時期の作業で大変ですが、面倒でも収穫まで何度か行うようにします。マルチを張っておくと、つる返し作業が楽になります。

サツマイモの追肥

サツマイモは、元肥だけで十分育つので、肥沃な場所では追肥の必要はありません。
乾燥等で葉の色が悪い場合は、畝の脇に化成肥料10~20g/㎡をまいて、周りの土と軽く混ぜ合わせます。
窒素分が多い肥料はつるぼけを起こすので、窒素肥料の与えすぎに注意します。サツマイモ専用の肥料を使用することも効果的です。
プランター栽培の場合は、生育が悪ければ少量の化成肥料や薄い液肥を施します。土が減っていて根や芋が露出する場合は、増し土を行います。

4.サツマイモの収穫時期

サツマイモの収穫

サツマイモの収穫適期

サツマイモは、5月中旬に植え付けると、9月下旬頃から収穫できるようになります。
葉の色があせてきて、晴天が2~3日続いたら収穫をします。土が湿っているときに収穫すると、イモの水分が多くて傷つきやすいので注意します。

収穫の際は、地上部のつるを少し残して刈り取り、マルチを除去します。
サツマイモの株元をつかんで引き抜くか、株元から少し離れた所にスコップを入れて土を掘り上げます。スコップで掘り上げる場合は、イモを傷つけないように注意します。
サツマイモは霜に弱いので、霜が降りる前に収穫を終わらせます。

収穫後は、日陰で乾かして土を軽く落とし、低温に当たらない場所で保存します。

つるボケ

サツマイモのイモが十分に肥大しないで、茎葉だけが成長することを「つるぼけ」と呼びます。つるぼけは、肥沃な畑や排水の不良、窒素肥料の過多などが主な原因ですので、土づくりの段階で畝を高くして排水を良くし、窒素肥料の与え過ぎに注意します。

5.サツマイモに発生しやすい病気

サツマイモに発生しやすい病気

サツマイモは病気に強い野菜ですが、立枯病、つる割病などが発生することがあります。

立枯病(たちがれびょう)

立枯病は、土壌中の細菌による病気で、地上部の生育が始まる頃に発病します。葉が黄色くなってしおれ、つるが伸びずに生育不良となり、発病が激しいと枯れてしまいます。土壌pHが高い場合や高温乾燥した土壌で発生しやすいので、石灰資材の多用に気を付けます。発病した場合は、株ごと抜き取って撤去処分します。

つる割病(つるわれびょう)

つる割病は、土壌中の糸状菌(かび)による病気で、地際部の茎が縦に大きく裂けて株全体が萎れて枯れてしまいます。発病すると治療法がないので、発生した株は畑の外に撤去処分します。土壌に菌が残っていると再発するため、発病した翌年は連作しないようにします。

6.サツマイモに発生しやすい害虫

サツマイモは、アブラムシ、イモキバガ、コガネムシなどに注意します。

アブラムシ

アブラムシは、ほとんどの野菜に発生する体長2~4㎜ほどの害虫で、葉や茎の汁を吸収します。アブラムシは、回復手立てのないウイルス病を媒介するので、見つけ次第駆除します。自然派薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』『アーリーセーフ』などがあります。

イモキバガ(イモコガ)

イモキバガは蛾の仲間で、幼虫がサツマイモやクウシンサイなどのヒルガオ科の植物の葉を食害します。葉をつづり合わせるのが特徴で、葉の中に生息しているので葉ごと潰します。気温が高く雨が少ない年に多発します。多発しなければ、防除しなくても大きな被害になりません。

コガネムシ

コガネムシは、カブトムシなどと同じ甲虫類で、成虫、幼虫ともサツマイモに被害を与える害虫です。
成虫は新芽や柔らかい葉を食害し、深さ10~20㎝ほど潜って土の中に卵を産み付けます。ふ化した幼虫は土の中の未熟な有機物を食べて育ち、大きくなるとサツマイモの根を食害します。
成虫は未熟な有機物を好むため、土づくりの段階で完熟堆肥を使い、窒素肥料の過多に注意します。土を耕すときに幼虫がいないか確認し、成虫や幼虫を見つけたら捕殺します。幼虫退治の薬剤には、『家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3 』『オルトラン粒剤』などがあります。

サツマイモネコブセンチュウ

センチュウ(線虫)類は、土の中にいる体長1㎜以下の小さな生物で、ほとんどの野菜が被害を受けます。ネコブセンチュウの被害にあうと、根にコブができて生育不良になり、サツマイモに黒い斑点、黒いひび割れ、窪み、くびれなどが出来ます。連作を避け、マリーゴールドなどを混植します。完熟堆肥を使うことも効果があります。ナス科やウリ科野菜の後作に栽培すると、ネコブセンチュウの密度が高くなるので注意します。

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