トマトの水やり頻度や時間帯は?

トマトの水やり

1.トマトの水やり

トマトの水やり頻度、水やりの時間帯、水やり時の注意点などについて疑問を持たれていませんか?
トマトは、関東などの中間地では4月下旬~5月中旬に苗を植え付けて栽培します。
苗の植え付け後に、毎日水をあげればよいかどうか悩んでいる方も多いと思いますので、トマトの水やり方法について順番に解説していきます。

2.トマトの栽培と水やり(畑)

水やり

トマトは種から育てることができますが、育苗に2か月ほどかかり温度管理も難しいので苗を購入して植え付けると手間が省けます。

土づくり
トマトは連作障害を起こすので、ナス科野菜(ナス、ピーマン、ジャガイモなど)の連作を避け、4~5年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
植え付けの1週間前になったら、畝を立てる場所の中央にクワを使って深さ20~30㎝、幅15㎝ほどの溝を掘り、完熟堆肥3~4㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を均等に施して掘り上げた土を埋め戻し、その上に幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。

植え付け
ポット苗の植え付けは、遅霜の心配がない頃に行います。
苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて安定させ、根元にたっぷりと水をあげます。
なお、植え付けに、ポットをバケツの水につけて土を湿らせてから植えると根張りがよくなります。苗を植え付けたら、最後にたっぷりと水やりをします。
また、トマトの花は一定方向に付くため、花の向きを通路側に向けて植えると収穫が楽になります。

種まき
トマトを種から育てる場合は、育苗に2か月ほど要するので、ポットに種をまきます。
ポリポットに種をまいて育苗する場合は、以下の手順で行います。
①3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れる。
②指先で深さ1㎝ほどの窪みを3箇所作り、1粒ずつ種をまく。
③周りの土を薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させる。
④種まき後に、ジョウロでたっぷりと水やりをする。
種は、水、温度、酸素などの条件がそろうと吸水を始め、蓄えた養分と酸素を使って発芽します。
種をまいた後はたっぷりと水やりをし、発芽するまでの間は用土の表面が乾いたら水やりをします。

植え付け後の水やりは、株元に静かに与える方法が基本となります。シャワータイプのジョーロでやさしく水をかけましょう。
シャワータイプでないものは水の勢いが強いため、土が水で流されてしまい、トマトがうまく育たない原因になります。

トマトの水やりにも使えるジョーロが買えるお店
トマトの水やりにジョーロを買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
お洒落でかわいいジョーロや、水がたくさん入るジョーロなどが豊富にあります。使う頻度が高いジョーロは、いいものを選びたいですね。

自動水やり機も人気です。散水開始時間、曜日、散水時間の設定ができます。
旅行で家を空けたときにもトマトに水やりが可能なので、とても便利です。

3.トマトの栽培と水やり(プランター)

トマト苗植え付け

トマトは、市販の苗を購入して植え付けると育苗の手間が省けます。なお、種から苗を育てる場合は、畑栽培と同じようにポットまきにします。

用土
プランターは大型サイズで1~2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。
プランターや鉢は、目詰まりを起こすと排水性や通気性が悪くなります。用土を入れる前に鉢底石などを敷いて、水と空気の通りをよくします。

トマトは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
市販の培養土は、排水性、保水性、通気性、保肥性に優れていますのでおすすめです。

植え付け
苗の植え付けは、畑栽培と同じように行います。
ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と密着させ、株元にたっぷりと水やりをします。

プランター栽培は土の容量が限られるため、土が乾燥しやすいので水切れに注意します。
プランター栽培は、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。土の中に新鮮な酸素と水を供給し、余分な二酸化炭素や有害物質を排出してくれます。

4.トマトの高温多湿期の水やり

トマトの収穫

梅雨の時期は雨が多く降るため、毎日水やりを行う必要はありませんが、トマトの生育や果実の肥大にはある程度の水やりが必要となります。また、トマトの生育には十分な日光も必要です。

畑栽培では、苗が根付いた後は自然の降雨で足りるので基本的に水やりの必要はありません。雨が降らないようであれば水やりをします。
プランター栽培では、苗が根付くまでの約2週間は水やりをしますが、その後は土の表面が乾いたら株元にたっぷりと水やりをします。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎに気を付けます。

水の与えすぎや夜間の水やりは「徒長」の原因になるので注意し、水やりは朝の時間帯に行います。
水やりの時間帯は、午前7時から9時頃までを目安にし、日中の暑い時間帯には水を与えないようにします。特に夏の日中に水を与えると、とんでもない高温となり、その温度差によってトマトに大きなストレスがかかってしまいます。

トマトに水をあげすぎているのか、足りないのかわからないときには「水やりチェッカー」を使うのが便利です。
土に挿すだけで簡単に土の中の水分量がわかります。
土壌中の有機栄養素の電解値によって計測する仕組みのため、バッテリーや電池も必要ありません。

5.トマトの生育障害と水やり

トマト畑の高畝

トマトの生育に最適な温度は、日中で26℃前後、夜間で16℃~17℃です。低温時に植え付けてしまうと、生育が遅れ、寒さで弱ることがあるため注意が必要です。
トマトは強い光を好むので、光が十分に当らないと茎の徒長や果実の空洞化などの生育障害が起こり、十分な実を収穫できなくなります。

夏の乾燥期に急激な雨があると水分の吸収量が高まり、外皮が耐えきれずにトマトに亀裂が入ってしまいます。雨よけ屋根や遮光シートを施し、強い日差しが当たらないようにある程度の葉を残すようにします。

畑栽培では日当たりの良い場所で、高畝にして水はけを良くして育てることが基本です。
プランター栽培では、水のやりすぎと肥料の与え過ぎに注意します。植え付け時にたっぷりと水やりをしたら、土の表面が乾くまで水やりは不要です。多湿状態になると根が酸素不足になり、水分や養分が十分に吸収されなくなります。

6.トマトの病気と予防

トマトのうどんこ病の葉っぱ

トマトは病気にかかりやすいので、病害に強い品種や接ぎ木苗を使用すると病気の発生予防になります。

青枯病(あおがれびょう)
青枯病は、根から侵入した病原菌が茎の導管内で増殖するため、水分や栄養分の上昇が遮断されてしまい、元気だった株が急に萎れて数日で枯れてしまいます。
梅雨明けから夏にかけて水はけの悪い場所で発病しやすいので、畝を高くして排水を良くします。青枯病は薬剤による防除ができないので、連作を避け、水のやりすぎや窒素肥料の与え過ぎに注意します。発病したトマトの株は、根ごと抜き取って撤去処分します。

疫病(えきびょう)
疫病は、土中に生息するカビ(糸状菌)による伝染性の病気で、雨の多い梅雨時に発生しやすく、降雨や水やり時の泥はねなどで菌が葉や茎、果実に侵入して暗褐色の病斑ができ、やがて腐敗して株全体が枯れてしまいます。
連作を避け、水はけを良くし、窒素肥料の与え過ぎに注意します。雨除け栽培やマルチングで泥はねを防ぐことも有効です。発病したトマトの葉や茎は取り除いて、畑の外で処分します。
自然派薬剤には『サンボルドー』、化学合成薬剤には『ダコニール1000』などがあります。ジャガイモと共通して感染するため、近くにジャガイモがある場合は同時に散布します。

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