1.ゴーヤの土づくり
ゴーヤの栽培では、よい土づくりが基本になります。
ゴーヤにとってよい土とは、排水性、保水性、通気性、保肥性がよく、微生物がたくさんいる土です。
水はけや通気性が良い土は、水と一緒に新しい酸素が供給され、土の中の二酸化炭素や有害物質を外に排出してくれます。
水もちや肥料もちが良い土は、水分や養分を効率よく供給することができます。
ゴーヤの栽培では、よい土づくりが基本です。種まきや植え付け前にきちんと土づくりをすることで、病害虫に強い丈夫なゴーヤを作ることができます。
■分類:ウリ科ツルレイシ属
■栽培時期:春まき・春植え
種まき:4月、植え付け:5月~6月、収穫時期:7月~9月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■使用肥料:苦土石灰、完熟堆肥、化成肥料
2.畑の準備

ゴーヤの畑の準備について解説します。
栽培場所を選ぶ
ゴーヤは連作障害を起こすため、ウリ科野菜の連作を避け、一度栽培した場所は2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間以上前に土づくりを行います。
ゴーヤはつるを大きく伸ばして成長するため、他の野菜の生育を阻害しないように十分なスペースを確保します。
土を耕す
場所が決まったら除草を行い、クワや剣先スコップを使って、固い土を深さ30~40㎝ほど掘り起こします。
前作の茎や根、マルチフィルム、石などは丁寧に取り除き、土が柔らかくなるまでよく耕します。
3.土壌酸度と苦土石灰

ゴーヤの、土壌酸度と苦土石灰の方法について解説します。
土壌酸度の測定
土を耕したら、土壌酸度(pH値)を測定します。測定機器や測定キットは、園芸店やインターネットで購入できます。
野菜に適した土壌酸度は、「好適土壌pH」と呼ばれています。ゴーヤの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
雨の多い日本では土壌が酸性になりやすいので、アルカリ性の石灰をまいて土壌酸度を調整します。石灰には多くの種類がありますが、家庭菜園では「苦土石灰」がおすすめです。
苦土石灰
苦土石灰の散布は、植え付けの2週間前までに済ませておきます。
土壌が酸性の場合は、苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
苦土石灰は放置すると、雨や土壌中の水分を吸収して固まってしまうので、十分に耕して土となじませます。
4.完熟堆肥と化成肥料

植え付けの1週間前になったら、完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕します。
完熟堆肥を使う
完熟堆肥は肥料の一種で、動物の糞やワラ、もみ殻、オガクズなどを完全に発酵させて作ったものです。臭いも少なく扱いやすい「完熟牛ふん堆肥」などがおすすめです。
完熟堆肥のほかに、腐葉土を使うこともできます。腐葉土は落ち葉などが腐ってできた土です。
どちらの場合も土壌微生物の働きで、土をふかふかにしてくれます。
なお、未熟堆肥を使うと発芽不良や立枯病が発生しやすく、分解過程でアンモニアガスなどの有害ガスが発生するので、使用する時は注意します。
化成肥料を使う
ゴーヤの生育には肥料が不可欠のため、土づくりの段階で肥料を入れます。
肥料には多くの種類がありますが、家庭菜園では「化成肥料」が手軽でおすすめです。
ゴーヤは、窒素成分が多すぎると葉が繁茂して風通しが悪くなるので、窒素肥料の与え過ぎに注意します。
土をクワなどで耕すのが大変な場合は、小型耕うん機などが便利です。
家庭菜園では、充電式のコンパクトな家庭用耕うん機が人気です。
5.畝づくりとマルチング

ゴーヤの、畝づくりとマルチング方法について解説します。
畝づくり
ゴーヤの栽培は、元肥を入れて耕した後に畑の土を盛り上げて畝(うね)を作ります。畝を作ることで、水はけと通気性がよくなります。
畝幅に合わせて2本のロープなどを張り、ロープの外側の土を内側に入れて畝を高くします。盛り上げた土は、レーキなどを使って表面を平らに均しておきます。土の表面積が大きくなって地温効果が上がり、根の張りが良くなります。畝幅は60~80㎝程度、高さ10~15㎝にします。
マルチング
マルチング(マルチともいう)は、土の表面をポリフィルムなどで覆うことです。
マルチング資材には多くのタイプがあり、地温の調整、乾燥防止、肥料の流出防止、雑草防除、病害防除などの効果があります。
ゴーヤの栽培では、泥はね防止のために敷きわらを施すこともおすすめです。
6.プランター栽培の用土

ゴーヤは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うようにします。
『ハイポネックス 培養土 鉢・プランター用 14L』『アイリスオーヤマ ゴールデン粒状培養土野菜用」などがおすすめです。
ハイポネックス培養土は、適度な排水性、通気性、保水性があり、保肥性にも優れています。
ゴールデン粒状培養土は、植物の生育が抜群に良く、保水性・通気性・排水性に優れた粒状培養土です。乾くと土の色が灰色に変わるので、水やり時がわかり便利です。
ゴーヤは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。
『アイリスオーヤマ ゴールデン粒状培養土 野菜用』『今日から野菜 野菜の培養土』などがおすすめです。
野菜用培養土
ゴーヤのプランター栽培では、市販の野菜用培養土を使うと手軽に始めることができます。市販の野菜用培養土には、数種類の用土がブレンドされているので、すぐに使うことができます。
栽培用土を自分で作る場合は、保水性の良い赤玉土を主体にして、腐葉土などの有機物を加え、化成肥料や苦土石灰を入れてブレンドします。
ゴーヤは実もの野菜なので、赤玉土6、腐葉土3、バーミュキュライト1の割合で配合し、用土10ℓあたり化成肥料10~30g、苦土石灰10gを加えてブレンドします。
土のリサイクル
一度使用した土には、病原菌や前作の肥料分などが残っていますので、なるべく新しい土を使用します。
土を再利用する場合は、日光消毒などが必要です。土をビニール袋に入れて、直射日光が当たる場所に数日間置いておくと、土の温度が約80℃まで上がって多くの病原菌が死滅すると言われています。
ゴーヤ栽培に古い土をすぐに使いたい場合は、古い土に混ぜるだけで再利用可能なリサイクル材も市販されています。
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