ビーツ(テーブルビート)の育て方・栽培方法

ビーツの育て方・栽培方法

1.ビーツの特徴と栽培時期


ビーツの育て方手順に沿って、畑やプランターでビーツを栽培してみましょう!
ビーツは栽培難易度も低いので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

ビーツ(テーブルビート)の栽培データ
■ビーツの栽培難易度:★★☆☆☆
■分類:アカザ科フダンソウ属
■原産地:地中海沿岸
■主な旬:春5月~7月、秋11月~12月
■栽培時期:春まき・秋まき
春の種まき:3~5月、収穫時期:5~7月
秋の種まき:9月、収穫時期:11~12月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~7.0
■発芽適温:15~30℃
■生育適温:15~20℃

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ビーツの特徴

ビーツは、アカザ科フダンソウ属の根菜で、地中海沿岸が原産地です。別名テーブルビート、ビート、赤ダイコンとも呼ばれています。
根の部分は赤カブのように肥大し、切り口は木の年輪のような輪紋があるのが特徴です。

欧米では一般的な野菜で、ロシア料理の「ボルシチ」の材料によく使われています。
主に根の部分を食用にしますが、ほのかな甘みがあり、加熱するとカブのような食感が楽しめます。
サラダにしても美味しく、ビーツ独特の赤い色が食欲をそそります。若い葉はベビーリーフとしても利用できます。

種まきは、春まき(3月~5月)と、秋まき(9月)ができます。暑さにやや弱いので、家庭菜園では「秋まき」がおすすめです。
種をまいてから約60~80日ほどで収穫できるので、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。

ビーツの栄養素

ビーツには、カリウム、葉酸、食物繊維などが多く含まれます。
ビーツの赤紫色は、ベタシアニンというポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があり、老化や病気の原因となる体内の活性酸素を取り除くと言われています。
カリウムは、ナトリウムを体外に排出する働きがあり、高血圧の予防改善に効果があります。

ビーツ料理

ビーツの品種

ビーツは多数の品種がありますが、『デトロイトダークレッド』が有名です。ビーツの中でも強健で、とても育てやすい品種です。
このほか、『エジプト』『ソーレ』『ルナ』『ゴルゴ』なども人気があります。

ビーツの栽培ポイント

・連作障害を起こすので、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空ける。
・酸性土壌に弱いので、種まきの2週間以上前に苦土石灰を施してよく耕す。
・乾燥に弱いので、発芽までは土を乾燥させないように毎日水やりを行う。

ビーツの栽培時期

春まき栽培は、3月~5月に種をまいて、5月~7月に収穫します。
秋まき栽培は、9月に種をまいて、11月~12月に収穫します。
発芽適温は、15~30℃、生育適温は15~20℃です。

ビーツの連作障害

ビーツは連作障害を起こす野菜です。アカザ科の野菜を栽培した場所にビーツを栽培する場合は、1~2年の期間を空けるようにします。

ビーツの好適土壌pH

ビーツの生育に適した土壌pHは、6.0~7.0です。ビーツは酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.ビーツの栽培基本(畑・プランター)

肥料

畑での栽培方法

まずは、畑のビーツ栽培について見ていきましょう。

ビーツの土づくり

種まきの2週間以上前までに、苦土石灰150~200g/㎡を全面にまいて深く耕します。種まきの1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕し、畝を立てます。畝は幅60㎝、高さ10~15㎝程度の高畝にします。
畝にマルチシートを張ると、土壌水分の保持や雑草防止の効果があります。

ビーツの種まき

ビーツの種まきは、春まき(3月~5月)と、秋まき(9月)ができます。
品種によって種まき時期は様々ですが、暑さには弱いので、家庭菜園では「秋まき」がおすすめです。

タネは畑に「直まき」にしますが、育苗トレイにタネをまいて、移植する方法でもかまいません。
ビーツのタネは、種球といって2~3粒の種子が集まって1粒のタネになっています。
タネは皮が固いので、一昼夜ほど水に浸けてからまくと発芽が揃いやすくなります。

畝の表面を平らにしてから、深さ1㎝ほどのまき溝を作り、2㎝~3㎝間隔ですじまきをします。
ビーツのタネは光を好むため、土を薄くかぶせて、タネが土と密着するように軽く手で押さえ付けます。

タネをまいた後は、タネが水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。
ビーツのタネは、覆土が厚かったり、土が乾くとうまく発芽しないため、発芽までは土を乾燥させないように毎日水やりをします。通常は、10日くらいで発芽します。
種まき後に、切りワラなどを被せておくと、土の乾燥を防いで発芽を促すことができます。

プランターでの栽培方法

ビーツは根を浅く張るため、プランターサイズは横幅60cm~65㎝、深さ20cm以上が適しています。

容器の底に鉢底石を敷き、市販の野菜用培養土(pH調整済み、元肥入り)を8分目ほど入れます。
用土を自分で作る場合は、種まきの2週間前に、赤玉土5、バーミキュライト3、川砂2の割合で配合し、苦土石灰を施します。種まきの1週間前に、化成肥料を混ぜておきます。

表面を平らにしてから、棒などを使って深さ1cmほどのまき溝を作り、タネがなるべく重ならないように2~3cm間隔ですじまきにします。
好光性種子なので土を5㎜ほどかぶせて、上から板や手で軽く押さえて土と密着させます。
1粒のタネから複数の芽が出てくるので、2列にまく場合は条間を10㎝にします。

その後に水やりをしますが、タネが流れないようにやさしく水やりをします。
発芽まで10日ほど要しますが、土が乾燥すると発芽しないので、発芽するまでは毎日水やりを続けます。
プランターは、風通しの良い日なたに設置し、日照不足にならないようにします。

3.ビーツの栽培手入れ

水やり

ビーツの水やり

タネが発芽するまでは、土の表面が乾かないように毎日水やりをします。
畑栽培では、発芽後は毎日の水やりは必要ありませんが、雨が降らないときは、土の表面が乾燥したら水やりをします。

プランター栽培では、発芽後は土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
土の表面が軽く濡れただけでは水が浸透しないため、水不足になってしまいます。
プランターや鉢はたっぷりと水やりすることで、新鮮な水と空気を供給することができます。
一方、土の表面が常に湿っていると、窒息状態となって根が呼吸できなくなります。過湿状態になると根腐れの原因となるので、水のやりすぎに注意します。

間引き・土寄せ・追肥

ビーツは、株間が狭いと根が大きく育たないので、成長にあわせて間引きを行います。
畑の場合、1回目の間引きは、双葉が開いてから本葉1、2枚までの間に行い、株間は3~4㎝にします。
2回目は本葉3~4枚の頃に行い、株間は5~6㎝にします。このとき、化成肥料1㎡当たり約30gを追肥します。
3回目は本葉6~7枚までの間に行い、株間を10~12㎝ほどにします。

間引く際は、1つの種から数本の芽が出てくるので、生育の悪い芽をハサミで切り取ります。間引き後は、株が安定するように株元に土寄せを行います。
2回目以後に間引いた芽は、サラダなどにして食べることができます。

プランターの場合は、間引きを2回行います。
1回目の間引きは、双葉が開いてから本葉1、2枚までの間に行い、株間は3~4㎝にします。
2回目の間引きは株間6~8㎝にし、化成肥料10gをプランターの縁に施し、土と軽く混ぜて株元に土寄せをします。
株元に土寄せを行う際は、成長点は土で埋めないように注意します。
用土が不足していたら、肥大部分が地上に露出しないように増し土をします。

畑のビーツ

除草

雑草は土の栄養を奪い取って成長するので、ビーツを生育させるためにしっかりと除草をします。間引きの際は、雑草も一緒に取り除くようにします。
畝の上に黒マルチを設置すると雑草対策になり、保湿や地温を上げる効果にもなります。マルチを設置した場合は、点まきにして間引きを行います。

4.ビーツの収穫時期

ビーツの収穫

ビーツは、種をまいてから60日~70日後が収穫の目安となります。
春まきは5月~7月、秋まきは11月~12月が収穫時期となります。

用土から出ている根の直径が5㎝~6㎝、草丈が25~30㎝程度になった頃が収穫適期です。収穫が遅れてしまうと、スが入るので採り遅れないようします。
収穫の際は、葉の部分を束ねて根元を持ち、上に引き抜くと作業が楽になります。

ビーツの生育適温は15~20℃ですが、15℃以下になると葉が縮れて生育が悪くなるため、寒冷紗や不織布などで覆い、防寒対策をすることをおすすめします。
気温が下がるにつれて葉の赤みも増しますが、収穫が遅れると肉質が落ちてしまいます。

5.ビーツに発生しやすい病気

ビーツ(ビート)

ビーツに発生しやすい病気は、軟腐病、褐斑病などがあります。
病気を発見した場合は、他の株に伝染しないように早めに撤去処分することが大切です。

軟腐病(なんぷびょう)

軟腐病は、ビーツの葉、茎、根に発生します。地際部分が水で浸みた状態になり、やがて軟らかくなって腐ってしまう病気です。腐った部分から、独特の強い悪臭を生じます。
気温が高く、雨が多くなる梅雨の時期や、水はけが悪い場所で発病します。連作した場合も発病しやすくなります。発病した株は、根ごと抜き取って処分します。

褐斑病(かっぱんびょう)

褐斑病は、様々な植物の葉に発生します。糸状菌(カビの仲間)によって起こる病気で、葉の部分に円形の褐色の斑点が生じます。斑点になった部分はやがて枯れてしまい、株の生育が悪くなります。
間引きながら株間を適切にとり、風通しを良くします。発病した葉は早めに取り除いて処分します。
プランター栽培では、葉に水がかからないように注意します。

6.ビーツに発生しやすい害虫

春まきの場合には、害虫が発生しやすくなります。特に、ハモグリバエ、ヨトウムシ、アブラムシ、シロオビノメイガなどの被害が発生します。
早期発見を心がけて、見つけたらすぐに駆除することが大切です。
薬剤には、即効性のある化学薬品のほか、環境や人体に優しい自然派薬品も市販されています。

ハモグリバエ

ハモグリバエは小さなハエで、野菜や草花に寄生する害虫です。食害がひどくなると、生育不良になります。
幼虫が葉の組織を蛇行しながら食害するため、葉の表面が白い線を描いたようになります。
効果的な防除方法は、殺虫剤を使用します。殺虫剤を使用したくない場合は、防虫ネットで対処します。

ヨトウムシ

ヨトウムシの幼虫は、葉や茎などを食害します。ふ化した幼虫は葉を食べて成長し、土の中でサナギになり、やがて成虫になります。
幼虫は、昼間は地中に潜み、夜に地上に出て食害します。 葉の裏の卵や幼虫を見つけたら、葉ごと取り除いて捕殺します。

アブラムシ

アブラムシは、多くの植物に寄生し、葉、新芽、蕾、花などの柔らかい部分に群がります。
アブラムシが出す甘露で植物がベタベタになり、カビが生えて、すす病にもなります。
アブラムシはウイルス病を媒介しますが、ウイルス病にかかると治療法はありません。
効果的な防除方法は、殺虫剤を使用します。

シロオビノメイガ

蛾の幼虫で、葉の裏側から表面を残して食害します。ビーツやホウレンソウなどのアカザ科の野菜を好み、秋季の雨が多い年に多発します。防虫ネットをかけて、産卵を防止します。

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